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年上と年下
「まず、土属性は地味ではないわ。魔法は使う人によって、使い方によってその形が変わる。土属性が地味だと思うのは、それはフロレンツが地味な使い方しかできないからよ」
フロレンツは呆然とした顔で足を止めて私を見た。年下だけど身長はあまり変わらない。私はフロレンツの目を真っすぐに見た。
結構辛辣なことを言っているのかもしれない。だけどフロレンツに必要なのは夢ではなく現実だ。優しく寄り添ってあげてもきっと何も解決しない。
「実際、土属性って結構便利よ。素質にもよるけど、何もないところから何でも作れるんだから。他の属性みたいに作れるものに制限がないもの」
私も試してみたが、水や火、風などの他の属性を持つ物は作れないけど、他の物は大抵作ることができた。私の頭の中にあるものなら。例えこの世界に存在しない物であっても。
「それから皆に追いつけないのも別に不思議なことじゃないわ。これはフロレンツの努力が足りないわけもはないの。子供のうちの年齢差って結構大きいのよ」
愛玲奈の時でも四月生まれのこと三月生まれの子は同じ学年でも身長は全然違った。小学生のうちは特に。それが二年ともなるとそれはそれは大きな差だ。
「フロレンツが言っているのは剣や勉強のことでしょう? 剣において体格差があればかなり不利よ。勉強面では単純に生きている年数が違うのだから、勉強量が二年分違うの。さらに殿下もレオン様もマクシミリアン様もかなり努力家な方たちよ。フロレンツが同じくらい努力したって敵わなくて当然だわ」
「全部僕が年下だからじゃないか……」
まあそれはそうだ。でもそれが現実なんだから仕方ないじゃん。
「あら、年下は嫌なの?」
「嫌に決まってるでしょ」
年下の方が皆から可愛がられるし、甘やかされるし、良いことづくめな気もするんだけど。弟と妹を持つ千香が言っていた。お姉ちゃんだからって我慢しないといけないし、何かあったら怒られるし、上は損だって。
私は一人っ子だったからその辺りはよく分からないけど。まあ結局はないものねだりってことか。
「フロレンツはもう少しクリスを見習うべきだわ。クリスは妹としてよくヨハン様に頼っているのよ」
例えば欲しいものがある時や、困った時、提出物が間に合わない時。よく甘える姿を見る。まあ提出物に関してはヨハンだって厳しいけど。それは教師と生徒だし。
フロレンツは私をじっと見てくる。その視線は何か言いたげだ。少ししてフロレンツは深いため息を吐いた。何か言うのかと待って見るが口を開く気はないらしい。
「まあ、年齢はどうにもならないわ。あと数年もすればそんなもの気にならなくなるわよ。きっとフロレンツはわたくしよりも背が高くなるし、力だって敵わなくなるわ。そんなのすぐよ。だから今は自分を信じて頑張ればいいの」
私がゲームで知っていたフロレンツは、少なくとも身長は皆よりも小さかったが、リリーと同じくらいはあった。顔は子供らしさの残った可愛らしい感じではあったけど、リリーを守れるくらいの強さはあった。
あの感じだといつかフロレンツも皆に負けず劣らずになれるだろう。まあフロレンツルートなんてしてないから詳しいことは知らないけど。
「もちろん、今サボったら何年たっても皆にかなわないままだから気を付けてね」
私はそんな言葉で締めくくった。フロレンツの心を変えられるようなことを言ったのかは分からない。まだ少し納得のいかない顔ではあるが、フロレンツは再び深いため息を吐いた。
「分かったよ。エレナちゃんを信じて頑張ってみる。だけど、もし何年経っても皆に追いつけなかったらその時はエレナちゃんをお嫁にもらうからね」
なんの脈絡もなく出て来た言葉に、私は思わず「えっ!?」と言ってしまった。いやいや、それは全く関係ないでしょ。大体私従姉弟だし。……従兄妹は四親等だから結婚できるか。まあこの世界ではどうなっているのか知らないけど。
「何、偉そうに言うんだからエレナちゃんだってそれなりのリスクを負わないと」
フロレンツはそう言ってニヤッと笑った。だから私何も関係ないから! 私励まそうとしただけなのに理不尽だ!
「残念ね、わたくし婚約者がいるのよ」
まあいい。こんな時くらいラルフに役に立ってもらおう。ラルフが切り札って言うのは少し、いやかなり不満だけど。しかしフロレンツは動じなかった。
「それはその時に考えるからいいよ」
なんて平気な顔で言う。え、いや、それどっち!? 本気? 冗談?
よく分からず、私がおろおろしていると、フロレンツは可笑しそうに笑って言った。
「ほら、エレナちゃん、早く行くよ」
そう言って歩き出したフロレンツの表情は晴れやかで、私はもうどっちでもいいかな、と考えるのを放棄した。まあ大丈夫。フロレンツは立派になるから。……多分。
フロレンツは呆然とした顔で足を止めて私を見た。年下だけど身長はあまり変わらない。私はフロレンツの目を真っすぐに見た。
結構辛辣なことを言っているのかもしれない。だけどフロレンツに必要なのは夢ではなく現実だ。優しく寄り添ってあげてもきっと何も解決しない。
「実際、土属性って結構便利よ。素質にもよるけど、何もないところから何でも作れるんだから。他の属性みたいに作れるものに制限がないもの」
私も試してみたが、水や火、風などの他の属性を持つ物は作れないけど、他の物は大抵作ることができた。私の頭の中にあるものなら。例えこの世界に存在しない物であっても。
「それから皆に追いつけないのも別に不思議なことじゃないわ。これはフロレンツの努力が足りないわけもはないの。子供のうちの年齢差って結構大きいのよ」
愛玲奈の時でも四月生まれのこと三月生まれの子は同じ学年でも身長は全然違った。小学生のうちは特に。それが二年ともなるとそれはそれは大きな差だ。
「フロレンツが言っているのは剣や勉強のことでしょう? 剣において体格差があればかなり不利よ。勉強面では単純に生きている年数が違うのだから、勉強量が二年分違うの。さらに殿下もレオン様もマクシミリアン様もかなり努力家な方たちよ。フロレンツが同じくらい努力したって敵わなくて当然だわ」
「全部僕が年下だからじゃないか……」
まあそれはそうだ。でもそれが現実なんだから仕方ないじゃん。
「あら、年下は嫌なの?」
「嫌に決まってるでしょ」
年下の方が皆から可愛がられるし、甘やかされるし、良いことづくめな気もするんだけど。弟と妹を持つ千香が言っていた。お姉ちゃんだからって我慢しないといけないし、何かあったら怒られるし、上は損だって。
私は一人っ子だったからその辺りはよく分からないけど。まあ結局はないものねだりってことか。
「フロレンツはもう少しクリスを見習うべきだわ。クリスは妹としてよくヨハン様に頼っているのよ」
例えば欲しいものがある時や、困った時、提出物が間に合わない時。よく甘える姿を見る。まあ提出物に関してはヨハンだって厳しいけど。それは教師と生徒だし。
フロレンツは私をじっと見てくる。その視線は何か言いたげだ。少ししてフロレンツは深いため息を吐いた。何か言うのかと待って見るが口を開く気はないらしい。
「まあ、年齢はどうにもならないわ。あと数年もすればそんなもの気にならなくなるわよ。きっとフロレンツはわたくしよりも背が高くなるし、力だって敵わなくなるわ。そんなのすぐよ。だから今は自分を信じて頑張ればいいの」
私がゲームで知っていたフロレンツは、少なくとも身長は皆よりも小さかったが、リリーと同じくらいはあった。顔は子供らしさの残った可愛らしい感じではあったけど、リリーを守れるくらいの強さはあった。
あの感じだといつかフロレンツも皆に負けず劣らずになれるだろう。まあフロレンツルートなんてしてないから詳しいことは知らないけど。
「もちろん、今サボったら何年たっても皆にかなわないままだから気を付けてね」
私はそんな言葉で締めくくった。フロレンツの心を変えられるようなことを言ったのかは分からない。まだ少し納得のいかない顔ではあるが、フロレンツは再び深いため息を吐いた。
「分かったよ。エレナちゃんを信じて頑張ってみる。だけど、もし何年経っても皆に追いつけなかったらその時はエレナちゃんをお嫁にもらうからね」
なんの脈絡もなく出て来た言葉に、私は思わず「えっ!?」と言ってしまった。いやいや、それは全く関係ないでしょ。大体私従姉弟だし。……従兄妹は四親等だから結婚できるか。まあこの世界ではどうなっているのか知らないけど。
「何、偉そうに言うんだからエレナちゃんだってそれなりのリスクを負わないと」
フロレンツはそう言ってニヤッと笑った。だから私何も関係ないから! 私励まそうとしただけなのに理不尽だ!
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まあいい。こんな時くらいラルフに役に立ってもらおう。ラルフが切り札って言うのは少し、いやかなり不満だけど。しかしフロレンツは動じなかった。
「それはその時に考えるからいいよ」
なんて平気な顔で言う。え、いや、それどっち!? 本気? 冗談?
よく分からず、私がおろおろしていると、フロレンツは可笑しそうに笑って言った。
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