少年館

華岡光

文字の大きさ
上 下
106 / 174

ジョセフとアドン少佐の2人の生活89

しおりを挟む
 ネミル大佐のナチスドイツに対する懸念通り、ヒトラー率いるナチスはポーランドを制圧占拠し、フランスはドイツに宣戦布告した。そしてヒトラーの命令により、ベルギー、オランダ、フランス侵攻作戦が開始されたのであった。ヨーロッパ全土はナチスによって覆われ始めていた。

 
 ・・パリ防衛軍本部・・

 「ドイツ軍の侵攻ルートは必ずマジノ線側に主力の部隊が攻撃を仕掛けてくるだろう。我々の部隊を応援に回すわけにはいかん。余力がなければパリを守れん。」

 参謀のマジノ線への応援部隊の出動要請を簡単に却下するドゴール大佐。

 「しかし、大佐!連合軍は当てにできません。我々はなんとしてもフランスを防衛しなければならない。マジノ線は国の生命線。ここのパリ防衛軍から少しだけ兵を集めて送るだけで、それだけドイツを食い止める事ができるのですぞ!!」

 ドゴール大佐はなおも食い下がる軍参謀をはねつけた。

 「くどい!!何度言われても一兵たりともパリから他に回す事はならん!!」
しおりを挟む

処理中です...