54 / 207
ゴブリンキング編
職業の選択
「いや~長話になってすいませんね。あの人、結構商売に関わる事だと容赦ないみたいで……」
「1時間ぐらい話し込んでたね……それより、これからどうしようか。身分証は手に入れたからこの街に拘る必要はないけど……」
「無理に街を離れる必要が無いなら残ってもいいんじゃないですか?腐っても帝国の都なんですから、警備は最高レベルですよ」
「その割には何度も魔人族の襲撃にあってるけどね」
「……確かに」
レナ達は身分証を片手に今後の事を話し合う。これで帝都を離れる事や働く事も可能だが、他の街の事に関しては情報は持っておらず、それならばこの街で働くという手段もあるが、どのような職業に就くのか考えなければならない。
「働くとしたらレナさんは治療院が向いていると思いますよ。あれだけ回復魔法が扱えるんですから、きっと好待遇で受け入れられますよ?」
「でも、この国は付与魔術師は不遇職扱いでしょ?大丈夫かな……」
「治療院は職業差別は行いませんよ。実力がある人間なら元犯罪者でも受け入れる事で有名ですから」
「……私はどうすればいい?」
「コトミンさんは……能力的にはともかく、ちょっと初対面の人とコミュニケーション能力が不安ですね。それに正体がバレたら面倒ですし、これからはレノさんのペットとして生きていくという事で良いんじゃないですか?」
「それはそれで悪くない」
「止めんかい……ペットは1匹で十分だよ」
「え?ちょっと待ってください、その話の流れだと私がペットに聞こえるんですけど」
雑談を行いながら適当に歩いていると、レナは視界に奇妙な建物を発見する。それは元の世界の高層ビルを想像させる外見の建物であり、窓の数から8階建ての大きな建物であり、立て掛けられている看板には「帝国公認 冒険者ギルド」と刻まれていた。
「あれは何?」
「ああ……冒険者ギルドですよ。今までにも何度か耳にした事はあるんじゃないですか?」
「そういえば……あそこに冒険者と呼ばれている人達が働いているの?」
「そういう事ですね。と言っても、昔と比べると冒険者の数も随分と減ってしまいましたけどね」
「どうして?」
「帝国が一般人の志望を禁止したせいですよ」
アイリィの話にレナは以前にホノカから聞いた話を思い出し、現在の冒険者ギルドは一般人による加入は認めず、冒険者を志望する人間は必ずギルド関係者の紹介が必要となり、現在のギルドは帝国の管理下に入っている。後で聞いた話だが有望な冒険者は帝国側が兵士として引き抜きを行い、今では数百名程度の冒険者しか存在しか居ない。
ホノカが冒険者を行っていた時代は帝都には千人を超える冒険者が溢れて活気に満ちていたようだが、現在は帝国の管理下に置かれた事で優秀な人材はどんどんと引き抜かれ、しかも一般人の加入を禁止した事で冒険者志願する人間も激減し、歴代でも最少人数の冒険者しか存在しない。
「レノさんも冒険者に憧れているんですか?」
「いや……まあ、少しは興味あったかな」
「止めて置いた方が良いですよ。冒険者というのはハイリスクハイリターンの仕事ですからね。全ての職業の中でも収入は高い方ですが、反面に危険も大きい仕事です」
「へえ……ていうか詳しいね」
「えっ……いや、別にこれくらいは常識ですよ」
レナ達は冒険者ギルドの建物を通り過ぎようとした時、唐突に扉が開け開かれ、3メートルを超える巨体の人間が姿を現す。その外見は筋骨隆々であり、鬼と見間違う程の強面、それでいながら服装に関してはみすぼらしく、背中には何故か大きな鍬を掲げていた。レナはすぐに彼が「巨人族」と呼ばれる種族と気付き、この世界に存在する六種族の1つであり、人間を遥かに上回る巨躯の種族だと聞いていた。
外見は成人を迎えていてもおかしくはないが、身長的には成人を迎えた巨人族は4メートルを普通に超えており、建物から現れた彼の身長は3メートル弱なので年齢的にはレナと大差ない青年である。
「とっとと出て行きやがれ!!てめえみたいなデカいだけが取り柄の奴なんて有り余ってるんだよ!!」
「むうっ……すまなかった」
「ちっ!!文無しの癖に試験を受けようなんて図々しい奴だぜ!!」
巨人族の青年の後方には外見は豪勢な鎧を着こんだ男性が存在し、恐らくは冒険者なのだろうが随分と横暴な態度にレナは眉を顰めるが、巨人族の青年は大きな溜息を吐きだして立ち去ろうとする。そんな彼の反応を気にくわなかったのか男性が後ろから巨人族の青年の尻を蹴飛ばす。
「おらっ!!家族を養いたいなら真面目に畑でも耕していろっ!!」
「うおっ……」
「あっ!!」
男性に蹴飛ばされた拍子に巨人族の青年が腰に取り付けていた小袋が地面に落ちてしまい、中身の大量の銅貨が地面に落ちる。慌ててレナは彼の元に近寄り、銅貨を拾い上げるのを手伝う。
「大丈夫ですか?」
「ああ……すまない」
「酷い事をしますね……あんな人が冒険者なんて最悪ですね」
「んっ」
レナ達が地面に落ちた銅貨を拾うのを手伝い、巨人族の青年に手渡す。体格の違いもあるせいか彼の大きな指先では細かな銅貨を摘むのは難しいらしく、青年は素直に銅貨を拾い上げてくれたレナ達に感謝の言葉を告げる。
「1時間ぐらい話し込んでたね……それより、これからどうしようか。身分証は手に入れたからこの街に拘る必要はないけど……」
「無理に街を離れる必要が無いなら残ってもいいんじゃないですか?腐っても帝国の都なんですから、警備は最高レベルですよ」
「その割には何度も魔人族の襲撃にあってるけどね」
「……確かに」
レナ達は身分証を片手に今後の事を話し合う。これで帝都を離れる事や働く事も可能だが、他の街の事に関しては情報は持っておらず、それならばこの街で働くという手段もあるが、どのような職業に就くのか考えなければならない。
「働くとしたらレナさんは治療院が向いていると思いますよ。あれだけ回復魔法が扱えるんですから、きっと好待遇で受け入れられますよ?」
「でも、この国は付与魔術師は不遇職扱いでしょ?大丈夫かな……」
「治療院は職業差別は行いませんよ。実力がある人間なら元犯罪者でも受け入れる事で有名ですから」
「……私はどうすればいい?」
「コトミンさんは……能力的にはともかく、ちょっと初対面の人とコミュニケーション能力が不安ですね。それに正体がバレたら面倒ですし、これからはレノさんのペットとして生きていくという事で良いんじゃないですか?」
「それはそれで悪くない」
「止めんかい……ペットは1匹で十分だよ」
「え?ちょっと待ってください、その話の流れだと私がペットに聞こえるんですけど」
雑談を行いながら適当に歩いていると、レナは視界に奇妙な建物を発見する。それは元の世界の高層ビルを想像させる外見の建物であり、窓の数から8階建ての大きな建物であり、立て掛けられている看板には「帝国公認 冒険者ギルド」と刻まれていた。
「あれは何?」
「ああ……冒険者ギルドですよ。今までにも何度か耳にした事はあるんじゃないですか?」
「そういえば……あそこに冒険者と呼ばれている人達が働いているの?」
「そういう事ですね。と言っても、昔と比べると冒険者の数も随分と減ってしまいましたけどね」
「どうして?」
「帝国が一般人の志望を禁止したせいですよ」
アイリィの話にレナは以前にホノカから聞いた話を思い出し、現在の冒険者ギルドは一般人による加入は認めず、冒険者を志望する人間は必ずギルド関係者の紹介が必要となり、現在のギルドは帝国の管理下に入っている。後で聞いた話だが有望な冒険者は帝国側が兵士として引き抜きを行い、今では数百名程度の冒険者しか存在しか居ない。
ホノカが冒険者を行っていた時代は帝都には千人を超える冒険者が溢れて活気に満ちていたようだが、現在は帝国の管理下に置かれた事で優秀な人材はどんどんと引き抜かれ、しかも一般人の加入を禁止した事で冒険者志願する人間も激減し、歴代でも最少人数の冒険者しか存在しない。
「レノさんも冒険者に憧れているんですか?」
「いや……まあ、少しは興味あったかな」
「止めて置いた方が良いですよ。冒険者というのはハイリスクハイリターンの仕事ですからね。全ての職業の中でも収入は高い方ですが、反面に危険も大きい仕事です」
「へえ……ていうか詳しいね」
「えっ……いや、別にこれくらいは常識ですよ」
レナ達は冒険者ギルドの建物を通り過ぎようとした時、唐突に扉が開け開かれ、3メートルを超える巨体の人間が姿を現す。その外見は筋骨隆々であり、鬼と見間違う程の強面、それでいながら服装に関してはみすぼらしく、背中には何故か大きな鍬を掲げていた。レナはすぐに彼が「巨人族」と呼ばれる種族と気付き、この世界に存在する六種族の1つであり、人間を遥かに上回る巨躯の種族だと聞いていた。
外見は成人を迎えていてもおかしくはないが、身長的には成人を迎えた巨人族は4メートルを普通に超えており、建物から現れた彼の身長は3メートル弱なので年齢的にはレナと大差ない青年である。
「とっとと出て行きやがれ!!てめえみたいなデカいだけが取り柄の奴なんて有り余ってるんだよ!!」
「むうっ……すまなかった」
「ちっ!!文無しの癖に試験を受けようなんて図々しい奴だぜ!!」
巨人族の青年の後方には外見は豪勢な鎧を着こんだ男性が存在し、恐らくは冒険者なのだろうが随分と横暴な態度にレナは眉を顰めるが、巨人族の青年は大きな溜息を吐きだして立ち去ろうとする。そんな彼の反応を気にくわなかったのか男性が後ろから巨人族の青年の尻を蹴飛ばす。
「おらっ!!家族を養いたいなら真面目に畑でも耕していろっ!!」
「うおっ……」
「あっ!!」
男性に蹴飛ばされた拍子に巨人族の青年が腰に取り付けていた小袋が地面に落ちてしまい、中身の大量の銅貨が地面に落ちる。慌ててレナは彼の元に近寄り、銅貨を拾い上げるのを手伝う。
「大丈夫ですか?」
「ああ……すまない」
「酷い事をしますね……あんな人が冒険者なんて最悪ですね」
「んっ」
レナ達が地面に落ちた銅貨を拾うのを手伝い、巨人族の青年に手渡す。体格の違いもあるせいか彼の大きな指先では細かな銅貨を摘むのは難しいらしく、青年は素直に銅貨を拾い上げてくれたレナ達に感謝の言葉を告げる。
あなたにおすすめの小説
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。
【完】転職ばかりしていたらパーティーを追放された私〜実は88種の職業の全スキル極めて勇者以上にチートな存在になっていたけど、もうどうでもいい
冬月光輝
ファンタジー
【勇者】のパーティーの一員であったルシアは職業を極めては転職を繰り返していたが、ある日、勇者から追放(クビ)を宣告される。
何もかもに疲れたルシアは適当に隠居先でも見つけようと旅に出たが、【天界】から追放された元(もと)【守護天使】の【堕天使】ラミアを【悪魔】の手から救ったことで新たな物語が始まる。
「わたくし達、追放仲間ですね」、「一生お慕いします」とラミアからの熱烈なアプローチに折れて仕方なくルシアは共に旅をすることにした。
その後、隣国の王女エリスに力を認められ、仕えるようになり、2人は数奇な運命に巻き込まれることに……。
追放コンビは不運な運命を逆転できるのか?
(完結記念に澄石アラン様からラミアのイラストを頂きましたので、表紙に使用させてもらいました)