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11、三国同盟と魔王の時代
181、ニュクスフォスと混沌騎士団
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ダスティンを連れ帰って介抱し、家族を説得すれば、意外にも普段は弱気な父が強い意思を見せて匿ってくれると保証してくれた。青年は少しずつ健康を取り戻していくようだった。
橋の上のやり取りも聞いていたらしき青年は逃げたり自害する様子はなく、エインヘリアに復讐をしに行こうとする気配も今のところはない。話しかければおっとりと返事をして、表面上はとても大人しく従順で、友好的だ。問えば、ネネツィカが知らない情報を教えてくれたり、相談に応じてくれる事もある――ネネツィカが国際交流会の話をしてみれば、クレストフォレスの招きを受ける事を薦めてくれたり。
「クレストフォレスは元々ファーリズとの関係が芳しくない国なのです。かの国は妖精勢力が実権を握っていて、ファーリズの守護竜とは長く対立していますし、かつてファーリズの勇者がクレストフォレスの会談場で暴れて盟主レイスト・リアを斬り捨てようとした事もあるので」
それが、同盟をきっかけに歩み寄りの姿勢を見せている。さらに友好を深めるには、親妖精派で有名であり、『妖精混じり』ワイストンの家系であるラーフルトンが最も向いているというのだ。
「単に第二王子の恋人ととしてファーリズの天幕にいるには、ラーフルトンはもったいない家柄です。それよりも、その血統と名を活かし、積極的に妖精族と縁を結ぶのがよろしいでしょう」
国際交流会は、ファーリズとクレストフォレスの国境際の森林地帯で催される。
各国ごとに天幕を張り並べて、ちょっとした村みたいになって数日間を過ごすのだ。互いの天幕を行き来したりして。
夏夜の香りは蠱惑的な花の印象が強く、風に運ばれて髪の上辺から頬を撫で、涼しい心地を齎してくれるものだった。
窓の外で星が夜空を滑り落ちていく音は靜かで、虫の鳴き声の小ささを引き立てる。
エインヘリアでは、『騎士王』ニュクスフォスも準備に追われていた。
数日前から爆破音が鳴る事のなくなった帝都シュテルンツエレの都市灯りが煌々と燈り、夜に逆らうように地上を明るく照らしている。この地方を根城にするオパールめいた遊色の肌や髪の美しい小さな古妖精をちょこんと肩に乗せてシュナを見舞ったニュクスフォスは、先帝亡き後ずっと部屋に引き篭もっているヘルマンを案ずるファビアンに連れていた妖精を貸してやり、故国に居た時からつるんでいた連中だったり、旅の途中で付いてくるようになった冒険仲間で構成される混沌騎士団の集まる会議室という名のたまり場に顔を出した。
数人が酒盛りをしていて、なかなかに酒臭い。カードゲームに興じたり、腕相撲をしたり、喧嘩をしている連中もいる。
ニュクスフォスは無言で窓を開けて、騎士兜を脱いでテーブルを指先で叩いた。
「おい、お前らの皇帝陛下だぞ。なんか軽く頭を下げるくらいはしてもバチは当たらんのじゃないか」
こいつらには敬意というものが全くない――なんなら声を聞いていない。ニュクスフォスは喧噪の中で手ずから水差しに手を伸ばした。
「オー、雑魚、おつかれっす」
「雑魚と呼ぶな。陛下だ陛下」
お前が雑魚と呼ぶから『ザコ』が本名だと勘違いする奴もいるんだぞ――ぼやいていると、ショーがカップを水差しに向ける。
「カップを取ってくれたのか、ありがとな」
ニュクスフォスが水を注ぐと、ショーは「ありがとな、雑魚」と言って自分がカップを傾けて注ぎたての水をぐびりと飲んだ。
「フォス様を苛めてはいけないんだぞ」
レビエが呆れ顔をして錠剤入りの小瓶をコトリとテーブルに置く。紅い瞳を眇めるようにして、ニュクスフォスは小瓶を摘まみ上げて中身を視た。蓋を開け、錠剤を取り上げて。
「レビエ、これは?」
「毒」
「お、おう……」
短い答えに錠剤を戻し、ニュクスフォスが小瓶に蓋をするとショーが「くすり!」と小瓶を奪い取った。
「ショー、それは薬じゃないってよ」
「それは毒ですよ、オーケー? ちょっとなら死にませんが、多量なら死ぬこともありますよ」
レビエはショーに椅子を投げつけて小瓶を拾い「オーケー」と言わせてから使い道について教えてくれた。
「国際交流会……」
「誰に盛れって? 今んとこ俺は他国に喧嘩売るつもりはないぞ。一部揉めてる国はあるが」
戦時に仲間になった元冒険者のトムとラリーが気を使ってか新しいカップと鶏の串焼きを持ってきてくれた。若干焦げているが、鶏肉は塩が効いていて美味しい。
「ファーリズの大使に盛ったら、国際交流会を欠席にできますよ。参加されるとやりにくいでしょ」
「お、おう……そっちか」
それは確かに、ニュクスフォスの目下の悩みの種だった。
お飾り大使に指名した少年は、『騎士王』になる前のニュクスフォスを知っており――現在はニュクスフォスの正体を知らぬまま、懐いている。
「あれなあ……しかし毒を盛るのは、なあ……」
「バラしちゃえば楽なのに」
ショーがケラケラと笑いながら串を振り回している。
「いや、しかし。せっかく『騎士王』に憧れてくださってるんだぞ。当代一の英雄騎士と呼んでだな、目をこう――キラキラさせて。『騎士王』がたいそうお気に入りで、ご執心で。『鮮血』より『騎士王』と仰る。『騎士王』こそが当代一の英雄騎士と」
「それは貴方が言わせたんです」
レビエが淡々とツッコミをいれた。
「可哀想だろ。俺の事を『お父さま』ってお呼びになられたんだぞ、昨日なんて」
「傷が浅いうちにやめましょうよ、長引くほど可哀想なやつですよソレ」
「それで俺はだな、こう――膝にお乗せして撫でたんだよ。それで、実は俺は本当に父親なのかもしれないと思ったり」
「年齢差4つでどうやったらそんな錯覚起こすんです……」
『大使』はどうもエインヘリア陣営の天幕で過ごしたそうな気配が濃く、チラチラアピールもされている――しかし、数日に渡り飲み食いして寝泊りするとなれば、隠している正体もバレる危険性が高いではないか。其れは困る、とても困る――せっかくあんなに懐かれているのに。
(しかし、可愛らしくおねだりされると俺は弱いのだ……このままではうっかり連れて行ってしまいそうで大変よろしくない)
「毒か……」
ニュクスフォスは悩ましく錠剤を見つめた。
「毒には耐性をつけていそうな……効くのか? しかし、意外と脆弱そうでもある……うっかり効きすぎたりしないか? 味は? バレたりはしないのか? 毒を盛ったのがバレるとやばいぞ」
――万一があったらどうするんだ。
そう言ってレビエを睨めば、「加護があるから死なない」などと無責任なことを言い放つ始末。
(それがないから悩んでいるのだが)
ファビアンが用事を済ませたらしく、妖精がふわふわと遊びにやってくる。ニュクスフォスは止まり木のように妖精を肩に乗せてやり、主の死後に鬱状態になって引き篭もり状態を続けているヘルマンの状態を語る妖精の声に耳を傾けるのであった。
橋の上のやり取りも聞いていたらしき青年は逃げたり自害する様子はなく、エインヘリアに復讐をしに行こうとする気配も今のところはない。話しかければおっとりと返事をして、表面上はとても大人しく従順で、友好的だ。問えば、ネネツィカが知らない情報を教えてくれたり、相談に応じてくれる事もある――ネネツィカが国際交流会の話をしてみれば、クレストフォレスの招きを受ける事を薦めてくれたり。
「クレストフォレスは元々ファーリズとの関係が芳しくない国なのです。かの国は妖精勢力が実権を握っていて、ファーリズの守護竜とは長く対立していますし、かつてファーリズの勇者がクレストフォレスの会談場で暴れて盟主レイスト・リアを斬り捨てようとした事もあるので」
それが、同盟をきっかけに歩み寄りの姿勢を見せている。さらに友好を深めるには、親妖精派で有名であり、『妖精混じり』ワイストンの家系であるラーフルトンが最も向いているというのだ。
「単に第二王子の恋人ととしてファーリズの天幕にいるには、ラーフルトンはもったいない家柄です。それよりも、その血統と名を活かし、積極的に妖精族と縁を結ぶのがよろしいでしょう」
国際交流会は、ファーリズとクレストフォレスの国境際の森林地帯で催される。
各国ごとに天幕を張り並べて、ちょっとした村みたいになって数日間を過ごすのだ。互いの天幕を行き来したりして。
夏夜の香りは蠱惑的な花の印象が強く、風に運ばれて髪の上辺から頬を撫で、涼しい心地を齎してくれるものだった。
窓の外で星が夜空を滑り落ちていく音は靜かで、虫の鳴き声の小ささを引き立てる。
エインヘリアでは、『騎士王』ニュクスフォスも準備に追われていた。
数日前から爆破音が鳴る事のなくなった帝都シュテルンツエレの都市灯りが煌々と燈り、夜に逆らうように地上を明るく照らしている。この地方を根城にするオパールめいた遊色の肌や髪の美しい小さな古妖精をちょこんと肩に乗せてシュナを見舞ったニュクスフォスは、先帝亡き後ずっと部屋に引き篭もっているヘルマンを案ずるファビアンに連れていた妖精を貸してやり、故国に居た時からつるんでいた連中だったり、旅の途中で付いてくるようになった冒険仲間で構成される混沌騎士団の集まる会議室という名のたまり場に顔を出した。
数人が酒盛りをしていて、なかなかに酒臭い。カードゲームに興じたり、腕相撲をしたり、喧嘩をしている連中もいる。
ニュクスフォスは無言で窓を開けて、騎士兜を脱いでテーブルを指先で叩いた。
「おい、お前らの皇帝陛下だぞ。なんか軽く頭を下げるくらいはしてもバチは当たらんのじゃないか」
こいつらには敬意というものが全くない――なんなら声を聞いていない。ニュクスフォスは喧噪の中で手ずから水差しに手を伸ばした。
「オー、雑魚、おつかれっす」
「雑魚と呼ぶな。陛下だ陛下」
お前が雑魚と呼ぶから『ザコ』が本名だと勘違いする奴もいるんだぞ――ぼやいていると、ショーがカップを水差しに向ける。
「カップを取ってくれたのか、ありがとな」
ニュクスフォスが水を注ぐと、ショーは「ありがとな、雑魚」と言って自分がカップを傾けて注ぎたての水をぐびりと飲んだ。
「フォス様を苛めてはいけないんだぞ」
レビエが呆れ顔をして錠剤入りの小瓶をコトリとテーブルに置く。紅い瞳を眇めるようにして、ニュクスフォスは小瓶を摘まみ上げて中身を視た。蓋を開け、錠剤を取り上げて。
「レビエ、これは?」
「毒」
「お、おう……」
短い答えに錠剤を戻し、ニュクスフォスが小瓶に蓋をするとショーが「くすり!」と小瓶を奪い取った。
「ショー、それは薬じゃないってよ」
「それは毒ですよ、オーケー? ちょっとなら死にませんが、多量なら死ぬこともありますよ」
レビエはショーに椅子を投げつけて小瓶を拾い「オーケー」と言わせてから使い道について教えてくれた。
「国際交流会……」
「誰に盛れって? 今んとこ俺は他国に喧嘩売るつもりはないぞ。一部揉めてる国はあるが」
戦時に仲間になった元冒険者のトムとラリーが気を使ってか新しいカップと鶏の串焼きを持ってきてくれた。若干焦げているが、鶏肉は塩が効いていて美味しい。
「ファーリズの大使に盛ったら、国際交流会を欠席にできますよ。参加されるとやりにくいでしょ」
「お、おう……そっちか」
それは確かに、ニュクスフォスの目下の悩みの種だった。
お飾り大使に指名した少年は、『騎士王』になる前のニュクスフォスを知っており――現在はニュクスフォスの正体を知らぬまま、懐いている。
「あれなあ……しかし毒を盛るのは、なあ……」
「バラしちゃえば楽なのに」
ショーがケラケラと笑いながら串を振り回している。
「いや、しかし。せっかく『騎士王』に憧れてくださってるんだぞ。当代一の英雄騎士と呼んでだな、目をこう――キラキラさせて。『騎士王』がたいそうお気に入りで、ご執心で。『鮮血』より『騎士王』と仰る。『騎士王』こそが当代一の英雄騎士と」
「それは貴方が言わせたんです」
レビエが淡々とツッコミをいれた。
「可哀想だろ。俺の事を『お父さま』ってお呼びになられたんだぞ、昨日なんて」
「傷が浅いうちにやめましょうよ、長引くほど可哀想なやつですよソレ」
「それで俺はだな、こう――膝にお乗せして撫でたんだよ。それで、実は俺は本当に父親なのかもしれないと思ったり」
「年齢差4つでどうやったらそんな錯覚起こすんです……」
『大使』はどうもエインヘリア陣営の天幕で過ごしたそうな気配が濃く、チラチラアピールもされている――しかし、数日に渡り飲み食いして寝泊りするとなれば、隠している正体もバレる危険性が高いではないか。其れは困る、とても困る――せっかくあんなに懐かれているのに。
(しかし、可愛らしくおねだりされると俺は弱いのだ……このままではうっかり連れて行ってしまいそうで大変よろしくない)
「毒か……」
ニュクスフォスは悩ましく錠剤を見つめた。
「毒には耐性をつけていそうな……効くのか? しかし、意外と脆弱そうでもある……うっかり効きすぎたりしないか? 味は? バレたりはしないのか? 毒を盛ったのがバレるとやばいぞ」
――万一があったらどうするんだ。
そう言ってレビエを睨めば、「加護があるから死なない」などと無責任なことを言い放つ始末。
(それがないから悩んでいるのだが)
ファビアンが用事を済ませたらしく、妖精がふわふわと遊びにやってくる。ニュクスフォスは止まり木のように妖精を肩に乗せてやり、主の死後に鬱状態になって引き篭もり状態を続けているヘルマンの状態を語る妖精の声に耳を傾けるのであった。
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