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ゴブリンキングの脅威
第435話 モモとヒナの潜入
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「――やったぁっ!!上手く忍び込めたね!!」
「ちょ、ちょっとモモ……声が大きいわよ!!」
船内の倉庫にて何処からか二人分の女の子の声が上がり、並べられた木箱の内の一つが内側から押し開かれ、ヒナとモモが姿を現す。二人は周囲の様子を確認し、誰もいない事を確かめると外に出た。
実は二人とも最後の荷物がフライングシャーク号に運び込まれる際、偶然にも発見した空の木箱の中に潜り込み、荷物に紛れ込んで船の中に入り込んだのだ。どうして都合よく空の木箱が置かれていたのかは不明だが、既に船が発進した以上はもう二人は戻る事ができない。
「わあっ……凄い!!見て見て、本当に空を飛んでるよ!?」
「し、信じられないわね……まさか、本当にこんな大きな船が空を飛ぶなんて」
倉庫にも窓は存在し、二人は外を覗き込んで空を移動している事を確認する。だが、何時までもここに居るわけにはいかず、ヒナは不安そうな表情を浮かべる。
「ううっ……胃が痛いわ、勝手に付いて行ったなんてテンさんに知られたら何て言われるか……」
「だ、大丈夫だよ!!それより早くナイ君達と合流しよう、私達もナイ君達の手伝いをするって言わないと!!」
「モモ、あんたね……私達が役に立てると思ってるの?」
ヒナとモモが飛行船に勝手に乗り込んだのはナイ達の事を心配し、自分達も力になりたいと思ったからである。だが、ヒナは冷静に考えれば自分達が何の役に立つのかと不安を抱く。
二人ともテンに鍛えられているので一般人と比べれば高い戦闘力を持っている。しかし、この船に乗り込んだのは精鋭揃いであり、その中には王国騎士や黄金級冒険者も含まれている。彼等と比べればヒナは自分など一般人と大差ない存在だと理解していた。
「あんたは魔操術が上手いから役に立つかもしれないけど、私が何の役に立つのよ……せいぜい、この船の掃除ぐらいしか手伝える事はないわ」
「もう、大丈夫だよ!!ヒナちゃんは強いんだから、私よりも頼りにされるよ!!」
「それ以前に勝手に乗った私達が罰を受ける事になるかもしれないのよ……ナイ君達にも迷惑をかけちゃうわ」
「うっ……な、なら隠れて応援しよう?それなら気づかれないでしょう?」
「そんな事、できるわけが……ちょっと待って、誰か近付いてるわ」
「えっ!?」
ヒナは倉庫の外側から誰かが近付いてくる足音を耳にすると、慌てて二人は木箱の中に身を隠し、様子を伺う。足音の数は二人分であり、何者かが倉庫に入り込む。
(いったい誰かしら……まさか、私達の存在に気付いた?いや、そんな馬鹿な……いくら何でも気づかれるのが早過ぎるわ)
木箱の中でヒナは隠れながらも隙間から外の様子を伺い、何者かが入り込んだのかを確かめる。この時に彼女は見えたのは兵士の格好をした男性二人組を確認し、それを見た彼女は疑問を抱く。
(何よ、あいつら……様子がおかしいわね)
二人とも倉庫の中に運び込まれた木箱を片っ端から開き、中身を確認している様子だった。そんな二人を見てヒナは嫌な予感を浮かべ、このままでは自分達が隠れている木箱も見つかってしまう。
木箱の中でヒナはモモと共に外の様子を伺い、二人組の兵士の様子を伺う。徐々に二人組はヒナたちが隠れている木箱に近付いており、遂には隣の木箱が遂に開かれてしまう。しかし、この時に二人組は声を上げる。
「おい、こっちにあったぜ!!」
「たくっ、ようやく見つけたぜ……よし、これだけあれば十分だろう。早く持っていくぞ」
「へへへっ……こいつさえあれば、王国の奴等も一網打尽だぜ」
「「っ……!?」」
二人組が開いた木箱はヒナとモモが隠れている木箱と全く同じ形をしており、二人は箱の中に入っていた小包を取り出す。倉庫から立ち去り、すぐにヒナとモモは木箱から抜け出す。
「ね、ねえ……ヒナちゃん、今の人たちって……」
「ええ、あいつら……怪しいわね」
ヒナは木箱を確認すると、二人組が小包を取り出した木箱はやはりヒナとモモが隠れていた木箱と同じ形をしており、最初に道端に落ちていた木箱の事を思い出す。あの木箱は偶然にも落ちていたわけではなく、もしかしたら先ほどの男達が関係しているのかもしれない。
男達が開けた木箱の中身を確認すると、この時に木箱の中に赤色に光り輝く粉を発見した。それを見たヒナは疑問を抱いて粉を指で摘まむ。
「これって……まさか、火属性の魔石の粉末!?」
「えっ!?」
赤色の粉の正体が魔石を磨り潰した代物だとヒナは見抜き、こんな物がどうして木箱に入っているのかと戸惑いながらも先ほどの二人組を思い出す。
すぐにヒナは他の木箱を調べ、同じ柄の木箱がないのかを探す。その結果、同じ柄の木箱は他にもいくつか存在し、中身を確認すると先ほど二人組が持ちだした小包と同じ物が入っていた。
「ちょ、ちょっとモモ……声が大きいわよ!!」
船内の倉庫にて何処からか二人分の女の子の声が上がり、並べられた木箱の内の一つが内側から押し開かれ、ヒナとモモが姿を現す。二人は周囲の様子を確認し、誰もいない事を確かめると外に出た。
実は二人とも最後の荷物がフライングシャーク号に運び込まれる際、偶然にも発見した空の木箱の中に潜り込み、荷物に紛れ込んで船の中に入り込んだのだ。どうして都合よく空の木箱が置かれていたのかは不明だが、既に船が発進した以上はもう二人は戻る事ができない。
「わあっ……凄い!!見て見て、本当に空を飛んでるよ!?」
「し、信じられないわね……まさか、本当にこんな大きな船が空を飛ぶなんて」
倉庫にも窓は存在し、二人は外を覗き込んで空を移動している事を確認する。だが、何時までもここに居るわけにはいかず、ヒナは不安そうな表情を浮かべる。
「ううっ……胃が痛いわ、勝手に付いて行ったなんてテンさんに知られたら何て言われるか……」
「だ、大丈夫だよ!!それより早くナイ君達と合流しよう、私達もナイ君達の手伝いをするって言わないと!!」
「モモ、あんたね……私達が役に立てると思ってるの?」
ヒナとモモが飛行船に勝手に乗り込んだのはナイ達の事を心配し、自分達も力になりたいと思ったからである。だが、ヒナは冷静に考えれば自分達が何の役に立つのかと不安を抱く。
二人ともテンに鍛えられているので一般人と比べれば高い戦闘力を持っている。しかし、この船に乗り込んだのは精鋭揃いであり、その中には王国騎士や黄金級冒険者も含まれている。彼等と比べればヒナは自分など一般人と大差ない存在だと理解していた。
「あんたは魔操術が上手いから役に立つかもしれないけど、私が何の役に立つのよ……せいぜい、この船の掃除ぐらいしか手伝える事はないわ」
「もう、大丈夫だよ!!ヒナちゃんは強いんだから、私よりも頼りにされるよ!!」
「それ以前に勝手に乗った私達が罰を受ける事になるかもしれないのよ……ナイ君達にも迷惑をかけちゃうわ」
「うっ……な、なら隠れて応援しよう?それなら気づかれないでしょう?」
「そんな事、できるわけが……ちょっと待って、誰か近付いてるわ」
「えっ!?」
ヒナは倉庫の外側から誰かが近付いてくる足音を耳にすると、慌てて二人は木箱の中に身を隠し、様子を伺う。足音の数は二人分であり、何者かが倉庫に入り込む。
(いったい誰かしら……まさか、私達の存在に気付いた?いや、そんな馬鹿な……いくら何でも気づかれるのが早過ぎるわ)
木箱の中でヒナは隠れながらも隙間から外の様子を伺い、何者かが入り込んだのかを確かめる。この時に彼女は見えたのは兵士の格好をした男性二人組を確認し、それを見た彼女は疑問を抱く。
(何よ、あいつら……様子がおかしいわね)
二人とも倉庫の中に運び込まれた木箱を片っ端から開き、中身を確認している様子だった。そんな二人を見てヒナは嫌な予感を浮かべ、このままでは自分達が隠れている木箱も見つかってしまう。
木箱の中でヒナはモモと共に外の様子を伺い、二人組の兵士の様子を伺う。徐々に二人組はヒナたちが隠れている木箱に近付いており、遂には隣の木箱が遂に開かれてしまう。しかし、この時に二人組は声を上げる。
「おい、こっちにあったぜ!!」
「たくっ、ようやく見つけたぜ……よし、これだけあれば十分だろう。早く持っていくぞ」
「へへへっ……こいつさえあれば、王国の奴等も一網打尽だぜ」
「「っ……!?」」
二人組が開いた木箱はヒナとモモが隠れている木箱と全く同じ形をしており、二人は箱の中に入っていた小包を取り出す。倉庫から立ち去り、すぐにヒナとモモは木箱から抜け出す。
「ね、ねえ……ヒナちゃん、今の人たちって……」
「ええ、あいつら……怪しいわね」
ヒナは木箱を確認すると、二人組が小包を取り出した木箱はやはりヒナとモモが隠れていた木箱と同じ形をしており、最初に道端に落ちていた木箱の事を思い出す。あの木箱は偶然にも落ちていたわけではなく、もしかしたら先ほどの男達が関係しているのかもしれない。
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「これって……まさか、火属性の魔石の粉末!?」
「えっ!?」
赤色の粉の正体が魔石を磨り潰した代物だとヒナは見抜き、こんな物がどうして木箱に入っているのかと戸惑いながらも先ほどの二人組を思い出す。
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