3 / 5
第一章
転生先もブラックだったんですが3
しおりを挟む
「まぁ、ボクたちのお仕事には全然使わないから、気にしなくていいッピ!」
「えっ、使わないっぽか!?」
残念だ。あのプラネタリウム、構造とか仕組みとか気になってたのに……。
後でこっそり見学しに行こう。そう思いながら、ワクワクを必死に胸の奥に押し込んで、俺はルーダの後を追った。
浮遊感はすっかり慣れてきた。まるで重力そのものがゆる~く調整されてるみたいな感じ。操作は不思議だけど、意識で動けるのは便利だ。
エレベーターに乗って、ふわっと軽い上昇の感覚。そしてすぐに、ぺこりんと軽い音とともに扉が開いた。
「ここが君の働く場所、オペレーションルームッピ!」
目の前に広がっていたのは、白とパステルカラーで構成されたドーナツ型の大部屋だった。中央は大きな吹き抜けで、ぐるりと回廊のように円を描いた部屋の縁には、それぞれブースが並んでいる。
そこには俺と同じようなもふもふのマスコットたちがわらわらと働いていた。……いや、“働く”という言葉が似合うとは思えない。あまりに可愛すぎて。
それぞれのブースの中には、半透明のホログラムのような光るパネルが浮いていて、マスコットたちはもちもちした前足(前手?)でパタパタと操作している。
「うわ~……なんか、近未来過ぎて……」
でも、パネルに表示されている文字は見たことのない記号ばかり。にもかかわらず、脳にスルスルと意味が流れ込んでくる。翻訳してる感覚もない。たぶん、最初から“読めるようになってる”んだ。転生特典ってやつぽか?
「……魔法少女……?」
ふと目に止まったその単語が、胸の奥をくすぐった。
懐かしい? いや、違う。何かに触れたような、かすかな疼き。自分でもよく分からないけれど、そこには確実に“引っかかる”何かがあった。
「ボクたちのブースはこっちッピ! はやく来るッピよ~!」
ルーダが少し先のブースから手(いや、前足?)をふって呼んでいた。慌ててふよふよと飛んでいくと、そこには3人のマスコットがいた。
それぞれが俺と同じようなぬいぐるみ然とした見た目ながら、色や装飾、耳の形なんかに個性があって、まるでキャラクターグッズ売り場みたいだった。
とはいえ、空席も目立つ。フルメンバーじゃないことは、素人目にもわかる。
「みんな~! 新しく生まれた子ッピ! 仲良くしてあげてほしいッピ~!」
ルーダの明るい声に、3人がぴょこんとこちらを振り向いた。
「よろしくップ~!」
「わ~い! 新しい子、ひさしぶりッパね~!」
「よろしく~ッペ~!」
語尾が個性的すぎる。どういうルールで決まってんだ、この語尾文化。俺が“ぽ”だからって、みんな揃って避けてくるのちょっと寂しいぽ……
とはいえ、3人とも笑顔で、どこかほっとするような空気を持っていた。
ブースの中央には、小さなテーブルのようなパネルが浮かんでいて、各自がその周囲でそれぞれの作業をしている。
ブラック企業戦士だった俺はその光景が、少しだけ胸に染みた。
「ここが……仕事場っぽか」
そう独りごちると、なんだが覚悟が決まった気がした。
「えっ、使わないっぽか!?」
残念だ。あのプラネタリウム、構造とか仕組みとか気になってたのに……。
後でこっそり見学しに行こう。そう思いながら、ワクワクを必死に胸の奥に押し込んで、俺はルーダの後を追った。
浮遊感はすっかり慣れてきた。まるで重力そのものがゆる~く調整されてるみたいな感じ。操作は不思議だけど、意識で動けるのは便利だ。
エレベーターに乗って、ふわっと軽い上昇の感覚。そしてすぐに、ぺこりんと軽い音とともに扉が開いた。
「ここが君の働く場所、オペレーションルームッピ!」
目の前に広がっていたのは、白とパステルカラーで構成されたドーナツ型の大部屋だった。中央は大きな吹き抜けで、ぐるりと回廊のように円を描いた部屋の縁には、それぞれブースが並んでいる。
そこには俺と同じようなもふもふのマスコットたちがわらわらと働いていた。……いや、“働く”という言葉が似合うとは思えない。あまりに可愛すぎて。
それぞれのブースの中には、半透明のホログラムのような光るパネルが浮いていて、マスコットたちはもちもちした前足(前手?)でパタパタと操作している。
「うわ~……なんか、近未来過ぎて……」
でも、パネルに表示されている文字は見たことのない記号ばかり。にもかかわらず、脳にスルスルと意味が流れ込んでくる。翻訳してる感覚もない。たぶん、最初から“読めるようになってる”んだ。転生特典ってやつぽか?
「……魔法少女……?」
ふと目に止まったその単語が、胸の奥をくすぐった。
懐かしい? いや、違う。何かに触れたような、かすかな疼き。自分でもよく分からないけれど、そこには確実に“引っかかる”何かがあった。
「ボクたちのブースはこっちッピ! はやく来るッピよ~!」
ルーダが少し先のブースから手(いや、前足?)をふって呼んでいた。慌ててふよふよと飛んでいくと、そこには3人のマスコットがいた。
それぞれが俺と同じようなぬいぐるみ然とした見た目ながら、色や装飾、耳の形なんかに個性があって、まるでキャラクターグッズ売り場みたいだった。
とはいえ、空席も目立つ。フルメンバーじゃないことは、素人目にもわかる。
「みんな~! 新しく生まれた子ッピ! 仲良くしてあげてほしいッピ~!」
ルーダの明るい声に、3人がぴょこんとこちらを振り向いた。
「よろしくップ~!」
「わ~い! 新しい子、ひさしぶりッパね~!」
「よろしく~ッペ~!」
語尾が個性的すぎる。どういうルールで決まってんだ、この語尾文化。俺が“ぽ”だからって、みんな揃って避けてくるのちょっと寂しいぽ……
とはいえ、3人とも笑顔で、どこかほっとするような空気を持っていた。
ブースの中央には、小さなテーブルのようなパネルが浮かんでいて、各自がその周囲でそれぞれの作業をしている。
ブラック企業戦士だった俺はその光景が、少しだけ胸に染みた。
「ここが……仕事場っぽか」
そう独りごちると、なんだが覚悟が決まった気がした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる