どうしても、あなたの犬になりたい! 美貌の王子が溺愛したのは、内気な落ちこぼれ令嬢でした。

湖宮つばめ

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第四章

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 はぁ、はぁ、と息を乱しているエスメと違って、グレイは楽しげだった。
「あなたの鳴き声は、小夜啼鳥のようだな。ああ、でも、あなたが小夜啼鳥だったら、きっと、俺は、あなたが飛び立ってしまうことを恐れて、どこにも行けないように風切り羽を切ってしまうだろう。だから、あなたが鳥ではなくて良かった」
 怖いことを言われている、と思った瞬間、頭が真っ白になった。
 グレイが身をかがめて、エスメのぬかるみに口づけていたからだ。
「あ、あっん……ぅ、~~~ッ、!」
 グレイは舌先をとがらせると、花芽をつつく。
 それから、ぱくり、と口に含んでしまった。
「や、や、やッ、! グレイ様。だめッ、ダメ、やっん、ん」
 熱い舌先が、昨夜も散々に可愛がられた花芽をいじめる。その間も、指は奥をさぐるように、エスメの胎のなかでばらばらに動かされている。
 エスメは身を震わして、また達してしまった。
(お、終わった? 終わりました?)
 グレイは指を引き抜く。
「グレイ様。あの」
 ぜぇ、ぜぇ、と息を乱しながらも、ほっとしていたエスメは、次の瞬間、びくん、となる。
「ッ……んぅ、えッ、あ……?」
 のぼりつめたばかりなのに、引き抜かれた指の代わりに、今度はグレイの熱くて柔らかい舌が、ぬかるみに入ってきたからだ。
 骨張った指とは、まるで違う。
 まるで生き物のように蠢く舌に、エスメは堪らなくなって、両手でグレイの頭に触れた。
 彼の頭を押し返したつもりなのに、まったく力が入らなくて、頭を撫でるみたいなことになってしまう。
 ぴちゃ、ぴちゃ、と、まるでミルクでも舐めるような音がする。
 エスメはそのまま、もう一度、達してしまった。
 グレイの唇が、エスメの秘部から離される。
 エスメの中から溢れたもので、美しい顔は濡れていた。
 それを見たエスメは――。
「お、お止めに。お止めになって、くださいッ、もう」
 ぐずぐずと、小さな子どものように泣いてしまった。
「え、エスメ⁉ す、すまない。もしかして乱暴をしてしまったか? どこか痛むか?」
「い、痛くないですッ、……き、気持ちよく、て」
「そ、そうか? それは良かった。あなたが気持ちいいのが一番だからな、うん。……なんだ、気持ちよくて泣いているのか? やはり可愛いが過ぎるのでは、俺のエスメは」
「き、気持ちいいのは、置いて、おいてください。私が、私が気持ちよくてもっ、グレイ様は、違うでしょう?」
「な、何故だ⁉ 俺も最高に気持ちいいが! 悦んでいるあなたを見ているだけで、情けなくも、出てしまいそうだったんだが!」
「わ、私では、ご満足できないでしょう?」
「あなたで満足できないなら、他の誰が俺を満足させられるのか分からないのだが! あ、ああ。泣かないでくれ。快楽で涙するあなたは好きだが、こんな悲しそうに泣かれると、どうすれば良いのか分からない!」
「い、いつも乱されるのは、私ばかりで。衣だって、着込んだままで」
「衣? いや、俺が肌を見せないのは、あなたと裸で触れ合ったら、自制が効かなくて、どうにかなってしまいそうだからで」
「ふ、フレアだったら、きっと、グレイ様にも良かったでしょう。私に隠れて、二人だけで、街にも出かけられていたでしょう。……っ、ごめんなさい。私などが、あなたの伴侶で」
「待ってくれ‼ そこでフレア嬢の話に戻るのか? もしや、あなたが森で話していた、誰もがフレア嬢を好きになる! というのは、本当にそう思っているのか?」
 森。
 その単語に、泣いていたエスメは、目を丸くする。
「ど、うして。そのことを?」
「どうして? 俺は、あなたの犬なのだから、知っていて当然だ」
「い、犬? 王太子殿下を犬になんて、そんな」
「もしかして、俺はあなたに何も話していなかったのだろうか? すまない。あなたの婿になれたことが嬉しくて、うっかり説明することを忘れていたのかもしれない」
「説明って、何を?」
「いまから説明しても良いのだが、大した話ではないからな」
「……ぁ、た、大した……ッって、んぅッ、ん。あぁ、ああ、っや、や」
 グレイの指先が、まだ濡れているエスメの泥濘に、つぷん、と入れられる。
「このままだと、あなたが切ないだろう?」
「……っ、で、でもッ……ぁんっ、ま、っ、ぁんぅッ……ま、待って! ひっ、や、やぁ、っ、ぁ」
 一本だったグレイの指が次々と入ってくる。ばらばらに動かされて、エスメは、ひっ、喉を引きつらせる。
 襞の奥から、また甘い蜜がこぼれることが自分でも分かった。
「っ、んっんんん、ぁんッ……っ、や、ぁあ、っ……ッ‼」
 そのまま高みに連れていかれてしまって、エスメは、はぁ、はぁ、と息を乱す。
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