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~ある日のお茶会にて~
「きゃあ!酷いわアリシアさん…!わざと私のドレスにお茶をこぼすなんて…。平民の私はお父さんが頑張って買ってくれたこのドレスしかないのに……」
新しい茶番劇ね。まずそのドレス、父親が買ったのではなくマナーレッスンの為に学校から平民に支給された物でしょうに。
それで私がわざと紅茶をこぼした、ねえ?どうして隣に座ってくるのかと思えばそういう目論見だったのね。また随分とお馬鹿さんだこと。
チラチラとこの場で1番位の高いヴァローリス第一王女に視線を送って助けてくれるのを今か今かと待ち構えている。そんな雌豚に対して満面の笑みでその腹立つ面にティーカップの中身をぶちまけた。
「………えっ?」
「あら、ごめんなさい。先程のは故意ではなかったの。
ただ貴女が騒ぐから紅茶が冷めてしまった上に、その際に唾が入ってしまったので処分しようとしたらまさかそんな所にいるなんて。と、まあ建前はこの辺で、もちろん今のは故意ですわ。熱いお茶でなかったこと、感謝してくださってもいいのよ。
それで、大事なドレス、洗ってらしてはいかが?」
(訳:私がここまでしてもこの場で貴女を助ける人なんていないからさっさと去ったらどうなの?)
「なっ、なっ…!」
怒りに震えながら私への非難をヴァローリス王女に伝えようとそちらに顔を向けたものの、王女はそれを拒否するように反対側に座っていた令嬢に声を掛け会話を始めた。
まあ当然よね。だってヴァローリス王女は以前ウラド様に粉かけて来たから、しっかりとウラド様への恋情も私への対抗心もバッキバキに踏み潰して差し上げたもの。
「エリス様。そのままでは風邪を引いてしまいますわ。どうぞ着替えるだけでなく、お湯に浸かって温まってらして?お茶会のことなど、気にせずに」
「っ!!!」
その言葉を聞いたのを最後にエリス様はバンッと強めにテーブルを叩き、寮までの道を走り出した。
彼女、どうして今になって女性陣を味方につけようとするのかしら?今まで色んな男子生徒に媚び売って女子生徒からはとっくに嫌われまくっているというのに。
「騒がしくしてしまい申し訳ありません」
「…いえ、その、悩みの種は解消しましたからお茶会を再開しましょうか」
「ええ、ヴァローリス王女」
「や、やだ。昔みたいに気軽に話してちょうだい。私とアリシアの仲じゃない。ね?」
「暫く会えていなかったのにそう言っていただけるなんて、光栄ですわ。ヴァローリス王女」
私に微笑み返すヴァローリス王女の顔に怯えが見えるのは、まあ当然、無視の方向で。
「きゃあ!酷いわアリシアさん…!わざと私のドレスにお茶をこぼすなんて…。平民の私はお父さんが頑張って買ってくれたこのドレスしかないのに……」
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それで私がわざと紅茶をこぼした、ねえ?どうして隣に座ってくるのかと思えばそういう目論見だったのね。また随分とお馬鹿さんだこと。
チラチラとこの場で1番位の高いヴァローリス第一王女に視線を送って助けてくれるのを今か今かと待ち構えている。そんな雌豚に対して満面の笑みでその腹立つ面にティーカップの中身をぶちまけた。
「………えっ?」
「あら、ごめんなさい。先程のは故意ではなかったの。
ただ貴女が騒ぐから紅茶が冷めてしまった上に、その際に唾が入ってしまったので処分しようとしたらまさかそんな所にいるなんて。と、まあ建前はこの辺で、もちろん今のは故意ですわ。熱いお茶でなかったこと、感謝してくださってもいいのよ。
それで、大事なドレス、洗ってらしてはいかが?」
(訳:私がここまでしてもこの場で貴女を助ける人なんていないからさっさと去ったらどうなの?)
「なっ、なっ…!」
怒りに震えながら私への非難をヴァローリス王女に伝えようとそちらに顔を向けたものの、王女はそれを拒否するように反対側に座っていた令嬢に声を掛け会話を始めた。
まあ当然よね。だってヴァローリス王女は以前ウラド様に粉かけて来たから、しっかりとウラド様への恋情も私への対抗心もバッキバキに踏み潰して差し上げたもの。
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「っ!!!」
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