クラヴィーアの罪(Vector Design Supporters Ⅱ)

皆中透

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あなたの隣に

別れのその先に

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 猛暑がすぎ、主犯格で成人していた池本と河本の判決が下った後、二人はそれを不服として控訴することになったようだ。
 それを聞いた俺たちは、厚顔無恥とはよく言ったものだとその日の酒の肴にさせてもらった。
 自分たちの何がいけなかったのかを、しっかり学んでやり直すいい機会が巡ってきたのだと喜んでほしいくらいだ。

 田坂議員に至っては、さすが池本の親とでも言うべきか、自分は知らぬ存ぜぬを押し通し切っていた。
 あれほどに腹黒いといっそ清々しくもあると感心してしまう。
 神様がいるのであれば、こういう時に思い切り罰してもらいたいものだと心底思った。

 一方、明菫は複数の法規に違反したとして、執行猶予がつかずに服役することになった。
 本人もそれに納得しており、七年間の懲役生活を送ることになっている。
 創薬に関しては彼の始めたことではなく、sEを作り上げたのも明菫でも無い。
 直接問われた罪は、譲渡と使用に関することだけだった。

 ミチはVDSに所属したまま、ブンジャガだった店の店長をしている。そこはVDSが買い取り、名称を「ビム」と改められた。
 そして同じものを全国各地の繁華街に設置していった。
 VDSに登録している者であれば、そこでクラヴィーアとイプシロンの受け取りが出来るようになる。

 つまり、クラヴィーアは完成した。
 季節は、骨まで震えるほどに寒い冬へ移り変わっていた。


◇◇◇


「父さんの具合が良くないんだ。内祝いをしようと思っていたけれど、それよりも一度顔を見せに来てあげてくれないかな?」

 暖冬だと言われていた今冬、その予想を裏切るほどに真っ白な世界の広がる日々が続いた。
 その日の朝は、音が吸い込まれて静まり返り、思わず孤独を感じてしまうほどに降雪量がかった。

 快適に過ごせるように設定されていたはずの部屋でさえ対応が行き届かず、寒さに対抗する気力も湧かなくなっていた。
 俺はシーツの中で身震いしながら、すぐそばにある蒼の背中に張り付いた。

「はあー、あったかい。蒼の背中は気持ちいい」

 冷えた鼻先と頬を蒼の暖かい背中にくっつけて、熱がこちらへ移動するように擦り付けた。
 蒼は疲れ切って眠っているため、俺がそうしても全く起きる気配がない。

 それでも今日は出かけないといけない。そろそろ起こして、寝起きに飲むためのコーヒーの準備をしてあげようかと半身を起こした。俺はベッドの端に腰掛けると、ヘッドボードに置いてある白い錠剤を口に放り込んだ。
 それをゴクリと飲み込むと、そのまましばらく目を閉じて効くのを待つ。

 今までは起きても感覚遮断が完了するまでの時間は、じっとしておく必要があった。
 目が開けられるまで、ひどい時は一時間近くかかっていた。

 それが、クラヴィーアが完成してからは、寝起きに俺用に調合されたものを一錠飲み、それが効くまでの間だけ大人しくしていればいいようになった。
 これまで必要だった時間は、ほぼ全てが不要になった。

 そのため、今は俺が蒼のために朝のコーヒーを淹れてあげることも出来るようになった。
 俺はそれがとても嬉しくて、だんだん蒼よりも早く起きるようになっている。

 俺に尽くしたがる蒼からは時折不満も出るのだが、今できることはこれくらいしかないから、
 必死に頼み込んでこれだけはさせてもらうようにした。

「よし、もういけるな」

 薬の効きを確認して、立ち上がる。

「寒い……なんで今日に限ってこんなに寒いんだよ」

 ペタペタと足音を立てて、部屋を歩く。ベッドからさらに寒い窓際へと向かった。
 
「動けるようになったとはいえ無理はしないように」と蒼がキッチンから寝室のチェストの上にコーヒーメーカーを移動してくれていた。使うための水も、そこに用意してある。俺はただ、この部屋の中で豆を挽いてセットして、水を淹れてスイッチを押すだけでいい。

「よし。後は待つだけだから……」

 俺は走ってベッドに戻り、シーツの上から蒼に抱きついた。そして、その首筋から香りを胸いっぱいに吸い込んだ。

「ふあー、久しぶりの蒼の寝起きの匂い。しあわせー」

 あの夏の事件以降、蒼は潜入捜査に入ることが増えていた。依頼主は澪斗さんで、捜査内容は俺には知らされていない。そういうこともたまにはあったので、俺から聞くこともしていない。

 ただ、毎回一度出かけると二週間ほど帰ってこないので、その間全く会えなくなる。当然、連絡など取れないので、昨夜帰ってきた時は一秒も離れたくなくてずっとくっついていた。

 そして、くっついていればもっと混ざり合いたくなるから、それもまたずっとその状態だったわけだ。蒼が起きない理由はそれ。
 空が白んでくるまで抱き合っていたため、まだとてもじゃないが起きれそうにない。

 俺は最近事務所での仕事が多かったため、早めに仕事を終えた日は帰宅後はする事がなく、体を鍛えていた。
 これまで筋トレをすると筋肉量の増加中に痛みが発生しすぎるきらいがあったのだが、これもまたクラヴィーアのおかげでそれが起きなくなった。
 そういったいい傾向での変化はあったが、相変わらず二人で仲良く暮らしている。

「蒼、そろそろ起きろよ。今日は照史おじさんに会うんだろ? しっかり起きてないと永心に怒鳴られるぞ」

 俺は蒼の肩をトントンと叩きながら、声をかけた。蒼の眉根が僅かに寄り始めた。ちょうどその時、コーヒーが入れ終わってアラームが鳴った。

「お、出来たみたいだな」

 カップに注いで来ようと思い振り返ると、そこで急にバランスを崩して倒れてしまった。

「のわっ!」

 叫びながらうつ伏せに倒れ込んでしまうと、そのまま背中にドシンと重みを感じて「ぐえっ」と小さく悲鳴をあげた。

「あ、ごめん! 痛かった? 目が覚めたら翠のお尻が目の前にあったからつい……」

 寝起きにも関わらず蒼が俺に飛びかかっていた。目はまだちゃんと開いていないのに……。

「ごめんね、痛くない?」

 俺はそのまま体を捻って蒼の唇に噛み付いた。首に手を回し、体を引き倒す。自分の上にまたその重みを感じると、体の奥から喜びに打ち震えた。

「痛くない。まだ時間があるから、それ鎮めようぜ。ん」

 そう言ってキスを強請ると、俺の大好きな男はふわりと笑い、一番好きなものをゆっくりと与えてくれた。


◇◇◇


「お、来たか」

 今日は永心家で照史おじさんにクラヴィーア完成への尽力についてお礼を言いにいくようにしていた。
 クラヴィーアは、各センチネルの好む快楽のタイプを分析して、それに見合った処方がされる特殊な薬となった。抑制剤というよりは快楽促進剤といったほうが近いだろう。

 センチネルがガイドのケアに何を求めるのかを考えた晴翔さんが、思い切った方向転換をしたのだった。
 抑制は緊急薬として生まれ変わったイプシロンが担い、アウトするほどではない日常でのケアをこのクラヴィーアで担う。錠剤の半分は促進剤、半分は栄養補助食品のようなものだ。
 急激に飛び込んでくる情報の処理が間に合いにくい朝と、ミッション後に常用しても数十年耐性がつかないように計算してもらえる。

 センチネルに対する薬品は申請から承認、販売までの期間が一般の薬に比べてとても短く、完成したのは初秋だったのだが、この冬には販売が決まった。色々と制限がある中でのことではあるが、確実に俺たちの理想に一歩近づいた。
 恋人意外とのセックスを望まないセンチネルには、クラヴィーアの提供が優先される。それがどれほど尊厳を守ることになるのかは、想像に難くないと思う。

 その研究に関して、資金の提供と環境整備、そして何より多英さんの長年にわたる協力が大きな柱であったことは間違いない。永心家の尽力無くしてこの成果は現れていない。それに関して、代表として挨拶をすることにしていた。
 
 しかし辿り着いた永心家には、祝いのムードが一切なかった。
 どちらかというと通夜のようで、しんみりとした雰囲気の中、永心兄弟が勢揃いしている。和人の隣には、田崎もいた。
 四人とも目を伏せて、物思いに耽っていた。

「よう。何かあったのか……と訊こうと思ったけれど、察しがついた。いつだ?」

 四人の服装を見れば一目瞭然だった。彼らは喪服を着ていた。そして田崎の手には、見覚えのある衣装ケースがあった。
 それには、俺たちが仕事で使う喪服が入っているはずだ。

「今朝だ。時間になっても起きてこなかったらしくて、様子を見に行った池内の人間が連絡をくれた。眠ったまま逝ったようだと。まあわかるだろうが連絡する箇所が多過ぎて、お前たちには来てから話そうということになってな。幸というか、最近はもう父さんに擦り寄ってくる人間もほぼいなかったから、大きな葬儀はしないことになってる。家族葬みたいなものをやるから、お別れだけしてやってくれ」

「そうか……。蒼、とりあえず着替えよう。永心、お悔やみは顔を見てからでいいか? 俺も気持ちの整理をつけてくる」

「おう」と小さく答えた永心の肩にポンと手を乗せた。そして、何度か軽く叩いてその場を去った。

「亡くなったのか……」

 俺がポツリと漏らすと、蒼は苦しそうに「残念だね。やっと子供達との蟠りがなくなって、今からが幸せな人生だっただろうに」と言った。

 着替えに使う部屋は以前話し合いで使った部屋で、そこへ向かうにはあの梧桐の前を通る。その木の周りに、キラキラと光の粒が踊っていた。

「もう形としては見えないけれど、インフィニティが迎えに来たんだろうな」

 梧桐は寒風に揺れていた。秘めた恋を全うした二人は、ようやく一緒になることができるのだろう。その周囲に与えた影響はあまりにも大きく、罪のないものが巻き込まれもしている。それでも、この二人が幸せでいてほしいと思わずにはいられなかった。

 夏に照史おじさん自身が告げていたからか、みんな揃って覚悟が決まっていたようだった。俺も蒼も今聞いたばかりなのに、ずっと前から知っているような気がしていた。別れるなら、今なのだろうと。

 喪服に着替え、以前使わせてもらった部屋でおじさんの亡骸と対面した。とても穏やかに眠っている。
 たくさんの絶望と諦めの中から必死に見出した光明を、晩年後悔してばかりだっただろう。それでも、この顔を見てしまったら、責めることは出来ない。

「まるで子供みたいだろう? やり切ったぞ! みたいな顔してるよな。みんな散々振り回されてきたのに、責める気が起きなくて」

 そう言って苦笑する永心に「俺も今そう思ってたよ」と答えた。

 それから、近しい人間だけでおじさんを見送った。その日一日をおじさんのために、全て使った。
 孤児だった俺がこの家に遊びにきても詰られることもなく、会社を立ち上げれば支援してくれた。
 直接会うことはほぼ無かったけれど、澪斗さんを通じてその優しさをたくさん与えてもらった。

「ありがとうございました」

 俺と蒼は手を繋いで、灰色の空の下、旅立つ鳳凰の姿をいつまでも見ていた。


◇◇◇


「明日行くのか?」

 照史氏の葬儀が終わり、池内の人たちに混じって片付けをした後に、翠に休暇の希望を出した。
 明日、母と玲香の墓参りに行こうと思い立ったのだ。命日だと言うわけでもなく、突然休暇の希望を出すと言うことも俺には珍しい。
 驚いた翠はつい立ち入った質問をしたと思ったのだろう、すぐにそれを取り消そうとした。

「ああ、すまない。いや、休暇の希望ならもちろん大丈夫だ。事務処理はスタッフさんに頼んでおくよ」

 今照史氏の葬儀が終わったばかりなのに、不謹慎かもしれないとは思ったのだが、親を亡くした和人の気持ちを思うと、どうしてもそのままにしておきたく無かった。
 二人で話し合って、ずっと前から決めていた。約束を果たす日は、照史氏が亡くなった後すぐにしようと。

 照史氏が伏せってからは頻繁に顔を出し、これからのことについても話合っていた。
 長い間孤独を強いてしまった和人の今後を心配していた照史氏は、和人の隣に俺が立つことを快諾してくれた。

「和人、良かったな。私はもう長く生きられない。だから、今言わせておいてくれ。おめでとう。二人で幸せに暮らすんだよ」

 そう言って、輝くような笑顔を見せて喜んでくれていた。その時、一つ約束して欲しいと言われた。それが、母の墓前に報告してくることだった。

「和人を迎えることを報告してあげて欲しいんだ。澪斗がきっと法整備をする。そうなれば、君たちも正式に伴侶となれる日が来るだろう。それを待っていて欲しいと伝えていただけないか? それまではただ一緒にいる事しかできず、もどかしい思いもするかもしれない。でも、諦めずにいてくれることを願うよ。それをお母様にも見守っていただきたくてね」

 パッと聞いた感じは、いい話なのだろう。だが、俺はそうは思わなかった。永心照史が、自分の葬儀の後すぐに母の墓を参れという。おそらくそこには何かがあるのだろうと思っていた。それも、俺だけに確認してほしい何かが、だ。

「田崎さん、ここですか?」
「は?……あ、うん、そうだ。ありがとう」

 昨日までのことをぼんやりと考えながら霊園の中を歩いていた。俺があまりにもぼんやりしているせいで、いつの間にか和人が先を歩いて墓を探してくれていた。
 時間ができるたびにここへ来て、掃除をしながら気を緩めるのが当たり前になっていたのだが、この一年は目まぐるしく過ぎて行って、全く来ることができなかった。

 やや薄汚れてしまった墓を丁寧に掃除して、花を活け、線香をあげて手を合わせる。日本での生活が短い和人は、俺のすることを隣で真似て同じことをしてくれた。

「母さん、久しぶりです。忙しくてなかなか来れませんでした。今日は、俺が選んだパートナーと一緒にきました。ずいぶん年下でしょう?」

 そう言って、和人の肩を引いて抱き寄せた。和人は俺の言葉を聞いて、楽しそうに声をあげて笑った。そして、深々と頭を下げた。

「里中和人です。菊神和人、大垣和人、永心和人、全部僕の名前です。コロコロ名前と住む場所が変わって、出自も色々あってすごく特殊な人生を歩んでます。でも……」

 一気に話し始めたと思うと突然俺の方を向き、スーツの襟を思いっきり掴んでぐいっと引っ張られた。そして、俺の首に肘を絡めると、前を向いて力強く宣言した。

「俺は田崎和人になります。まだなれないけれど、兄の澪斗がいつかきっと正式な夫夫になれるようにしてくれるはずです。だから、心配しないで見守っていてください! よろしくお願いします!」

 その勢いのまま、また深々とお辞儀をする。俺の首も一緒にそれに付き合わされた。

「いってえ! おい、首がもげるだろう……」

 その勢いにやや照れながらも、それ隠すために苛立つふりをした。それでも無理やり下げられた視線の先には、まるで太陽のように輝く笑顔があった。その笑顔は、おそらく俺が今まで見た和人の顔の中で、最も明るい笑顔だった。

 俺がここへ連れてきて家族になる人として紹介をしたことを、心から喜んでくれているのだろう。その顔を見ていると、俺の胸もこれまでで一番苦しくて、暖かくて、なんとも言いようのない甘さに満ちていった。

「……愛してるよ、和人」

 夕暮れの霊園の中を、寒風が吹き荒ぶ。じっと見つめ合うと、その時間の間にも体が凍りつきそうな寒さだった。
 
 俺は和人の空いた方の手に指を絡ませた。お互いにもう冷え切っていた。そのまま和人を引き寄せて、母の墓前で口付けた。

——母さん、俺は幸せになってもいいですか?

 そう問いながら、和人を抱きしめた。
 するとそこへ、淡い赤に色づいた風が吹いてきた。その中に、わずかに鳥の姿のようなものが見えた。
 そして、その中にもう二つ動くものが見えた。それは小さな二匹の犬だった。

「あれは……」

 その犬の姿は、俺が小さな頃に母から何度か絵に描いて見せてもらったものだ。
 見えない俺のためにそうやって教えてくれた、父と母のスピリットアニマルだった。

「和人、照史さんのスピリットアニマルは鳳凰だったよな。じゃあこの赤い風、照史さんと池内の……?」
「そうかもしれないです。鳳凰は赤に縁があるから。じゃあ、あの可愛い犬は……」

 ストレンジャーの和人とミュートの俺は、本来スピリットアニマルを見ることは出来ない。ただし、照史氏はまだ亡くなったばかりで、まだ境界線上にいる。
 そういう存在には、思いもよらない不思議な力が宿ることがある。
 
「これを俺たちに見せたかったんだな、きっと」
「父さんって結構ロマンチストですよね」

 家柄に自由を奪われ、苦難を生きた照史氏と池内、ペアが先立ち狂うしか無かった母、そしてペアに裏切られた玲香。
 みんな薬が完成していたら、幸せに暮らしていたのかもしれない。そう考えると、これからの能力者は幸せだろう。

「VDSに登録すれば、アウトで死ぬことはほぼ無くなるんだよ。母さん、俺たちの理想に一歩近づいたんだ」

「そうですね。それに、不快物質を押さえ込むんじゃなくて、快楽物質の平均値の上昇を狙うって辺りが晴翔兄さんらしいと思いました」

 晴翔さんを兄さんと呼べるようになった和人を見て、赤い風は空へと消えていった。二匹の犬も姿を消した。

「帰ろうか」
「はい」

 墓前に二人で頭を下げた。
 これからの人生を二人で生きていく覚悟をして、ゆっくりと別れの挨拶をした。

 戻ったら、あのバカップルにも報告しよう。
 そして、またあいつらと共に戦おう。

 たくさんの命を失った今年を、来年以降繰り返さないようにするために。

「あ、田崎さん、電話が……お客さんみたいですよ」

 和人に預けていたバッグの中で呼び出し音が鳴り響いた。俺は墓参り用具一式を和人に預けて電話に出る。

「はい。ベクトルデザインサポーターズ、田崎でごございます」

 休みは返上だ。また別の日にゆっくり過ごすことにしよう。
 やるべきことがある限りは、それが自分にできることである限りは、俺はそれを優先する。それは三人で会社を立ち上げた時に決めたことだ。
 通話を終え、即座に翠へ連絡を入れる。急ぐべきだと判断したら、即動くに限る。

「田崎だ。捜索依頼が入ったから動いてくれ。詳細は別途送る」

 俺たちは、誰かの人生の助けになりたい。その人生がどこを目出して向かおうと、そのベクトルが誤った方へと向かわないように調整する手伝いをしたい。
 それが誤りかどうかを判断するのは、当人と協議の上に慎重に決めていく。

 そして、世界トップスリーに入るセンチネルの指示に従う。

 迷われましたか? お手伝いします。
 最高の技術とスタッフで、お待ちしています。
 ご連絡は田崎まで。

 ご案内は、中瀬もしくは里中が承ります。

 そして、探偵業務をこなすセンチネルとガイドも募集しています。
 我が社はミュートのスタッフも募集中です。

 ご興味がありましたら、ご連絡ください。
 心よりお待ちしております。

(終)
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