幼馴染Vtuverがビジネスてぇてぇから本当のラブパートナーに発展した話

浅草ゆうひ

文字の大きさ
10 / 21
1、『雪柳 メイ』楓視点

10、嫉妬ログがてぇてぇんだが

しおりを挟む
 『フロンティアランド』の差し入れへの道はまだ途中だけど、そればかり連続でするわけにいかない。
 俺は休憩を挟んで、配信を始めた。


   10、嫉妬ログがてぇてぇんだが

「今日は配信外で『フロンティアランド』も少しあそんでて、遅くなっちゃった」
『雪柳メイ』が言えば、コメントで『配信してほしかった』という不満と『配信外で遊ぶほどハマってくれて嬉しい』という謎スタンスの感想が交差する。
 たぶん、『フロンティアランド』が大好きな視聴者なのだ。
 自分が好きなものを好きだと言ってもらうと、嬉しいのは当たり前で――それが『配信外で遊ぶほどハマってくれて嬉しい』なコメントになるのだ。

「動画撮ってるから、今度アップするからね」
 ニコニコ言って、本日のゲームを始める――、

フリゲフリーゲームをするよー」
 いわゆるノベルゲームだろうか?
 物語を楽しむ系のゲームをスタートしつつ、コメントを見ていると、何か他の配信者の名前がチラホラ出ている。

「ん。……『灰谷はいたにさん』?」
 ちょっとログをさかのぼってみれば、なるほど、俺より有名でファンチャンネル登録者数の多い配信者の人だ。
 顔出しをしているイケメン社会人の人で、神絵師がリアル容姿をもとに二次元に落とし込んだイケメンイラストも描いている。

「わぁ、は……はじめまして。ようこそ」
 ちょっと緊張して挨拶すれば、コメントらんに本人が反応を返してくれる。
 しかも、SNSアカウントまでフォローしてくれるではないかっ。

『メイくん可愛い!』
 ファンに混ざってそんなコメントをしてくれる――可愛いアバターを作ってくれたキャラクターデザイナーさん、モデラーさん、ありがとうっ! 俺は心から感謝した。

 フリーゲームは、思いがけず泣けるゲームで最後はちょっとほろりときた。
 ひたすら楽しいゲームもいいけれど、ちょっとしんみりするゲームも良いもので、けれどエンディングの締めくくりの時に「ちょっとほろりとしちゃったね」と喋ると、ちょっとあざとくならないかなと思ってしまう。 
 メイみたいなキャラクターはあざといくらいでいいのかもしれないけれど、俺はあんまりあざといのが得意ではなかった。
「余韻がいいね、ちょっとさ、泣きそうになっちゃったもん」
 結局そんなことを言って、そっと雰囲気を守りつつ、配信を終える。
 
 チャットアプリには通知が届いていて、ガクからだった。
 開いてみると、二人で会話するチャットのログにSNSの誰かのツイートが貼られていた。

「あ、灰谷さんとメイだ」
 灰谷さんにメイが抱っこされているイラスト、ファンアートだ。
 かなり魅力的に描かれていて、二人を知らなくても「いいね!」と言ってしまいそう。

 SNSの方の該当ツイートをチェックすれば、かなり数字が伸びていた。

『配信のコメント欄に来てくれたんだよ。絵師さん作業早いなあ』
 チャットアプリにメッセージを返せば、冗談めかして『嫉妬!』ってスタンプが押される。

『ガクも、他の人とこんなファンアートを描いてもらってるじゃないか』
 似た感じのスタンプを押せば、自然と口元がゆるゆるした。

(『嫉妬』、だって)
 その二文字は、『相方』と同じぐらい気持ちがよかった。

 俺は思わずそのやりとりをスクリーンショットして、『これ、SNSに貼ってもいいかなぁ』と聞いてしまった。

 ――だってこれ、『てぇてぇ』じゃん!

 個人的にも、そのスクリーンショットはすごくお気に入りで、『相方が嫉妬してくれた』という事実がなんだかとても幸せなのだった。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

今日も、俺の彼氏がかっこいい。

春音優月
BL
中野良典《なかのよしのり》は、可もなく不可もない、どこにでもいる普通の男子高校生。特技もないし、部活もやってないし、夢中になれるものも特にない。 そんな自分と退屈な日常を変えたくて、良典はカースト上位で学年で一番の美人に告白することを決意する。 しかし、良典は告白する相手を間違えてしまい、これまたカースト上位でクラスの人気者のさわやかイケメンに告白してしまう。 あっさりフラれるかと思いきや、告白をOKされてしまって……。良典も今さら間違えて告白したとは言い出しづらくなり、そのまま付き合うことに。 どうやって別れようか悩んでいた良典だけど、彼氏(?)の圧倒的顔の良さとさわやかさと性格の良さにきゅんとする毎日。男同士だけど、楽しいし幸せだしあいつのこと大好きだし、まあいっか……なちょろくてゆるい感じで付き合っているうちに、どんどん相手のことが大好きになっていく。 間違いから始まった二人のほのぼの平和な胸キュンお付き合いライフ。 2021.07.15〜2021.07.16

【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる

ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。 そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。 「一緒にコラボ配信、しない?」 顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。 これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。 ※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。

お酒に酔って、うっかり幼馴染に告白したら

夏芽玉
BL
タイトルそのまんまのお話です。 テーマは『二行で結合』。三行目からずっとインしてます。 Twitterのお題で『お酒に酔ってうっかり告白しちゃった片想いくんの小説を書いて下さい』と出たので、勢いで書きました。 執着攻め(19大学生)×鈍感受け(20大学生)

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とBL営業をして腐女子のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

雪色のラブレター

hamapito
BL
俺が遠くに行っても、圭は圭のまま、何も変わらないから。――それでよかった、のに。 そばにいられればいい。 想いは口にすることなく消えるはずだった。 高校卒業まであと三か月。 幼馴染である圭への気持ちを隠したまま、今日も変わらず隣を歩く翔。 そばにいられればいい。幼馴染のままでいい。 そう思っていたはずなのに、圭のひとことに抑えていた気持ちがこぼれてしまう。 翔は、圭の戸惑う声に、「忘れて」と逃げてしまい……。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―

無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」 卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。 一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。 選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。 本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。 愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。 ※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。 ※本作は織理受けのハーレム形式です。 ※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください

処理中です...