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リウ様迷子事件
2人の。
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公園の中央では、踊り子がダンスを披露していた。リウは髪をスカートを揺らし、軽快にステップを踏んで踊る様子を眺め、目を輝かせていた。
「すごい…とっても綺麗…」
そんなリウを、遠目から見るふたりの影。齢は五、六歳と言ったところか。
「おい、あれ」
「うん」
そうして2人は目配せをし合ってニヤリと笑った。
「やるか」
そんなことは露とも知らないリウに2人が声をかける。
「ねえ、そこのお嬢さん」
その声にリウが振り返ると、2人の少年は先程とは変わり、非常に少年らしい屈託のない笑顔を見せ、話し始めた。
「さっき女の子がはぐれて探してる人がいたんだけど、ひょっとして、君のこと?」
その言葉にリウは、何も言わずにライラークのもとを離れてしまったことを思い出した。まずい、そう思ったが、2人の元へ戻る手立てが分からない。自力で戻るにはあちこちウロウロしすぎてしまっている。
「やっぱり!おいで、近道を教えてあげる」
2人組の少年のうち、背の高い方の赤毛の少年がそう言うと、その隣にいた背の低い、色素の薄い髪の少年もにこりと笑った。
◇◆◇
「リウ様がいなくなった!?」
ミルトは焦ったように声を上げると、自身の持つ携帯端末を取り出した。
「それいつの話!?」
「今さっきだと…ちょっとその辺見てくる」
焦ったように問いただすと、ライラークは青ざめた顔で答えた。
「わかった、私は城に連絡しておく!」
ライラークは駆け出し、ミルトは早速手に持った携帯端末で城に連絡を取った。
リウ様…どうか、ご無事で…!そう願いながら。
「すごい…とっても綺麗…」
そんなリウを、遠目から見るふたりの影。齢は五、六歳と言ったところか。
「おい、あれ」
「うん」
そうして2人は目配せをし合ってニヤリと笑った。
「やるか」
そんなことは露とも知らないリウに2人が声をかける。
「ねえ、そこのお嬢さん」
その声にリウが振り返ると、2人の少年は先程とは変わり、非常に少年らしい屈託のない笑顔を見せ、話し始めた。
「さっき女の子がはぐれて探してる人がいたんだけど、ひょっとして、君のこと?」
その言葉にリウは、何も言わずにライラークのもとを離れてしまったことを思い出した。まずい、そう思ったが、2人の元へ戻る手立てが分からない。自力で戻るにはあちこちウロウロしすぎてしまっている。
「やっぱり!おいで、近道を教えてあげる」
2人組の少年のうち、背の高い方の赤毛の少年がそう言うと、その隣にいた背の低い、色素の薄い髪の少年もにこりと笑った。
◇◆◇
「リウ様がいなくなった!?」
ミルトは焦ったように声を上げると、自身の持つ携帯端末を取り出した。
「それいつの話!?」
「今さっきだと…ちょっとその辺見てくる」
焦ったように問いただすと、ライラークは青ざめた顔で答えた。
「わかった、私は城に連絡しておく!」
ライラークは駆け出し、ミルトは早速手に持った携帯端末で城に連絡を取った。
リウ様…どうか、ご無事で…!そう願いながら。
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