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第7話 力の行方

変化 Episode:01

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 ◇Rufeir

 学校での騒ぎ以降、さすがに屋敷の外へは出ずに、すませることになった。

 ――最初からこうしてくれればよかったのに。

 ともかくおかげで、格段に警護が楽になっている。

 屋敷の内外はもともと、常駐の警備の人や、雇われた学院の先輩たちが固めてくれてる。
 だからあたしたちは、同室と隣室とに別れて、殿下の相手をする程度で済んだ。

「ルーフェイア~、殿下呼んでたよ~♪」
「え、また……?」

 ただこの殿下の相手、なぜかあたしばっかり、やるはめになってしまっている。

「しょうがないじゃん、ご指名だもん♪」
「その言い方、やめて……」

 ――なんかすごく、嫌な響きなんだけど。

 もっともミルになんか、通用するわけがない。

「え~、どうして~? このまま行ったら玉の輿だもん、サイコーじゃない♪ ルーフェイア、いいな~♪♪」

 とんでもないことを、面白そうに言ってのける。
 なんだか目眩がしてきて、無視してシルファ先輩に呼ばれたことを言いに行った。

 殿下に呼ばれたときは、シルファ先輩と二人で付くことになっている。

 本当は最初、殿下はあたし一人だけを最初呼んだのだけど、それだとやっぱり心配だ。
 何かあったときに、守りきれないかもしれない。

 同じように「一人だけは危険」とシルファ先輩も言ってくれて、あたしからもう一度お願いして、どうにか殿下は折れてくれた。
 ただ屋敷からは出ないから、最初にくらべれば気楽だ。

 シルファ先輩と二人、ドアごしに声をかける。

「あの……何か、ご用ですか?」

 許可が出て中へ入るとなんだか殿下、本を幾つも広げてるとこだった。

「ああ、来たか。いまローム文明についてまとめていたんだが、君なら詳しいことを知ってると思ったのでな」

 この数日であたしが歴史――特に戦史関係――にやたら強いことは、殿下に知れてしまっていた。

 なにしろうちの家、4千年は続いている。
 その上殆どの動乱に何かの形で関わってるわけだから、イヤでも歴史に強くなるしかない。

「その、時代にも、よりますけど……。ですけど、一通りなら」
「こんな資料が出てきたんだ。どう思う?」

 いろいろ珍しい資料を見せてもらえるのは、嬉しいけど。

 歴史があんまり好きじゃないらしいシルファ先輩は、とっくに部屋の隅だ。
 どこの棚から出したのか分からないけど、古いお菓子の本を読んでる。

 あたしは殿下が見つけた資料を覗き込んだ。

「ローム末期みたいですね。橋がかかった直後……え!
 これもしかして、ロームから逃れてきた人たちが、書いたものじゃないんですか?!」

 本物なら、とても貴重なものだ。
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