僕の家族!!!【ぼくのやぞく!!!】

ウツギ 遊先生

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闇と商品と裏社会

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「……もう大丈夫。助けに来たよ。姫。」


声のする方。

すると、そこには無意識に呼んだ結城さんが立っていた。




「……え。……結城…さん?」



「…だ、だれだお前っ!?」



男性は当然のごとく動揺をするが、それよりも自分がびっくりしてしまった。




「…マキナ。私が片付けている間、姫を頼むよ。」



「…おっけ。りょーかいっす。…て、姫君大丈夫!?」



そう言って、結城さんの後ろからひょっこり現れるマキナさん。



「…だから!お前らはなんなんだ!?セキュリティはしっかりと起動してあるはずなのに…まさか、さっきの連絡の奴らか!?」



男性は叫ぶ。
 


いまだに手を掴まれていて、身動きがとれない。




「どうして来たのかわかんねぇが、助けに来たなど、片付けるなど…自分の身分をわかって言ってるのか!?僕は大手企業の社長だぞ!?此処はお前ら庶民が乗り込んでいいところじゃない!!!!下のやつらは何をしているんだ…!!と、とにかく!出て行け!!!」



男性は口から唾を撒き散らしながら、大声で言う。




「…こうなったら……そういえばお前ら、さっきこいつを助けに来たっつったよな……それなら…」



そう言って、僕の髪を引っ張る。



「いったぃ…!!………ひぃ!?」



痛みを感じた途端、首を舐められビクッとなり声をあげてしまう。



「あぁ!?テッメェ!!姫君に触んな!!!じゃないと…結城…さん…が…」



「………」



マキナさんは何故か青白い顔をして結城さんをチラチラ見ていて、結城さんはピクッと反応して固まったままだ。



「…ど、どうだ!!こいつは俺の意のままだ!!
抵抗もできない僕の人形だ!!!」




「……煩い。」




結城さんは、そう言って走り出して、男性が抵抗する前に、背中に向けて回し蹴りを決めた。



男性は、見るも無残に蹴られた拍子で体を壁に打ち付けてしまう。



結城さんは、近付いてきて僕を、ギュッと抱きしめた。



「…大丈夫??姫…待ってて今すぐに片付ける…やっぱり送り出すのが間違いだった…ごめん。でも…
それよりも…あのゴミをすぐに…マキナ。姫を守ってて。」




「…了解。…姫君こっち来て。そこじゃ危ないだろ…?」



マキナさんは僕の手を取って、部屋から出て行く。



「…結城さん…!」



出て行く寸前に見た結城さんの後ろ姿に、僕は名前しか呼べなかった。



廊下に出て、マキナさんが振り返る。



「お前っ…大丈夫か!?てか何でこんなとこにいんだよ…!?」



「いや…でもっ…!ま、マキナさんだって…!!
どうして此処に…!?」



「はぁ!?お前を助けに来たに決まってんだろ!?
下にはチアキだっているぞ…!!」



「……え?」



僕は、また驚いて口を開けたまま固まってしまう。


「…いや、なんか知らないが、突然結城さんが俺とチアキ呼び出してお前を助けに行くって……チアキは理由を知ってたみたいだが、来て見て俺も分かったって言うか………て、お前何で泣いてんの!?」



「……あ。」



拭っても拭っても、どんどん涙が溢れていく。



「……っく。…あ、りがとうごさいます…!なんだか……すごくっ…嬉しい…」



「ありがとうも何も俺は……て、抱きつくな!!」



そう言うマキナさんにかまわず、僕はギュッ~と、めいいっぱい抱きついた。



すると前のエレベーターが開き、中からチアキさんが出てきた。



「…!あらぁ!姫ちゃん!!久しぶりぃ…大丈夫なの??……て、何これ。」




チアキさんは僕に近づき、顔を見て言った。




「んもぉ…!!姫ちゃん!!そんなもの顔につけといたままじゃダメよ…!…全く。此処の社長、姫ちゃんに一体ナニしたのかしら…」




手持ちのハンカチで、チアキさんは僕の顔についていた男性のモノを丁寧に拭いてくれる。




このハンカチは捨てね。と最後につぶやき、



「てか、マキナ!!!アンタちゃっかり姫ちゃんに抱きついてもらってんじゃないわよ!!!…それにアンタ抱きつくなって言ってたわりに、まんざらでもなさそうな顔してんじゃないわよ!!!」




「はぁ!?てかチアキお前…!!聞こえてたのかよ!?」




「エレベーターのドア越しでも聞こえてきたわよ!…それより!!ねぇ姫ちゃん。アタシにもギュッ~ってしてくれないの…?」
 



チアキさんは僕をマキナさんからはがして、キラキラした目で僕を迎え入れるように腕を上げている。



「……え、…えと。…どうしたら…?」



そう、戸惑いながらマキナさんを見上げると、



「……はぁ。してやれば?」



と、ため息まじりに言うので僕はギュッとチアキさんに抱きついた。




そのあと、チアキさんは壁に手をついてブツブツと何かつぶやいていたが、気にしないでおく。
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