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闇と商品と裏社会

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小瓶に入った透明な液体がある。


それを僕の口へとあてる。


「さぁ、飲んで。」


「い、嫌だ!!」


口を閉じて、飲まないようにする。

すると男性は、僕の鼻を掴んで口を開けようと促す。


「………んんっ!」


我慢ができなくて、口を少し開いて空気を取り入れる。


その隙に、中の液体を僕の口内に流し込んできた。



「…ぐっ!ゴボッ……んくぅ!」



コクコクと、その透明な液体を飲んでしまった。

飲みきれなかった液体が、口の端からこぼれていく。




「…ぷはっ…!コホッ、ゴボッ…!な、何を飲ませっ……!!」


飲まされた液体にむせながら、質問をする。


「…それはもう…ね。君にとって最高の薬だよ…!!」


それを聞いて、ゾッと鳥肌が立った。

足を使い、男性から距離を取ろうと動かす。


その足を、男性に掴まれ、身動きが取れなくなる。


「…は、離して!!……ひぃ!」


身体をベッドに押し付けられて、男性の舌が僕の鎖骨を舐める。


その瞬間、初めて路地裏でマキナさんに首筋を舐められた時のことを思い出した。


あの時よりも、数倍に増して恐くて、気持ち悪くて
抵抗しようと足を動かそうとするが、なぜか動かせない。


「…く、そぉ!…なんでぇ、身体が動かない…?」


「おぉ!効いてきたのか!!……いやぁ、君はよく抵抗するからさ、ちょっと痺れる、とろけそうなお薬と媚薬を盛らせてもらったよ…これでもう君は抵抗できないよ!!僕に乱暴されて喘ぐ、ただのお人形さんだぁ!!」


そう言ってまた、僕の首元に顔を埋める。


そしてまた、ピチャピチャと音を立てて舌を這わせる。


「ひ…!ぃ、ぃゃ…!あ、舐めないでぇ……!」


僕の意思に反して、身体は刺激に反応してしまう。


「…ん。ひぅ…!……うぁ!!!」



チュゥ、と吸われて、チクリと首元が痛む。


次第に僕の呼吸も乱れていく。


「はぁっ…あ!んん……いやだ…!触らないでぇ!
はぁ、はぁ……いや、ひやぁぁ!!」


首元はもう男性の唾液で濡れていて、急に手で胸の突起を掴まれる。


コリッと強く掴んでは、弱くしての繰り返し。



「は、あん!…ひぅ。や、やめ…て!!ほどいてぇ!!」



必死に手を解いてほしいとお願いする。



「そんなこと言っても、君。感じちゃってるんじゃない?…可愛い顔して淫乱だね。」


そう言って、また続ける。



媚薬のせいもあってか、初めてなのに快感を求めて身体が疼く。


「…いや、…やめてぇ!やめてくださ…!はぁん!!……ひぃ、強くしなっ…でぇ!!」


口ではイヤイヤ言っているけれど、身体は抵抗すらしないで男性の行為を受け止めている。


涙も溢れて止まらない。


「あぁ!本当に可愛いなぁ!!乱暴にされて泣いちゃうなんて本当に可愛いよ!!…この後はどうしようか!久しぶりに玩具を使って…いや、ここは僕が自ら…!」


などと男性は、呟いている。



すると突然、僕に覆い被さり自身の下半身をさらけ出した。


「…ひっ!」


「…ああ!!もう我慢ができないよ!!挿れるのは次にとっておいて、君の手で触ってもらおう!!」


そう、僕の手を解放する。



ぐいっと手を掴まれて、男性のモノを無理矢理掴まされる。


「いやだ!…は、なしてぇ!!」


そんなことを言っても離してもらえず、僕の手を上下に動かし始める。


「…あぁ、良い!良いよぉ!!」


「……やだぁ!!っく、ひっく、離して…くださぃ…」


「…気持ちい!気持ちいいよ!最高だぁ!!!」



男性は、そう言って聞く耳持たずで僕の手を動かす。

しばらくすると、手が男性のモノから出た透明な液によって濡れ始める。


チュプ、ジュプ、と音がなる。

男性の息も荒くなっていき、


「…あぁ、イキそうだ!!受け取ってくれ!!
僕の精液ぉぉお!!!………っく!!」


瞬間、僕の顔に男性の精液がピュッと飛んできた。


手も男性のでベタベタになってしまった。


「…く、ひっく。もぉ、やだぁ……」


耐えきれなくて、泣いてしまう。


こんなことされるのも初めてで、見ず知らずの男性のモノを掴んで、出された精液も顔にかかってしまった。


「…あぁ、気持ちよかった…さぁ、次は君の…」


と言いかけたところで、部屋の隅にある電話から

音がなった。


男性は、いいところだったのに、とボソッと言い、
めんどくさげに受話器を耳に当てた。


「…あぁ?なんだよ!!今お楽しみ中なんだからかけてくんなっつったろ!!!」



怒鳴っていて凄く怖い。姿勢を体育座りにして耳をふさぐ。

膝もカタカタ震えて、涙もいっそう増えて溢れて

思考も止まってしまう。


「……あぁ!?何!?…くそ!!そこでしっかりと止めておけよな!!!……無理!?雇ってやってんのはこっちだぞ!!!…まぁ、とにかく入れんじゃねぇぞ…」



ガチャ と受話器を置く。


「…いやぁ~ごめんねぇ、ちょっと呼んでいない お客さんが来ちゃってさぁ…まぁ、それより君を気持ちよくしなくちゃね…」


腕を引っ張られて、ベッドに仰向けで寝かされる。


すると、シャツの中に手を入れ撫で始める。


「…や、やだ…触らないで…」


せめての抵抗に、男性を睨みつける。


「……涙を流した顔で睨まれても、煽っているだけだよ。…そうか…!そんなに我慢できないんだね。
なら、もう挿れてあげるよ…!」


手を頭の上で押さえつけられて、身動きがとれない。


「いやだ!!!…やめて!!!」


男性が、僕のズボンに手をかける。



「…あ、嫌…嫌だ!!…だれ、か…!!!!  た、助けて…結城さん!!!」

















「……もう大丈夫。助けに来たよ。姫。」


声のする方。


そこには、無意識に呼んだ結城さんが立っていた。
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