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親友がお付き合いしているのは…
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「そうそう、美緒。話しておきたい事があるのだけど…いいかしら?」
料理もお酒も程よく胃に納まった頃、朱里が急に改まった口調で美緒に話しかけた。何だろうと思いながらも、美緒はどうしたの?と返事を返した。
「実は…私達、お付き合いをしているの」
朱里は日本人離れした美しい顔にほんのりと照れを乗せてそう言った。うん、そんな表情も絵になる愛らしさだな、と美緒は思わず見とれてしまった。だが、その件は今更感満載で、改まって言う事ではないだろう…
「それ、改めてする話だっけ?」
あまり人の噂話をしない美緒でも、その話は何年も前から知っていた。朱里と小林の仲は周知の事実で、社内で知らない人はいないだろう。どうして今更そんな事を?と思う美緒に、朱里だけでなく大石も微妙な笑みを浮かべ、小林は残念な子を見ような目を向けていた。
「志水君は…相変わらずだな」
「そうね。でも、そこが美緒のいいところなのよ」
自分以外の三人は、美緒が知らない「何か」を知っている雰囲気を醸し出していた。確かに美緒は人の噂話には興味がないし、そもそも詮索するのは下世話だと感じていたため好きではなかった。社内の噂にも疎い方で、総務時代には同期達に呆れられていたのだ。
「何?どういう事?」
何だか三人に馬鹿にされている様な感じがして、美緒の声が少し棘のあるものに変化したが、三人はそんな美緒に微妙な笑顔を向けていた。
「お付き合いしているの、私と…大石さんなの」
「はぁ?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまったが、美緒は酔いのせいかそこまで気が回らず、目の前の二人をまじまじと見つめた。朱里は頬をほんのりと色づかせて恥ずかし気な笑みを浮かべ、大石も普段に比べて随分とニヤついた表情のように見えた。美緒の頭の中はお酒のせいでかなり動きが鈍くなっていて、そこに落ちてきた思いがけない事実の消化に時間がかかっていた。
「やっぱり…知らねぇと思っていたけど…相変わらずの鈍さだな」
「もう、巧ったら。言い過ぎよ」
小林が美緒に呆れていたが、美緒はそれどころではなかった。あの朱里が大石と?いくら子供がいなかったとはいえバツイチで七つも年上の大石とお付き合い?全く想定していなかった事実に、美緒はただただ朱里の顔を見つめるしか出来なかった。
「ごめんね、美緒。お付き合いできるようになったのもつい最近だったし、他の人に知られると色々面倒だから言えなかったの」
「えっと…それは…いいけど…」
黙っていてごめんなさいと重ねて言いながら、朱里はこれまでの経緯を話してくれた。朱里は入社後、程なくして大石に一目惚れし、それからずっと一途に大石を想いアプローチしていたのだという。最初は相手にされなかったが、何年にも渡って一途に慕い続ける朱里にとうとう大石も絆されたらしい。確かに朱里ほどの美人に言い寄られて嬉しくない男などいないだろう。美緒ですら速攻でお嫁さんにしただろうな、と思うのだから。
ただ、まだ付き合い始めたばかりだし、今公にすると小林に群がる女性陣が急増して色々面倒になりそうだから、もう暫くこの件は伏せておきたい、と朱里は言った。なるほど、確かに朱里が小林の恋人であるうちは社内の肉食女子も表立っては何も出来ないだろう。朱里ほど美人で優秀でコネがなければ、対抗するのは難しいだろうなと思う。たった今知らされた事だが、そもそも二人の噂自体、互いに余計な虫がつくのをけん制するためだったらしい。美形は美形なりに色々と大変なんだな…と美緒は僅かに同情した。
「それでね、まだ暫くは黙っていて欲しいの」
「それは…わざわざ言ったりしないけど」
「ありがとう。準備が整うまではお願い。後…もう一つお願いがあるのだけど…」
そういう朱里は申し訳なさそうに僅かに眉を下げたが、そんな表情ですらも可愛らしかった。うん、イケメンもいいけど、美女も捨てがたいな…と思いながら美緒は話の先を促した。
「準備が整うまででいいから…協力して欲しいの」
「協力?」
「そう。私と大石さんでデートしたいけど、中々そういう訳にはいかないから…だから、美緒も一緒に来て欲しいのよ」
「…え…?」
どんなお願いだろうと朱里のためなら、と思っていた美緒だったが、お願いされた内容を聞いて思わず難色を示してしまった。朱里と大石のデートに付き合えというのか…それじゃ完全にお邪魔虫で、それこそ居たたまれないではないか…
「もちろん、出かける際の費用はこちらで持つわ」
「そんな事はどうでもいいけど…でも、三人って…」
「ああ、そこは大丈夫よ。巧も一緒だから」
「え”?」
三人でお出かけなんて…と思った美緒だったが、小林も一緒と言われて、ついあからさまな声が出てしまった。何が嬉しくてこの四人で出かけなければいけないんだ…と思う。第一、社内的には朱里と小林は付き合っているし、そんな状態で四人で出かけて誰かに見られたら、自分が大石と付き合っていると誤解されるのではないか…
「それは…ちょっと…」
「ダメ、かしら?」
「ダメって言うか…社内じゃ朱里は小林と付き合ってる事になっているし…そこに私と大石課長がプラスって、不自然過ぎない?」
「でも、私、美緒以外に頼める友達がいなくて…」
「プライベートで出かける分には、朱里の友達でいいじゃない」
「でも…事情を分かってくれて、大石さんや巧に言い寄らない女の子って、中々いないと思うの」
「いや、私がそうなんだから、他にもいて不思議じゃないし」
「でも…」
朱里の縋るような視線に美緒の良心が痛んだが、さすがにこのお願いは引き受けられなかった。ただでさえ小林の補佐というだけで嫌がらせを受けているのだ。その上大石と一緒に出掛けた…なんて知られたら、何ていわれるかわかったもんじゃない。
「じゃ、じゃあ、小林の女友達は?別に小林に言い寄るのはいいんでしょ?」
アルコールで回らない頭で知恵を振り絞った美緒は、何とかこのお願いをなかった事にしようと、もう一人の協力者に押し付ける事にした。
「そんな都合のいい女友達なんていねぇよ」
「は?あんた女ったらしなんだから、十人や二十人、直ぐ出てくるでしょうが」
「そんなもんいるか!」
「いやいや、下半身の帝王って言われてたんだから、絶対呼べば来るって」
「何だよ、その呼び方。今は女遊びなんかしてねーし。大体そんな女じゃ、カモフラージュにならねぇだろうが」
今までは静かに話を聞いているだけの小林だったが、想定外の剣幕に美緒は面食らった。彼ならこんな時に使える女友達等いくらでもいるだろうと思ったが、誰もいないとは意外だった。
「で、でも…四人でいるところを社内の人に見られたら、また私が吊るし上げられるんですよ…しかも大石課長もとなれば、人数倍じゃないですか…」
「そんな事ないだろう」
「いえいえ、小林と大石課長とでは、ファンの層が違いますから」
実際、大石のファンは年齢層が高く、中には女性ながら主任や係長をしているバリキャリも含まれていた。そんな彼女たちに睨まれれば、今以上に針の筵になるのは確実だった。
「どーしてもって言うなら、せめて小林班から外してくださいよ」
「それはダメだ。仕事が進まなくなる」
「じゃ、デートのお供は別の方という事で…」
この話を引き受けたところで美緒にメリットはなかったし、むしろデメリットの方が勝っていた。さすがにこれ以上社内に敵を作りたくないし、出来る限り面倒事とは無縁に過ごしたいのだ。朱里が縋るような視線を美緒に向けていたが、コネもなければ役職もない、平々凡々の平社員には荷が重すぎた。
「それなら…協力の度にお前の好きな店に連れて行く、ってのでどうだ?」
「そんなんで身の安全は売れません」
首を縦に振らない美緒に焦れたのか、小林が折衝案らしきものを提案してきたが、美緒は瞬殺した。
「そうだなぁ…焼肉なら三好野か牛松、寿司なら松寿司か寿し蔵かな。カウンターのすしは絶品だし、どっちも日本酒のいいのが揃っているぞ。ああ、〇〇ホテルの中華もお勧めだし、創作料理なら山岸あたりかな。後は…」
美緒の拒絶も意に介さず、つらつらと小林の口から出てきたのは、美緒では絶対にいけそうもない高級な店の名前だった。しかもどれも美味しいと評判の店で、美緒としては一生に一度でいいからそういう店に行ってみたいと思っていた。思っていたが…
「もし協力してくれたら…出かける度に好きなところに連れて行ってやる、というのはどうだ?」
「……」
「人に見られないように、ちゃんと個室にしてやるし…」
「……」
「何なら、テイクアウトのお土産付きだ」
料理もお酒も程よく胃に納まった頃、朱里が急に改まった口調で美緒に話しかけた。何だろうと思いながらも、美緒はどうしたの?と返事を返した。
「実は…私達、お付き合いをしているの」
朱里は日本人離れした美しい顔にほんのりと照れを乗せてそう言った。うん、そんな表情も絵になる愛らしさだな、と美緒は思わず見とれてしまった。だが、その件は今更感満載で、改まって言う事ではないだろう…
「それ、改めてする話だっけ?」
あまり人の噂話をしない美緒でも、その話は何年も前から知っていた。朱里と小林の仲は周知の事実で、社内で知らない人はいないだろう。どうして今更そんな事を?と思う美緒に、朱里だけでなく大石も微妙な笑みを浮かべ、小林は残念な子を見ような目を向けていた。
「志水君は…相変わらずだな」
「そうね。でも、そこが美緒のいいところなのよ」
自分以外の三人は、美緒が知らない「何か」を知っている雰囲気を醸し出していた。確かに美緒は人の噂話には興味がないし、そもそも詮索するのは下世話だと感じていたため好きではなかった。社内の噂にも疎い方で、総務時代には同期達に呆れられていたのだ。
「何?どういう事?」
何だか三人に馬鹿にされている様な感じがして、美緒の声が少し棘のあるものに変化したが、三人はそんな美緒に微妙な笑顔を向けていた。
「お付き合いしているの、私と…大石さんなの」
「はぁ?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまったが、美緒は酔いのせいかそこまで気が回らず、目の前の二人をまじまじと見つめた。朱里は頬をほんのりと色づかせて恥ずかし気な笑みを浮かべ、大石も普段に比べて随分とニヤついた表情のように見えた。美緒の頭の中はお酒のせいでかなり動きが鈍くなっていて、そこに落ちてきた思いがけない事実の消化に時間がかかっていた。
「やっぱり…知らねぇと思っていたけど…相変わらずの鈍さだな」
「もう、巧ったら。言い過ぎよ」
小林が美緒に呆れていたが、美緒はそれどころではなかった。あの朱里が大石と?いくら子供がいなかったとはいえバツイチで七つも年上の大石とお付き合い?全く想定していなかった事実に、美緒はただただ朱里の顔を見つめるしか出来なかった。
「ごめんね、美緒。お付き合いできるようになったのもつい最近だったし、他の人に知られると色々面倒だから言えなかったの」
「えっと…それは…いいけど…」
黙っていてごめんなさいと重ねて言いながら、朱里はこれまでの経緯を話してくれた。朱里は入社後、程なくして大石に一目惚れし、それからずっと一途に大石を想いアプローチしていたのだという。最初は相手にされなかったが、何年にも渡って一途に慕い続ける朱里にとうとう大石も絆されたらしい。確かに朱里ほどの美人に言い寄られて嬉しくない男などいないだろう。美緒ですら速攻でお嫁さんにしただろうな、と思うのだから。
ただ、まだ付き合い始めたばかりだし、今公にすると小林に群がる女性陣が急増して色々面倒になりそうだから、もう暫くこの件は伏せておきたい、と朱里は言った。なるほど、確かに朱里が小林の恋人であるうちは社内の肉食女子も表立っては何も出来ないだろう。朱里ほど美人で優秀でコネがなければ、対抗するのは難しいだろうなと思う。たった今知らされた事だが、そもそも二人の噂自体、互いに余計な虫がつくのをけん制するためだったらしい。美形は美形なりに色々と大変なんだな…と美緒は僅かに同情した。
「それでね、まだ暫くは黙っていて欲しいの」
「それは…わざわざ言ったりしないけど」
「ありがとう。準備が整うまではお願い。後…もう一つお願いがあるのだけど…」
そういう朱里は申し訳なさそうに僅かに眉を下げたが、そんな表情ですらも可愛らしかった。うん、イケメンもいいけど、美女も捨てがたいな…と思いながら美緒は話の先を促した。
「準備が整うまででいいから…協力して欲しいの」
「協力?」
「そう。私と大石さんでデートしたいけど、中々そういう訳にはいかないから…だから、美緒も一緒に来て欲しいのよ」
「…え…?」
どんなお願いだろうと朱里のためなら、と思っていた美緒だったが、お願いされた内容を聞いて思わず難色を示してしまった。朱里と大石のデートに付き合えというのか…それじゃ完全にお邪魔虫で、それこそ居たたまれないではないか…
「もちろん、出かける際の費用はこちらで持つわ」
「そんな事はどうでもいいけど…でも、三人って…」
「ああ、そこは大丈夫よ。巧も一緒だから」
「え”?」
三人でお出かけなんて…と思った美緒だったが、小林も一緒と言われて、ついあからさまな声が出てしまった。何が嬉しくてこの四人で出かけなければいけないんだ…と思う。第一、社内的には朱里と小林は付き合っているし、そんな状態で四人で出かけて誰かに見られたら、自分が大石と付き合っていると誤解されるのではないか…
「それは…ちょっと…」
「ダメ、かしら?」
「ダメって言うか…社内じゃ朱里は小林と付き合ってる事になっているし…そこに私と大石課長がプラスって、不自然過ぎない?」
「でも、私、美緒以外に頼める友達がいなくて…」
「プライベートで出かける分には、朱里の友達でいいじゃない」
「でも…事情を分かってくれて、大石さんや巧に言い寄らない女の子って、中々いないと思うの」
「いや、私がそうなんだから、他にもいて不思議じゃないし」
「でも…」
朱里の縋るような視線に美緒の良心が痛んだが、さすがにこのお願いは引き受けられなかった。ただでさえ小林の補佐というだけで嫌がらせを受けているのだ。その上大石と一緒に出掛けた…なんて知られたら、何ていわれるかわかったもんじゃない。
「じゃ、じゃあ、小林の女友達は?別に小林に言い寄るのはいいんでしょ?」
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「そんな事ないだろう」
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美緒の拒絶も意に介さず、つらつらと小林の口から出てきたのは、美緒では絶対にいけそうもない高級な店の名前だった。しかもどれも美味しいと評判の店で、美緒としては一生に一度でいいからそういう店に行ってみたいと思っていた。思っていたが…
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