転生したらBL漫画の男装女子でしたが、皆さん私に気にせずヨロシクやっちゃって下さい

由汰のらん

文字の大きさ
31 / 56

5-4.

しおりを挟む


「あ、でもママもいい匂いなの。ポクママの匂いだーいしゅき。ママママー!ママの羊水に帰りターイ!」


 グリグリと私のお腹に顔を擦り付ける先輩。

 ···いつから私はママになったのか。隠し子発覚に到った経緯がまるで思い出せない。


 確かに高校の時から生徒会のことで相談を受けることはよくあった。

 きっと私=頼れる存在=ママになったとかそんな感じだろう。


「···先輩、疲れた顔してるのでちょっとお昼寝したらどうです?」


 とりあえずさっさと寝かせて帰ろうとする私。先輩はこうなると3時間は私を離さない。


「あのね、ポクね、きょうね、ママにたくしゃんイイコイイコしてもらいたくって、ママのためにお歌を作ったから歌うの。」

「へ、へえ~、凄い能力身につけたんですね?」

「しょうなの。ポク、能力者なの。」


 面倒くさいけど、"歌"って何だ。ちょっと気になる。

 先輩が私のお腹から顔を離し、キラキラとした目で見上げ、「ママたん、ママたん、ふふふ」と言って気持ちの悪い顔で笑った。


 私の前で立ち上がった先輩がセルフで手拍子を始め、大きく息を吸い込んだ。


『ママーママ~、ママママママママママー♪
ポクの愛するママが~今にも暴漢に襲われしょうだ~ ♪

 「キャーHelp me, Yoshimitsu Mask !!」

正義のヒーロー、吉光仮面、只今参上らっセラーらっセラー!!

ママの操はポクのもの~。お前らなんかにゃやらせはせんッ!!!!(力を込めて)

ほれほれ、そこホレ、ここ掘れワンワン♪
墓穴を掘ったな悪党どもー♪

 「Thank you Yoshimitsu Mask!」

ママがポクのほっぺにチュウをしゅるー♪でもチュウより何よりママのケツにぶっ込みたいんだよ俺は!!(エコー)

ママとポクは今日もノリノリ、イイ感じ~♪』


 ちょっとうどん同好会の2人、早く蓮見先輩をりにきて─────



「ママ~、ポクの躍りどうだった~?昨日夜ガンパってたくしゃん振付考えたのよ~。」


 全然躍りなんて覚えてないよ。

 それよりも、歌詞の最後の方、なんか凄いこと言ってなかった??!頭の中真っ白なんだけど!!


 先輩は嬉しそうにくるくる回り、止まったタイミングでプリンセスのようなお辞儀をして「お粗末様でした」と呟いた。

 え?····蓮見商事の将来大丈夫なの?!主治医とセカンドオピニオンの必要性を最大限に感じるよ。


「お腹すいたよママ~、ママの手から卵ボーロが食べたいよ~。」


 先輩がスキップで冷蔵庫の上にあった卵ボーロの袋を取ってくると、それを私に差し出した。


「ママの掌にボーロを出して~、ポクがそこから直接お口で食べるからね~。あ、うっかりママのお手てをペロペロしちゃったらごめなしゃい。」


 私はボーロの袋を先輩から取り上げると、容赦なく床にボーロをいくつか落とした。


「食え。」

「わー!!ボーロ、ボーロ、ボーロ拾いだあ!!」


 蓮見先輩が狂った犬のように四つん這いで床を駆け回り、口だけでボーロを拾い食べていく。


「ママ~喉渇いたー!ママのおっぱい飲みターイ!ミルクほちいなあ~♪おっぱいおっぱい。オパーーー!!!!」


 今度は先輩が床でお姉さん座りのような体勢で、チュパチュパと自分の親指を吸い始めた。


 私は先輩の首根っこを掴みキッチンまで引っ張っていき、先輩の口を無理矢理、水道の蛇口まで持っていくと、水道から直接水を飲ませた。


「ごふごヒュゥッッ。豪快だねママ!!」


 この一連の作業だけで、私の労力がどれだけ損なわれるかわかってんのかこいつ。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした

果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。 そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、 あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。 じゃあ、気楽にいきますか。 *『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。

処理中です...