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闇と商品と裏社会
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しおりを挟むマキナさんとチアキさんと、少しの間話していたら、さっきの部屋から結城さんが出てきた。
「…あれ。チアキ終わったの?」
「あぁ、下の奴ら?あんなのアタシにとってゴミよ…まぁ、雇ってもらってるだけあってソコソコ手こずったけどね?大したことないわ」
いい男もいなかったし~。と言ってチアキさんは結城さんが出てきた部屋に入って行く。
「…え、ちょ。チアキお前なんで入るんだよ…」
と、マキナさんが何故かチアキさんについて行った。
「…姫。何もされてない??」
そう言って結城さんは、心配そうに顔をのぞいてくる。
「…はい。……だ、大丈夫ですよ。」
「…姫。何かあったでしょ。…教えてくれる?私は姫の気持ちが知りたいよ。」
頭を撫でてくれて、優しく言ってくれる。
「……でも。こんなこと話しても…僕は…」
お願い。話して? と結城さんは、辛そうな表情をしている。
そんな辛い顔させるつもりはなかったのに…ごめんなさい。
「……僕は。産みの母と育ての母がいるんです。」
そう話し出して、結城さんは真剣に聞いてくれている。
「…産みの母は僕を産んですぐ亡くなったんです。それを小学一年生の始めの時に、父に聞かされました。……それで。……小学校に上がってすぐに…育ての母が……僕にキツくあたるようになってしまって……ひどい時には全身に………いや、なんでもありません。
……そして、この前父が亡くなったんです。
多分、病死だったんだと思います……父のお葬式があった時に……育ての母の何気無い一言についカッとなって……逃げてきたんです。」
それで…… と話そうとしたが、足がカクンと折れて倒れそうになる。
視界が潤んで、力も出なくて、息も荒くなる。
多分、媚薬のせいだ。
それを結城さんは、慌てて受け止めてくれた。
「…本当に大丈夫?無理してない?」
「……本当の本当に大丈夫………と言いたいところなんですけど…少し…ぼっ~として……
ちからが…出てこないんです…」
「……ふむ。これはいけない……姫。帰ろう。」
そう言って結城さんは僕を持ち上げ、横抱きをする。
「……え。か、える?……どこにですか?」
僕に居場所なんてない。
「…ふふ。おかしなことを言うね。
決まっているだろう…?そんなの…」
「…え、でも…結城さ…」
「チアキ~マキナ~帰るよ~。」
僕の言葉は結城さんに遮られてしまい、聞きたかったことが聞けなかった。
「…ハイハイ。なんすか~?もう行くんすか?まだチアキが中で殺る勢いで相手ボッコボコにしてますけど…」
「…そこらへんにして帰るって伝えて。」
分かりましたっす。と言ってマキナさんはチアキさんを呼びに戻った。
「…姫。眠い?」
確かにぼっ~として、今すぐにでも寝てしまえそうだ。
「…ん。少し…だけ。」
そう。 と背中を優しく撫でられて、
「…本当に。よく頑張ったね。」
その言葉を聞いて、僕は眠りについた。
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