少年館

華岡光

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ジョセフとアドン少佐の2人の生活27

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 「随分と遅かったですね!アドン少佐。」

 アルマンは病院から出てきたアドンを車のドアを開け出迎えながらそう言った。

 「すまない、もう演習にも間に合わないな。悪いがアルマン頼みがあるんだ。あの屋敷に行ってくれ。この子供も送る必要がある。」

     「いや、ひとまず基地に戻りましょう。この子供は私が屋敷へ送り届けますから。ド・ゴール大佐にまた罵られますよ?あの野心家の大佐は軍の中や政界からも一目置かれ、いずれ政治家にもなりそうな勢いがあるお方。ネミル大佐と階級が同じでも"発言力"が違いすぎます。あの人に睨まれたら、左遷させられるか、弱みにつけ込んで軍隊から追放なんて事にもなりかねないのですよ?

 ましてや首都パリを防衛する部隊の指揮官でもあるアドン少佐が裏でこのような事を行い、大事な軍事演習に顔を出さないとなれば・・とにかく基地に行きましょう!」

 アルマンはアドンにそう言うと車のエンジンをかけた。

 「いや、基地には行くな。そんな事よりも大事な用事ができた。屋敷に向かえ!!頼む。」

 アドンは頑なに屋敷に戻るようアルマンを説得した。
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