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第7話 力の行方

露見 Episode:01

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◇Loa

 いきなり学園長室に呼び出されて何事か思いきや、エレニアが連絡してきたってだけだった。

 ――何か減点されるのかと思った。

 まぁそうじゃなかったから、万事良しだ。

 ちなみにエレニアからの連絡っていうのは、なかなかシャレにならない内容。
 なんでも任務中に、トラブルが発生したんだとか。

 どうもクライアントとルーフェイアが、いっしょに攫われた(?)らしい。
 ピクニックって言ってたから、間違いないはず。
 しかも会場で何か、大規模な爆発まであったんだとか。

 んでもってあとで資料送るから、その情報を元に、アジト探せときた。

 もちろん学院のほうにも頼んでるらしいけど、まぁ学院だから、それなりだし。
 加えてコトがコトだから、一刻も早くってことなんだろう。

 詳細は直接魔視鏡に送るってことだったから、適当な時間を置いて、立ち上げてみる。

 ――あ、これか。

 特殊な形式で細切れにされたデータが、送られて来てる。

 たぶんこれだろうっていう魔令譜幾つか試してみたら、四つ目くらいで復元できた。
 読んでみる。

「ふんふん、なるほど?」

 大筋はさっき訊いたとおりだけど、これで探せって、かなりヒドい。
 過激派の名前に目星がついてる以外は、ほとんど情報ナシだ。

 ただ資料見ると、これを僅かな会話から、ミルちゃん――多分この学院でもトップクラスの有名人――が読み解いたみたいだ。

 ――人って見かけによらなすぎじゃ?

 あの子がこんなこと出来るなんて、どんだけの人が信じるやら。

「それにしたってエレニアも、いっつも気楽に頼むんだから」

 まぁ軍に潜り込めとか言うよりは、よっぽど気楽だけど。
 ともかくドアの外に「邪魔するな」と書いたプレートを下げ、きっちりカギも閉めた。

「さてっと」

 どこから手をつけたもんか、ちょっと考える。

 こういう時いちばん手っ取り早いのは、直接情報を取ること。
 で、どこで直接情報が取れるかというと……。

 とりあえず、通信網に潜り込んでみることにする。


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