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第五章
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エスメは、グレイのシャツのボタンを外してゆく。そのまま、指をつうっと下げて、剥き出しになったグレイの胸に触れた。
(あ。犬のときと同じで、あの痣があります)
胸と腹の間、ちょうどみぞおちのあたりに、星形の痣がある。それは前に見たときよりも黒く塗り潰されていた。
(この痣、結局、何なのでしょうか?)
「ん、くすぐったいのだが」
そう言われて、エスメは、はっとする。
痣のことよりも、いまはグレイのことだ。
グレイの胸は、筋肉がきちんとついて、まるで鋼のようだった。
「鍛えているんですね。たくさん努力されてきたのですね」
女神の加護があることに甘えず、彼自身、たくさんの努力をしてきたであろう。
いや、違うのだ。
そもそも、女神の加護があっても、なくても、グレイが努力してきたことは、それだけで尊ばれることだ。
(そんな当たり前のことが、私、分からなくなっていたのかもしれません)
フレアにだって、同じことを思っていた。
あの子に女神の加護があることは本当だ。乙女ゲームの主人公として、彼女が特別な力を持っていることは知っていた。
だが、それとは別に。
一生懸命に頑張っていた、可愛らしい女の子のことを、ずっと隣で見ていた。
「グレイ様。あなたのことが好き、です」
エスメは、ためらいがちに、グレイの頬に、首筋に、口づけた。くすぐっったそうに身をよじったグレイは、溜息をつく。
「嬉しいものだな。はじめて、好き、と言ってもらえた」
「これから、たくさん言います」
エスメは微笑んで、グレイの服を脱がせる。
綺麗に包装された贈り物を、ひとつ、ひとつ剥いてゆくようで、なんだか胸がときめく。
あらわになったグレイの上半身に触れる。
いつもグレイがしてくれるように、キスをして、肌に吸いつく。
グレイのように綺麗にはできなかったが、ぱっと、小さな赤い花が咲いて、エスメは嬉しくなった。
そのまま、そっと掌を下に滑らせた。
「え、エスメ。そこは」
「ダメですか? 私には、してくださるのに」
エスメは身をかがめると、グレイの下穿きをくつろげる。
ばん、と出てきた劣情に、エスメは一瞬、目を丸くしてしまう。明るいところで、まじまじと見ることがはじめてだったので、びっくりしてしまった。
エスメのことを思ってだろうか。
グレイのそこは、天を仰ぐように勃っていた。
美しい人形のような容姿に反して、鍛えられた男の人であることは知っている。知っていたが、こんなにも太くて固いのだ、と驚いてしまう。
(これが。いつも、私のなかに)
血管の浮き出たそれは、触れると、とても熱かった。
太股が、はしたなく、蜜で濡れていくのが分かった。
この太くて、固いものが、エスメのなかに突き入れられて、いつもエスメを気持ちよくしてくれる。
そう思ったら、こんなにもグロテスクなのに、愛おしくなった。
エスメは小さく口を開けて、そっと先端を口に含んでみた。
珍しく、グレイが慌てていることが伝わってきたが、そのままキャンディを舐めるみたいに舌を動かす。
「……ぅ、ッ、あ、え、エスメ。あなたは、そんなことをッ、しなくとも」
(どうやったら、グレイ様が気持ちよくなってくださるでしょうか?)
いつもグレイがしてくれることを思い出しながら、エスメは肉棒を掌でさする。ちゅ、吸いついては、舐めてみる。
「っ、ぁ」
きっと、エスメがやっていることはつたない動きだろうに、グレイが小さく喘ぐ。
それが嬉しくて、エスメは、さらに手と舌を動かした。
「……っ、エスメ!」
とん、と肩を押された。
強い力ではなかったが、つい、エスメはグレイの欲望から口を離してしまった。
「あ、あの。気持ちよく、なかったですか? ごめんなさい。慣れていなくて」
「気持ちよかったが! あと、慣れていたら困る! ……あ、あなたが、俺にそうやってくれるのは嬉しいが。俺も、あなたに触れたい」
エスメは目を丸くした。
そんなこと許可は要らない。
「たくさん触れてください。あなたのものです」
(グレイ様の、舌も、手も。熱い、ところも。ぜんぶ、私を気持ちよくしてくださる、と)
エスメの身体は、すっかり、そのことを学んでいた。
「あたたかいな。あなたは、いつも」
「もっと、あたたかくなりますか?」
エスメは知っている。
この先にある、もっと強く、この人を感じることができるものを。
(あ。犬のときと同じで、あの痣があります)
胸と腹の間、ちょうどみぞおちのあたりに、星形の痣がある。それは前に見たときよりも黒く塗り潰されていた。
(この痣、結局、何なのでしょうか?)
「ん、くすぐったいのだが」
そう言われて、エスメは、はっとする。
痣のことよりも、いまはグレイのことだ。
グレイの胸は、筋肉がきちんとついて、まるで鋼のようだった。
「鍛えているんですね。たくさん努力されてきたのですね」
女神の加護があることに甘えず、彼自身、たくさんの努力をしてきたであろう。
いや、違うのだ。
そもそも、女神の加護があっても、なくても、グレイが努力してきたことは、それだけで尊ばれることだ。
(そんな当たり前のことが、私、分からなくなっていたのかもしれません)
フレアにだって、同じことを思っていた。
あの子に女神の加護があることは本当だ。乙女ゲームの主人公として、彼女が特別な力を持っていることは知っていた。
だが、それとは別に。
一生懸命に頑張っていた、可愛らしい女の子のことを、ずっと隣で見ていた。
「グレイ様。あなたのことが好き、です」
エスメは、ためらいがちに、グレイの頬に、首筋に、口づけた。くすぐっったそうに身をよじったグレイは、溜息をつく。
「嬉しいものだな。はじめて、好き、と言ってもらえた」
「これから、たくさん言います」
エスメは微笑んで、グレイの服を脱がせる。
綺麗に包装された贈り物を、ひとつ、ひとつ剥いてゆくようで、なんだか胸がときめく。
あらわになったグレイの上半身に触れる。
いつもグレイがしてくれるように、キスをして、肌に吸いつく。
グレイのように綺麗にはできなかったが、ぱっと、小さな赤い花が咲いて、エスメは嬉しくなった。
そのまま、そっと掌を下に滑らせた。
「え、エスメ。そこは」
「ダメですか? 私には、してくださるのに」
エスメは身をかがめると、グレイの下穿きをくつろげる。
ばん、と出てきた劣情に、エスメは一瞬、目を丸くしてしまう。明るいところで、まじまじと見ることがはじめてだったので、びっくりしてしまった。
エスメのことを思ってだろうか。
グレイのそこは、天を仰ぐように勃っていた。
美しい人形のような容姿に反して、鍛えられた男の人であることは知っている。知っていたが、こんなにも太くて固いのだ、と驚いてしまう。
(これが。いつも、私のなかに)
血管の浮き出たそれは、触れると、とても熱かった。
太股が、はしたなく、蜜で濡れていくのが分かった。
この太くて、固いものが、エスメのなかに突き入れられて、いつもエスメを気持ちよくしてくれる。
そう思ったら、こんなにもグロテスクなのに、愛おしくなった。
エスメは小さく口を開けて、そっと先端を口に含んでみた。
珍しく、グレイが慌てていることが伝わってきたが、そのままキャンディを舐めるみたいに舌を動かす。
「……ぅ、ッ、あ、え、エスメ。あなたは、そんなことをッ、しなくとも」
(どうやったら、グレイ様が気持ちよくなってくださるでしょうか?)
いつもグレイがしてくれることを思い出しながら、エスメは肉棒を掌でさする。ちゅ、吸いついては、舐めてみる。
「っ、ぁ」
きっと、エスメがやっていることはつたない動きだろうに、グレイが小さく喘ぐ。
それが嬉しくて、エスメは、さらに手と舌を動かした。
「……っ、エスメ!」
とん、と肩を押された。
強い力ではなかったが、つい、エスメはグレイの欲望から口を離してしまった。
「あ、あの。気持ちよく、なかったですか? ごめんなさい。慣れていなくて」
「気持ちよかったが! あと、慣れていたら困る! ……あ、あなたが、俺にそうやってくれるのは嬉しいが。俺も、あなたに触れたい」
エスメは目を丸くした。
そんなこと許可は要らない。
「たくさん触れてください。あなたのものです」
(グレイ様の、舌も、手も。熱い、ところも。ぜんぶ、私を気持ちよくしてくださる、と)
エスメの身体は、すっかり、そのことを学んでいた。
「あたたかいな。あなたは、いつも」
「もっと、あたたかくなりますか?」
エスメは知っている。
この先にある、もっと強く、この人を感じることができるものを。
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