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いざ異世界へ
第3話 異世界着きました!
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「ゴンタ、止まれ!」
ゴンタにしがみつき、強い口調で命令する。
何事だとゴンタは振り返るが、よく見るとゴンタの足は、
すでに止まっていた。
何で、こんな進んでるような感覚に襲われるんだ?
征太が振り返ると、先ほど入ってきたと思われる光の入り口は
みるみる小さくなり、目で確認する事ができなくなった。
逆に前方の光は次第に大きくなり、ゴンタと征太を飲み込んだのであった。
「えっ!!」
眩しい光を通り越えると、そこには一面の花畑が広がっていた。
光の入り口は三メートルほどの高さからゴンタと征太を投げ出す。
ドサッ!ドサッ!
「いっ!たぁっ! 花畑がなかったら死んでたな!」
「キャイン!」
ゴンタに話しかけるが、もちろん犬なので返答はしてこない。
「もう少し、優しく到着させてくれてもよかったのに」
辺りを見回してみるが、人っ子一人いない花畑が続いている。
「どうやって、ゼニスの場所に帰ればいいんだ?」
不意にゴンタを見ると、ついて来いと言わんばかりに
花畑の中に進もうとしている。
まさか、帰り道を知っているのか?
征太がゴンタの後をついて行くと、ゴンタはそれに答えるが如く
歩き始めた。
少し進むと、ゴンタが立ち止った。
そこに帰り道が……
征太が近づこうとすると
ゴンタは排泄のポーズをとり、茶色の物体を捻り出し始めた。
「君に期待した、俺が馬鹿だった」
肩をうなだれて、少しを場所を変えると、
征太は真面目に考え始める。
「ここは異世界であるならば……そうかっ!」
何か思いついたかのように声高々に叫び始める。
「ステータス!」
しかし、何も起こらなかった。
「これじゃないのか?」
「ステータスオープン!」
やはり何も起きない。
そして、この後、ありとあらゆる単語を叫び続けることになる。
「コンソール!」、「スキル!」、「スキルマップ!」、「システム!」、「システムウィンドウ!」、
「スペル!」、「魔法!」、「アイテム!」、「収納!」、「バックパック!」、「チート!」、
だがどの単語にも応答することなく、傍から見たら、ただの馬鹿である。
「ぜぇぜぇ……くそっ! だめだ、どれにも応答してくれない」
叫び続けて、喉が枯れそうなくらいカラカラになっている。
完全に疲れきってしまったので、花畑で寝そべっていると、
マーキングを終了させた、ゴンタが帰ってきた。
ゴンタを見てふと思い出す。
「そうだ!」
ゴンタに視線を合わせて再度試してみる。
「鑑定!」
やはり、何も起きなかった。
「こんなところに来て、どうしろって言うんだよ、
せめて、大賢者でもいればな……ハッ!」
体を引き起こすと、まだ言ってない言葉があった事を思い出す。
これで駄目なら万策は尽きた事だろう。
意を決して征太は叫ぶ。
「大賢者!」
ブォーン……
頭の中で何かシステム的な音がした。
「きたきた、これだよ異世界」
歓喜している征太の頭に通信機のノイズが混じった音が聞こえる。
ピーザザァ……
そして、とうとう、征太の頭に声が聞こえ始めるのであった。
ゴンタにしがみつき、強い口調で命令する。
何事だとゴンタは振り返るが、よく見るとゴンタの足は、
すでに止まっていた。
何で、こんな進んでるような感覚に襲われるんだ?
征太が振り返ると、先ほど入ってきたと思われる光の入り口は
みるみる小さくなり、目で確認する事ができなくなった。
逆に前方の光は次第に大きくなり、ゴンタと征太を飲み込んだのであった。
「えっ!!」
眩しい光を通り越えると、そこには一面の花畑が広がっていた。
光の入り口は三メートルほどの高さからゴンタと征太を投げ出す。
ドサッ!ドサッ!
「いっ!たぁっ! 花畑がなかったら死んでたな!」
「キャイン!」
ゴンタに話しかけるが、もちろん犬なので返答はしてこない。
「もう少し、優しく到着させてくれてもよかったのに」
辺りを見回してみるが、人っ子一人いない花畑が続いている。
「どうやって、ゼニスの場所に帰ればいいんだ?」
不意にゴンタを見ると、ついて来いと言わんばかりに
花畑の中に進もうとしている。
まさか、帰り道を知っているのか?
征太がゴンタの後をついて行くと、ゴンタはそれに答えるが如く
歩き始めた。
少し進むと、ゴンタが立ち止った。
そこに帰り道が……
征太が近づこうとすると
ゴンタは排泄のポーズをとり、茶色の物体を捻り出し始めた。
「君に期待した、俺が馬鹿だった」
肩をうなだれて、少しを場所を変えると、
征太は真面目に考え始める。
「ここは異世界であるならば……そうかっ!」
何か思いついたかのように声高々に叫び始める。
「ステータス!」
しかし、何も起こらなかった。
「これじゃないのか?」
「ステータスオープン!」
やはり何も起きない。
そして、この後、ありとあらゆる単語を叫び続けることになる。
「コンソール!」、「スキル!」、「スキルマップ!」、「システム!」、「システムウィンドウ!」、
「スペル!」、「魔法!」、「アイテム!」、「収納!」、「バックパック!」、「チート!」、
だがどの単語にも応答することなく、傍から見たら、ただの馬鹿である。
「ぜぇぜぇ……くそっ! だめだ、どれにも応答してくれない」
叫び続けて、喉が枯れそうなくらいカラカラになっている。
完全に疲れきってしまったので、花畑で寝そべっていると、
マーキングを終了させた、ゴンタが帰ってきた。
ゴンタを見てふと思い出す。
「そうだ!」
ゴンタに視線を合わせて再度試してみる。
「鑑定!」
やはり、何も起きなかった。
「こんなところに来て、どうしろって言うんだよ、
せめて、大賢者でもいればな……ハッ!」
体を引き起こすと、まだ言ってない言葉があった事を思い出す。
これで駄目なら万策は尽きた事だろう。
意を決して征太は叫ぶ。
「大賢者!」
ブォーン……
頭の中で何かシステム的な音がした。
「きたきた、これだよ異世界」
歓喜している征太の頭に通信機のノイズが混じった音が聞こえる。
ピーザザァ……
そして、とうとう、征太の頭に声が聞こえ始めるのであった。
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