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アイドル
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「みんなー! 今日は私の為に集まってくれてありがとー!」
ふりふりの可愛いステージ衣装を身に付けたエマはアイドルとしてのステージに立っていた。
ヒーローの仕事をしている時の、凜としたクールな彼女はそこに無い。
トップアイドルとしてファンのみんなを楽しませる、アイドル(偶像)としての可愛らしい姿は、他の追随を許さない完璧なモノだった。
エマは仕事に対して妥協をしない。
例え彼女の本質が、みんなから愛されるアイドルとは全く真逆なクールなビジネスウーマンだったとしても、可愛さ溢れる完ぺきなアイドルを演じる事ができるのだ。
歓声が鳴り響く。
客席のボルテージは最高潮だ。
「それじゃあ最初の曲・・・”キスミー・マイダーリン”!」
エマの代表曲。
思わず楽しくなるようなポップなミュージックが流れてきてエマはリズムに合わせて華麗なステップを踏んだ。
目指していたモノでは無い。
それでもエマはアイドル活動が嫌いな訳では無かった。
華やかなステージ、ファン達と一緒に盛り上がるライブの一体感・・・それは確かにエマの目指していたモノとは違って、それでも掛け替えのない今なのだから。
しかしエマは歌を歌いながら異変に気がついた。
客席に空席が目立つ。
この会場はそこまで規模の大きなモノでは無く、エマの人気であれば満席は当たり前なのだがどうやら今回のライブは満席では無いらしい。
心当たりはあった。
きっと最近始めたヒーロー活動のせいだ。
ファンの全員がエマがヒーローになることに肯定的では無い事は知っていた。アイドルがヒーローの活動をすることについて世間の目が冷たい事も知っている。
ポップな歌詞の歌を歌いながら、エマの心は少しずつ冷えていくようだった。
「お疲れ様エマ、今日のステージ良かったわよ」
マネージャーが労をねぎらいながら、ライブを終えたエマにスポーツ飲料の入ったペットボトルを渡してきた。
エマは「ありがとう」と小さく礼を言ってそれを受け取ると、キャップを外して少し甘めの液体を口に流し込む。
よく冷えたスポーツ飲料が火照った体に心地よかった。
「・・・今日は空席が目立ったわね」
エマのその呟きに、隣に立っていたマネージャーはため息をついた。
「エマ・・・その理由は自分でもわかっているんでしょ?」
マネージャーのその言葉に、エマは無言で視線を逸らした。
「・・・はぁ。エマ、私は今でもアナタのヒーロー活動には反対よ。それがアナタの夢だったということは知ってる。でもこれからもアナタがアイドルとして活動するのならヒーローの仕事はマイナスにしかならないわ」
「・・・・・・そんなこと、わかっているわ」
エマは小さな声でそう言って、飲みかけのペットボトルを机に置いた。
「・・・シャワー浴びてくる」
理解していた。
ヒーローとして活動したのなら大なり小なりアイドルとしての活動に影響があることは分かっていた。
エマはシャワーに打たれながら小さくため息をついた。
「・・・・・・中途半端ね、私は」
わかっていた筈なのに、とてつもなく悔しいのだ。
結局自分は夢の為に全てを捨てる覚悟でヒーローになったのに、アイドルとしての自分も捨て切れてないのだから。
エマは先ほどのライブでの憂鬱な気持ちを引きずりながら、ヒーロー達が拠点としている軍事施設に出勤した。
ライブの後のヒーロー活動というのはかなりのハードスケジュールだが、泣き言は言っていられない。
「おはようございます。エマ・R・ミラーただいま出勤致しました・・・」
挨拶をしながら事務室の扉を開けると、そこには見慣れぬビジネススーツ姿の女性が立っていた。
「初めましてエマ・R・ミラーさん。私は本日よりこの部隊に配属されましたオペレーターのメグ・アストゥートと申します。以後お見知りおきを」
ふりふりの可愛いステージ衣装を身に付けたエマはアイドルとしてのステージに立っていた。
ヒーローの仕事をしている時の、凜としたクールな彼女はそこに無い。
トップアイドルとしてファンのみんなを楽しませる、アイドル(偶像)としての可愛らしい姿は、他の追随を許さない完璧なモノだった。
エマは仕事に対して妥協をしない。
例え彼女の本質が、みんなから愛されるアイドルとは全く真逆なクールなビジネスウーマンだったとしても、可愛さ溢れる完ぺきなアイドルを演じる事ができるのだ。
歓声が鳴り響く。
客席のボルテージは最高潮だ。
「それじゃあ最初の曲・・・”キスミー・マイダーリン”!」
エマの代表曲。
思わず楽しくなるようなポップなミュージックが流れてきてエマはリズムに合わせて華麗なステップを踏んだ。
目指していたモノでは無い。
それでもエマはアイドル活動が嫌いな訳では無かった。
華やかなステージ、ファン達と一緒に盛り上がるライブの一体感・・・それは確かにエマの目指していたモノとは違って、それでも掛け替えのない今なのだから。
しかしエマは歌を歌いながら異変に気がついた。
客席に空席が目立つ。
この会場はそこまで規模の大きなモノでは無く、エマの人気であれば満席は当たり前なのだがどうやら今回のライブは満席では無いらしい。
心当たりはあった。
きっと最近始めたヒーロー活動のせいだ。
ファンの全員がエマがヒーローになることに肯定的では無い事は知っていた。アイドルがヒーローの活動をすることについて世間の目が冷たい事も知っている。
ポップな歌詞の歌を歌いながら、エマの心は少しずつ冷えていくようだった。
「お疲れ様エマ、今日のステージ良かったわよ」
マネージャーが労をねぎらいながら、ライブを終えたエマにスポーツ飲料の入ったペットボトルを渡してきた。
エマは「ありがとう」と小さく礼を言ってそれを受け取ると、キャップを外して少し甘めの液体を口に流し込む。
よく冷えたスポーツ飲料が火照った体に心地よかった。
「・・・今日は空席が目立ったわね」
エマのその呟きに、隣に立っていたマネージャーはため息をついた。
「エマ・・・その理由は自分でもわかっているんでしょ?」
マネージャーのその言葉に、エマは無言で視線を逸らした。
「・・・はぁ。エマ、私は今でもアナタのヒーロー活動には反対よ。それがアナタの夢だったということは知ってる。でもこれからもアナタがアイドルとして活動するのならヒーローの仕事はマイナスにしかならないわ」
「・・・・・・そんなこと、わかっているわ」
エマは小さな声でそう言って、飲みかけのペットボトルを机に置いた。
「・・・シャワー浴びてくる」
理解していた。
ヒーローとして活動したのなら大なり小なりアイドルとしての活動に影響があることは分かっていた。
エマはシャワーに打たれながら小さくため息をついた。
「・・・・・・中途半端ね、私は」
わかっていた筈なのに、とてつもなく悔しいのだ。
結局自分は夢の為に全てを捨てる覚悟でヒーローになったのに、アイドルとしての自分も捨て切れてないのだから。
エマは先ほどのライブでの憂鬱な気持ちを引きずりながら、ヒーロー達が拠点としている軍事施設に出勤した。
ライブの後のヒーロー活動というのはかなりのハードスケジュールだが、泣き言は言っていられない。
「おはようございます。エマ・R・ミラーただいま出勤致しました・・・」
挨拶をしながら事務室の扉を開けると、そこには見慣れぬビジネススーツ姿の女性が立っていた。
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