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しおりを挟む「あ、でもママもいい匂いなの。ポクママの匂いだーいしゅき。ママママー!ママの羊水に帰りターイ!」
グリグリと私のお腹に顔を擦り付ける先輩。
···いつから私はママになったのか。隠し子発覚に到った経緯がまるで思い出せない。
確かに高校の時から生徒会のことで相談を受けることはよくあった。
きっと私=頼れる存在=ママになったとかそんな感じだろう。
「···先輩、疲れた顔してるのでちょっとお昼寝したらどうです?」
とりあえずさっさと寝かせて帰ろうとする私。先輩はこうなると3時間は私を離さない。
「あのね、ポクね、きょうね、ママにたくしゃんイイコイイコしてもらいたくって、ママのためにお歌を作ったから歌うの。」
「へ、へえ~、凄い能力身につけたんですね?」
「しょうなの。ポク、能力者なの。」
面倒くさいけど、"歌"って何だ。ちょっと気になる。
先輩が私のお腹から顔を離し、キラキラとした目で見上げ、「ママたん、ママたん、ふふふ」と言って気持ちの悪い顔で笑った。
私の前で立ち上がった先輩がセルフで手拍子を始め、大きく息を吸い込んだ。
『ママーママ~、ママママママママママー♪
ポクの愛するママが~今にも暴漢に襲われしょうだ~ ♪
「キャーHelp me, Yoshimitsu Mask !!」
正義のヒーロー、吉光仮面、只今参上らっセラーらっセラー!!
ママの操はポクのもの~。お前らなんかにゃやらせはせんッ!!!!(力を込めて)
ほれほれ、そこホレ、ここ掘れワンワン♪
墓穴を掘ったな悪党どもー♪
「Thank you Yoshimitsu Mask!」
ママがポクのほっぺにチュウをしゅるー♪でもチュウより何よりママのケツにぶっ込みたいんだよ俺は!!(エコー)
ママとポクは今日もノリノリ、イイ感じ~♪』
ちょっとうどん同好会の2人、早く蓮見先輩を犯りにきて─────
「ママ~、ポクの躍りどうだった~?昨日夜ガンパってたくしゃん振付考えたのよ~。」
全然躍りなんて覚えてないよ。
それよりも、歌詞の最後の方、なんか凄いこと言ってなかった??!頭の中真っ白なんだけど!!
先輩は嬉しそうにくるくる回り、止まったタイミングでプリンセスのようなお辞儀をして「お粗末様でした」と呟いた。
え?····蓮見商事の将来大丈夫なの?!主治医とセカンドオピニオンの必要性を最大限に感じるよ。
「お腹すいたよママ~、ママの手から卵ボーロが食べたいよ~。」
先輩がスキップで冷蔵庫の上にあった卵ボーロの袋を取ってくると、それを私に差し出した。
「ママの掌にボーロを出して~、ポクがそこから直接お口で食べるからね~。あ、うっかりママのお手てをペロペロしちゃったらごめなしゃい。」
私はボーロの袋を先輩から取り上げると、容赦なく床にボーロをいくつか落とした。
「食え。」
「わー!!ボーロ、ボーロ、ボーロ拾いだあ!!」
蓮見先輩が狂った犬のように四つん這いで床を駆け回り、口だけでボーロを拾い食べていく。
「ママ~喉渇いたー!ママのおっぱい飲みターイ!ミルクほちいなあ~♪おっぱいおっぱい。オパーーー!!!!」
今度は先輩が床でお姉さん座りのような体勢で、チュパチュパと自分の親指を吸い始めた。
私は先輩の首根っこを掴みキッチンまで引っ張っていき、先輩の口を無理矢理、水道の蛇口まで持っていくと、水道から直接水を飲ませた。
「ごふごヒュゥッッ。豪快だねママ!!」
この一連の作業だけで、私の労力がどれだけ損なわれるかわかってんのかこいつ。
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