Space Shop!(スペース・ショップ!) ~売られた地球を買い戻せ~

こっこ

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3:誰もが逃げ出す大冒険?

Episode:05

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「どこ降りる? あの都市の上とか、便利そうだけど」
「そうですね。発着港として使われていた痕跡もありますし、強度が十分でしたら、そこで」

 着陸場所が決まったところで、すっかり冷めたお茶をすする。

 せっかく淹れたのにもったいなかったと、エルヴィラは思った。
 今度から緊張が続くときに淹れるのはやめて、一段落してからにしよう。

「強度、出ました。降りても問題なさそうです」
「おっけー、んじゃそこ降りてみよ」

 船が進路を変え、ゆっくりと蜂の巣都市の屋上(?)へ再降下していく。

 近づいてみると発着場として使われていたと言うとおり、屋上にはたくさんの船が停泊していた。
 かつてはここから他の都市や宇宙へ、離発着が頻繁に行われていたのだろう。

 イノーラが空いているスペースへ、船を降ろしていく。
 やがて軽い衝撃と共に、景色の動きが止まった。

「着陸完了。大気は……呼吸できなくはないですが、辛そうですね」
「しょうがないよ、地球じゃないし」

 自分たちに合わせて惑星改造しない限り、他惑星では呼吸出来ない。銀河の常識だ。

「なんか大型の生物とか、居なかったよね?」
「スキャン可能な範囲には居ませんわ」

 姪っ子の言葉に少し安心しながら、それでも用心のために武器を持った。

 ――とっさに使えるかどうか、いまひとつ自信がないが。

 自分たちの専門は商売で、惑星探査ではない。
 だから今まで武器を使うどころか、持つ必要さえなかったのだ。

 まぁ武器自体は、ほぼ自動で動いてくれるから大丈夫だろう。
 そう自分に言い聞かせながら、エアロックへ向かう。

 小さな部屋の中が一旦真空になり、次いで船外の空気が入ってきた。
 さすがに緊張しながら、外へ一歩踏み出す。

「うわ……」

 思わず声が出たのは、空が思いのほか青かったからだ。まるで地球のように青い。

「何を騒いでらっしゃいますの?」
「だって、空、青いんだもん」

 違う星なのだから、違う色ということだって十分あり得る。だからこの色は、予想外だった。
 だがイノーラのほうからは呆れたようなため息が、通信回線越しに聞こえてくる。

「船の中からも、見えていたはずですけれど? とうとう視力まで衰えまして?」
「――見てなかった」

 言われてみればその通りなのだが、緊張していたのだろう。
 地表ばかり見ていて、ちっともそんなところに目が行かなかった。

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