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第10話 空(うつほ)なる真実
そして、学院にて Episode:04
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◇Sylpha
青い海の上を、船が滑っていく。
学院への連絡船の中は、私たちだけだった。
今日は学院も休日のはずだが、まだ午前中なので、本土から島へ戻る生徒がいないのだろう。
緑の島が近づいてくる。
――何日ぶりだろう?
旅行とはいえ思わず飛び出した状態で、しかもその後、思わぬことで帰るのが遅れて……数えてみれば一ヶ月近い。
こんなに学院を空けたのは初めてなので、部屋の中が心配だ。
もともと旅行に行くつもりで居たから、部屋の中は片付けておいたが、それでも気になる。
船が小さな岬を回りこんで、船着場のある湾の奥へと進む。
軽い衝撃が伝わってきて、動力音が消えた。接岸したのだろう。
「何回来ても、ここいいわねー」
なぜかここまでついてきてしまった、ルーフェイアのお母さんが、立ち上がって言う。
「そんなに、来てるんですか?」
「ここんとこ多かったわね。半月の間に、今日含めて3回来たかしら?」
確かに多い。
3回目が今だとすると、2回目は数日前、ルーフェイアとタシュアが学院へ帰ったときだろう。
1回目はよく分からないが……可能性があるとすれば、タシュアが来た時か。
ずいぶんいろいろと気を遣って、裏で動いてくれたらしい。
「荷物、持つわよ?」
「いえ、大丈夫です」
このくらいのことはしないと、鈍った身体が元に戻らない。
両側が崖になった坂道を、二人で並んで登っていく。
これからケンディクへでも行こうというのだろう、何組もの学院生とすれ違った。
だがその生徒たちが……全員が全員、私たちを見つめてくる。
「あの、みんなこっち見てて……やっぱりこの格好、おかしいんじゃ……」
「そんなことないわよー、似合っててカッコいいわよ? だから見られてるんじゃない?」
あっさりとそんなことを言われた。
初めて履いた丈の短いタイトスカートは、なんだか脚が変な感じだ。
上はジャケットを羽織っているからまだマシだが、キャミソールは胸元が開いていて、やはりこちらも妙な感じだった。
まぁ夏だから、涼しいといえば涼しいのだが……。
青い海の上を、船が滑っていく。
学院への連絡船の中は、私たちだけだった。
今日は学院も休日のはずだが、まだ午前中なので、本土から島へ戻る生徒がいないのだろう。
緑の島が近づいてくる。
――何日ぶりだろう?
旅行とはいえ思わず飛び出した状態で、しかもその後、思わぬことで帰るのが遅れて……数えてみれば一ヶ月近い。
こんなに学院を空けたのは初めてなので、部屋の中が心配だ。
もともと旅行に行くつもりで居たから、部屋の中は片付けておいたが、それでも気になる。
船が小さな岬を回りこんで、船着場のある湾の奥へと進む。
軽い衝撃が伝わってきて、動力音が消えた。接岸したのだろう。
「何回来ても、ここいいわねー」
なぜかここまでついてきてしまった、ルーフェイアのお母さんが、立ち上がって言う。
「そんなに、来てるんですか?」
「ここんとこ多かったわね。半月の間に、今日含めて3回来たかしら?」
確かに多い。
3回目が今だとすると、2回目は数日前、ルーフェイアとタシュアが学院へ帰ったときだろう。
1回目はよく分からないが……可能性があるとすれば、タシュアが来た時か。
ずいぶんいろいろと気を遣って、裏で動いてくれたらしい。
「荷物、持つわよ?」
「いえ、大丈夫です」
このくらいのことはしないと、鈍った身体が元に戻らない。
両側が崖になった坂道を、二人で並んで登っていく。
これからケンディクへでも行こうというのだろう、何組もの学院生とすれ違った。
だがその生徒たちが……全員が全員、私たちを見つめてくる。
「あの、みんなこっち見てて……やっぱりこの格好、おかしいんじゃ……」
「そんなことないわよー、似合っててカッコいいわよ? だから見られてるんじゃない?」
あっさりとそんなことを言われた。
初めて履いた丈の短いタイトスカートは、なんだか脚が変な感じだ。
上はジャケットを羽織っているからまだマシだが、キャミソールは胸元が開いていて、やはりこちらも妙な感じだった。
まぁ夏だから、涼しいといえば涼しいのだが……。
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