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そうだ 王都、行こう ※シエラ
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パレードの日から5日が経った。
王都の熱気は落ち着いて、すっかり日常を取り戻している。
僕の毎日も通常運転だ。
今日のただ1つを除いては。
「あー!!やっとお披露目できるんだ!
嬉しいなぁ楽しみだなぁ!!」
「シエラ様、動かないでください。」
鏡の前でヘラヘラ笑う僕の髪をセットしながらミリが抗議してくる。
お出かけ前はミリの全身チェックに合格しなければならない。
僕はいつも、自分で服を着ている。
アイムオールウェイズウェア…って英語の例題みたいなやつじゃなくて。
違うんだよー。
僕さ、こんなだけど今世では貴族じゃん?
世界史で何となくやった気がするんだけど、貴族って服を着たりお風呂入ったり、何でもかんでもぜーんぶ使用人にやらせるんだよね。
人によっては歯磨きとかも。
そんなのさ、前世が日本人庶民社会人だった僕には耐えられないわけさ。
自分のことはなるべく自分でやりたいよね。
これに関してだけは、僕が軍人の家系に生まれたのが幸した。
戦場では身の回りを世話をしてくれる人なんていないから、大抵のことは自分でできるように教育されてるんだよね。
戦術的な訓練は一切させてもらえなかった僕でもだ。
だから実は料理も少しできる。
貴族なら絶対訪れないであろう厨房で(場所すら知らないんじゃないかな?)簡単なメニューを作ったり、ついでにお菓子作りも教わった。
戦闘で服が破れた時のためのお裁縫もバッチリだ。ボタン付けとか余裕!
ついでにマフラーも編めるし、なんならチーフに刺繍もできちゃう!
緊急時に備えて常に身の回りを整理整頓しておくのは基本。
だから片付けも自分でやるし、掃除もする。
高い所とかはやらせてもらえないけど、自分の部屋を清潔にして花を飾るのはほぼ日課。
あれ?改めて考えるとリョウだった時よりちゃんとしてるんじゃないか……?
まぁとにかく、そんな訳で僕は生活面ではそれなりに自立してるんだけど…。
服を組み合わせたり、髪型をセットしたりするのは苦手。
ハッキリ言ってセンスが皆無。
言い訳になっちゃうけどこれね、リョウの記憶のせいもちょっとあると思うんだよね。
例えばさ、日本で全身ブラックのワントーンコーデとかモードっぽくてカッコいいじゃん。
カッチリ目の服装をスニーカーでハズすとかお洒落じゃん。
そう言うの一切通じないのこの世界!
全身ブラックは葬儀屋さんの服装らしい。
スニーカーは存在しないけど、「ハズす」って感覚自体が無いみたい。
でも「着崩す」はあるの。
はて???
僕には違いがサッパリなのですが。
そんな訳で服や装飾品を選ぶのと美容関連は全てミリに任せてる。
僕の髪、柔らかすぎて手に負えないし。
ミリがやるとフワッと、常に風感じてますみたいな仕上がりになるんだよなぁ。
まるで魔法みたい。
あ、ミリ魔術師だったわ。
「はい、完成です。今日も完璧に美しいですシエラ様。」
そう言ってウットリと僕の全身を眺めるミリは凄く楽しそうだから、この関係はウィンウィンだよね。
モデルが僕みたいな地味系男子でそこは申し訳ないけども。
心の中で謝りながらステッキを持つ。
「じゃあ行こうか!新作のショコラを見に!!」
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
嫁力の高い受け(笑)
そろそろ話しが動きます!
王都の熱気は落ち着いて、すっかり日常を取り戻している。
僕の毎日も通常運転だ。
今日のただ1つを除いては。
「あー!!やっとお披露目できるんだ!
嬉しいなぁ楽しみだなぁ!!」
「シエラ様、動かないでください。」
鏡の前でヘラヘラ笑う僕の髪をセットしながらミリが抗議してくる。
お出かけ前はミリの全身チェックに合格しなければならない。
僕はいつも、自分で服を着ている。
アイムオールウェイズウェア…って英語の例題みたいなやつじゃなくて。
違うんだよー。
僕さ、こんなだけど今世では貴族じゃん?
世界史で何となくやった気がするんだけど、貴族って服を着たりお風呂入ったり、何でもかんでもぜーんぶ使用人にやらせるんだよね。
人によっては歯磨きとかも。
そんなのさ、前世が日本人庶民社会人だった僕には耐えられないわけさ。
自分のことはなるべく自分でやりたいよね。
これに関してだけは、僕が軍人の家系に生まれたのが幸した。
戦場では身の回りを世話をしてくれる人なんていないから、大抵のことは自分でできるように教育されてるんだよね。
戦術的な訓練は一切させてもらえなかった僕でもだ。
だから実は料理も少しできる。
貴族なら絶対訪れないであろう厨房で(場所すら知らないんじゃないかな?)簡単なメニューを作ったり、ついでにお菓子作りも教わった。
戦闘で服が破れた時のためのお裁縫もバッチリだ。ボタン付けとか余裕!
ついでにマフラーも編めるし、なんならチーフに刺繍もできちゃう!
緊急時に備えて常に身の回りを整理整頓しておくのは基本。
だから片付けも自分でやるし、掃除もする。
高い所とかはやらせてもらえないけど、自分の部屋を清潔にして花を飾るのはほぼ日課。
あれ?改めて考えるとリョウだった時よりちゃんとしてるんじゃないか……?
まぁとにかく、そんな訳で僕は生活面ではそれなりに自立してるんだけど…。
服を組み合わせたり、髪型をセットしたりするのは苦手。
ハッキリ言ってセンスが皆無。
言い訳になっちゃうけどこれね、リョウの記憶のせいもちょっとあると思うんだよね。
例えばさ、日本で全身ブラックのワントーンコーデとかモードっぽくてカッコいいじゃん。
カッチリ目の服装をスニーカーでハズすとかお洒落じゃん。
そう言うの一切通じないのこの世界!
全身ブラックは葬儀屋さんの服装らしい。
スニーカーは存在しないけど、「ハズす」って感覚自体が無いみたい。
でも「着崩す」はあるの。
はて???
僕には違いがサッパリなのですが。
そんな訳で服や装飾品を選ぶのと美容関連は全てミリに任せてる。
僕の髪、柔らかすぎて手に負えないし。
ミリがやるとフワッと、常に風感じてますみたいな仕上がりになるんだよなぁ。
まるで魔法みたい。
あ、ミリ魔術師だったわ。
「はい、完成です。今日も完璧に美しいですシエラ様。」
そう言ってウットリと僕の全身を眺めるミリは凄く楽しそうだから、この関係はウィンウィンだよね。
モデルが僕みたいな地味系男子でそこは申し訳ないけども。
心の中で謝りながらステッキを持つ。
「じゃあ行こうか!新作のショコラを見に!!」
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
嫁力の高い受け(笑)
そろそろ話しが動きます!
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