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不休に近い
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帰ってきても疲れは無いのは僥倖だ。
しかし朝昼は学校の為に遊べず、夕夜はパソコンで役に立つ情報や知識が無いかお勉強である。
そして、眠ると例の場所に移るのだ。
リリアもしくは兵に起こされて製造が始まる。
いつもと同じだ。
賢人「女王様。石炭って聞いた事ありますか?」
キュアノ「せきたん? 何だそれは?」
賢人「燃える石、みたいな物?」
キュアノ「……?」
キュアノは想像がつかないし、そんな物が存在するとは思っていない。
キュアノ「それを何に使うのだ?」
賢人「その石炭を蒸し焼きにした物があれば、鋼作れそうなんですけど」
キュアノ「本当か!? 何処にある!?」
賢人「多分掘れないからまた今度造ります。今日は何をすれば良いですか?」
キュアノ「実は手榴弾の柄の部分も大した数は出来上がってない。自転車もな。今日は銃と弾を造ってくれ」
賢人「分かりました。では」
見て憶えた一礼をして下がった。
もう慣れたものだ。
しばらくすると、コムドが御前に参った。
キュアノ「どうだった?」
コムド「はい。出来るだけ平坦な道で使ったところ、やはり移動は速く楽な様です。籠や荷台に甲冑を乗せて走ると思いが歩きよりは良いとの事です」
キュアノ「良い結果ではないか」
キュアノは喜べる結果となって満足した。
コムド「ただ、あの工具を使った留め具に難儀している様です。螺旋状の穴に螺旋状の金属棒で留めているのは分かりましたが、その螺旋状の穴や棒を造るのは難しいとの報告が上がっています。工具は簡単に作れるらしいのですが」
キュアノ「たかが1日目だ。何れは造れる様になれば良い」
コムド「ですな。自転車は片手を離した状態でも操作は可能の様ですので、移動中でも銃は使用できます」
キュアノ「うん。実に良い結果だ。後は身体の部分だが」
コムド「はい。制作には手間取っていますが、造れると断言しましたので大丈夫かと思われます」
自転車は順風満帆らしく、キュアノは杯にワインを注ぐ。
コムド「手榴弾は如何でございますか?」
キュアノ「かなりの威力があるらしい。だから爆発する部分の解体は慎重にやっている様だな。柄の部分の取り外しは済んだらしいが、それにも螺旋状の溝で留めてあったらしい」
コムド「螺旋状の留め具に螺旋状の溝で固定。使えますな」
コムドは笑みを浮かべる。
キュアノ「ああ。使える物は使わないとな」
ワインを飲んだ飲むキュアノは、人差し指で濡れた口を拭った。
リリア「それにしても貴方の国は凄いのね。よくあんな技術者を持ってるわ」
賢人「そうなのかなぁ? 車やバイクは凄いって聞いた事はあるけど他は大した事ないかも。リリアさん石炭って知ってる? 燃える石みたいなやつ」
リリア「……見た記憶ないわね」
賢人「燃える水は? 少し臭いがある水」
リリア「それもない」
リリアはあちこちに応援に行くのであらゆる事を知っている。
農も工も。
賢人「ふーん。もし大きくて複雑な物を創造しようとして一度じゃ造りきれなかったらどうなるの?」
リリア「そういう時は造れる部分を造るの。次は造れなかった部分を造る。要は個別の部品を造って組み合わせるのよ」
賢人「じゃあバイクなら造れそうかな」
リリア「やめときなさい」
賢人は創造を止めた。
賢人「どうして?」
リリア「あんたの国の技術にこの国の技術が追いついてないの。だから造れないわ。あれも造れこれも造れって言われるわよ」
確かにそうだと賢人は思った。
城の外も魔物も見ていないから現状は把握していないが、キュアノやダーデを見ている限りはあまり悠長にしている暇は無いのは賢人にも伝わっている。
賢人「そっか。こっちでは遊べなくなるかな」
リリア「そういう事。さ、創造して」
こうして銃の創造はスタートした。
5日後にはM24型柄付手榴弾の柄の数がある程度揃い、どうにか分解が終了した爆発する部分を見た。
柄を近くに置いて爆発する部分を創造すると、20本も創造が可能になった。
ダーデ「でかしたぞ! よくやった!」
賢人「でかしただけの事はあるよ!」
賢人は得意気であるが、非常に疲れた顔であるのでダーデもリリアも苛立ちもしなかった。
賢人「でもこれってどうなの? 使えるの?」
ダーデ「うむ! 中型の魔物も一撃だろうと報告が上がっているからな!」
賢人「へえー。でも数匹の集団じゃないと勿体無いよ」
ダーデ「数匹? 攻めてくる時は数百匹なんてザラだぞ」
賢人「多いな!!」
精々5匹程度が群れとして襲ってくる程度だと思っていた。
ダーデ「そうだ。もっと少ない数なら消耗も少なく済んで武器や防具、城壁の修繕も楽になるんだがな。かなり嫌だぞ? 死人も多く出る」
賢人「うわっ悲惨……」
ダーデ「もう少し壁を前に作れば大きな川に当たる地域もあるから軍としては是非とも外に出れるぐらいの余力が必要だ。頑張って余力を作ってくれ!」
賢人「それは良いんだけどなあ……リリアさん、もっと楽に造る方法ない?」
リリア「まあ……完成品よりバラバラの状態で創造すれば楽だけど。例えば、弾にしてもバラバラに創造して、火薬と先端を誰かに詰めてもらうとか。それなら少しは楽になるわ」
賢人は唸りながらどうしようか考えた。
賢人「多分静電気……冬に金属とか触るとパチッとなるやつ。あれでも火薬が爆発すると思うんだよね……それに衝撃も駄目っぽい」
ダーデは知っているが、リリアは知らない情報だった。
ダーデ「取扱いに注意すれば大丈夫だと思うがな。革手袋も着ければ良いだろう。先端を込めるのも器具を作れば良い」
賢人「じゃあ火薬だけでも造る……」
2リットルサイズのペットボトルに火薬を入れた物を造る。
3本創造して机に突っ伏して消えた。
ダーデ「…………何発分なのだろうか?」
リリア「さあ? 恐らくそんな事は考えていないと思いますが、材質さえ見た事がありません」
ダーデ「そうか。まだ陛下にお伺いを立ててないのだがな……」
キュアノは何を仕出かすか分からないのだからちゃんと手綱を握れとリリアに叱責した後に、弾の完成は他者に任せるという点に同意した。
これで弾頭と薬莢さえ作れば賢人が居らずともマグナム弾の製造を可能とした。
1ヶ月もすればコンバットマグナムの数も弾も揃い、王都の空は比較的に安全になった。
キュアノ「賢人、良くやってくれた。王都の民や家畜の被害が大幅に減っている。礼を言う」
キュアノは顔を綻ばせて、賢人が現れた当初の固い表情は崩れている。
賢人は美人だが怖そうで冷たい女という印象を持っていたのだが、これでその印象は霧散した。
賢人「じゃあ外見て回っても良いですか!?」
キュアノ「ああ。リリアと兵士を付けよう」
お墨付きを貰えた賢人は早速外に出た。
城下町に出ると、色とりどりな家は良いのだが外を歩く人々は暗い表情で頭上を気にしている。
リリア「銃が広まって配備される様になってやっと人も外に出始めたわ」
賢人「え? これで?」
人々は疎らで、兵士の方が多いぐらいに見えない。
リリア「そうよ。安全になり始めたばかりだからまだ疑ってるの。子供は特に見ないわ」
賢人「え? じゃあ遊べないじゃん」
リリア「そうよ。それに外に出ないから人や物の移動も難しいし、学者達や専門家達も実験もできないと嘆いてるわ」
賢人は人は肩身の狭い生き方を強いられていると感じた。
賢人「広場とか無いの? 店とか出したりしてる場所」
リリア「こっちよ」
着いて歩くと、野球出来る程の広場に出た。
しかし、全く店が出ていない。
そして、皆が端を走り抜ける。
リリア「広い所は狙われやすいの。昔は店が並んだりお祭りがあったらしいけどね」
広い為か余計に寂しく感じる。
広場を通り抜けて、城から離れた。
賢人「この辺りで、大きい家が欲しい。そこで銃と手榴弾と自転車を創造する」
リリアは子供の我儘だと思い、あしらった。
リリア「我儘言わないで。取りにくるの大変でしょう」
賢人「武装した兵士が取りに来れば安全に思われて広場に店が出る様になるんじゃないかな?」
リリアはそんな発想を思いついた賢人に驚いた。
しかし、それが良い発想か悪い発想か判断するにはキュアノやコムドの頭脳と立場が必要である。
賢人の言ってる事も一理あるのではないかとリリアは判断した。
リリア「……私では決められないから、コムド宰相の所へ行きましょう」
賢人「行こう行こう。買うか作ってもらおう」
賢人はこの発想を拒否されるとは思っていない。
決まったも同然だと信じて疑っていない。
そしてコムドがいる部屋を訪ねた。
コムド「……確かにそうすればより兵士の往来と、少年の護衛の為に兵が多くなるから安全はより高まるな。それに、広場に店を出せば自然と人は集まる。魔物からもより民を守りやすくなるな」
買い物は自宅からもっとも近い店に行くのが主流となっている。
粗悪品を高値で売るといった悪どい商売が成り立ってしまっているし、民は働いても息抜きができないでいた。
広場に人が出るならば広場に通じる道を中心に兵を配置、巡回すれば良い。
理に適っているとコムドも納得した。
コムド「将軍にも聞いてから陛下に上奏しよう。陛下も否とは言わぬだろうからそのつもりでいてくれ」
賢人「やった! ついでに奴隷もください」
コムド「何人だ?」
賢人「8人くらい? 部品を運ばせたりさせたいので」
コムド「確かに必要だな。それも伝えておく」
賢人の言い分も願いは全て通った。
コムド「スピラ将軍もこの案に賛成しております。如何でしょうか?」
キュアノ「なるほど。良い案だが、賢人の発想とはな」
子供だから柔軟な発想を思いつくのかと感心した。
キュアノ「すぐに進めよ。奴隷も健康な者を選べ」
コムド「かしこまりました」
ゆっくりながらも着実に良い方向へ向かっているロンギアル王国に、キュアノは心が昂ぶる一方だ。
しかし朝昼は学校の為に遊べず、夕夜はパソコンで役に立つ情報や知識が無いかお勉強である。
そして、眠ると例の場所に移るのだ。
リリアもしくは兵に起こされて製造が始まる。
いつもと同じだ。
賢人「女王様。石炭って聞いた事ありますか?」
キュアノ「せきたん? 何だそれは?」
賢人「燃える石、みたいな物?」
キュアノ「……?」
キュアノは想像がつかないし、そんな物が存在するとは思っていない。
キュアノ「それを何に使うのだ?」
賢人「その石炭を蒸し焼きにした物があれば、鋼作れそうなんですけど」
キュアノ「本当か!? 何処にある!?」
賢人「多分掘れないからまた今度造ります。今日は何をすれば良いですか?」
キュアノ「実は手榴弾の柄の部分も大した数は出来上がってない。自転車もな。今日は銃と弾を造ってくれ」
賢人「分かりました。では」
見て憶えた一礼をして下がった。
もう慣れたものだ。
しばらくすると、コムドが御前に参った。
キュアノ「どうだった?」
コムド「はい。出来るだけ平坦な道で使ったところ、やはり移動は速く楽な様です。籠や荷台に甲冑を乗せて走ると思いが歩きよりは良いとの事です」
キュアノ「良い結果ではないか」
キュアノは喜べる結果となって満足した。
コムド「ただ、あの工具を使った留め具に難儀している様です。螺旋状の穴に螺旋状の金属棒で留めているのは分かりましたが、その螺旋状の穴や棒を造るのは難しいとの報告が上がっています。工具は簡単に作れるらしいのですが」
キュアノ「たかが1日目だ。何れは造れる様になれば良い」
コムド「ですな。自転車は片手を離した状態でも操作は可能の様ですので、移動中でも銃は使用できます」
キュアノ「うん。実に良い結果だ。後は身体の部分だが」
コムド「はい。制作には手間取っていますが、造れると断言しましたので大丈夫かと思われます」
自転車は順風満帆らしく、キュアノは杯にワインを注ぐ。
コムド「手榴弾は如何でございますか?」
キュアノ「かなりの威力があるらしい。だから爆発する部分の解体は慎重にやっている様だな。柄の部分の取り外しは済んだらしいが、それにも螺旋状の溝で留めてあったらしい」
コムド「螺旋状の留め具に螺旋状の溝で固定。使えますな」
コムドは笑みを浮かべる。
キュアノ「ああ。使える物は使わないとな」
ワインを飲んだ飲むキュアノは、人差し指で濡れた口を拭った。
リリア「それにしても貴方の国は凄いのね。よくあんな技術者を持ってるわ」
賢人「そうなのかなぁ? 車やバイクは凄いって聞いた事はあるけど他は大した事ないかも。リリアさん石炭って知ってる? 燃える石みたいなやつ」
リリア「……見た記憶ないわね」
賢人「燃える水は? 少し臭いがある水」
リリア「それもない」
リリアはあちこちに応援に行くのであらゆる事を知っている。
農も工も。
賢人「ふーん。もし大きくて複雑な物を創造しようとして一度じゃ造りきれなかったらどうなるの?」
リリア「そういう時は造れる部分を造るの。次は造れなかった部分を造る。要は個別の部品を造って組み合わせるのよ」
賢人「じゃあバイクなら造れそうかな」
リリア「やめときなさい」
賢人は創造を止めた。
賢人「どうして?」
リリア「あんたの国の技術にこの国の技術が追いついてないの。だから造れないわ。あれも造れこれも造れって言われるわよ」
確かにそうだと賢人は思った。
城の外も魔物も見ていないから現状は把握していないが、キュアノやダーデを見ている限りはあまり悠長にしている暇は無いのは賢人にも伝わっている。
賢人「そっか。こっちでは遊べなくなるかな」
リリア「そういう事。さ、創造して」
こうして銃の創造はスタートした。
5日後にはM24型柄付手榴弾の柄の数がある程度揃い、どうにか分解が終了した爆発する部分を見た。
柄を近くに置いて爆発する部分を創造すると、20本も創造が可能になった。
ダーデ「でかしたぞ! よくやった!」
賢人「でかしただけの事はあるよ!」
賢人は得意気であるが、非常に疲れた顔であるのでダーデもリリアも苛立ちもしなかった。
賢人「でもこれってどうなの? 使えるの?」
ダーデ「うむ! 中型の魔物も一撃だろうと報告が上がっているからな!」
賢人「へえー。でも数匹の集団じゃないと勿体無いよ」
ダーデ「数匹? 攻めてくる時は数百匹なんてザラだぞ」
賢人「多いな!!」
精々5匹程度が群れとして襲ってくる程度だと思っていた。
ダーデ「そうだ。もっと少ない数なら消耗も少なく済んで武器や防具、城壁の修繕も楽になるんだがな。かなり嫌だぞ? 死人も多く出る」
賢人「うわっ悲惨……」
ダーデ「もう少し壁を前に作れば大きな川に当たる地域もあるから軍としては是非とも外に出れるぐらいの余力が必要だ。頑張って余力を作ってくれ!」
賢人「それは良いんだけどなあ……リリアさん、もっと楽に造る方法ない?」
リリア「まあ……完成品よりバラバラの状態で創造すれば楽だけど。例えば、弾にしてもバラバラに創造して、火薬と先端を誰かに詰めてもらうとか。それなら少しは楽になるわ」
賢人は唸りながらどうしようか考えた。
賢人「多分静電気……冬に金属とか触るとパチッとなるやつ。あれでも火薬が爆発すると思うんだよね……それに衝撃も駄目っぽい」
ダーデは知っているが、リリアは知らない情報だった。
ダーデ「取扱いに注意すれば大丈夫だと思うがな。革手袋も着ければ良いだろう。先端を込めるのも器具を作れば良い」
賢人「じゃあ火薬だけでも造る……」
2リットルサイズのペットボトルに火薬を入れた物を造る。
3本創造して机に突っ伏して消えた。
ダーデ「…………何発分なのだろうか?」
リリア「さあ? 恐らくそんな事は考えていないと思いますが、材質さえ見た事がありません」
ダーデ「そうか。まだ陛下にお伺いを立ててないのだがな……」
キュアノは何を仕出かすか分からないのだからちゃんと手綱を握れとリリアに叱責した後に、弾の完成は他者に任せるという点に同意した。
これで弾頭と薬莢さえ作れば賢人が居らずともマグナム弾の製造を可能とした。
1ヶ月もすればコンバットマグナムの数も弾も揃い、王都の空は比較的に安全になった。
キュアノ「賢人、良くやってくれた。王都の民や家畜の被害が大幅に減っている。礼を言う」
キュアノは顔を綻ばせて、賢人が現れた当初の固い表情は崩れている。
賢人は美人だが怖そうで冷たい女という印象を持っていたのだが、これでその印象は霧散した。
賢人「じゃあ外見て回っても良いですか!?」
キュアノ「ああ。リリアと兵士を付けよう」
お墨付きを貰えた賢人は早速外に出た。
城下町に出ると、色とりどりな家は良いのだが外を歩く人々は暗い表情で頭上を気にしている。
リリア「銃が広まって配備される様になってやっと人も外に出始めたわ」
賢人「え? これで?」
人々は疎らで、兵士の方が多いぐらいに見えない。
リリア「そうよ。安全になり始めたばかりだからまだ疑ってるの。子供は特に見ないわ」
賢人「え? じゃあ遊べないじゃん」
リリア「そうよ。それに外に出ないから人や物の移動も難しいし、学者達や専門家達も実験もできないと嘆いてるわ」
賢人は人は肩身の狭い生き方を強いられていると感じた。
賢人「広場とか無いの? 店とか出したりしてる場所」
リリア「こっちよ」
着いて歩くと、野球出来る程の広場に出た。
しかし、全く店が出ていない。
そして、皆が端を走り抜ける。
リリア「広い所は狙われやすいの。昔は店が並んだりお祭りがあったらしいけどね」
広い為か余計に寂しく感じる。
広場を通り抜けて、城から離れた。
賢人「この辺りで、大きい家が欲しい。そこで銃と手榴弾と自転車を創造する」
リリアは子供の我儘だと思い、あしらった。
リリア「我儘言わないで。取りにくるの大変でしょう」
賢人「武装した兵士が取りに来れば安全に思われて広場に店が出る様になるんじゃないかな?」
リリアはそんな発想を思いついた賢人に驚いた。
しかし、それが良い発想か悪い発想か判断するにはキュアノやコムドの頭脳と立場が必要である。
賢人の言ってる事も一理あるのではないかとリリアは判断した。
リリア「……私では決められないから、コムド宰相の所へ行きましょう」
賢人「行こう行こう。買うか作ってもらおう」
賢人はこの発想を拒否されるとは思っていない。
決まったも同然だと信じて疑っていない。
そしてコムドがいる部屋を訪ねた。
コムド「……確かにそうすればより兵士の往来と、少年の護衛の為に兵が多くなるから安全はより高まるな。それに、広場に店を出せば自然と人は集まる。魔物からもより民を守りやすくなるな」
買い物は自宅からもっとも近い店に行くのが主流となっている。
粗悪品を高値で売るといった悪どい商売が成り立ってしまっているし、民は働いても息抜きができないでいた。
広場に人が出るならば広場に通じる道を中心に兵を配置、巡回すれば良い。
理に適っているとコムドも納得した。
コムド「将軍にも聞いてから陛下に上奏しよう。陛下も否とは言わぬだろうからそのつもりでいてくれ」
賢人「やった! ついでに奴隷もください」
コムド「何人だ?」
賢人「8人くらい? 部品を運ばせたりさせたいので」
コムド「確かに必要だな。それも伝えておく」
賢人の言い分も願いは全て通った。
コムド「スピラ将軍もこの案に賛成しております。如何でしょうか?」
キュアノ「なるほど。良い案だが、賢人の発想とはな」
子供だから柔軟な発想を思いつくのかと感心した。
キュアノ「すぐに進めよ。奴隷も健康な者を選べ」
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