24 / 43
第四章
23
しおりを挟む
はぁ、はぁ、と息を乱しているエスメと違って、グレイは楽しげだった。
「あなたの鳴き声は、小夜啼鳥のようだな。ああ、でも、あなたが小夜啼鳥だったら、きっと、俺は、あなたが飛び立ってしまうことを恐れて、どこにも行けないように風切り羽を切ってしまうだろう。だから、あなたが鳥ではなくて良かった」
怖いことを言われている、と思った瞬間、頭が真っ白になった。
グレイが身をかがめて、エスメのぬかるみに口づけていたからだ。
「あ、あっん……ぅ、~~~ッ、!」
グレイは舌先をとがらせると、花芽をつつく。
それから、ぱくり、と口に含んでしまった。
「や、や、やッ、! グレイ様。だめッ、ダメ、やっん、ん」
熱い舌先が、昨夜も散々に可愛がられた花芽をいじめる。その間も、指は奥をさぐるように、エスメの胎のなかでばらばらに動かされている。
エスメは身を震わして、また達してしまった。
(お、終わった? 終わりました?)
グレイは指を引き抜く。
「グレイ様。あの」
ぜぇ、ぜぇ、と息を乱しながらも、ほっとしていたエスメは、次の瞬間、びくん、となる。
「ッ……んぅ、えッ、あ……?」
のぼりつめたばかりなのに、引き抜かれた指の代わりに、今度はグレイの熱くて柔らかい舌が、ぬかるみに入ってきたからだ。
骨張った指とは、まるで違う。
まるで生き物のように蠢く舌に、エスメは堪らなくなって、両手でグレイの頭に触れた。
彼の頭を押し返したつもりなのに、まったく力が入らなくて、頭を撫でるみたいなことになってしまう。
ぴちゃ、ぴちゃ、と、まるでミルクでも舐めるような音がする。
エスメはそのまま、もう一度、達してしまった。
グレイの唇が、エスメの秘部から離される。
エスメの中から溢れたもので、美しい顔は濡れていた。
それを見たエスメは――。
「お、お止めに。お止めになって、くださいッ、もう」
ぐずぐずと、小さな子どものように泣いてしまった。
「え、エスメ⁉ す、すまない。もしかして乱暴をしてしまったか? どこか痛むか?」
「い、痛くないですッ、……き、気持ちよく、て」
「そ、そうか? それは良かった。あなたが気持ちいいのが一番だからな、うん。……なんだ、気持ちよくて泣いているのか? やはり可愛いが過ぎるのでは、俺のエスメは」
「き、気持ちいいのは、置いて、おいてください。私が、私が気持ちよくてもっ、グレイ様は、違うでしょう?」
「な、何故だ⁉ 俺も最高に気持ちいいが! 悦んでいるあなたを見ているだけで、情けなくも、出てしまいそうだったんだが!」
「わ、私では、ご満足できないでしょう?」
「あなたで満足できないなら、他の誰が俺を満足させられるのか分からないのだが! あ、ああ。泣かないでくれ。快楽で涙するあなたは好きだが、こんな悲しそうに泣かれると、どうすれば良いのか分からない!」
「い、いつも乱されるのは、私ばかりで。衣だって、着込んだままで」
「衣? いや、俺が肌を見せないのは、あなたと裸で触れ合ったら、自制が効かなくて、どうにかなってしまいそうだからで」
「ふ、フレアだったら、きっと、グレイ様にも良かったでしょう。私に隠れて、二人だけで、街にも出かけられていたでしょう。……っ、ごめんなさい。私などが、あなたの伴侶で」
「待ってくれ‼ そこでフレア嬢の話に戻るのか? もしや、あなたが森で話していた、誰もがフレア嬢を好きになる! というのは、本当にそう思っているのか?」
森。
その単語に、泣いていたエスメは、目を丸くする。
「ど、うして。そのことを?」
「どうして? 俺は、あなたの犬なのだから、知っていて当然だ」
「い、犬? 王太子殿下を犬になんて、そんな」
「もしかして、俺はあなたに何も話していなかったのだろうか? すまない。あなたの婿になれたことが嬉しくて、うっかり説明することを忘れていたのかもしれない」
「説明って、何を?」
「いまから説明しても良いのだが、大した話ではないからな」
「……ぁ、た、大した……ッって、んぅッ、ん。あぁ、ああ、っや、や」
グレイの指先が、まだ濡れているエスメの泥濘に、つぷん、と入れられる。
「このままだと、あなたが切ないだろう?」
「……っ、で、でもッ……ぁんっ、ま、っ、ぁんぅッ……ま、待って! ひっ、や、やぁ、っ、ぁ」
一本だったグレイの指が次々と入ってくる。ばらばらに動かされて、エスメは、ひっ、喉を引きつらせる。
襞の奥から、また甘い蜜がこぼれることが自分でも分かった。
「っ、んっんんん、ぁんッ……っ、や、ぁあ、っ……ッ‼」
そのまま高みに連れていかれてしまって、エスメは、はぁ、はぁ、と息を乱す。
「あなたの鳴き声は、小夜啼鳥のようだな。ああ、でも、あなたが小夜啼鳥だったら、きっと、俺は、あなたが飛び立ってしまうことを恐れて、どこにも行けないように風切り羽を切ってしまうだろう。だから、あなたが鳥ではなくて良かった」
怖いことを言われている、と思った瞬間、頭が真っ白になった。
グレイが身をかがめて、エスメのぬかるみに口づけていたからだ。
「あ、あっん……ぅ、~~~ッ、!」
グレイは舌先をとがらせると、花芽をつつく。
それから、ぱくり、と口に含んでしまった。
「や、や、やッ、! グレイ様。だめッ、ダメ、やっん、ん」
熱い舌先が、昨夜も散々に可愛がられた花芽をいじめる。その間も、指は奥をさぐるように、エスメの胎のなかでばらばらに動かされている。
エスメは身を震わして、また達してしまった。
(お、終わった? 終わりました?)
グレイは指を引き抜く。
「グレイ様。あの」
ぜぇ、ぜぇ、と息を乱しながらも、ほっとしていたエスメは、次の瞬間、びくん、となる。
「ッ……んぅ、えッ、あ……?」
のぼりつめたばかりなのに、引き抜かれた指の代わりに、今度はグレイの熱くて柔らかい舌が、ぬかるみに入ってきたからだ。
骨張った指とは、まるで違う。
まるで生き物のように蠢く舌に、エスメは堪らなくなって、両手でグレイの頭に触れた。
彼の頭を押し返したつもりなのに、まったく力が入らなくて、頭を撫でるみたいなことになってしまう。
ぴちゃ、ぴちゃ、と、まるでミルクでも舐めるような音がする。
エスメはそのまま、もう一度、達してしまった。
グレイの唇が、エスメの秘部から離される。
エスメの中から溢れたもので、美しい顔は濡れていた。
それを見たエスメは――。
「お、お止めに。お止めになって、くださいッ、もう」
ぐずぐずと、小さな子どものように泣いてしまった。
「え、エスメ⁉ す、すまない。もしかして乱暴をしてしまったか? どこか痛むか?」
「い、痛くないですッ、……き、気持ちよく、て」
「そ、そうか? それは良かった。あなたが気持ちいいのが一番だからな、うん。……なんだ、気持ちよくて泣いているのか? やはり可愛いが過ぎるのでは、俺のエスメは」
「き、気持ちいいのは、置いて、おいてください。私が、私が気持ちよくてもっ、グレイ様は、違うでしょう?」
「な、何故だ⁉ 俺も最高に気持ちいいが! 悦んでいるあなたを見ているだけで、情けなくも、出てしまいそうだったんだが!」
「わ、私では、ご満足できないでしょう?」
「あなたで満足できないなら、他の誰が俺を満足させられるのか分からないのだが! あ、ああ。泣かないでくれ。快楽で涙するあなたは好きだが、こんな悲しそうに泣かれると、どうすれば良いのか分からない!」
「い、いつも乱されるのは、私ばかりで。衣だって、着込んだままで」
「衣? いや、俺が肌を見せないのは、あなたと裸で触れ合ったら、自制が効かなくて、どうにかなってしまいそうだからで」
「ふ、フレアだったら、きっと、グレイ様にも良かったでしょう。私に隠れて、二人だけで、街にも出かけられていたでしょう。……っ、ごめんなさい。私などが、あなたの伴侶で」
「待ってくれ‼ そこでフレア嬢の話に戻るのか? もしや、あなたが森で話していた、誰もがフレア嬢を好きになる! というのは、本当にそう思っているのか?」
森。
その単語に、泣いていたエスメは、目を丸くする。
「ど、うして。そのことを?」
「どうして? 俺は、あなたの犬なのだから、知っていて当然だ」
「い、犬? 王太子殿下を犬になんて、そんな」
「もしかして、俺はあなたに何も話していなかったのだろうか? すまない。あなたの婿になれたことが嬉しくて、うっかり説明することを忘れていたのかもしれない」
「説明って、何を?」
「いまから説明しても良いのだが、大した話ではないからな」
「……ぁ、た、大した……ッって、んぅッ、ん。あぁ、ああ、っや、や」
グレイの指先が、まだ濡れているエスメの泥濘に、つぷん、と入れられる。
「このままだと、あなたが切ないだろう?」
「……っ、で、でもッ……ぁんっ、ま、っ、ぁんぅッ……ま、待って! ひっ、や、やぁ、っ、ぁ」
一本だったグレイの指が次々と入ってくる。ばらばらに動かされて、エスメは、ひっ、喉を引きつらせる。
襞の奥から、また甘い蜜がこぼれることが自分でも分かった。
「っ、んっんんん、ぁんッ……っ、や、ぁあ、っ……ッ‼」
そのまま高みに連れていかれてしまって、エスメは、はぁ、はぁ、と息を乱す。
10
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる