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「でも、なんだかんだ言っても、セックスって重要なんじゃないんですかね?」
部長の小林らしく突発的に企画されたサークルの飲み会は、火曜日にメーリングリストで全部員と、オーバーと呼ばれるOB・OGに連絡された。大学の最寄り駅の駅前にある居酒屋で、二時間の飲み放題コース。一人三千円。三日後の金曜日の七時スタート。
十月の頭に後期が始まってから一ヶ月のお疲れ様会、と小林は言っていたけれど、毎年十一月には学祭の打ち上げとしてオーバーも大勢集まる飲み会もあるし、こんな時期にどうしてオーバーにまで声をかけた飲み会をするのかと上級生も不思議がっていた。
だから、今日の飲み会に裕也が来られなかったのは仕方のないことだ。裕也はもうこのサークルに所属している大学生ではなくて、企業に勤める社会人だ。今の裕也の生活や人間関係のベースはそちらにある。
そんなことは、解っている。
解っていてもいつもより早いペースで飲んでしまうのは止められなくて、気付いたら櫂はとんでもないことを口にしていた。
「……高瀬、お前女のコに拒否られたの?」
幸いそれほど大きな声で言ったわけじゃなく、聞いていたのは隣に座っていた手嶋だけだったものの、その手嶋はきょとんとした顔をしていた。それお前のキャラじゃないだろう、と言われているような気がして、一瞬にして酔いが冷める。
「いえ、あの、別にそういうわけじゃ……」
「なんだよ、別にそこまで恥ずかしがるよーなことでもないだろ」
きょとんとしていた、と思ったら、手嶋は楽しそうに笑った。程よく酔っていて、いつもよりも幾分陽気になっている。
手嶋はこういう話題が好きなのかよく先頭をきって首をつっこむのに、女性陣からも引かれるようなことのない、不思議な先輩だった。どこか色気があるから許せる、というのが理由らしい。
「で? 相手いくつ? 拒否られるってくらいだし歳下?」
「……同い歳です」
完全に否定してしまうとそれをネタにからかわれてしまうのが目に見えているから、心の中でため息をつきながら櫂は観念した。代わりに、四つ歳上だと正直に申告はしなかった。どこで出会ったのかと詮索されてしまうと面倒だ。
「あー、まあ、その歳ならまだ経験ないってこともあるか。今時珍しいけど、覚悟が決まらないとかそういうのか? それで、付き合ってどれくらいなんだ?」
「六ヶ月くらい、です」
「……ッ」
手嶋が咽た。ちょうど口に含んだところだった梅酒を気管に入れてしまったらしい。
「あの、――大丈夫ですか?」
しばらく咳を繰り返していた手嶋は、落ち着いてから、涙目で『もう大丈夫』と返事した。
「六ヶ月って、半年だろ? ずっと会ってねーの?」
「週に二回か三回くらいは会ってますけど……」
「お前、実家住みじゃなくて一人暮らしだよな?」
「はい」
手嶋は何ともいえない表情になって、改めて梅酒を一口飲んだ。
「高瀬、お前偉いわ。よく我慢できたな」
「我慢とか、そういう……」
我慢している、というわけじゃない。だいたい、『初めて』の彼女に覚悟が決まらないからとお預けをくらっているわけじゃない。『初めて』なのは自分の方だ。覚悟が決まらないからと拒否した覚えはないのに、相手がずっと我慢している。
本当に我慢しているわけでもないのかもしれないけれど。
「半年も付き合ってたら、いい加減、多少無理矢理になるとしても、なしくずせば行けそうなのにな。そんなに固いのか」
「そんな感じです」
「俺だったら、そんなに待たされたら浮気しそう。本当にその彼女のこと好きで、同意してくれるまで手を出したくないって思っても、性欲ってそういうのとは違う次元にあるだろ?」
「ええっと、まあ、それは……」
「ま、そんなこと女のコに言ってもまず解ってくれないし、浮気しちゃったらその半年の我慢が水の泡になるから、高瀬は浮気すんなよ」
「はい、気をつけます」
手嶋の言うことは櫂にも理解できる。
裕也が言っていたことを信じて、彼が自分のことが好きで、肉体関係なんてなくてもいいと本気で思っているとして。そんなときに誰かから浮気に誘われたらどうするのだろう? 男しか恋愛対象にならないとはいえ、裕也のことだから男にももてるんだろう。もし、浮気でいいから抱いてほしいと誰かに言われたりしたら――…。
どうしても男同士のそういうシーンが想像できなくて相手は女の人になっていたけれど、誰かを抱く裕也を想像してしまって、櫂の頭の中からそれ以外の全てが消えてしまう。
どうして裕也が自分のものじゃないんだろう。思い切り甘やかしてくれるのも、我侭を言っても優しくしてくれるのも、どうしようもない愚痴を聞いてくれるのも、ミルクティーを淹れてくれるのも、自分だけがいいのに。
「――あれ、珍しい組み合わせだな」
遠くに行きかけていた櫂の思考を呼び戻したのは小林の声だった。この飲み会を突然企画した張本人である彼は、自分のビールのグラスを片手に参加者全員に声をかけて回っているらしい。
「確かにそうかもな。飲み会っていうと高瀬はいつも笠原先輩とセットだから」
「笠原先輩、いつも途中参加になってでも来てくれるのに、今日は無理だったんだな」
「お前が連絡するのが遅すぎるんだよ。それに平日だし、先輩にも都合があるだろ」
「最初は来れるって言ってたんだぜ? それが、今日になって突然駄目だって……金曜だし、やっぱり彼女かな」
裕也が今日来られないということは事前にメールで聞いていた。婚約者と同棲している知り合いがその相手と喧嘩して家出して、他に行くあてがないから泊めてあげる、らしい。結婚間近で大変な時期だからサークルの飲み会より優先してあげたいとか何とか。婚約してる人だし、本当にそういう関係じゃないからね、と付け加えるのも忘れずに。
信じることにしたのは櫂だ。
「笠原先輩なら女の人にもてそうですしね」
「あれで、大学にいた頃はそういう噂が全くなかったんだぜ? よっぽど神経質に隠してたんだろうな」
「もう卒業したし、そろそろ先輩のそういう話も聞けるかもな。……って、そういえば、小林、お前大城先輩と別れたんだって?」
「え、本当ですか? もしかして、それで今日飲み会することにしたんですか?」
「……ほっとけ」
「だから今日はあの飲み会大好きな大城先輩が不参加なんだな」
どうやらまだ大城に未練があるらしい小林の話を聞いているうちに時間が経ち、店員に追い出されるようにして居酒屋を出る。集まったほとんどが二次会にも行くと言う中で自分は帰ると櫂が言うと、手嶋は意味ありげな笑顔を作って、櫂にしか聞こえない小声で言った。
「お前さ、このまま、その彼女のところに行けよ」
「え?」
「ま、無理にセックスしろとは言わないけどな。少し酔ってテンションあがってる振りして、飲み会で先輩にけしかけられてもう我慢できなくなったって言ってさ。なんかこう、拒否しておきながら、実は流れみたいので押し切られるの待ってる子っているし」
「そういうもの、ですか?」
「そ。私は拒否したのに彼氏がどうしてもって言うから仕方なかったの! って言い訳したいの。だからさ」
ぽん、と背中を押された。幸運を祈る、とばかりに。駅に向かって。
だから、手嶋が言っていることが自分のシチュエーションには全く当てはまっていないというのに、つい、櫂はそのまま電車に乗って、裕也のマンションまで来てしまった。
来たからといってどうしたらいいのかよく解らなかった。部屋には裕也の知り合いがいるはずだし、突然自分が顔を出したらどう思われるだろう。
でも、と櫂はエレベーターのボタンを押した。
せっかくここまで来たのだから、一目裕也の顔を見るくらいは許されるんじゃないだろうか。なにか、彼を少しだけ困らせるような我侭を一つくらい言ってから帰りたい。
六階でエレベーターが止まる。そこから見える一番端のドア。今まで何度も見てきた、赤みがかった色合いの茶色の。
インターホンを押して待っていると、いつもはモニターで顔を確認してドアを開けてくれるはずなのに、機械を通して人の声が聞こえてきた。
『どちら様ですか?』
「え……?」
それが男ではなく女の人の声だということは聞き間違いようがなかった。けれど、女の人の声が裕也の部屋のインターホンから聞こえてくるはずがない。一瞬部屋を間違えたのかとも思ったものの、端にある裕也の部屋に限ってそれはなかった。
櫂が戸惑っているのが解ったのだろう、その女の人は申し訳なさそうな声で謝ってきた。
『裕也の友達、かな? 驚かせてごめんね、今裕也お風呂に入ってて。中に入って待ってる?』
断る間もなくインターホンの切れる音がして、すぐにドアの鍵が内側から開けられた。中から現れたのは黒くて長い髪が印象的な美女だ。裕也よりも更に歳上だろうか、櫂なんかとは比べ物にならないくらいに落ち着いた、大人の女性。我儘なんて間違っても言わなさそうな。
「こんばんは。さっきも言ったけど裕也今お風呂入ってるの。もうすぐ出てくると思うから――」
最後まで聞いてはいられなかった。
確かに裕也は知り合いを泊めるとは言っていたけれど、それが女性だとは言わなかった。エレベーターのボタンを押すと、運よく上の階の誰かが下りてきたところで、すぐに扉が開く。驚いた様子の女性の声を後に聞きながら、櫂はそのままエレベーターに乗り込んだ。
部長の小林らしく突発的に企画されたサークルの飲み会は、火曜日にメーリングリストで全部員と、オーバーと呼ばれるOB・OGに連絡された。大学の最寄り駅の駅前にある居酒屋で、二時間の飲み放題コース。一人三千円。三日後の金曜日の七時スタート。
十月の頭に後期が始まってから一ヶ月のお疲れ様会、と小林は言っていたけれど、毎年十一月には学祭の打ち上げとしてオーバーも大勢集まる飲み会もあるし、こんな時期にどうしてオーバーにまで声をかけた飲み会をするのかと上級生も不思議がっていた。
だから、今日の飲み会に裕也が来られなかったのは仕方のないことだ。裕也はもうこのサークルに所属している大学生ではなくて、企業に勤める社会人だ。今の裕也の生活や人間関係のベースはそちらにある。
そんなことは、解っている。
解っていてもいつもより早いペースで飲んでしまうのは止められなくて、気付いたら櫂はとんでもないことを口にしていた。
「……高瀬、お前女のコに拒否られたの?」
幸いそれほど大きな声で言ったわけじゃなく、聞いていたのは隣に座っていた手嶋だけだったものの、その手嶋はきょとんとした顔をしていた。それお前のキャラじゃないだろう、と言われているような気がして、一瞬にして酔いが冷める。
「いえ、あの、別にそういうわけじゃ……」
「なんだよ、別にそこまで恥ずかしがるよーなことでもないだろ」
きょとんとしていた、と思ったら、手嶋は楽しそうに笑った。程よく酔っていて、いつもよりも幾分陽気になっている。
手嶋はこういう話題が好きなのかよく先頭をきって首をつっこむのに、女性陣からも引かれるようなことのない、不思議な先輩だった。どこか色気があるから許せる、というのが理由らしい。
「で? 相手いくつ? 拒否られるってくらいだし歳下?」
「……同い歳です」
完全に否定してしまうとそれをネタにからかわれてしまうのが目に見えているから、心の中でため息をつきながら櫂は観念した。代わりに、四つ歳上だと正直に申告はしなかった。どこで出会ったのかと詮索されてしまうと面倒だ。
「あー、まあ、その歳ならまだ経験ないってこともあるか。今時珍しいけど、覚悟が決まらないとかそういうのか? それで、付き合ってどれくらいなんだ?」
「六ヶ月くらい、です」
「……ッ」
手嶋が咽た。ちょうど口に含んだところだった梅酒を気管に入れてしまったらしい。
「あの、――大丈夫ですか?」
しばらく咳を繰り返していた手嶋は、落ち着いてから、涙目で『もう大丈夫』と返事した。
「六ヶ月って、半年だろ? ずっと会ってねーの?」
「週に二回か三回くらいは会ってますけど……」
「お前、実家住みじゃなくて一人暮らしだよな?」
「はい」
手嶋は何ともいえない表情になって、改めて梅酒を一口飲んだ。
「高瀬、お前偉いわ。よく我慢できたな」
「我慢とか、そういう……」
我慢している、というわけじゃない。だいたい、『初めて』の彼女に覚悟が決まらないからとお預けをくらっているわけじゃない。『初めて』なのは自分の方だ。覚悟が決まらないからと拒否した覚えはないのに、相手がずっと我慢している。
本当に我慢しているわけでもないのかもしれないけれど。
「半年も付き合ってたら、いい加減、多少無理矢理になるとしても、なしくずせば行けそうなのにな。そんなに固いのか」
「そんな感じです」
「俺だったら、そんなに待たされたら浮気しそう。本当にその彼女のこと好きで、同意してくれるまで手を出したくないって思っても、性欲ってそういうのとは違う次元にあるだろ?」
「ええっと、まあ、それは……」
「ま、そんなこと女のコに言ってもまず解ってくれないし、浮気しちゃったらその半年の我慢が水の泡になるから、高瀬は浮気すんなよ」
「はい、気をつけます」
手嶋の言うことは櫂にも理解できる。
裕也が言っていたことを信じて、彼が自分のことが好きで、肉体関係なんてなくてもいいと本気で思っているとして。そんなときに誰かから浮気に誘われたらどうするのだろう? 男しか恋愛対象にならないとはいえ、裕也のことだから男にももてるんだろう。もし、浮気でいいから抱いてほしいと誰かに言われたりしたら――…。
どうしても男同士のそういうシーンが想像できなくて相手は女の人になっていたけれど、誰かを抱く裕也を想像してしまって、櫂の頭の中からそれ以外の全てが消えてしまう。
どうして裕也が自分のものじゃないんだろう。思い切り甘やかしてくれるのも、我侭を言っても優しくしてくれるのも、どうしようもない愚痴を聞いてくれるのも、ミルクティーを淹れてくれるのも、自分だけがいいのに。
「――あれ、珍しい組み合わせだな」
遠くに行きかけていた櫂の思考を呼び戻したのは小林の声だった。この飲み会を突然企画した張本人である彼は、自分のビールのグラスを片手に参加者全員に声をかけて回っているらしい。
「確かにそうかもな。飲み会っていうと高瀬はいつも笠原先輩とセットだから」
「笠原先輩、いつも途中参加になってでも来てくれるのに、今日は無理だったんだな」
「お前が連絡するのが遅すぎるんだよ。それに平日だし、先輩にも都合があるだろ」
「最初は来れるって言ってたんだぜ? それが、今日になって突然駄目だって……金曜だし、やっぱり彼女かな」
裕也が今日来られないということは事前にメールで聞いていた。婚約者と同棲している知り合いがその相手と喧嘩して家出して、他に行くあてがないから泊めてあげる、らしい。結婚間近で大変な時期だからサークルの飲み会より優先してあげたいとか何とか。婚約してる人だし、本当にそういう関係じゃないからね、と付け加えるのも忘れずに。
信じることにしたのは櫂だ。
「笠原先輩なら女の人にもてそうですしね」
「あれで、大学にいた頃はそういう噂が全くなかったんだぜ? よっぽど神経質に隠してたんだろうな」
「もう卒業したし、そろそろ先輩のそういう話も聞けるかもな。……って、そういえば、小林、お前大城先輩と別れたんだって?」
「え、本当ですか? もしかして、それで今日飲み会することにしたんですか?」
「……ほっとけ」
「だから今日はあの飲み会大好きな大城先輩が不参加なんだな」
どうやらまだ大城に未練があるらしい小林の話を聞いているうちに時間が経ち、店員に追い出されるようにして居酒屋を出る。集まったほとんどが二次会にも行くと言う中で自分は帰ると櫂が言うと、手嶋は意味ありげな笑顔を作って、櫂にしか聞こえない小声で言った。
「お前さ、このまま、その彼女のところに行けよ」
「え?」
「ま、無理にセックスしろとは言わないけどな。少し酔ってテンションあがってる振りして、飲み会で先輩にけしかけられてもう我慢できなくなったって言ってさ。なんかこう、拒否しておきながら、実は流れみたいので押し切られるの待ってる子っているし」
「そういうもの、ですか?」
「そ。私は拒否したのに彼氏がどうしてもって言うから仕方なかったの! って言い訳したいの。だからさ」
ぽん、と背中を押された。幸運を祈る、とばかりに。駅に向かって。
だから、手嶋が言っていることが自分のシチュエーションには全く当てはまっていないというのに、つい、櫂はそのまま電車に乗って、裕也のマンションまで来てしまった。
来たからといってどうしたらいいのかよく解らなかった。部屋には裕也の知り合いがいるはずだし、突然自分が顔を出したらどう思われるだろう。
でも、と櫂はエレベーターのボタンを押した。
せっかくここまで来たのだから、一目裕也の顔を見るくらいは許されるんじゃないだろうか。なにか、彼を少しだけ困らせるような我侭を一つくらい言ってから帰りたい。
六階でエレベーターが止まる。そこから見える一番端のドア。今まで何度も見てきた、赤みがかった色合いの茶色の。
インターホンを押して待っていると、いつもはモニターで顔を確認してドアを開けてくれるはずなのに、機械を通して人の声が聞こえてきた。
『どちら様ですか?』
「え……?」
それが男ではなく女の人の声だということは聞き間違いようがなかった。けれど、女の人の声が裕也の部屋のインターホンから聞こえてくるはずがない。一瞬部屋を間違えたのかとも思ったものの、端にある裕也の部屋に限ってそれはなかった。
櫂が戸惑っているのが解ったのだろう、その女の人は申し訳なさそうな声で謝ってきた。
『裕也の友達、かな? 驚かせてごめんね、今裕也お風呂に入ってて。中に入って待ってる?』
断る間もなくインターホンの切れる音がして、すぐにドアの鍵が内側から開けられた。中から現れたのは黒くて長い髪が印象的な美女だ。裕也よりも更に歳上だろうか、櫂なんかとは比べ物にならないくらいに落ち着いた、大人の女性。我儘なんて間違っても言わなさそうな。
「こんばんは。さっきも言ったけど裕也今お風呂入ってるの。もうすぐ出てくると思うから――」
最後まで聞いてはいられなかった。
確かに裕也は知り合いを泊めるとは言っていたけれど、それが女性だとは言わなかった。エレベーターのボタンを押すと、運よく上の階の誰かが下りてきたところで、すぐに扉が開く。驚いた様子の女性の声を後に聞きながら、櫂はそのままエレベーターに乗り込んだ。
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