Non Piangere

針野えんじゅ

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第十章 笑顔

終わりの始まり

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 「やっ……と、開放された……」
 牢から出されたシュレアは大きく伸びをする。そして気づく、城の中が異様に静かなことに。
 いつもそれほど賑やかではないが、今日は人の気配がない。
 牢に入れられていたシュレアには、リウの処刑の詳細は知らされていなかった。その為、シュレアはリウが処刑されることは知っていても、詳しい日時は知らなかったのだ。
 「ああ、シュレア、あなた今日釈放だったのね」
 たまたま通りかかったのはシュレアのことをあまり良く思っていない者で、まるでもう出てきたのかとでも言うような表情を見せた。しかし、シュレアはそれを特に気にすることも無く、ともかくもう一度リウに会って話をしなければならないと、歩き出そうとするとさらに声をかけられる。
 「あなたは行かなくていいの?」
 どういう意味だと振り返ると、彼女はニヤニヤと笑いながらこちらを見ていた。
 「あら?知らないの?なら、その方が幸せかもねぇ?」
 その一言で嫌な汗が顔に吹き出したのがわかった。まさか。
 「リウ様は…!」
 彼女の肩に掴みかかると、彼女は心底楽しそうに笑って言った。
 「もう手遅れかもね?」

 迂闊だった。しばらくは猶予があるものだと思っていた。どうか、どうか間に合ってとシュレアは必死に走った。スカートが脚にまとわりついて、走りにくい。それでもとにかく急がなければと、シュレアは処刑台を目指した。

 普段は公開などされない処刑場。しかし、今日は城下からの入場が許されており、たくさんの人で溢れ返っていた。
 シュレアがそこについた頃には溢れるくらいの人、人、人。辛うじて処刑台が見えるかどうかといった所だ。どうにか人の間を縫い処刑台に近づこうとシュレアが四苦八苦していると、突然周りの人達が一瞬静まり返った。何事かと処刑台の方を見ると壇上にリクシュアーレが登っていた。
 そして、それに続いて、ゆっくりと彼女が姿を現し、シュレアは思わず叫んだ。
 「リウ様…!!!」
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