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いないなんてことはない
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再び眠りについた後、意図的に長く眠った。仕事を辞めたので、いつまで寝てても許される。眠りが浅くなったとしても、起きずに寝続けることは僕の得意分野だった。眠りながらじっと息を潜める。現実の僕に夢の中の僕よりも意識がいかないように、できる限り適当に、できる限り自由に夢の中を過ごした。いい加減僕の眠りの長さに呆れて出てっただろう頃合いを見計らって僕は目を開けた。目の前に昨日の女はいなかった。寝返りをうち、振り返ってもいない。
「…よし。」
それから家のどこかに女がいないか確認をした。財布やクレジットやタンス預金が無くなってるかどうかは二の次だ。非現実的な状況が現実にまだ残っていないことを確認することが先決。それ以外のことは些細なことだ。
数分探したが、女はいない。
「ふぅ…」
息をつく。漸く日常を取り戻した。何も考えず、ぼーっとした日々を過ごせる。
ガチャっ
そう安心したのも束の間、ドアの開く音が聞こえた。
「ただいま。」
…
「帰ってきたのか。」
いなくなってよかったとは思ったのに、女の姿を見て安堵する自分がいるのを感じた。なぜだろう?
女は右手に服屋の袋を持っていた。
「服がなかったから買ってきた。」
「あー、そう。」
自分家のように、自然な足取りで部屋の中へ入ってくる女。
「何で戻ってきたの?」
「昨日も言ったじゃん。ずっといるのここに。」
「許可してない。」
「しなくてもいい。」
澄ました顔で、僕の寝ていた布団に横になる女。
「なんで寝るの?」
「やることないし…」
「…」
女の横に寝転がる。
「したいの?」
「そんなんじゃない。僕もやることがないだけ。」
そうやって僕たちは狭い布団に再び横になって、ただただ天井を眺めた。
「…よし。」
それから家のどこかに女がいないか確認をした。財布やクレジットやタンス預金が無くなってるかどうかは二の次だ。非現実的な状況が現実にまだ残っていないことを確認することが先決。それ以外のことは些細なことだ。
数分探したが、女はいない。
「ふぅ…」
息をつく。漸く日常を取り戻した。何も考えず、ぼーっとした日々を過ごせる。
ガチャっ
そう安心したのも束の間、ドアの開く音が聞こえた。
「ただいま。」
…
「帰ってきたのか。」
いなくなってよかったとは思ったのに、女の姿を見て安堵する自分がいるのを感じた。なぜだろう?
女は右手に服屋の袋を持っていた。
「服がなかったから買ってきた。」
「あー、そう。」
自分家のように、自然な足取りで部屋の中へ入ってくる女。
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「昨日も言ったじゃん。ずっといるのここに。」
「許可してない。」
「しなくてもいい。」
澄ました顔で、僕の寝ていた布団に横になる女。
「なんで寝るの?」
「やることないし…」
「…」
女の横に寝転がる。
「したいの?」
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