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第8話 言葉ではなく

戦闘 Episode:08

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「ははっ、はははっ、マジ――マジ、バカじゃねぇの」
「馬脚って……あはは、このこと、よね……」
「くくく……ナマで漫才……はは……放映、しますって……?」

 イマドもナティエスも、シーモアも笑い出す。

「つまりは真実を知らしめるふりをして、ウソを流そうとしてたわけか。
 報道に携わるものとしては、最低の行為だな」

 あたしたちとは対照的に、ゼロールさんの声は冷たかった。同業なだけに許せないらしい。
 厳しい表情のまま、つかつかと歩み寄る。

「ガマルンド、キミがいながらよくこんな話に同意したな?」

 どうやら知り合いがいたみたいで、きつい口調で問い詰めた。

「そうは言うけどな、こっちだってクビがかかっててな……」
「だったらこの仕事、辞めたほうがいいんじゃないか?」

 知り合いの人が言葉に詰まる。そこへゼロールさんはたたみかけた。

「ジャーナリストが嘘を報道したら、おしまいだぞ。
 その集声機と動影機はなんのためにある? 嘘を流して給料を稼ぐためか? そうじゃないだろう!」

 放送局――たぶん――の人たちがうつむいた。
 あたしがさっきから魔法で治安維持部隊を牽制しているから、周囲は嘘みたいに静かだ。

「俺の言うことが分かるんだったら、今すぐ妙な報道は止めるんだな。代わりに事実を撮っておけ」

 言ってこの人が、あたしたちのほうへ振り向く。

「俺はこいつで必ず事実を撮るから、心配しなくていい。
 ――なにせ正当防衛だしな」

「そしたらさ、なるべくいろいろ撮ってね♪」

 しっかりとナティエスがリクエストを出した。

「きっとね、これから面白いことがあるから」
「面白いこと?」

 思わず訊き返したけれど、ナティエスもシーモアも笑うだけだった。

「ま、すぐに分かるさ。――っと、また来たね」
「一般兵か。めんどくせぇな~」

 イマドがぼやく。

「エンカウントなしとか秘密のルートとかで、いきなり中ボスかラスボスってワケにゃいかねぇのか?」
「そんなムチャな……」

 なにかのゲームじゃあるまいし。

「いや、多分そうできると思うよ」
「え?」

 さすがに呆れていたあたしの後ろから、シーモアがイマドの言葉を肯定した。
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