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パトロール
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「しかしこのパトロールという行為は本当に意味があるのでしょうか? こういう仕事は警察に任せるべきでは?」
ヒーロースーツに身を包んだエマは前を歩くルーカスに苦言を言った。同じくヒーロースーツに身を包んだルーカスも気持ちはわかるとばかりに苦笑する。
「確かに馬鹿らしくなる気持ちもわかる。こんな派手な衣装を着て徒歩でパトロールだもんな」
そう言いながら道行く小さな子供に手を振ってやるルーカス。その姿はまさに気さくなヒーローそのもの、普段の彼が見せるシニカルな雰囲気を一切感じさせないのは流石はプロといった所だろうか。
「しかしな嬢ちゃん。この無意味に思えるパトロールにも色々意味があるらしいぜリーダーの受け売りだけどよ」
「意味とは?」
「まず俺たちの役割として国のイメージアップってのがあるだろ? いわば俺たちはベースボールチームのマスコットキャラクターみたいなもんだ。こうして衣装を着て歩いて街を見て回る事でヒーローに守られているという安心感を市民に与えることが出来るし、正義の象徴である俺たちが巡回することそのものが犯罪の抑止力になるという考え方もある」
なるほど。とエマはルーカスの説明に納得した。
確かにこの派手な衣装を着て街を歩く事で少なからず犯罪者への牽制にはなるだろう。
「まあ仕事とはいえこの派手なスーツは苦手だがな・・・リーダーに誘われてこの部隊に来たんだが、どうにも俺にはこういう表の仕事は性に合わないらしい」
エマはそうぼやいたルーカスの装備をちらりと一瞥した。
身体の至るところにしまわれている大量の銃器。
それは非殺を信条としているヒーローが持つにしてはあまりにも殺傷能力の高すぎる装備だ。
”ガンマスター”
そう呼ばれる彼の本領は恐らくヒーロー部隊に所属していては発揮されないのだろう。しかし向き不向きに関係なく、彼はこうして正義の象徴のヒーローでありつづけている。
きっと重要なのは彼が未だにヒーローであるという事実、それだけなのだろう。
「ふふっ、スーツお似合いですよ ”ガンマスター”」
エマの言葉にルーカスは一瞬ポカンと呆けたような表情を浮かべるが、すぐに何時ものシニカルな笑みを浮かべて口を開いた。
「ありがとよ。嬢ちゃんのスーツも似合ってるぜ。そのピンク色は嬢ちゃんにしか着こなせねえ」
「こう見えてもアイドルですから」
そして互いにおかしくなって笑い合う。
和やかな雰囲気が流れた次の瞬間、人通りの多いメインストリートで二人は声をかけられた。
「なあアンタ達ヒーローってやつだろ?」
それは奇妙な男だった。
肩幅の広い大柄の男。服の上からでもわかる隆起した筋肉。
緑色のニット帽を深く被り、背中には何故かぱんぱんに大きくなった登山用のリュックを背負っている。
「・・・確かに俺たちはヒーローだが・・・何か用かな?」
ルーカスの言葉に男は興奮したように答える。
「やっぱりか! そうか・・・なあアンタ・・・・・・俺と喧嘩しようぜ?」
そう言うと男・・・喧嘩屋のクラウスは背負っていたリュックを下ろすと逆さまにして中身を地面にぶちまけた。
ソレはこぶし大の石、砕けたコンクリートの破片、レンガの瓦礫・・・。
次の瞬間、クラウスは能力を発動する。
地面にぶちまけられたモノが一斉にクラウスの身体に引き寄せられた。
”全ては我が鎧となる”(フォームレス・アーマー)
石、瓦礫、鉄クズ・・・クラウスの周囲にある砕かれた鉱物は全て彼の身を護る鎧へと替わる。
「さあ、やろうか!!」
全身を石の鎧で固めたクラウス。その姿はまるで歩く要塞のようだった。
◇
ヒーロースーツに身を包んだエマは前を歩くルーカスに苦言を言った。同じくヒーロースーツに身を包んだルーカスも気持ちはわかるとばかりに苦笑する。
「確かに馬鹿らしくなる気持ちもわかる。こんな派手な衣装を着て徒歩でパトロールだもんな」
そう言いながら道行く小さな子供に手を振ってやるルーカス。その姿はまさに気さくなヒーローそのもの、普段の彼が見せるシニカルな雰囲気を一切感じさせないのは流石はプロといった所だろうか。
「しかしな嬢ちゃん。この無意味に思えるパトロールにも色々意味があるらしいぜリーダーの受け売りだけどよ」
「意味とは?」
「まず俺たちの役割として国のイメージアップってのがあるだろ? いわば俺たちはベースボールチームのマスコットキャラクターみたいなもんだ。こうして衣装を着て歩いて街を見て回る事でヒーローに守られているという安心感を市民に与えることが出来るし、正義の象徴である俺たちが巡回することそのものが犯罪の抑止力になるという考え方もある」
なるほど。とエマはルーカスの説明に納得した。
確かにこの派手な衣装を着て街を歩く事で少なからず犯罪者への牽制にはなるだろう。
「まあ仕事とはいえこの派手なスーツは苦手だがな・・・リーダーに誘われてこの部隊に来たんだが、どうにも俺にはこういう表の仕事は性に合わないらしい」
エマはそうぼやいたルーカスの装備をちらりと一瞥した。
身体の至るところにしまわれている大量の銃器。
それは非殺を信条としているヒーローが持つにしてはあまりにも殺傷能力の高すぎる装備だ。
”ガンマスター”
そう呼ばれる彼の本領は恐らくヒーロー部隊に所属していては発揮されないのだろう。しかし向き不向きに関係なく、彼はこうして正義の象徴のヒーローでありつづけている。
きっと重要なのは彼が未だにヒーローであるという事実、それだけなのだろう。
「ふふっ、スーツお似合いですよ ”ガンマスター”」
エマの言葉にルーカスは一瞬ポカンと呆けたような表情を浮かべるが、すぐに何時ものシニカルな笑みを浮かべて口を開いた。
「ありがとよ。嬢ちゃんのスーツも似合ってるぜ。そのピンク色は嬢ちゃんにしか着こなせねえ」
「こう見えてもアイドルですから」
そして互いにおかしくなって笑い合う。
和やかな雰囲気が流れた次の瞬間、人通りの多いメインストリートで二人は声をかけられた。
「なあアンタ達ヒーローってやつだろ?」
それは奇妙な男だった。
肩幅の広い大柄の男。服の上からでもわかる隆起した筋肉。
緑色のニット帽を深く被り、背中には何故かぱんぱんに大きくなった登山用のリュックを背負っている。
「・・・確かに俺たちはヒーローだが・・・何か用かな?」
ルーカスの言葉に男は興奮したように答える。
「やっぱりか! そうか・・・なあアンタ・・・・・・俺と喧嘩しようぜ?」
そう言うと男・・・喧嘩屋のクラウスは背負っていたリュックを下ろすと逆さまにして中身を地面にぶちまけた。
ソレはこぶし大の石、砕けたコンクリートの破片、レンガの瓦礫・・・。
次の瞬間、クラウスは能力を発動する。
地面にぶちまけられたモノが一斉にクラウスの身体に引き寄せられた。
”全ては我が鎧となる”(フォームレス・アーマー)
石、瓦礫、鉄クズ・・・クラウスの周囲にある砕かれた鉱物は全て彼の身を護る鎧へと替わる。
「さあ、やろうか!!」
全身を石の鎧で固めたクラウス。その姿はまるで歩く要塞のようだった。
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