6 / 56
2-3.
しおりを挟む「ねえ琉生、さっき秋人と話してたルールって何?」
「ぶッッ」
「.....」
ペットボトルのお茶を飲みかけたところで吹き出す琉生。
秋人、琉生、蓮見先輩、心陽君の4人で会議をしているのを私は何度か見かけたことがある。
私が女であることを知っている4人だからこそ私の知らないところでコソコソされるのはいい気がしない。
「まあ、その....なんだ、お前ってほら、親に無理矢理この学園入れられたようなもんなんだろ?」
「え?うん、そうだけど。」
「男装までさせてここ入れたのってやっぱさ、親がお前の将来のことを色々考えてるからなんじゃねーの?」
「.....そうだね。多分それが一番の理由だと思う。」
「だったら、こ、婚約者見つけるまではお前が危険な目に合わねーようにしねーとさ。。」
「.....はあ。」
「つまり、4人で牽制し合うためのルールってもんがあんだよ.....。朱南の肌に触れるなとか怖がらせるようなことすんなとか。。」
え?秋人に堂々と手を握られたあれは違反にならないの?
「てかさ、何でそんなに私を大事にしようとしてくれるの?琉生にはもっと大事にしなきゃいけない相手がいるんじゃない??」
「は、はあ?!な、なんだよそれっ!」
琉生には心陽君という可愛い子羊ちゃんがいるはずだ。2人でヨロシクやってるところはいつになったら見れるんですか。
頼むから心陽君をめちゃめちゃに犯して下さい、とは言えず、スマブラで琉生にめちゃめちゃ薙ぎ倒されているNPCを見てそっと生唾を飲み込んだ。
でもソファで隣に座る琉生との間隔が少し狭くなっていることに気が付いた。琉生は秋人みたいにむやみやたら触れてはこないけど、チラチラとした視線は何度も感じる。
白々しく「飲み物でも買ってこようかな~」と私がソファを立つと、琉生が咄嗟に私の袖を掴んだ。
「.....な、なに?」
「.....今の、もっと大事にしなきゃいけない相手って、なんだよ....。」
「え?、ええと....」
私は斜め上に顔を向け適当に考えるふりをした。
「ほら、琉生がよく一緒にいる相手でさ、」
「........」
「口喧嘩もたまにするけど、実は相性ピッタリでー」
「.....ほう。」
「華奢な身体でいつも笑顔を振り撒いている、可愛い可愛い」
「それって何?....お前のこと言ってんの?」
違います心陽君のことです。
「違うって!ぼ、僕が可愛いわけないし。」
「....じゃあ、それって、嫉妬してんの?」
「は?嫉妬?」
「....そりゃ荒れてる時は女子校の女と遊んでたこともあったけどさ、」
「バーーーーカ!!!!」
私は琉生に掴まれていた袖を振り払い叫んだ。琉生が私の声に驚いてソファにもたれ掛かる。
「.....は?」
「女の話を持ち出すなー!!もっと目を見開いて自分の相手を見極めろーーー!!!!」
琉生がポリポリと頬を搔きながら顔を赤くした。
「やっぱそれ、嫉妬じゃん...。」
違ーーーーう違うんだよそういう意味じゃないんだよ頼むから有無を言わさずあんたと心陽君の乱痴気騒ぎを私に見せてくれ!!!!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる