大陸戦記

笹木マオ

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第十章 嵐前の静か

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嵐前の静か
 大戦のために、剣術の修行始めた、指導したのはこの国の退役将軍だった、あの人、こんなお偉いさんが動かせるなんで、正直びっくりした。とりあえず、今日は一歩を踏み出した。
 「まずは、自己紹介だな、ワシの名前はアーロン・コンラッド、今日からあんたの剣術の指導として来た」
「初めまして、コンラッド将軍、私はミリア・ディアスと申します、ディアスの第一順位継承者、姫です、今はただ国を失った身、ただの流れ身。」
「ワシを知るとは、流石というべきでしょうか」
「コンラッド将軍と言えば、まずは120年前のアーサー・コンラッド、生身でエルフの陣地に出入りして、一人でエルフの前線数小隊を壊滅、まさに武神のような方でした。アーロン・コンラッド将軍も後方出身にかかわらず、僅か17歳に前線防衛に参加、数多くの戦果上げた。ご祖父みたいな二台目武神ともいわれている存在。コンラッド将軍の武勇伝人間領のみんな知っている」
「ハハハ、それはほぼ祖父のおかけじゃ、祖父が名をあげたから、ワシでは祖父みたいな存在にはなれんからな」
「さてと、おぬしのために、幾つ武器を用意した、これらの中に一つおぬし自身と相性のいいやつを選んでくれ」
「はい」
武器は数種類用意された、盾に片手剣、大剣、弓、細剣などなど、片手剣は何と使いやすいけど、盾に合わせるとどうにもバランスが崩れる。大剣は重くて、持ちあがる事すら困難、あれを振り回すとは尚更のことだ、弓はシンプルけど、当たるのは難しい。最後の細剣、軽くて、剣身が小さくて振り回すのも楽。
「細剣って決まりだな」
「はい!」
「では、最初におぬしには木製の剣を使って、全力でワシを掛かって来て、ワシよけるから、一回当たったらそれから次の段階に行く。」
「わかりました、では、まいります」
結果は当たり前一度も当たらなく、この状況半月間続いた。
半月後、師匠よけながらこっちに対しての攻撃も加わった。
「痛!師匠もうちょっと手加減してくれないか」
「ワシが手加減しても、敵は手加減などしないからな」
「そうなんだけど、ここ最近は本当に体が青あざだらけだよ」
「なんならワシの攻撃をよけ!」
「よけるならとっくによけた(小声)」
「相手の動きを見るそして予測するのだ、予測できないと無駄死になる、さぁ、次行くぞ」
「あ、ちょっと待って」
「待たん」
「あ!」
立ち上がる前に師匠の方が先に攻めて来た、結果は相変わらずボロボロにされた、また新たなあざができそう。
夜、宿屋に戻ると、全身痛くて、へリシアに薬を塗ってもらった。
「いたたた、師匠ったら本当に一切な手加減ないな、もうちょっと手加減したらいいのに」
「姫様の気持ちわかると言いたいどころですが、我々に残る時間はあんまりなく、エルフ軍の進軍速度落ちったとはいえ、いつ攻めて来てもおかしくないです。」
「それは、そうだけど、そうだけど、やはり手加減してもいいじゃないか」
「先も申し上げた通り、我々に残された時間はあんまりないから、手加減したら訓練効果にはならないのです、姫が死んだら、すべてが終わり、今日はとりあえずこれまで大丈夫、後は体力しっかり回復して、明日の訓練も引き続き頑張ってください、姫が訓練に行く間、私はなるべく情報を集めてきます。」
「頼んだぞ、へリシア、さてと、早く寝なきゃ、明日からこそ、あのじじい、じゃなくて師匠をびっくりさせるんだ」
「本音漏れましたよ、姫さま。」
「わかってるわよ、さて、私も早く寝ないと」
「では、わたしはこれで失礼します」
「うん、おやすみへリシア」
「おやすみなさい、姫さま」
ベッドで横になってた、窓を通じて、月明り銀色の光が床を照らしている、父上、母上に会いたいよ……
夢を見たんだ、母上の膝枕、母上は優しく私の髪を撫でた。でも、母親の顔が段々薄くなっていく、その触感だけが覚えている。懐かしいだ。
ジメジメの感覚がした、目を覚ますと、枕元が濡れている、多分夜見た夢のせいかな、久々に母親の夢を見た、起きてからなお、心の靄が消えない、自分でもわかってる、あいう状況下生き残るのはほぼ不可能が、心の底にわずかに希望を抱いている、いつかその小さい希望も大きい絶望に変えるだろう、それでも、あきらめたくない。
 あれからさらに一か月を経った、師匠との訓練も順調に進んでいる、なんとなく動きが読めるようになったけど、読めるとしても体の反応がついていけない。師匠もそれもわかっているよう、だから今日から体の訓練をメインにしてた。
「今日から、ワシが攻撃を仕掛けてくる、お主の役目はできる限り、攻撃をよけること、もっと痛くならないなら、しっかり動きを読んで、パータンを予測するのだ」
「はい」
と口にはそういったけど、体の方がまたまだ追いつかなく、読みは完璧だったのに、何ぜかよけられない、木剣が降りてきたのは見えてるのに、何ぜか焦っても体が追い付かない、結果は変わらず、ボロボロになってる、体はまたあらだなあざができた
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