少年館

華岡光

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その意思を受け継いで11

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 ジョセフは下半身の痛みに耐えながらもひたすら走り続けた。やがてようやくアドンがいる小屋が見えてきた。

 「お・・おに・・ちゃ・・」

 ジョセフは薄れる意識の中力の限り声を出した。

  薪を斧で割っていたアドンは森から走ってきたジョセフを見た瞬間、斧を投げ捨ててジョセフの元へとかけつけた。

     「ジョフ!!!どうしたんだ!!!何があったんだ!!!」

 倒れたジョセフを抱えながらアドンは声をかけた。

 「おじいさんのところに兵士がいて・・そして・・」

 ジョセフはそう言うと気を失った。アドンはその兵士という言葉を聞いて全てを悟った。

 「こんなところまでナチスが来やがったか・・また俺の弟を傷つけやがって・・ゆるさねえええ!!!」

 アドンは怒りを堪えながらジョセフを小屋に連れていき手当てをした。

 「ジョフ、お前このピストルは、そうか、お前抵抗したんだな。そしてこれを奪ってここまで逃げてきたんだな。偉いぞ、偉いぞ!!」

 ドイツ兵に抵抗する勇気を持ったジョセフにアドンは頭をなでながら寝てるジョセフに語り続けた。

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