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「では、ミリオネア様、こちらに手を当てて下さい」
「はい」
大きな水晶に手を当て、じっと待つ。
神殿の中に、魔力測定の水晶は設置されている。
どういう仕組みかはわからないが、この水晶は触れる人の魔力を少しだけ吸い取り、属性や量を判定するらしい。
じわりじわりと色が浮かんできて、やはり茶と赤。
つまり土と火だ。
魔力量は水晶の光具合で判定するらしい。
「ミリオネア様は土と火ですね、量も多いです。流石ハーヴェスト家のご令嬢だ!素晴らしい魔力ですよ!」
「ありがとうございます」
「ではミリオネア様手を…あれ?何だこれは?」
「え…?あ…」
神官の不思議そうな声に水晶を再度見ると、茶と赤に銀色の光がもやもやと混ざっていっている。
銀色って…あ!聖魔法か!!
「ぎ、銀色…!た、大変だ!!ミリオネア様!このままここでお待ちください!!」
「あ、はい」
神官は慌ててその場から走り去ってしまった。
すると周りがキィンと静かになって、ふわりとした空気感に包まれる。
「ミリオネア、調子はどう?困ったことはない?」
「この声…女神様!?」
「そうよ、ミリオネアに伝え忘れた事があって…」
「何ですか?」
「もしかしたら、あなた…聖女にされるかも知れないわ」
「は!?」
「聖魔法が使えるって珍しいから。過去にも一人だけ私の加護を与えた人がいたんだけど…その人も聖人として崇められていたの」
「あっ!聖魔法の人が聖人だっけ?うわぁ…どうしよう…」
私は盛大に顔を顰めた。
面倒な事になりそうな予感しかしない。
あれ?うろ覚えだけど、聖人って独身を貫いたって歴史書に書いてなかった?
私も独身を貫くのかしら?
「女神様、聖女になったら結婚なんかはしちゃいけないの?」
「え?いいえ?そんな事ないわよ。恋愛も結婚も出産もできるわよ」
「あ、そうなんですね。良かった。私、恋愛してみたくて」
「いいわね、楽しんで欲しいわ。ジャスティンには無事に会えた?私、出会いの瞬間は見れてないの」
「それが…会わなかったんです。昨日、ジャスティンはいませんでした」
「あら…やっぱりちょっと変化はあるのね。二人の出会いは前も見逃してるから、これからはマメに観察するわ」
「ふふ…会わない方がいいかも知れませんよ?」
私はもうその方がいいんじゃないかと思っていた。
ジャスティンは彼が不安にならない人と、私は私を素直に愛してくれる人と。
形がぴたりと合う人がいるかも知れないから。
「そうね…それもまた一つの道よね。これからどうなるかは、あなたとジャスティンの行動次第で変わるからいい方に変えてね!二人が幸せなら私は満足だわ」
「はい!」
「あぁ…そろそろ人が来ちゃう。じゃあね、ミリオネア」
「あ、はい!」
さぁっと風が吹いてさっきまでの空間に戻る。
バタバタと複数の足音がして、振り返ると慌てた様子の大神官とお父様、お母様がいた。
「ミリオネア!銀色が見えたって本当なのか!?」
「ミリオネア様!!私にも見せて下さい!!」
キラキラと子供みたいな純粋な笑顔の大神官なんて初めて見たわ。
いつも何かを企んでるような胡散臭い顔しか見た事なかったし、あの式の時だって嘘くさい笑顔だったもの。
8年で何があったのかしら。
「ミリオネア様!早く手を置いて下さい!私はもう待てませんぞ!!」
ワクワク!!そんな効果音が聞こえてきそうな程に大神官はご機嫌だ。
何だかちょっと可愛いわ。
本来はこんな感じの人だったのね…。
「はい」
私は水晶にそっと触れた。
じわり、と色が水晶に浮かぶ。
さっきよりも早く、茶と赤と銀が混じり合った綺麗な模様になった。
それに水晶が強く光っている事に大神官が驚きを隠せないでいる。
「あ…あぁ!なんて事だ!!本当に…聖魔力が…あぁ!!私は奇跡の瞬間に立ち会っているのか!!?あぁ、女神ティデロ様!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!」
大神官は床に頭を擦り付けながら女神様に感謝の祈りを捧げていた。
私はぽかんと口を開け、ただ大神官を見ていたがお父様と目が合ったのでそっとお父様達の元へ移動した。
「ミリオネア、聖魔法が使えるなんて凄いね」
「お母様は初めて銀色の魔力を見て感動しているわ」
二人とも興味深そうに水晶を眺めているが、珍しいというだけでいつもと変わりない。
権力に固執する親じゃなくて良かったとほっとする。
そうだったとしたら、悲劇の始まりだ。
「ミリオネア様!!聖魔力がある事を大神官である私が判定し、あなたを聖女として認定しました!!陛下にすぐさま報告して、大々的にお披露目しましょう!きっと国民の希望になります!」
こ、国民の希望だなんて思いがあったのね…この人に。
お金にしか興味がないんだとばかり思っていたわ…ごめんね。
私は大神官にそっと謝罪した。
いよいよ8年の間に何があったのかが気になる所ね。
仄暗い闇を感じるけれども…!
「聖女…ですか。聖女とは、どのような立場なんでしょうか?役割とか…」
「ミリオネア様は思慮深いですな!聖女とは、女神ティデロ様の遣いとして丁重に扱われ、この国の安寧を神殿にて祈っていただきます。また、聖魔法は魔獣に穢された土地や、人も浄化、治癒なども出来ますので討伐隊に同行して頂く事もあるかと思います」
「そうですか…。お父様、お母様、どうしましょう…?ハーヴェスト侯爵家としては利になりますか?」
私はお父様達に相談してから決めようと思った。
聖女という立場を利用してやろうという人はきっと沢山いるから。
「ミリオネアが決めて良いよ。私達はミリオネアがしたい事を応援し、共に楽しむ事しか興味はないから。ただ、討伐に行くならば危ないから、魔法の訓練はかなり頑張ってもらうけれどね」
「私も、ミリオネアがしたいようにすれば良いと思うわ。聖魔法なんて凄いじゃない。お母様も見てみたいわ」
「魔法の訓練は頑張ります。では、大神官様…陛下にご報告をして頂いて構いません。でも、大々的なお披露目は遠慮したいです」
私はきっぱりとお披露目を断る。
この人の大々的って、王都パレードとか考えてそうだもの!
そんなの恥ずかしすぎて無理!!
「そうですか…?ミリオネア様がそう言うなら…。私は生涯ミリオネア様に尽くす所存でございます」
「は…?だ、大神官様がですか…?」
「大神官様だなんて!ヴェーレイとお呼び下さい!」
「え!?そんな事は出来ません!」
「どうか!どうかヴェーレイと!ミリオネア様!!」
泣きそうな顔で懇願されてしまった。
えらい違いだ。
完璧に違う人に会ってる気分。
なかなか濃い性格なのね…!!
「う、で、では…ヴェーレイ様。これ以上は無理です」
「はぁ…わかりました。あぁ…聖女様に名を呼んでいただけるなんて…いつ死んでも悔いはございません…」
「死なないで!?頑張って生きて!?」
「はい!ミリオネア様がそう望まれるなら!!どこまでも生きましょう!!」
「はい…健康で長生きしましょうね」
「あぁ!何てお優しい…私めは嬉しくて…うぅ…」
あーあ、泣いちゃった…!
どうしようこれ。
女神様…これ、いいの?
前と全く違う人が出来上がったけどいいの?これ。
「とにかく、私めは陛下に謁見して参りますので。ミリオネア様はお帰り頂いて構いません。ずっと神殿で居てくれても私は大歓迎ですが…」
「いえ、帰りますわ」
「そうですよね!お気をつけて!」
「ありがとうございます」
ヴェーレイ様はルンルンしながら行ってしまった。
あまりに浮かれているものだから、私達家族は置き去りをくらった気分だ。
「とりあえず…帰ろうか」
「そうね…」
「はい、ちょっと疲れました…」
私達は神官達に見送られながら、馬車に乗り自宅へと戻った。
聖女なんてどうすれば良いのかわからないけど、前と同じでも面白くないし。
これはこれでいいのかも。
ロイ兄様が参加した魔獣討伐に行けば、ロイ兄様が命を落とさずに済むかも知れないし。
むしろそうするわ、訓練も今ならスムーズに行くはずだから。
「何だか凄い事になっちゃったね」
「ミリオネアに害がなければいいけれど」
「…ヴェーレイ様が崩壊してましたね…」
馬車に乗った瞬間に、ぐったりとしてしまった。
思ったより10歳の身体には負担が大きかったようだ。
事前に女神様に聞いてなかったら、慌てふためいていたでしょうね。
ありがとうございます、女神様。
「聖女はいいとしても…心配だな…」
「どうかされたんですか?お父様」
「ミリオネア、聖女になったら…多分、ジャスティン王太子殿下と婚約話が持ち上がるけど…大丈夫?」
「え…あー…。そう…なりますよね、やっぱり」
「私としては今まで躱して来たけど、もう無理だなって思ってる。ね、ジェシカ」
「そうね、のらりくらりと躱して来たけれど…仕方ないわね」
はぁ、とお母様が溜息を吐く。
前は乗り気だったような気がしたけれど、本心では心配だったのかしら。
「とりあえず、家に帰ってゆっくり考えましょ」
「そうだね」
私はそんな二人を見ながら、ぼうっと考え事をしていた。
「はい」
大きな水晶に手を当て、じっと待つ。
神殿の中に、魔力測定の水晶は設置されている。
どういう仕組みかはわからないが、この水晶は触れる人の魔力を少しだけ吸い取り、属性や量を判定するらしい。
じわりじわりと色が浮かんできて、やはり茶と赤。
つまり土と火だ。
魔力量は水晶の光具合で判定するらしい。
「ミリオネア様は土と火ですね、量も多いです。流石ハーヴェスト家のご令嬢だ!素晴らしい魔力ですよ!」
「ありがとうございます」
「ではミリオネア様手を…あれ?何だこれは?」
「え…?あ…」
神官の不思議そうな声に水晶を再度見ると、茶と赤に銀色の光がもやもやと混ざっていっている。
銀色って…あ!聖魔法か!!
「ぎ、銀色…!た、大変だ!!ミリオネア様!このままここでお待ちください!!」
「あ、はい」
神官は慌ててその場から走り去ってしまった。
すると周りがキィンと静かになって、ふわりとした空気感に包まれる。
「ミリオネア、調子はどう?困ったことはない?」
「この声…女神様!?」
「そうよ、ミリオネアに伝え忘れた事があって…」
「何ですか?」
「もしかしたら、あなた…聖女にされるかも知れないわ」
「は!?」
「聖魔法が使えるって珍しいから。過去にも一人だけ私の加護を与えた人がいたんだけど…その人も聖人として崇められていたの」
「あっ!聖魔法の人が聖人だっけ?うわぁ…どうしよう…」
私は盛大に顔を顰めた。
面倒な事になりそうな予感しかしない。
あれ?うろ覚えだけど、聖人って独身を貫いたって歴史書に書いてなかった?
私も独身を貫くのかしら?
「女神様、聖女になったら結婚なんかはしちゃいけないの?」
「え?いいえ?そんな事ないわよ。恋愛も結婚も出産もできるわよ」
「あ、そうなんですね。良かった。私、恋愛してみたくて」
「いいわね、楽しんで欲しいわ。ジャスティンには無事に会えた?私、出会いの瞬間は見れてないの」
「それが…会わなかったんです。昨日、ジャスティンはいませんでした」
「あら…やっぱりちょっと変化はあるのね。二人の出会いは前も見逃してるから、これからはマメに観察するわ」
「ふふ…会わない方がいいかも知れませんよ?」
私はもうその方がいいんじゃないかと思っていた。
ジャスティンは彼が不安にならない人と、私は私を素直に愛してくれる人と。
形がぴたりと合う人がいるかも知れないから。
「そうね…それもまた一つの道よね。これからどうなるかは、あなたとジャスティンの行動次第で変わるからいい方に変えてね!二人が幸せなら私は満足だわ」
「はい!」
「あぁ…そろそろ人が来ちゃう。じゃあね、ミリオネア」
「あ、はい!」
さぁっと風が吹いてさっきまでの空間に戻る。
バタバタと複数の足音がして、振り返ると慌てた様子の大神官とお父様、お母様がいた。
「ミリオネア!銀色が見えたって本当なのか!?」
「ミリオネア様!!私にも見せて下さい!!」
キラキラと子供みたいな純粋な笑顔の大神官なんて初めて見たわ。
いつも何かを企んでるような胡散臭い顔しか見た事なかったし、あの式の時だって嘘くさい笑顔だったもの。
8年で何があったのかしら。
「ミリオネア様!早く手を置いて下さい!私はもう待てませんぞ!!」
ワクワク!!そんな効果音が聞こえてきそうな程に大神官はご機嫌だ。
何だかちょっと可愛いわ。
本来はこんな感じの人だったのね…。
「はい」
私は水晶にそっと触れた。
じわり、と色が水晶に浮かぶ。
さっきよりも早く、茶と赤と銀が混じり合った綺麗な模様になった。
それに水晶が強く光っている事に大神官が驚きを隠せないでいる。
「あ…あぁ!なんて事だ!!本当に…聖魔力が…あぁ!!私は奇跡の瞬間に立ち会っているのか!!?あぁ、女神ティデロ様!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!」
大神官は床に頭を擦り付けながら女神様に感謝の祈りを捧げていた。
私はぽかんと口を開け、ただ大神官を見ていたがお父様と目が合ったのでそっとお父様達の元へ移動した。
「ミリオネア、聖魔法が使えるなんて凄いね」
「お母様は初めて銀色の魔力を見て感動しているわ」
二人とも興味深そうに水晶を眺めているが、珍しいというだけでいつもと変わりない。
権力に固執する親じゃなくて良かったとほっとする。
そうだったとしたら、悲劇の始まりだ。
「ミリオネア様!!聖魔力がある事を大神官である私が判定し、あなたを聖女として認定しました!!陛下にすぐさま報告して、大々的にお披露目しましょう!きっと国民の希望になります!」
こ、国民の希望だなんて思いがあったのね…この人に。
お金にしか興味がないんだとばかり思っていたわ…ごめんね。
私は大神官にそっと謝罪した。
いよいよ8年の間に何があったのかが気になる所ね。
仄暗い闇を感じるけれども…!
「聖女…ですか。聖女とは、どのような立場なんでしょうか?役割とか…」
「ミリオネア様は思慮深いですな!聖女とは、女神ティデロ様の遣いとして丁重に扱われ、この国の安寧を神殿にて祈っていただきます。また、聖魔法は魔獣に穢された土地や、人も浄化、治癒なども出来ますので討伐隊に同行して頂く事もあるかと思います」
「そうですか…。お父様、お母様、どうしましょう…?ハーヴェスト侯爵家としては利になりますか?」
私はお父様達に相談してから決めようと思った。
聖女という立場を利用してやろうという人はきっと沢山いるから。
「ミリオネアが決めて良いよ。私達はミリオネアがしたい事を応援し、共に楽しむ事しか興味はないから。ただ、討伐に行くならば危ないから、魔法の訓練はかなり頑張ってもらうけれどね」
「私も、ミリオネアがしたいようにすれば良いと思うわ。聖魔法なんて凄いじゃない。お母様も見てみたいわ」
「魔法の訓練は頑張ります。では、大神官様…陛下にご報告をして頂いて構いません。でも、大々的なお披露目は遠慮したいです」
私はきっぱりとお披露目を断る。
この人の大々的って、王都パレードとか考えてそうだもの!
そんなの恥ずかしすぎて無理!!
「そうですか…?ミリオネア様がそう言うなら…。私は生涯ミリオネア様に尽くす所存でございます」
「は…?だ、大神官様がですか…?」
「大神官様だなんて!ヴェーレイとお呼び下さい!」
「え!?そんな事は出来ません!」
「どうか!どうかヴェーレイと!ミリオネア様!!」
泣きそうな顔で懇願されてしまった。
えらい違いだ。
完璧に違う人に会ってる気分。
なかなか濃い性格なのね…!!
「う、で、では…ヴェーレイ様。これ以上は無理です」
「はぁ…わかりました。あぁ…聖女様に名を呼んでいただけるなんて…いつ死んでも悔いはございません…」
「死なないで!?頑張って生きて!?」
「はい!ミリオネア様がそう望まれるなら!!どこまでも生きましょう!!」
「はい…健康で長生きしましょうね」
「あぁ!何てお優しい…私めは嬉しくて…うぅ…」
あーあ、泣いちゃった…!
どうしようこれ。
女神様…これ、いいの?
前と全く違う人が出来上がったけどいいの?これ。
「とにかく、私めは陛下に謁見して参りますので。ミリオネア様はお帰り頂いて構いません。ずっと神殿で居てくれても私は大歓迎ですが…」
「いえ、帰りますわ」
「そうですよね!お気をつけて!」
「ありがとうございます」
ヴェーレイ様はルンルンしながら行ってしまった。
あまりに浮かれているものだから、私達家族は置き去りをくらった気分だ。
「とりあえず…帰ろうか」
「そうね…」
「はい、ちょっと疲れました…」
私達は神官達に見送られながら、馬車に乗り自宅へと戻った。
聖女なんてどうすれば良いのかわからないけど、前と同じでも面白くないし。
これはこれでいいのかも。
ロイ兄様が参加した魔獣討伐に行けば、ロイ兄様が命を落とさずに済むかも知れないし。
むしろそうするわ、訓練も今ならスムーズに行くはずだから。
「何だか凄い事になっちゃったね」
「ミリオネアに害がなければいいけれど」
「…ヴェーレイ様が崩壊してましたね…」
馬車に乗った瞬間に、ぐったりとしてしまった。
思ったより10歳の身体には負担が大きかったようだ。
事前に女神様に聞いてなかったら、慌てふためいていたでしょうね。
ありがとうございます、女神様。
「聖女はいいとしても…心配だな…」
「どうかされたんですか?お父様」
「ミリオネア、聖女になったら…多分、ジャスティン王太子殿下と婚約話が持ち上がるけど…大丈夫?」
「え…あー…。そう…なりますよね、やっぱり」
「私としては今まで躱して来たけど、もう無理だなって思ってる。ね、ジェシカ」
「そうね、のらりくらりと躱して来たけれど…仕方ないわね」
はぁ、とお母様が溜息を吐く。
前は乗り気だったような気がしたけれど、本心では心配だったのかしら。
「とりあえず、家に帰ってゆっくり考えましょ」
「そうだね」
私はそんな二人を見ながら、ぼうっと考え事をしていた。
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