56 / 65
52話 なぞのぬいぐるみ
しおりを挟む
ある部屋の一室。
「どういうことですの!あの忌々しい女を殺すのは簡単だと!必ず殺せると言っていたではないの!」
ダンッ!と持っていたワイングラスを乱暴に置いた。
いかにも高質の深紅のドレスを身にまとい、真っ赤な口紅を付けている。身なりからして貴族など身分は高いと分かる。傲慢そうな女がキッ!と目の前の男を睨んでいた。
その男は向かい側のソファーに座り、身長は180センチ以上はあるでろうの長身で長い足を所狭しと組んでいる。この国ではあまり見ない青い髪の色で長髪、長い髪を後ろに一つ束ねて括っている。顔は面長で目は細い目で瞳は真っ赤な色をしていた。
そう、この男はアリアを襲った賊なのだ。
男は傲慢そうな女を見て鼻を「フフン」と鳴らした。
そして傲慢に言い放つ。
「黙れ、女。」
「まっ!私を誰だと思ってるの!」
傲慢そうな女は立ち上がり、侮辱されて顔を真っ赤にしている。
「知らないね。どっかのお姫様だろうけど俺には関係ない。」
「そんなことを言っていいと思ってるのっ!?すぐに···」
「黙れと言っているだろ!俺は今、機嫌が悪いんだ!今すぐにでもお前を殺すぞ!」
「!!!」
男は殺気を込めて睨む。傲慢そうな女はその殺気に圧されて顔が青くなった。
「落ち着いてくださいませ。さあ、姫様も。こちらのソファーにお座り下さいませ。」
傲慢そうな女の側にいた50歳くらいの侍女らしき者が、男女を諭して、高貴そうな女をソファーに座らせた。
男は何ごともなかったかのように、その侍女に話しかけた。
「おい、女、この国には魔法を使える者なんぞいないと言ったよな?」
傲慢そうな女は落ち着きを取り戻し、怪訝そうな顔をして答えた。
「ええ。この国·····いえ、この大陸には魔法なんて代物ないわよ。あったら私がこの手であの女を亡き者にするわ!」
「·············。」
男は考え込む。
確かに、殺そうした女····お姫さんが首に掛けていたあのペンダントから眩しい光が出た後、吹き飛ばされた。魔力も感じられた。
あのお姫さん自身からは魔力を感じられなかった。俺の他に誰か魔法が使える者がいないとあのペンダントの魔力や魔法はできない。それに自分の魔力をペンダントに封じ込めるとういう高度なことができるならかなりの実力者のはず。
すぐに暗殺できると高をくくっていたが、用心せねばなるな。
男は今度の計画を頭で考えていた。
余談だか、男が依頼してきた人物を「女」と呼び、暗殺しようとしていたアリアをお姫さんと呼んだのは、アリアの方がお姫様ってオーラが感じられたからである。高貴な人物の方は単にその辺にいる女のオーラと変わらないと思ったからだ。
どんなに着飾っていても、持っているオーラがショボい。圧倒されるオーラがない。
自分は魔法が使える。この国には魔法が使える者がいない。この大陸か世界か変わらないが、今は誰よりも強いと自負している。きっとこの国だけではなく大陸全土を征服できるはずだ。そう思っている男は例えどこかの国のお姫様や王子様、王様であろうとも見下すのだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ちょっと!キース!何故ギルバードお兄様に殺されかけたこと報告したのよ!」
私はたった今、キースから例のことをギルバードお兄様に報告したと聞かされたのだ。
「やはり、アリア様に危険な目にあったことは報告すべきだと思いましたので。」
「だけど!ルイス殿下にも報告はしないでと言って止めて貰ったのに!」
私の暗殺騒動の後、ルイス殿下はすぐにでもサマヌーン国へ報告しようとしてくれた。
だけれども、まだ犯人も特定できないし自分は生きている。それに······私は嫁いだ身。お祝い事ならいざ知らず、こんなことを報告するのは躊躇われた。暗いことを報告する時は自分が死んだ時でいいと思っている。
ルイス殿下は私を意志を尊重してくれて報告はしなかったのだ。
「アリア様、暗殺未遂でも報告すべき事柄です。それに関してギルバード殿下に協力をお願いしました。」
「協力?」
「はい。近隣諸国に不振な動きがないかを。」
「······そう。」
まあ、今さら報告してしまったのは仕方がないわ。私も弁解のお手紙でも送らないとね。向こうで『何故すぐに報告しないんだ!ルイス殿下は何を考えている!』
なんて思われて、両国に溝が出来てはいけないしね。
私は一つため息をつき、お手紙を書く為に机に向かった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
私を襲った犯人はまだ捕まっておらず、特定も何も出来ていない状態なので外出禁止で大人しく部屋でハンカチの刺繍をしていた。
ドタドタと部屋の外から人が走る音が聞こえたかと思うと私の部屋の前でその音は止み、次はドン!ドン!ドン!と荒々しくドアをノックする音が部屋に響いた。
私が返事をする前にドアが開き、そこに立っていたのはネネだった。
あら?ネネは今日は休みだったはず。
「アリア様!フレアちゃんからまた贈り物が届きましたわ!」
ネネは興奮していた。手にはるぬいぐるみや、前より大きめのペンダントを持っていた。
うん?ぬいぐるみ?
しかも二体持っていた。
ネネは興奮したまま説明を始めた。
「フレアちゃんがアリア様にまた護身用の品物を贈ってくれました!こんなにすぐに贈ってくれるなんて本当にフレアちゃんは優しいです!」
うん!うん!優しいね!でもそのぬいぐるみは何?しかも男の子のぬいぐるみっぽい。髪の毛は両方長いんだけどしかも銀髪······。
私はじっとぬいぐるみを見ていてるとネネは気づいて、ぬいぐるみの説明を始めた。
「私も詳しくはよく分からないのですが、このぬいぐるみも護身用らしいです。常に持っていて欲しいそうです。」
「えっ!?ぬいぐるみを?」
いやいや、私は小さな子供ではないんですが·····しかも男の子のぬいぐるみなんてルイス殿下がどう思うか·····想像するだけでちょっと怖いし、持っているのを想像すると恥ずかしいわ。
ぬいぐるみをよく見ると、一体は口がへの字になってて、もう一体はニッコリ笑っている口だった。目の色が同じ青い色なんだけど、微妙に違う。あと着ている服が違う。両方共に騎士みたいな·····格好いい制服みたいなのを着せていた。特にへの字のぬいぐるみにはマントを着せている。
「この口がへの字になっているのがフレアちゃんのお父様で、ニッコリ笑っているのが一番上のお兄様の人形らしいです。」
「そうなんだ。向こうの男の人って髪の毛が長いのね。てか、何故お父様とお兄様のぬいぐるみ!?」
「そうみたいですね。何故このぬいぐるみにしたのかは分かりませんが、この人形はかなりの魔力が込められいて、アリア様に危機が起こったらこのペンダントが反応して、この人形に何かの信号というものを送り、この人形が身を呈して護ってくれるらしいのです!勿論、このペンダントにも魔法が発動するようになっているようですよ!」
ペンダントのことは置いといて!凄く気になることを言ったわ!
「え?それってこの人形というかぬいぐるみが動くってこと??」
本当にそんなことが可能なの??
「それが多分だそうです·····初の試みらしく前列がないそうです。しかも遠く離れた大陸ですし·····もし、動かなくても何らかの魔法は発動するようにしているようです。ただ急いで作ったので何も実験とかしていないから、不確定なのですみませんと誤ってました。私達のことを考えてくれて早く送らないと!って思ったらしいです。本当に感謝しきれません。」
「そうね。何もかにもしてもらってばかりね·····。」
それにしても、すっっ凄いわ!魔法って!!何故こちらの大陸にも魔法がないのかしら!!
本当にこんなぬいぐるみが動くのかしら?
というか今は動かないのかしら?
「このぬいぐるみに『動いて!』って言ったら動かないかしら?」
ぬいぐるみをツンツンしてみる。
「普通では動かないみいですよ。アリア様の危機のみに動くのですから。それにぬいぐるみに声をかけても意味ないですわ。このペンダントを通して動くみたいですから。」
「そうだったわね。残念。」
「あと、例の賊の件はまだ調べている最中だそうです。大昔の人が、大陸から大陸へ行ったこともあるという前列もあるので、魔法のある国からこちらへ何らかの拍子で来ている可能はあると。」
「·····そう」
分からないか·····やはり可能はあるということね。
「フレアちゃんの大陸で何年か前に大規模な戦争が合ったらしく、滅ぼした国から逃亡した人物が居ないか今、調べてくれているそうです。また賊の特徴を詳しく教えて欲しいとのことでした。」
「分かったわ。ありがとう。」
賊のことはまだ時間がかかりそうね。それはフレアさんにも頼むとして······。
さて、問題はこのぬいぐるみをどうやって常に持っておくかよね·····。
ー後日ー
ルイス殿下にやはり持ち歩くことを反対された。一応は訳は言ったのだけれど。
それに負けず持ち歩いていると·······
「お可哀想に······まだお子様がいらっしゃらないから·····」
「余程、お子様が欲しいのですわ。もうご結婚されてから何年も経ちますもの。だからお人形で気を間際らして·····。」
などと、腫れ物を扱うような目で見られ宮中でそんな噂が立っていた。
全然違うー!!
私はしっかりと周りには残念な皇太子妃のレッテルを貼られてしまったのだった。
「どういうことですの!あの忌々しい女を殺すのは簡単だと!必ず殺せると言っていたではないの!」
ダンッ!と持っていたワイングラスを乱暴に置いた。
いかにも高質の深紅のドレスを身にまとい、真っ赤な口紅を付けている。身なりからして貴族など身分は高いと分かる。傲慢そうな女がキッ!と目の前の男を睨んでいた。
その男は向かい側のソファーに座り、身長は180センチ以上はあるでろうの長身で長い足を所狭しと組んでいる。この国ではあまり見ない青い髪の色で長髪、長い髪を後ろに一つ束ねて括っている。顔は面長で目は細い目で瞳は真っ赤な色をしていた。
そう、この男はアリアを襲った賊なのだ。
男は傲慢そうな女を見て鼻を「フフン」と鳴らした。
そして傲慢に言い放つ。
「黙れ、女。」
「まっ!私を誰だと思ってるの!」
傲慢そうな女は立ち上がり、侮辱されて顔を真っ赤にしている。
「知らないね。どっかのお姫様だろうけど俺には関係ない。」
「そんなことを言っていいと思ってるのっ!?すぐに···」
「黙れと言っているだろ!俺は今、機嫌が悪いんだ!今すぐにでもお前を殺すぞ!」
「!!!」
男は殺気を込めて睨む。傲慢そうな女はその殺気に圧されて顔が青くなった。
「落ち着いてくださいませ。さあ、姫様も。こちらのソファーにお座り下さいませ。」
傲慢そうな女の側にいた50歳くらいの侍女らしき者が、男女を諭して、高貴そうな女をソファーに座らせた。
男は何ごともなかったかのように、その侍女に話しかけた。
「おい、女、この国には魔法を使える者なんぞいないと言ったよな?」
傲慢そうな女は落ち着きを取り戻し、怪訝そうな顔をして答えた。
「ええ。この国·····いえ、この大陸には魔法なんて代物ないわよ。あったら私がこの手であの女を亡き者にするわ!」
「·············。」
男は考え込む。
確かに、殺そうした女····お姫さんが首に掛けていたあのペンダントから眩しい光が出た後、吹き飛ばされた。魔力も感じられた。
あのお姫さん自身からは魔力を感じられなかった。俺の他に誰か魔法が使える者がいないとあのペンダントの魔力や魔法はできない。それに自分の魔力をペンダントに封じ込めるとういう高度なことができるならかなりの実力者のはず。
すぐに暗殺できると高をくくっていたが、用心せねばなるな。
男は今度の計画を頭で考えていた。
余談だか、男が依頼してきた人物を「女」と呼び、暗殺しようとしていたアリアをお姫さんと呼んだのは、アリアの方がお姫様ってオーラが感じられたからである。高貴な人物の方は単にその辺にいる女のオーラと変わらないと思ったからだ。
どんなに着飾っていても、持っているオーラがショボい。圧倒されるオーラがない。
自分は魔法が使える。この国には魔法が使える者がいない。この大陸か世界か変わらないが、今は誰よりも強いと自負している。きっとこの国だけではなく大陸全土を征服できるはずだ。そう思っている男は例えどこかの国のお姫様や王子様、王様であろうとも見下すのだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ちょっと!キース!何故ギルバードお兄様に殺されかけたこと報告したのよ!」
私はたった今、キースから例のことをギルバードお兄様に報告したと聞かされたのだ。
「やはり、アリア様に危険な目にあったことは報告すべきだと思いましたので。」
「だけど!ルイス殿下にも報告はしないでと言って止めて貰ったのに!」
私の暗殺騒動の後、ルイス殿下はすぐにでもサマヌーン国へ報告しようとしてくれた。
だけれども、まだ犯人も特定できないし自分は生きている。それに······私は嫁いだ身。お祝い事ならいざ知らず、こんなことを報告するのは躊躇われた。暗いことを報告する時は自分が死んだ時でいいと思っている。
ルイス殿下は私を意志を尊重してくれて報告はしなかったのだ。
「アリア様、暗殺未遂でも報告すべき事柄です。それに関してギルバード殿下に協力をお願いしました。」
「協力?」
「はい。近隣諸国に不振な動きがないかを。」
「······そう。」
まあ、今さら報告してしまったのは仕方がないわ。私も弁解のお手紙でも送らないとね。向こうで『何故すぐに報告しないんだ!ルイス殿下は何を考えている!』
なんて思われて、両国に溝が出来てはいけないしね。
私は一つため息をつき、お手紙を書く為に机に向かった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
私を襲った犯人はまだ捕まっておらず、特定も何も出来ていない状態なので外出禁止で大人しく部屋でハンカチの刺繍をしていた。
ドタドタと部屋の外から人が走る音が聞こえたかと思うと私の部屋の前でその音は止み、次はドン!ドン!ドン!と荒々しくドアをノックする音が部屋に響いた。
私が返事をする前にドアが開き、そこに立っていたのはネネだった。
あら?ネネは今日は休みだったはず。
「アリア様!フレアちゃんからまた贈り物が届きましたわ!」
ネネは興奮していた。手にはるぬいぐるみや、前より大きめのペンダントを持っていた。
うん?ぬいぐるみ?
しかも二体持っていた。
ネネは興奮したまま説明を始めた。
「フレアちゃんがアリア様にまた護身用の品物を贈ってくれました!こんなにすぐに贈ってくれるなんて本当にフレアちゃんは優しいです!」
うん!うん!優しいね!でもそのぬいぐるみは何?しかも男の子のぬいぐるみっぽい。髪の毛は両方長いんだけどしかも銀髪······。
私はじっとぬいぐるみを見ていてるとネネは気づいて、ぬいぐるみの説明を始めた。
「私も詳しくはよく分からないのですが、このぬいぐるみも護身用らしいです。常に持っていて欲しいそうです。」
「えっ!?ぬいぐるみを?」
いやいや、私は小さな子供ではないんですが·····しかも男の子のぬいぐるみなんてルイス殿下がどう思うか·····想像するだけでちょっと怖いし、持っているのを想像すると恥ずかしいわ。
ぬいぐるみをよく見ると、一体は口がへの字になってて、もう一体はニッコリ笑っている口だった。目の色が同じ青い色なんだけど、微妙に違う。あと着ている服が違う。両方共に騎士みたいな·····格好いい制服みたいなのを着せていた。特にへの字のぬいぐるみにはマントを着せている。
「この口がへの字になっているのがフレアちゃんのお父様で、ニッコリ笑っているのが一番上のお兄様の人形らしいです。」
「そうなんだ。向こうの男の人って髪の毛が長いのね。てか、何故お父様とお兄様のぬいぐるみ!?」
「そうみたいですね。何故このぬいぐるみにしたのかは分かりませんが、この人形はかなりの魔力が込められいて、アリア様に危機が起こったらこのペンダントが反応して、この人形に何かの信号というものを送り、この人形が身を呈して護ってくれるらしいのです!勿論、このペンダントにも魔法が発動するようになっているようですよ!」
ペンダントのことは置いといて!凄く気になることを言ったわ!
「え?それってこの人形というかぬいぐるみが動くってこと??」
本当にそんなことが可能なの??
「それが多分だそうです·····初の試みらしく前列がないそうです。しかも遠く離れた大陸ですし·····もし、動かなくても何らかの魔法は発動するようにしているようです。ただ急いで作ったので何も実験とかしていないから、不確定なのですみませんと誤ってました。私達のことを考えてくれて早く送らないと!って思ったらしいです。本当に感謝しきれません。」
「そうね。何もかにもしてもらってばかりね·····。」
それにしても、すっっ凄いわ!魔法って!!何故こちらの大陸にも魔法がないのかしら!!
本当にこんなぬいぐるみが動くのかしら?
というか今は動かないのかしら?
「このぬいぐるみに『動いて!』って言ったら動かないかしら?」
ぬいぐるみをツンツンしてみる。
「普通では動かないみいですよ。アリア様の危機のみに動くのですから。それにぬいぐるみに声をかけても意味ないですわ。このペンダントを通して動くみたいですから。」
「そうだったわね。残念。」
「あと、例の賊の件はまだ調べている最中だそうです。大昔の人が、大陸から大陸へ行ったこともあるという前列もあるので、魔法のある国からこちらへ何らかの拍子で来ている可能はあると。」
「·····そう」
分からないか·····やはり可能はあるということね。
「フレアちゃんの大陸で何年か前に大規模な戦争が合ったらしく、滅ぼした国から逃亡した人物が居ないか今、調べてくれているそうです。また賊の特徴を詳しく教えて欲しいとのことでした。」
「分かったわ。ありがとう。」
賊のことはまだ時間がかかりそうね。それはフレアさんにも頼むとして······。
さて、問題はこのぬいぐるみをどうやって常に持っておくかよね·····。
ー後日ー
ルイス殿下にやはり持ち歩くことを反対された。一応は訳は言ったのだけれど。
それに負けず持ち歩いていると·······
「お可哀想に······まだお子様がいらっしゃらないから·····」
「余程、お子様が欲しいのですわ。もうご結婚されてから何年も経ちますもの。だからお人形で気を間際らして·····。」
などと、腫れ物を扱うような目で見られ宮中でそんな噂が立っていた。
全然違うー!!
私はしっかりと周りには残念な皇太子妃のレッテルを貼られてしまったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
わたしのことがお嫌いなら、離縁してください~冷遇された妻は、過小評価されている~
絹乃
恋愛
伯爵夫人のフロレンシアは、夫からもメイドからも使用人以下の扱いを受けていた。どんなに離婚してほしいと夫に訴えても、認めてもらえない。夫は自分の愛人を屋敷に迎え、生まれてくる子供の世話すらもフロレンシアに押しつけようと画策する。地味で目立たないフロレンシアに、どんな価値があるか夫もメイドも知らずに。彼女を正しく理解しているのは騎士団の副団長エミリオと、王女のモニカだけだった。※番外編が別にあります。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる