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2:あなたに惑星(ほし)の押し売りを
Episode:17
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「話せば長くなるのですが、我々にはひとつの神話がありまして」
「そうなんですか?」
長くなったらイヤだななどと思いつつ、当たり障りのない相槌をうつ。
「その神話によれば我々ネメイエス人は、あの第四惑星の住人がこの星系の守人として、生み出したのだそうです」
「へぇ……」
面白い神話だ。
「我々もかつてはこの神話、ただの作り話だと思っていました。が、実際に宇宙へ行けるようになって遺跡を発見しましてね。だから神話は本当のことではないかと、今は言われています」
どこか得意気に語る相手の言葉を、エルヴィラは否定しなかった。
たぶん真実は、彼らにとってどうでもいいのだ。
伝えられていたことと合致する物があり、自分たちの拠りどころとなる。そのこと自体が重要なのだろう。
「そうしたら……着陸はダメですか?」
「いえ。特例中の特例とはなりますが、この星を救うために尽力してくださるのです。誰も異論は唱えないでしょう。それに何より、神話どおりですし」
「はぁ……」
神話続きで、だんだんどう答えたらいいか分からなくなってくる。
「その、えーと、今日のことが神話にでも?」
「神話といいますか、予言ですね。『滅びの時、光に導かれたものが道を指し示す』、そうあるのですよ」
そんな曖昧な言葉、何にでも当てはまるのではないか……と思ったが、口にはしなかった。
この手のことに異議を唱えると、後が怖いのだ。
なので、また当たり障りのない答えをする。
「異星人の私には、ネメイエスの神話のことは知識不足で分かりませんが、許可いただけるのなら嬉しいです」
「こちらこそ、喜んでいただけて何よりです」
こうして話はまとまった。
ネメイエスと話をまとめたあと、エルヴィラは自室にこもっていた。
当たり前だが、イノーラとは木星の件について、話し合ったわけではない。
だから文句が来るのが見え見えだし、駆け引きに疎い姪っ子を諭すのも面倒くさい。
だから姪っ子から逃げたのだ。
(けどそろそろ、限界かな……)
例の星間生物の映像の売却先を確かめるだの、地球の現状を調べておきたいだの、いろいろ忙しいフリをしてはいたが、そろそろネタが尽きてきた。
何より、狭い宇宙船の中なのだ。逃げ切るには物理的に無理があった。
「入りますわよ」
案の定、姪っ子が強引に扉を開けて入ってくる。電子ロックはしてあるのだが、船の機能をすべて掌握している彼女にかかっては、ベニヤ板も同然だ。
「おばさま、正気ですの?」
入ってくるなり、姪っ子が食って掛かってきた。
「そうなんですか?」
長くなったらイヤだななどと思いつつ、当たり障りのない相槌をうつ。
「その神話によれば我々ネメイエス人は、あの第四惑星の住人がこの星系の守人として、生み出したのだそうです」
「へぇ……」
面白い神話だ。
「我々もかつてはこの神話、ただの作り話だと思っていました。が、実際に宇宙へ行けるようになって遺跡を発見しましてね。だから神話は本当のことではないかと、今は言われています」
どこか得意気に語る相手の言葉を、エルヴィラは否定しなかった。
たぶん真実は、彼らにとってどうでもいいのだ。
伝えられていたことと合致する物があり、自分たちの拠りどころとなる。そのこと自体が重要なのだろう。
「そうしたら……着陸はダメですか?」
「いえ。特例中の特例とはなりますが、この星を救うために尽力してくださるのです。誰も異論は唱えないでしょう。それに何より、神話どおりですし」
「はぁ……」
神話続きで、だんだんどう答えたらいいか分からなくなってくる。
「その、えーと、今日のことが神話にでも?」
「神話といいますか、予言ですね。『滅びの時、光に導かれたものが道を指し示す』、そうあるのですよ」
そんな曖昧な言葉、何にでも当てはまるのではないか……と思ったが、口にはしなかった。
この手のことに異議を唱えると、後が怖いのだ。
なので、また当たり障りのない答えをする。
「異星人の私には、ネメイエスの神話のことは知識不足で分かりませんが、許可いただけるのなら嬉しいです」
「こちらこそ、喜んでいただけて何よりです」
こうして話はまとまった。
ネメイエスと話をまとめたあと、エルヴィラは自室にこもっていた。
当たり前だが、イノーラとは木星の件について、話し合ったわけではない。
だから文句が来るのが見え見えだし、駆け引きに疎い姪っ子を諭すのも面倒くさい。
だから姪っ子から逃げたのだ。
(けどそろそろ、限界かな……)
例の星間生物の映像の売却先を確かめるだの、地球の現状を調べておきたいだの、いろいろ忙しいフリをしてはいたが、そろそろネタが尽きてきた。
何より、狭い宇宙船の中なのだ。逃げ切るには物理的に無理があった。
「入りますわよ」
案の定、姪っ子が強引に扉を開けて入ってくる。電子ロックはしてあるのだが、船の機能をすべて掌握している彼女にかかっては、ベニヤ板も同然だ。
「おばさま、正気ですの?」
入ってくるなり、姪っ子が食って掛かってきた。
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