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リウ様迷子事件
初めてのお出かけ
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「それじゃあ、お父さん、お母さん、行ってきます!」
城の出入口で元気な声が響き渡った。サーモンピンクの髪ををふわふわと揺らして、まだ幼いその子は、これから、初めて城の外へ出かけようというところだった。少女の名前はリウ。この小さなミレイユ王国の姫であった。
「気をつけてね」
「はーい!」
両親に見送られ、リウは2人の使用人とともに城下町へと向かった。
「いいですか、リウ様」
そう前置きして、あみだくじで今回の姫のお付が決まったライラークが話し始めた。
「城で申し上げたお約束は必ず守ってください。特に1人での行動をなさらないよう、行きたいところがあれば私かミルトに申し付けてください」
城での約束事、はたして、この3歳の少女がどこまで理解しているのだろうか。1人で動き回らないこと、店のものに勝手に触れないこと、王族であることをバラさないこと。城で伝えた約束事を思い出しながら、「分かりましたか?」と問うと「はーい!」と元気のいい返事が返ってくる。
「…本当に分かっているんだろうか…」
ライラークは頭を抱えながらぽつりと呟いた。すると、それに対し、共に着いてきていたミルトがクスクスと笑いながら言う。
「まあ、大丈夫よ。そのための私たちでしょう」
「…それもそうか…」
はあ、とひとつ大きいため息をつくと、もう既に1人で動き回ろうとしている姫のあとを追うことにした。
リウは初めて見るものたちに大興奮した様子で、あれが欲しいこれが見たいと大騒ぎ。いくらフードのついたローブを着ているとはいえ、王族であることがバレやしないかとライラークはひとりヒヤヒヤし、ミルトはその横で穏やかに笑みを浮かべていた。
気づけば荷物は山のように積み重なり、3人は公園で休憩することにした。
「どれだけ買う気だ、あの姫さんは…」
「初めて城から出たんだもの、きっと嬉しいのよ」
そんな会話をしていると、
「ラーク!次はこっちこっち!」
とリウは手を振ってライラークを呼んだ。はいはい、とライラークがミルトの傍を離れると、ミルトの持つ携帯端末に連絡が入った。
「はい、ミルトです」
ミルトは連絡に応えるとすこしその場を離れた。
「アイスですか…さっきクレープも食べてませんでした…?腹壊しますよ」
「大丈夫なのー!食べるーー!3つ乗ったやつー!」
「…せめてふたつにしてください」
そんなことを言いながら、ライラークはアイスクリームの屋台へと向かった。もちろん、リウを隣に居させた上で。
だから、ライラークは油断した。リウの興味を侮っていた。
.•*¨*•.¸¸♬
リウはどこかから音楽が聞こえてきていることに気づき、キョロキョロとあたりを見回した。すると、どうやら公園の中央にある人だかりの方から聞こえているようだ。リウは音の発信源を見つけるとタタタッとその場を離れてしまったのだ。
城の出入口で元気な声が響き渡った。サーモンピンクの髪ををふわふわと揺らして、まだ幼いその子は、これから、初めて城の外へ出かけようというところだった。少女の名前はリウ。この小さなミレイユ王国の姫であった。
「気をつけてね」
「はーい!」
両親に見送られ、リウは2人の使用人とともに城下町へと向かった。
「いいですか、リウ様」
そう前置きして、あみだくじで今回の姫のお付が決まったライラークが話し始めた。
「城で申し上げたお約束は必ず守ってください。特に1人での行動をなさらないよう、行きたいところがあれば私かミルトに申し付けてください」
城での約束事、はたして、この3歳の少女がどこまで理解しているのだろうか。1人で動き回らないこと、店のものに勝手に触れないこと、王族であることをバラさないこと。城で伝えた約束事を思い出しながら、「分かりましたか?」と問うと「はーい!」と元気のいい返事が返ってくる。
「…本当に分かっているんだろうか…」
ライラークは頭を抱えながらぽつりと呟いた。すると、それに対し、共に着いてきていたミルトがクスクスと笑いながら言う。
「まあ、大丈夫よ。そのための私たちでしょう」
「…それもそうか…」
はあ、とひとつ大きいため息をつくと、もう既に1人で動き回ろうとしている姫のあとを追うことにした。
リウは初めて見るものたちに大興奮した様子で、あれが欲しいこれが見たいと大騒ぎ。いくらフードのついたローブを着ているとはいえ、王族であることがバレやしないかとライラークはひとりヒヤヒヤし、ミルトはその横で穏やかに笑みを浮かべていた。
気づけば荷物は山のように積み重なり、3人は公園で休憩することにした。
「どれだけ買う気だ、あの姫さんは…」
「初めて城から出たんだもの、きっと嬉しいのよ」
そんな会話をしていると、
「ラーク!次はこっちこっち!」
とリウは手を振ってライラークを呼んだ。はいはい、とライラークがミルトの傍を離れると、ミルトの持つ携帯端末に連絡が入った。
「はい、ミルトです」
ミルトは連絡に応えるとすこしその場を離れた。
「アイスですか…さっきクレープも食べてませんでした…?腹壊しますよ」
「大丈夫なのー!食べるーー!3つ乗ったやつー!」
「…せめてふたつにしてください」
そんなことを言いながら、ライラークはアイスクリームの屋台へと向かった。もちろん、リウを隣に居させた上で。
だから、ライラークは油断した。リウの興味を侮っていた。
.•*¨*•.¸¸♬
リウはどこかから音楽が聞こえてきていることに気づき、キョロキョロとあたりを見回した。すると、どうやら公園の中央にある人だかりの方から聞こえているようだ。リウは音の発信源を見つけるとタタタッとその場を離れてしまったのだ。
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