捨てられ爆薬令嬢は敵総長の溺愛を受ける

由汰のらん

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5-3.

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 それから疲れが取れないままその日のルーティーンを終えた私は、ベッドにうつ伏せになり倒れ込んだ。



 次の日、私は寝坊した。

 何度ルチアに起こされても起き上がれず、朝食もすっぽかし、訓練開始の時間になった。そのラッパの音の合図で飛び起きた私は、全身筋肉痛のまま訓練の列につく。


 でもすぐに小隊長に呼ばれた。


「ルチア・ヴィオデッタ、シシル・メレデリック、前に出ろ。」


 私は呼ばれて当然だとしても、なぜルチアまで呼ばれたのかが分からない。


「お前たち2人は寝坊した罰として、今から駐屯地を2周してこい!」

「え?!に、2周?!」


 でもすぐにルチアは「申し訳ありませんでした!すぐに行ってまいります!」と返事をし、走りに行った。ルチアは関係ないのに、と思いながらついて行き、ルチアに聞いてみた。


「寝坊したのは私だけでしょ??何でルチアまで走らなきゃならないの?」

「ルームメイトだから連帯責任なんだよ。本気で起こさなかった私にも非はある。」

「そ、そんな…。」


 きっとルチアは、私が相当疲れていると思い本気で起こさなかったのだろう。

 とにかく謝ることしか出来なかった。


 軽はずみに「入団する」と返事してしまったことを少しだけ後悔した。

 皆は騎士のプロだ。ルチアは幼少から体力作りに励んできて、ロザンナは生死をさまようような戦争にまで借り出されたことがある。のうのうと生きてきた私がいきなり来ていい場所ではないのだ。


 その日、私は1日のルーティーンを終えた後、黒く長い髪を切った。


 
 次の日、時間通りに掃除と畑仕事を終えた後、朝食の席で私を見た皆が目を見張る。


「シシル!あんなに長かった髪をなぜこんなに短くしてしまったんですか?!」


 ポルト先生が酷く驚いた顔で私の髪の毛を触る。ショートではないけれど、肩にはつかないくらいの長さに切った。

 
「ええ、その、昨日寝坊してしまったし、反省しなきゃと思って。」

「ええっ?!それだけのことで?!この宿舎に来る新人は、皆最初は寝坊するものなんですよ?!」


 …え?そうなの??


「でもさすがシシル、男気があって俺は好きです!」


 だから嬉しくないって。


 するとそのやり取りを見てか、レオまで寄ってきた。頼むからロザンナたちが見てる前ではあまり構わないでほしい。


「シシル、後ろの長さがバラバラだぞ?来い、俺が切ってやるから。」

「あ~、大丈夫です!ルチアに切ってもらうので。」


 私は隣に座るルチアを見て、「お願い」と手を合わせた。


 向こうの席にはやっぱり私を睨むロザンナたちがいて、私は後ろに立つレオを無視し、朝食を食べた。


 ちょっとあからさまにレオを突き放してしまったかもしれない。



 グループに分かれての魔法訓練が始まった。

 今日も前回と同じ、ロザンナたちがいるグループだ。


 ロザンナの魔力は男性騎士よりも高い。次期小隊長候補とも云われている。

 今日もロザンナは絶好調で、周りの騎士たちが感嘆の声をあげている。


 そして私は、今日も絶不調。"コア・アローサンダー"がなかなか上手く出せない。


「シシル、俺が手伝ってやる。」


 レオが私の元に来て、例の土人形を出そうと荒野に手を向ける。


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