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2:あなたに惑星(ほし)の押し売りを
Episode:24
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「あ、そうだ」
ふと考えついて、思わず声が出た。
「また独り言を……病院の手配でもしておきますわ」
「要らないってば」
どうしてこうひねくれてるのだろうと思いながら、エルヴィラは思いついたことを地球側の要望に付け足す。
「何ですの、それは」
興味を示したらしく、姪っ子が訊いてきた。
「個人的な要望……っていうか、意見? 出来たら考慮お願いします、って感じ」
内容は、「この取り引きの契約を、なるべく早く行う」だ。
「……意味がわかりませんけど?」
姪っ子が冷ややかな視線になる。
「もともとこの契約、ネメイエス側が急いでるものでしてよ。なのに何故、余計急かすのです?」
「急かさなきゃダメだから」
エルヴィラの言葉に、イノーラがあからさまに不機嫌になった。
頭がいいだけに、分からないのが面白くなかったのだろう。
面倒な性格だと思いながら、エルヴィラは説明を試みる。
「だからさ、地球はソドム人に首根っこ、押さえられてるよね」
「そうですわね」
この点に関しては、地球人なら誰も異論はない。
「でさ、交渉のときも言ったけど、アイツらが地球が独り立ちするようなこと、許すと思う?」
「許さないでしょうね……」
銀河市民ならきっと、誰だって同意する。ソドム人が在る限り、これだけは確実と言っていいくらいだ。
「だから急ぐわけ。そうすれば、あたしや地球があいつらの相手、しなくて済むもん」
組織で挑んでくる相手、それも百戦錬磨のソドム人相手に自分が力不足なのは、エルヴィラ自身もよく分かっている。
そしてそれは、地球も同じだ。
だったらここはさっさと契約を済ませて、その後はお人好しでありながらもこの銀河できちんと生き残ってきた、ネメイエスのプロにやってもらったほうがいいだろう。
ヘタに虚栄心を出しても、せっかくの儲けがフイになるだけだ。
「ともかく、早く契約だけでも結んじゃわないと。そうすれば、手出し出来なくなるから」
この銀河では、契約は絶対だ。横槍を入れたりしたら法外な制裁を食らう。
だからどこも、「契約」することにとてもこだわるのだ。
イノーラはもう、何も言わなかった。これ以上やり込められるのが、イヤなのかもしれない。
(そんなこと気にしないで、覚えればいいのになぁ……)
なにしろ頭の回る姪っ子だ。これで商売のコツを覚えたら、向かうところ敵なしだ。
ただそうなると、エルヴィラ自身の立つ瀬がなくなるのが、悩ましいところなのだが。
そんなことを考えながら、エルヴィラはネメイエスとの交信を待つ間に、地球のほうに伝文を送った。
ふと考えついて、思わず声が出た。
「また独り言を……病院の手配でもしておきますわ」
「要らないってば」
どうしてこうひねくれてるのだろうと思いながら、エルヴィラは思いついたことを地球側の要望に付け足す。
「何ですの、それは」
興味を示したらしく、姪っ子が訊いてきた。
「個人的な要望……っていうか、意見? 出来たら考慮お願いします、って感じ」
内容は、「この取り引きの契約を、なるべく早く行う」だ。
「……意味がわかりませんけど?」
姪っ子が冷ややかな視線になる。
「もともとこの契約、ネメイエス側が急いでるものでしてよ。なのに何故、余計急かすのです?」
「急かさなきゃダメだから」
エルヴィラの言葉に、イノーラがあからさまに不機嫌になった。
頭がいいだけに、分からないのが面白くなかったのだろう。
面倒な性格だと思いながら、エルヴィラは説明を試みる。
「だからさ、地球はソドム人に首根っこ、押さえられてるよね」
「そうですわね」
この点に関しては、地球人なら誰も異論はない。
「でさ、交渉のときも言ったけど、アイツらが地球が独り立ちするようなこと、許すと思う?」
「許さないでしょうね……」
銀河市民ならきっと、誰だって同意する。ソドム人が在る限り、これだけは確実と言っていいくらいだ。
「だから急ぐわけ。そうすれば、あたしや地球があいつらの相手、しなくて済むもん」
組織で挑んでくる相手、それも百戦錬磨のソドム人相手に自分が力不足なのは、エルヴィラ自身もよく分かっている。
そしてそれは、地球も同じだ。
だったらここはさっさと契約を済ませて、その後はお人好しでありながらもこの銀河できちんと生き残ってきた、ネメイエスのプロにやってもらったほうがいいだろう。
ヘタに虚栄心を出しても、せっかくの儲けがフイになるだけだ。
「ともかく、早く契約だけでも結んじゃわないと。そうすれば、手出し出来なくなるから」
この銀河では、契約は絶対だ。横槍を入れたりしたら法外な制裁を食らう。
だからどこも、「契約」することにとてもこだわるのだ。
イノーラはもう、何も言わなかった。これ以上やり込められるのが、イヤなのかもしれない。
(そんなこと気にしないで、覚えればいいのになぁ……)
なにしろ頭の回る姪っ子だ。これで商売のコツを覚えたら、向かうところ敵なしだ。
ただそうなると、エルヴィラ自身の立つ瀬がなくなるのが、悩ましいところなのだが。
そんなことを考えながら、エルヴィラはネメイエスとの交信を待つ間に、地球のほうに伝文を送った。
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