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05 大魔女さんと火吹山
フレイムバードの塩からあげ 前編
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火口の祭壇を後にして、僕たちは火炎鳥退治に向かった。
火の大精霊の話によると、フレイムバードが根城にしているのは山の中腹の岸壁近くらしい。
うかつにフレイムバードの棲家に近づいてしまうと危険なので、途中で大陸鳥たちからは降り、戦いの準備を整えてから行く。
魔物の居場所なんて見ただけでわかるのだろうかと不安だったけど、たどり着いてみたら僕にでも一瞬でわかった。
ゴツゴツとした岩場に荒れ狂う炎が吹き上がっているのだ。火の粉も盛んに舞い飛んでいる。絶対ここにヤバいやつがいる――そんな予感がした。
とはいえ燃え盛る火炎を見ても、トッティは落ち着いていた。どうしてだろうと思ったのが伝わったのか、説明してくれる。
「こういう自然の中の火に対しては、火の大精霊から受けた加護の効果があるわ。火傷はしないし、服も燃えないから安心して。だけどフレイムバードの炎は攻撃魔法みたいなものだから無理なんだけどね」
加護を受けてなかったら、絶対火傷だらけになっていたに違いない。たぶんこの場所に近寄ることさえままならなかったんじゃないだろうか。戦うまででもう大変だなんて、伝説級の魔物というのもうなずける手強さだ。
そして改めて、大精霊の加護ってすごいんだなあと感心してしまった。
「それにしても、本当に酷いわね。火の魔法力が乱れに乱れまくってるわ」
「ホントですよう! こんなところにずっといたら、雪と氷の可愛い妖精エリーチカは蒸発してしまいますう! 火吹山が黒い煙を吐いてるのも、この魔法力の乱れのせいですう!」
逆に考えると、元凶のフレイムバードを倒せば火吹山は元通りになるということでもある。
そう思えば、僕たちは平穏を取り戻すための最適解の道をたどっているのだ。
しかし辺りを見回してみても、フレイムバードの姿は見えない。
どこかに身を隠しているのだろうか?
みんな慎重に確認しながら、一歩、また一歩と踏み出していく。
ひと際激しい炎が目の前を横切ったと思ったその瞬間――。
「カイさん、舌噛まないでくださいっすよ!」
ルジェが短く鋭く言ったかと思うと、僕の体が一瞬宙に浮く。それでやっとルジェに引き寄せられてかばわれたのだと理解できた。
そのままルジェと一緒に僕の視界もぐるんぐるん回る。
回転しながら、続けざまに放たれた炎の攻撃を全部避けたみたいだった。
雨のように降ってくる炎。全ての攻撃がはるかな高みからやって来ている。
フレイムバードは飛べるという有利さを生かして、上空から僕たちを狙い撃ちにする気らしい。
「トッティさん、上っす!」
「引きずり下ろすわ。エリーチカ」
「はいですう! 盾の魔法は任せるですう!」
雨を防ぐのに手っ取り早いのはやっぱり傘だ。
まるで傘のように、エリーチカの盾の魔法が頭上に展開する。
その盾がフレイムバードの炎を防いでいるうちに、今度はトッティの魔法が完成した。無数の氷の矢が作り上げられて、上空のフレイムバードに殺到して行く。
フレイムバードは避けたり燃やしたりして矢を防いでいたが、さすがに全てには対応しきれなかった。矢の何本かがその体に刺さると、そこを起点に氷のツルが生まれた。
何本ものツルで綱引きをするような感じで、フレイムバードは空から引きずり降ろされていく。
本職の魔法使いたち二人の働きを見ながら、前衛を引き受けるルジェだって黙ってはいない。
鳥のような翼はないルジェだけど、代わりに彼女には肉体強化の魔法と優れた身体能力がある。
急な角度でフレイムバードまで伸びている頑丈な氷のツル。その上を絶妙なバランスで、まるで曲芸のように駆け上がっていく。
「さあ、高みの見物は終わりっすよ! あんたの悪さもそこまでっす!」
放たれる炎を巧みにかわしながら、ルジェは槍を振りかぶってフレイムバードを地面に向けて叩き落とした。
そこに待ち構えているのは、もちろんトッティだ。
すでに魔法の詠唱を終えた彼女は、魔法杖でフレイムバードの落下地点を指す。
するとその場所には驚くほど大きな氷の柱が生まれて、フレイムバードを閉じ込めてしまった。
「やった……!?」
「まだよ! あと一撃!」
倒せたかと思ったけど、フレイムバードも伊達に伝説級と呼ばれている訳ではない魔物だ。簡単にはやられてくれない。
恐るべき炎を巻き起こして自分を閉じ込めた氷を割ると、もう一度飛び上がろうとする。
「させないっす!」
その瞬間にすかさず走り込んだのはルジェだ。
目にもとまらぬ槍の一閃で、フレイムバードの羽根を切り裂く。
体勢を崩し地面に落ちたところに、トッティが魔法でとどめを刺した。
フレイムバードは断末魔の一鳴きを上げると動かなくなった。その死とともに身の回りを包んでいた炎もすうっと消えていく。
「このくらいの相手になると、さすがに無傷ってわけには行かないわね」
杖を下ろしたトッティが、深いため息をついて言った。
トッティもルジェも、酷いケガではないけど火傷したり裂傷があったりするみたいだ。
僕は守られていたから無傷だったんだけど、こういう時に戦うことも傷を癒してあげることもできないのはやっぱり結構心にくるな……。
僕にできるのは護身術だけだし、みんなみたいに魔法が使えるわけでもないのだ。
「僕にもなにかできることはあるかな? 手当の手伝いとか……」
「私がみんなの傷をまとめて癒すつもりよ。だから大丈夫よ、心配しないで。あ、でもカイには大切な仕事があるわね」
「大切な仕事?」
「そうよ、ほら……」
トッティはちょっとイタズラな笑みを浮かべると、背後に視線をやった。
彼女に釣られて見てみると、その後ろにいるのは……今倒したばかりのフレイムバードだ。
つまり……?
「解体するから、あとはよろしく! 私のお料理番さん!」
「あっ! う、うん!」
思い切り背中をはたかれて、元気よく頼まれたらうなずくしかない。
っていうか、トッティの言うとおりだな……。
僕は僕にできることをやるべきなんだ。良くも悪くも。
僕が頑張った分だけ、みんなも頑張れる。
縁の下の力持ちだって、かっこいいじゃないか。
「フレイムバードも食べられるんっすね!? きっともう一生食べる機会来ないと思うんで、楽しみにしてるっす!」
「おっきいけど確かに鳥ですもんねえ!」
ルジェとエリーチカも僕に期待の眼差しを向けてくれる。
よし。せっかくだし、この珍しすぎる食材でとっておきの料理を作ろうじゃないか。
かくしてみんなの戦いは終わり、今度は僕の戦いが始まる。
フレイムバード。
伝説級の魔物の調理法は……。
僕は頭の中の料理書を開き、高速でメニューを考え始めたのだった。
火の大精霊の話によると、フレイムバードが根城にしているのは山の中腹の岸壁近くらしい。
うかつにフレイムバードの棲家に近づいてしまうと危険なので、途中で大陸鳥たちからは降り、戦いの準備を整えてから行く。
魔物の居場所なんて見ただけでわかるのだろうかと不安だったけど、たどり着いてみたら僕にでも一瞬でわかった。
ゴツゴツとした岩場に荒れ狂う炎が吹き上がっているのだ。火の粉も盛んに舞い飛んでいる。絶対ここにヤバいやつがいる――そんな予感がした。
とはいえ燃え盛る火炎を見ても、トッティは落ち着いていた。どうしてだろうと思ったのが伝わったのか、説明してくれる。
「こういう自然の中の火に対しては、火の大精霊から受けた加護の効果があるわ。火傷はしないし、服も燃えないから安心して。だけどフレイムバードの炎は攻撃魔法みたいなものだから無理なんだけどね」
加護を受けてなかったら、絶対火傷だらけになっていたに違いない。たぶんこの場所に近寄ることさえままならなかったんじゃないだろうか。戦うまででもう大変だなんて、伝説級の魔物というのもうなずける手強さだ。
そして改めて、大精霊の加護ってすごいんだなあと感心してしまった。
「それにしても、本当に酷いわね。火の魔法力が乱れに乱れまくってるわ」
「ホントですよう! こんなところにずっといたら、雪と氷の可愛い妖精エリーチカは蒸発してしまいますう! 火吹山が黒い煙を吐いてるのも、この魔法力の乱れのせいですう!」
逆に考えると、元凶のフレイムバードを倒せば火吹山は元通りになるということでもある。
そう思えば、僕たちは平穏を取り戻すための最適解の道をたどっているのだ。
しかし辺りを見回してみても、フレイムバードの姿は見えない。
どこかに身を隠しているのだろうか?
みんな慎重に確認しながら、一歩、また一歩と踏み出していく。
ひと際激しい炎が目の前を横切ったと思ったその瞬間――。
「カイさん、舌噛まないでくださいっすよ!」
ルジェが短く鋭く言ったかと思うと、僕の体が一瞬宙に浮く。それでやっとルジェに引き寄せられてかばわれたのだと理解できた。
そのままルジェと一緒に僕の視界もぐるんぐるん回る。
回転しながら、続けざまに放たれた炎の攻撃を全部避けたみたいだった。
雨のように降ってくる炎。全ての攻撃がはるかな高みからやって来ている。
フレイムバードは飛べるという有利さを生かして、上空から僕たちを狙い撃ちにする気らしい。
「トッティさん、上っす!」
「引きずり下ろすわ。エリーチカ」
「はいですう! 盾の魔法は任せるですう!」
雨を防ぐのに手っ取り早いのはやっぱり傘だ。
まるで傘のように、エリーチカの盾の魔法が頭上に展開する。
その盾がフレイムバードの炎を防いでいるうちに、今度はトッティの魔法が完成した。無数の氷の矢が作り上げられて、上空のフレイムバードに殺到して行く。
フレイムバードは避けたり燃やしたりして矢を防いでいたが、さすがに全てには対応しきれなかった。矢の何本かがその体に刺さると、そこを起点に氷のツルが生まれた。
何本ものツルで綱引きをするような感じで、フレイムバードは空から引きずり降ろされていく。
本職の魔法使いたち二人の働きを見ながら、前衛を引き受けるルジェだって黙ってはいない。
鳥のような翼はないルジェだけど、代わりに彼女には肉体強化の魔法と優れた身体能力がある。
急な角度でフレイムバードまで伸びている頑丈な氷のツル。その上を絶妙なバランスで、まるで曲芸のように駆け上がっていく。
「さあ、高みの見物は終わりっすよ! あんたの悪さもそこまでっす!」
放たれる炎を巧みにかわしながら、ルジェは槍を振りかぶってフレイムバードを地面に向けて叩き落とした。
そこに待ち構えているのは、もちろんトッティだ。
すでに魔法の詠唱を終えた彼女は、魔法杖でフレイムバードの落下地点を指す。
するとその場所には驚くほど大きな氷の柱が生まれて、フレイムバードを閉じ込めてしまった。
「やった……!?」
「まだよ! あと一撃!」
倒せたかと思ったけど、フレイムバードも伊達に伝説級と呼ばれている訳ではない魔物だ。簡単にはやられてくれない。
恐るべき炎を巻き起こして自分を閉じ込めた氷を割ると、もう一度飛び上がろうとする。
「させないっす!」
その瞬間にすかさず走り込んだのはルジェだ。
目にもとまらぬ槍の一閃で、フレイムバードの羽根を切り裂く。
体勢を崩し地面に落ちたところに、トッティが魔法でとどめを刺した。
フレイムバードは断末魔の一鳴きを上げると動かなくなった。その死とともに身の回りを包んでいた炎もすうっと消えていく。
「このくらいの相手になると、さすがに無傷ってわけには行かないわね」
杖を下ろしたトッティが、深いため息をついて言った。
トッティもルジェも、酷いケガではないけど火傷したり裂傷があったりするみたいだ。
僕は守られていたから無傷だったんだけど、こういう時に戦うことも傷を癒してあげることもできないのはやっぱり結構心にくるな……。
僕にできるのは護身術だけだし、みんなみたいに魔法が使えるわけでもないのだ。
「僕にもなにかできることはあるかな? 手当の手伝いとか……」
「私がみんなの傷をまとめて癒すつもりよ。だから大丈夫よ、心配しないで。あ、でもカイには大切な仕事があるわね」
「大切な仕事?」
「そうよ、ほら……」
トッティはちょっとイタズラな笑みを浮かべると、背後に視線をやった。
彼女に釣られて見てみると、その後ろにいるのは……今倒したばかりのフレイムバードだ。
つまり……?
「解体するから、あとはよろしく! 私のお料理番さん!」
「あっ! う、うん!」
思い切り背中をはたかれて、元気よく頼まれたらうなずくしかない。
っていうか、トッティの言うとおりだな……。
僕は僕にできることをやるべきなんだ。良くも悪くも。
僕が頑張った分だけ、みんなも頑張れる。
縁の下の力持ちだって、かっこいいじゃないか。
「フレイムバードも食べられるんっすね!? きっともう一生食べる機会来ないと思うんで、楽しみにしてるっす!」
「おっきいけど確かに鳥ですもんねえ!」
ルジェとエリーチカも僕に期待の眼差しを向けてくれる。
よし。せっかくだし、この珍しすぎる食材でとっておきの料理を作ろうじゃないか。
かくしてみんなの戦いは終わり、今度は僕の戦いが始まる。
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