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第10話 空(うつほ)なる真実
孤島にて Episode:18
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(あの組み合わせで行く予定なら、事前に騒ぐでしょうし)
意外に気の合うシルファとルーフェイアの2人で、計画を立てたというのは有りうる。
だがあの2人なら、こういう計画だとすぐうれしそうに喋るだろう。
下手をすればイマドたちクラスメイトまで巻き込んで、大騒ぎしながら準備するはずだ。
なのに、そういう話は一切聞いていなかった。
つまりルーフェイアは、事前には旅行のことなど知らず、急に同行したと考えていい。
(そういえば……)
自分がロデスティオに発つ前、シルファが何か企んでいた様子だったのを思い出す。
たしかケンディクまで頻繁に買い物に、それも独りで行っていたはずだ。
ほかにもいま考えれば、おかしな点がいくつも浮かぶ。
なぜ、シルファはそんなことをしたのか。
ルーフェイアとでないなら、誰と行くつもりだったのか。
頭の中で情報の断片が、一気に組みあがって形を成していく。
「ご理解いただけたようで、良かったですわ」
聖女の仮面で、サリーアが微笑んだ。
ただその瞳は、明らかに面白がっている。
だがタシュアが返した言葉は、予想外だったようだ。
「それで?」
彼女の仮面が、「少しだけ驚いた」というものに変わる。そして次の瞬間、サリーアはくすりと笑った。
それを尻目にタシュアは続ける。
「シルファがここに至った経緯は、理解しました。それで私にどうしろと?」
シルファが旅行の計画を立てていた、そのこと自体は予想外だったが、彼女がこの島に来る理由、そして学院に提出した予定を過ぎても帰ってこない理由は理解できた。
つまりは、こういうことだ。
「まさか、拗ねて飛び出した挙句、会わせる顔がないからと帰るのを逡巡している人間の、機嫌を取れと?」
通話機による会話の最後を思い出す。
向こうからけたたましい音を立てて通話が切れたのは、取り落としたわけではなく、シルファが通話石を叩きつけたのだろう。
「たぶん違うわよ」
カレアナが笑いながら言うのが、不愉快だった。
サリーアのほうは無邪気な表情で小首をかしげ――演技だろう――不思議そうに言う。
意外に気の合うシルファとルーフェイアの2人で、計画を立てたというのは有りうる。
だがあの2人なら、こういう計画だとすぐうれしそうに喋るだろう。
下手をすればイマドたちクラスメイトまで巻き込んで、大騒ぎしながら準備するはずだ。
なのに、そういう話は一切聞いていなかった。
つまりルーフェイアは、事前には旅行のことなど知らず、急に同行したと考えていい。
(そういえば……)
自分がロデスティオに発つ前、シルファが何か企んでいた様子だったのを思い出す。
たしかケンディクまで頻繁に買い物に、それも独りで行っていたはずだ。
ほかにもいま考えれば、おかしな点がいくつも浮かぶ。
なぜ、シルファはそんなことをしたのか。
ルーフェイアとでないなら、誰と行くつもりだったのか。
頭の中で情報の断片が、一気に組みあがって形を成していく。
「ご理解いただけたようで、良かったですわ」
聖女の仮面で、サリーアが微笑んだ。
ただその瞳は、明らかに面白がっている。
だがタシュアが返した言葉は、予想外だったようだ。
「それで?」
彼女の仮面が、「少しだけ驚いた」というものに変わる。そして次の瞬間、サリーアはくすりと笑った。
それを尻目にタシュアは続ける。
「シルファがここに至った経緯は、理解しました。それで私にどうしろと?」
シルファが旅行の計画を立てていた、そのこと自体は予想外だったが、彼女がこの島に来る理由、そして学院に提出した予定を過ぎても帰ってこない理由は理解できた。
つまりは、こういうことだ。
「まさか、拗ねて飛び出した挙句、会わせる顔がないからと帰るのを逡巡している人間の、機嫌を取れと?」
通話機による会話の最後を思い出す。
向こうからけたたましい音を立てて通話が切れたのは、取り落としたわけではなく、シルファが通話石を叩きつけたのだろう。
「たぶん違うわよ」
カレアナが笑いながら言うのが、不愉快だった。
サリーアのほうは無邪気な表情で小首をかしげ――演技だろう――不思議そうに言う。
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