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寝起きを襲われる
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「リオ!」
「ぐぇええ!」
理緒の一日は、可愛げの欠片もない悲鳴から始まった。気持ちよく寝ていたところに襲撃を受けたのだ。何事だと思って飛び起きようとしたが、上に何かが乗っていて動けなかった。理緒の動きを抑えていたのは…金髪碧眼の幼児だった。理緒と目が合うと、にこぉと満面の笑みで笑いかけてくる。うん、朝から眼福ものの笑顔だ…いきなり上に飛び乗られなければ…
「ルイ様!」
次に理緒の部屋に入ってきたのは、まだ若いメイドと見られる女性だった。薄茶色の髪に新緑の緑の様な綺麗な瞳が印象的で、年は理緒と同じか少し上くらいだろうか。部屋に入ってきたまでは勢いがあったが、にこにこ理緒の上に乗るルイを見て驚いたのか動きが止まった。
「え…っと?」
いきなり自分が置かれた状況に、理緒がメイドを見ながら固まっていると、ルイがぺちぺちと理緒の手をたたき出した。
「リオ!リオ!」
自分の名を連発するルイに、まだ舌足らずなところも可愛い…と思ってしまった理緒に、ルイは今度はぎゅ~っと抱き付いてきた。昨日もやたらと抱き付いてきたが、この子はこうするのが好きらしい。まぁ、親と離れてこんな寂しいところで暮らしているのだから仕方ないかな、とは思うが。
「リオ様、お目覚めですか?」
三者三様に収拾がつかない場に現れたのはマシューだった。朝からきっちりとした佇まいが有能さを物語っている。うん、ナイスタイミング。
「あ、おはようございます、マシューさん」
「…リオ様、おはようございます。そして申し訳ございません、ルイ様が…」
「あ~いえ、朝からこんな可愛い子に起こされてラッキーです」
出来ればもう少し寝ていたかったし、どうせなら穏やかに起こされたかったとは思うが、さすがにそれを馬鹿正直に言うほど理緒も子供じみた事はしない。
「ま、マシュー様?」
そんな三人に戸惑いの声を上げたのはメイドだった。まぁ、そうだろう、世話をするルイを追いかけていたら客人の部屋に飛び込んで、しかもその上にジャンプしているのだ。理緒だって弟や妹がそんな事をしていたら確実に慌てただろう。
「ああ、エミー。ダメじゃないか、ルイ様から目を離しては」
「あ…はい、申し訳ございません…」
どうやらこの子がルイの世話係らしい。ルイが暴走した事でとばっちりを受けたようだ。
「マシューさん、その人は悪くないと思いますよ。子供が思いもよらない事をするのは仕方ないですし…」
「しかし…お客様にこのような態度は…」
「あ…確かに、それもそうですね…ごめんなさい」
確かにマシューが怒るのも一理あるかもしれない。今回は理緒だったからいいとして、普通の客だったら問題だろう。もし位が上の貴族だったら面倒な事になったかもしれない。子供だからと言って何でも許されるわけじゃないようだ。
「いたたたた…」
そう思っている間に、ルイが急に理緒の髪を引っ張って理緒はさすがに悲鳴を上げた。幼児なだけに加減知らずなのだ。
「こら!ルイ君、そんなことしちゃダメ。痛いでしょ」
理緒は自分の髪を掴むルイの手から髪を外すと、ベッドの上で自分に向き合わせた。ルイは急に理緒が声を上げたとこに驚いたのか、手の力を緩めていた。
「い~い、ルイ君?痛い事しちゃダメ。髪を引っ張られると誰でも痛いんだよ。痛いことするのはメッだよ」
弟や妹に言うように手を取り、しっかりと目を見て諭すと、ルイは驚いたように理緒を見上げていた。少し間をおいて理緒が、わかった?と笑顔で問うと、ルイは理緒の笑顔をより一層驚いて見つめたが、おずおずながらもこくりと頷いた。
「うん、いい子ね」
そう言って理緒はルイの頭を撫でると、ルイはリオ!と言って抱き付いてきて、嬉しそうにじっとしていた。頭を撫でられて嬉しいのはどこの世界も同じらしい。にこにこしている様も可愛い、可愛すぎる…
「ル、ルイ様…?」
ルイを抱きしめたまま頭を撫でていた理緒に、おずおずと声をかけたのはマシューだった。
「あ、マシューさん、ごめんなさい。起こしに来てくれたんですよね?」
「あ、あ、はい。左様でございます。まだお休みには…」
「なりませんね。すっかり起こされちゃったし」
「申し訳ございません」
「いえいえ、全然大丈夫です。それよりも、ルイ君の方こそ大丈夫ですか?昨日は遅かったのに、睡眠時間足りてます?」
「睡眠時間…ですか?」
「ええ。子供は大人よりもたくさん寝なくちゃいけないでしょう?」
「ルイ様は…いえ、その…何でもありません」
急に歯切れが悪くなったマシューの態度を、理緒は不可解に感じた。何だか今の反応だと、ルイはちゃんと寝ていないようにも感じたからだ。
「どうしました?何か?」
「いえ。それよりも、起きられたのでしたら朝食のご用意をさせていただいてもよろしいですか?」
「え?あ、はい。すみません。よろしくお願いします」
確かに朝だし、朝と言えば朝ご飯だ。世話をしてくれる人の手を煩わせるのも悪いので、理緒はマシューの言うとおりに朝ご飯をお願いした。ルイがしきりに理緒の名を呼びながらくっ付いてくるので、出来ればルイ様と一緒にと頼まれたため理緒は快諾した。小さな子の世話は大好きだし、しかもこの可愛らしさだ。断る理由もなかった。
「ぐぇええ!」
理緒の一日は、可愛げの欠片もない悲鳴から始まった。気持ちよく寝ていたところに襲撃を受けたのだ。何事だと思って飛び起きようとしたが、上に何かが乗っていて動けなかった。理緒の動きを抑えていたのは…金髪碧眼の幼児だった。理緒と目が合うと、にこぉと満面の笑みで笑いかけてくる。うん、朝から眼福ものの笑顔だ…いきなり上に飛び乗られなければ…
「ルイ様!」
次に理緒の部屋に入ってきたのは、まだ若いメイドと見られる女性だった。薄茶色の髪に新緑の緑の様な綺麗な瞳が印象的で、年は理緒と同じか少し上くらいだろうか。部屋に入ってきたまでは勢いがあったが、にこにこ理緒の上に乗るルイを見て驚いたのか動きが止まった。
「え…っと?」
いきなり自分が置かれた状況に、理緒がメイドを見ながら固まっていると、ルイがぺちぺちと理緒の手をたたき出した。
「リオ!リオ!」
自分の名を連発するルイに、まだ舌足らずなところも可愛い…と思ってしまった理緒に、ルイは今度はぎゅ~っと抱き付いてきた。昨日もやたらと抱き付いてきたが、この子はこうするのが好きらしい。まぁ、親と離れてこんな寂しいところで暮らしているのだから仕方ないかな、とは思うが。
「リオ様、お目覚めですか?」
三者三様に収拾がつかない場に現れたのはマシューだった。朝からきっちりとした佇まいが有能さを物語っている。うん、ナイスタイミング。
「あ、おはようございます、マシューさん」
「…リオ様、おはようございます。そして申し訳ございません、ルイ様が…」
「あ~いえ、朝からこんな可愛い子に起こされてラッキーです」
出来ればもう少し寝ていたかったし、どうせなら穏やかに起こされたかったとは思うが、さすがにそれを馬鹿正直に言うほど理緒も子供じみた事はしない。
「ま、マシュー様?」
そんな三人に戸惑いの声を上げたのはメイドだった。まぁ、そうだろう、世話をするルイを追いかけていたら客人の部屋に飛び込んで、しかもその上にジャンプしているのだ。理緒だって弟や妹がそんな事をしていたら確実に慌てただろう。
「ああ、エミー。ダメじゃないか、ルイ様から目を離しては」
「あ…はい、申し訳ございません…」
どうやらこの子がルイの世話係らしい。ルイが暴走した事でとばっちりを受けたようだ。
「マシューさん、その人は悪くないと思いますよ。子供が思いもよらない事をするのは仕方ないですし…」
「しかし…お客様にこのような態度は…」
「あ…確かに、それもそうですね…ごめんなさい」
確かにマシューが怒るのも一理あるかもしれない。今回は理緒だったからいいとして、普通の客だったら問題だろう。もし位が上の貴族だったら面倒な事になったかもしれない。子供だからと言って何でも許されるわけじゃないようだ。
「いたたたた…」
そう思っている間に、ルイが急に理緒の髪を引っ張って理緒はさすがに悲鳴を上げた。幼児なだけに加減知らずなのだ。
「こら!ルイ君、そんなことしちゃダメ。痛いでしょ」
理緒は自分の髪を掴むルイの手から髪を外すと、ベッドの上で自分に向き合わせた。ルイは急に理緒が声を上げたとこに驚いたのか、手の力を緩めていた。
「い~い、ルイ君?痛い事しちゃダメ。髪を引っ張られると誰でも痛いんだよ。痛いことするのはメッだよ」
弟や妹に言うように手を取り、しっかりと目を見て諭すと、ルイは驚いたように理緒を見上げていた。少し間をおいて理緒が、わかった?と笑顔で問うと、ルイは理緒の笑顔をより一層驚いて見つめたが、おずおずながらもこくりと頷いた。
「うん、いい子ね」
そう言って理緒はルイの頭を撫でると、ルイはリオ!と言って抱き付いてきて、嬉しそうにじっとしていた。頭を撫でられて嬉しいのはどこの世界も同じらしい。にこにこしている様も可愛い、可愛すぎる…
「ル、ルイ様…?」
ルイを抱きしめたまま頭を撫でていた理緒に、おずおずと声をかけたのはマシューだった。
「あ、マシューさん、ごめんなさい。起こしに来てくれたんですよね?」
「あ、あ、はい。左様でございます。まだお休みには…」
「なりませんね。すっかり起こされちゃったし」
「申し訳ございません」
「いえいえ、全然大丈夫です。それよりも、ルイ君の方こそ大丈夫ですか?昨日は遅かったのに、睡眠時間足りてます?」
「睡眠時間…ですか?」
「ええ。子供は大人よりもたくさん寝なくちゃいけないでしょう?」
「ルイ様は…いえ、その…何でもありません」
急に歯切れが悪くなったマシューの態度を、理緒は不可解に感じた。何だか今の反応だと、ルイはちゃんと寝ていないようにも感じたからだ。
「どうしました?何か?」
「いえ。それよりも、起きられたのでしたら朝食のご用意をさせていただいてもよろしいですか?」
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