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2 真相解明! 砂漠の行き倒れ
2-21.犯人は奴だ
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「……うぅ」
ぱちぱち、と瞬きをする。頭が痛い。喉が枯れていて、しわがれた声が出る。ぼんやりとした光が、徐々に焦点を捉える。目の前には、先ほどの老人がいた。
「あなた……!」
どう考えても、この男が私に何かしたのだ。咄嗟に飛びかかろうとして、違和感に気づく。手が動かない。足もだ。力を込めようとしても、ぴくりとも動かない。
「なに……」
視線を下に落とす。服は脱がされ、下着姿になっていた。それも問題だが、さらにおかしいのが、体にはめられた金属のような輪である。太腿の付け根、それに両肩。金属の輪がはめられたところより先の部分に、全く感覚がないのだ。
ひっひっひ、と高笑い。老人が発したものだ。帽子を取った彼は、好々爺風ではあるが、良い人間だとは思えない。
あたりを見回す。壁には、窓ひとつない。地下だろうか。部屋には扉がいくつかあり、地下の空間の広がりを感じさせる。
「お前さん、どうやって生き延びた?」
はっとした。生き延びた、ということは、この老人は私の肉体が一度死んだことを確信しているのだ。
私の体が、アルのように、どこかに捕らわれていたとしたら。間違いなくこの男が、その犯人である。
「……あなたに言う、義理はないわ」
「つれないねえ、前は儂の顔を見るだけで、嬉しそうに泣き叫んでいたっていうのに」
にやりと笑った老人は、歯が欠けている。やはり、そうなのだ。この男が。
ニコさえいれば。あるいは、私が魔法を使えさえすれば。こんな状況、すぐにひっくり返せるのに。なんて間が悪いの。
「まあ良い。ちょうど、供給源がなくなって、次を調達しようとしてたとこなんだよ」
供給源? なにを供給しようというのか。
老人の手が、私の体に伸びてくる。その手には、なにやら石のようなものを持っていて、それを私の胸元に押し当てた。
「やめて」
尖った声を出すが、体が動かないので、抵抗できない。
半透明の石。みるみるうちにその色が濃くなり、ぼうっと淡く光り始めた。
「……なに、それ?」
「なんだ? お前、苦しくないのか?」
老人が私から石を離し、不思議そうな顔つきをした。今彼は、私の体から魔力を抜いて、それを使って石を加工したのだろう。見たことのない素材だ。いったい、何をしたというのか。
通常、魔力を抜かれる時には、多大なる苦痛を伴う。私のように平然としてはいられない。
「悲鳴をあげないようにしているのよ」
「つまらねえな。……そう粋がっていられるのも、最初だけだぜ。皆すぐに、泣き喚くようになるんだ。あの泣き声は良いよな、ぞくぞくする」
にたぁ、と笑う。この男は、どう見ても異常者だ。泣き叫ぶ姿に、歓びを感じているのである。
背筋に冷たいものを感じた。対応を誤れば、今度こそ、本当に殺されてしまう。私は無力だ。彼の機嫌を、損ねてはまずい。
「……お前、ここのことを、誰かに話しちゃいねえだろうな」
探りを入れてくる。老人にとっては、死んだと思っていた私が、生きていては困るのか。人間をさらい、魔力を奪って使うというのは、明らかに人道に反している。ばれたら、間違いなくお咎めがあるだろう。
どう答えるべきか。はったりをかますか、正直に言うか。もし私が、本当にこの男に酷い目に遭わされて、偶然生き延びたのだとしたら。
アルを思い浮かべる。彼は、自分の受けた仕打ちを、聞き出せる様子ではなかった。
「話せると思う? 思い出すと、体が震えて……何も喋れなかったわ」
「へえ、そうかい。そうだろうな。お前は長いこと保ったからなぁ……」
長いこと保った。この肉体は、長い間、ここに捕らわれていたのか。
「それに比べてあのガキは、軟弱で、すぐに弱りやがった」
「あのガキ……?」
「お前がダメになったから連れてきたガキだ。わんわん喚いて、すぐ熱を出しやがった。熱を出すともう終わりなんだよ、お前達は」
アルのことかもしれない。私がダメになったから、ということは、アルが連れてこられてからは、さほど経っていないのだろう。アルの家族は、すぐに見つかるかもしれない。
「……まあ、何でも良い。丈夫なお前さんがまだ使えるなら、好都合だ」
老人はまた私に石を押し付ける。石はすぐに、ぼうっと光った。
「その石は、なんなの?」
「これかあ? 知ってるだろう、魔力を溜める、魔力石」
魔力石。聞いたことはある。私が生きていた、さらに遥か昔の時代に使われていたものだ。
魔孔に当てると、そこから魔力が石に流れ込み、一時的に保存される。使うときはそれを引き出して使うことで、誰でも手軽に、大きな魔法を使える。
はるか昔に、禁じられたもののはずだ。石を使ったところで、魔力を抜き出される苦痛は変わらない。好きこのんで自分の魔力を抜く者はいないので、必然、立場の強い者が、立場の弱い者に強要するようになった。
人間らしさを奪うということで、当時存在していた魔力石は、全て廃棄されたという。
「王都の偉いさんには、これが高く売れるんだよ」
彼の作った魔力石を、王都の権力者が購入している? 人道に反するものとわかっていて買っているのだとしたら、人の上に立つ者として、失格ではないか。
聞きたいことはまだあるが、この老人はよく喋る。私が問い質すより、勝手に喋るのを待った方が良さそうだ。
話題を誘導するため、私は体を動かそうとした。肩より先は、やはり動かない。太腿より先もだ。今私は椅子に座っているのだけれど、椅子に座っている感覚すらない。
「久しぶり過ぎて、忘れたかあ? 魔封じがついている限り、お前さんは動けないんだよ」
ほら。私の動きに気づき、喋り始める。浅ましくも自慢したいのだ、この男は。
魔封じ。私の予想が正しければ、これも、禁じられた品のひとつ。輪にすると、その内部の魔力を遮断する、危険な物質だ。
先ほど私の首に巻かれたのも、この魔封じだろう。いきなり意識を刈り取られた理由もわかった。首より上に回る魔力が遮断されたので、意識を失ったのだ。
「……外してほしいわ」
「できねえ相談だな」
四肢が動かない。これでは、逃げることもままならない。
それに、本で読んだことがある。魔封じが魔力を遮断できるのは、その部分を「死んだ」状態にしているからだ。やがて死んだ血液は全身に回り、体に悪影響を及ぼす。
「ずっとつけていたら、死んでしまうわ」
「だからなんだよ。死んだら捨てるだけだ」
そうだった。老人は、死など厭わないのだった。
そこからは、嬉しくもない、老人と過ごす毎日が始まった。朝も昼も夜もわからない地下の部屋で、老人がふらりと現れては、石に魔力を溜めて出て行く。老人の話によると、王都の権力者が得意先であり、使い切った魔力石を返却させ、再利用させているようだ。
私は四肢に魔封じの輪をはめられたまま、転がされていた。「延命のため」定期的に片足だけ、や片腕だけ、という形で外され、運動することしか許されなかった。
老人はよく喋るので、私はいろいろなことがわかった。
王都の奥では、居住環境を整えるために、大量の魔力を消費する。足りないぶんをさまざまな手段でかき集めていて、老人のしていることは、そのひとつだ。「偉い奴は自分で魔力を抜きたがらねえ」ということで、苦悶の顔を見られない権力者が、老人に依頼しているらしかった。老人自身は、魔力を抜くときの苦悶の反応を喜んでいるらしく、私が無反応でいると「つまらねえ」と悪態をついた。
魔力石、魔封じのような禁じられた品は多くが廃棄されたが、中にはこっそり隠し持っている者もいて、老人はそれを譲り受けたという。
彼の話を聞いていると、王都で権力を握っている者は、どうも清廉潔白ではないと見える。王都での魔力を確保するために、いろいろと悪事に手を染めているようなのだ。
そんなことでは、国としていけない。なんとかしたい。願う私は、しかし、何もできないでいた。魔法が使えれば、と強く願ったが、何も起こらなかった。一度死んでしまった体には、魔法は使えないのだ。
日に日に、衰弱していくのがわかった。魔封じの輪を、長時間つけているからだ。地下では、日の移り変わりも感じられない。ほんの暫くしか経っていないようにも思えれば、長い時間が経っているようにも思えた。
ニコは、来なかった。
仕方がない。彼は彼で、どうなっているのかわからない。たとえ探そうとしてくれても、手がかりはない。老人は、地下室の入り口は誰にもわからない、と自慢げに言っていた。
起きているときより、寝ているときの方が多くなった。老人には、「今度こそしっかり死んでから外へ出してやる」と言われている。やはりあのとき、壁を越えて外に出ていたのは、この老人らしい。魔力石に溜めた魔力を使って、死体を外に放り出しているそうだ。
せめて、息のあるうちに出してくれれば、助けてもらえるかもしれないのに。
夢と現実の境目が、どんどん曖昧になっていく。ぱら、と頬に硬い砂つぶが当たった気がした。何か、大きな音がした気がした。眩しい光が、目に刺さった気がした。青い空が、見えた気がした。
見えるはずのないものが見える。もう、終わりだ。
これが走馬灯ならば、最後にせめて、見たいものがある。他ならぬ、彼の顔だ。
「ニコ、ごめんね……」
はっきりと目の前に浮かんだニコの幻に、そう謝った。せっかく助けてもらった命を、こんな地下の狭い部屋で、失うことになるなんて。
「助けに来たよ」
言って欲しかった言葉が聞こえ、私はこれは最期の夢だと確信した。
ぱちぱち、と瞬きをする。頭が痛い。喉が枯れていて、しわがれた声が出る。ぼんやりとした光が、徐々に焦点を捉える。目の前には、先ほどの老人がいた。
「あなた……!」
どう考えても、この男が私に何かしたのだ。咄嗟に飛びかかろうとして、違和感に気づく。手が動かない。足もだ。力を込めようとしても、ぴくりとも動かない。
「なに……」
視線を下に落とす。服は脱がされ、下着姿になっていた。それも問題だが、さらにおかしいのが、体にはめられた金属のような輪である。太腿の付け根、それに両肩。金属の輪がはめられたところより先の部分に、全く感覚がないのだ。
ひっひっひ、と高笑い。老人が発したものだ。帽子を取った彼は、好々爺風ではあるが、良い人間だとは思えない。
あたりを見回す。壁には、窓ひとつない。地下だろうか。部屋には扉がいくつかあり、地下の空間の広がりを感じさせる。
「お前さん、どうやって生き延びた?」
はっとした。生き延びた、ということは、この老人は私の肉体が一度死んだことを確信しているのだ。
私の体が、アルのように、どこかに捕らわれていたとしたら。間違いなくこの男が、その犯人である。
「……あなたに言う、義理はないわ」
「つれないねえ、前は儂の顔を見るだけで、嬉しそうに泣き叫んでいたっていうのに」
にやりと笑った老人は、歯が欠けている。やはり、そうなのだ。この男が。
ニコさえいれば。あるいは、私が魔法を使えさえすれば。こんな状況、すぐにひっくり返せるのに。なんて間が悪いの。
「まあ良い。ちょうど、供給源がなくなって、次を調達しようとしてたとこなんだよ」
供給源? なにを供給しようというのか。
老人の手が、私の体に伸びてくる。その手には、なにやら石のようなものを持っていて、それを私の胸元に押し当てた。
「やめて」
尖った声を出すが、体が動かないので、抵抗できない。
半透明の石。みるみるうちにその色が濃くなり、ぼうっと淡く光り始めた。
「……なに、それ?」
「なんだ? お前、苦しくないのか?」
老人が私から石を離し、不思議そうな顔つきをした。今彼は、私の体から魔力を抜いて、それを使って石を加工したのだろう。見たことのない素材だ。いったい、何をしたというのか。
通常、魔力を抜かれる時には、多大なる苦痛を伴う。私のように平然としてはいられない。
「悲鳴をあげないようにしているのよ」
「つまらねえな。……そう粋がっていられるのも、最初だけだぜ。皆すぐに、泣き喚くようになるんだ。あの泣き声は良いよな、ぞくぞくする」
にたぁ、と笑う。この男は、どう見ても異常者だ。泣き叫ぶ姿に、歓びを感じているのである。
背筋に冷たいものを感じた。対応を誤れば、今度こそ、本当に殺されてしまう。私は無力だ。彼の機嫌を、損ねてはまずい。
「……お前、ここのことを、誰かに話しちゃいねえだろうな」
探りを入れてくる。老人にとっては、死んだと思っていた私が、生きていては困るのか。人間をさらい、魔力を奪って使うというのは、明らかに人道に反している。ばれたら、間違いなくお咎めがあるだろう。
どう答えるべきか。はったりをかますか、正直に言うか。もし私が、本当にこの男に酷い目に遭わされて、偶然生き延びたのだとしたら。
アルを思い浮かべる。彼は、自分の受けた仕打ちを、聞き出せる様子ではなかった。
「話せると思う? 思い出すと、体が震えて……何も喋れなかったわ」
「へえ、そうかい。そうだろうな。お前は長いこと保ったからなぁ……」
長いこと保った。この肉体は、長い間、ここに捕らわれていたのか。
「それに比べてあのガキは、軟弱で、すぐに弱りやがった」
「あのガキ……?」
「お前がダメになったから連れてきたガキだ。わんわん喚いて、すぐ熱を出しやがった。熱を出すともう終わりなんだよ、お前達は」
アルのことかもしれない。私がダメになったから、ということは、アルが連れてこられてからは、さほど経っていないのだろう。アルの家族は、すぐに見つかるかもしれない。
「……まあ、何でも良い。丈夫なお前さんがまだ使えるなら、好都合だ」
老人はまた私に石を押し付ける。石はすぐに、ぼうっと光った。
「その石は、なんなの?」
「これかあ? 知ってるだろう、魔力を溜める、魔力石」
魔力石。聞いたことはある。私が生きていた、さらに遥か昔の時代に使われていたものだ。
魔孔に当てると、そこから魔力が石に流れ込み、一時的に保存される。使うときはそれを引き出して使うことで、誰でも手軽に、大きな魔法を使える。
はるか昔に、禁じられたもののはずだ。石を使ったところで、魔力を抜き出される苦痛は変わらない。好きこのんで自分の魔力を抜く者はいないので、必然、立場の強い者が、立場の弱い者に強要するようになった。
人間らしさを奪うということで、当時存在していた魔力石は、全て廃棄されたという。
「王都の偉いさんには、これが高く売れるんだよ」
彼の作った魔力石を、王都の権力者が購入している? 人道に反するものとわかっていて買っているのだとしたら、人の上に立つ者として、失格ではないか。
聞きたいことはまだあるが、この老人はよく喋る。私が問い質すより、勝手に喋るのを待った方が良さそうだ。
話題を誘導するため、私は体を動かそうとした。肩より先は、やはり動かない。太腿より先もだ。今私は椅子に座っているのだけれど、椅子に座っている感覚すらない。
「久しぶり過ぎて、忘れたかあ? 魔封じがついている限り、お前さんは動けないんだよ」
ほら。私の動きに気づき、喋り始める。浅ましくも自慢したいのだ、この男は。
魔封じ。私の予想が正しければ、これも、禁じられた品のひとつ。輪にすると、その内部の魔力を遮断する、危険な物質だ。
先ほど私の首に巻かれたのも、この魔封じだろう。いきなり意識を刈り取られた理由もわかった。首より上に回る魔力が遮断されたので、意識を失ったのだ。
「……外してほしいわ」
「できねえ相談だな」
四肢が動かない。これでは、逃げることもままならない。
それに、本で読んだことがある。魔封じが魔力を遮断できるのは、その部分を「死んだ」状態にしているからだ。やがて死んだ血液は全身に回り、体に悪影響を及ぼす。
「ずっとつけていたら、死んでしまうわ」
「だからなんだよ。死んだら捨てるだけだ」
そうだった。老人は、死など厭わないのだった。
そこからは、嬉しくもない、老人と過ごす毎日が始まった。朝も昼も夜もわからない地下の部屋で、老人がふらりと現れては、石に魔力を溜めて出て行く。老人の話によると、王都の権力者が得意先であり、使い切った魔力石を返却させ、再利用させているようだ。
私は四肢に魔封じの輪をはめられたまま、転がされていた。「延命のため」定期的に片足だけ、や片腕だけ、という形で外され、運動することしか許されなかった。
老人はよく喋るので、私はいろいろなことがわかった。
王都の奥では、居住環境を整えるために、大量の魔力を消費する。足りないぶんをさまざまな手段でかき集めていて、老人のしていることは、そのひとつだ。「偉い奴は自分で魔力を抜きたがらねえ」ということで、苦悶の顔を見られない権力者が、老人に依頼しているらしかった。老人自身は、魔力を抜くときの苦悶の反応を喜んでいるらしく、私が無反応でいると「つまらねえ」と悪態をついた。
魔力石、魔封じのような禁じられた品は多くが廃棄されたが、中にはこっそり隠し持っている者もいて、老人はそれを譲り受けたという。
彼の話を聞いていると、王都で権力を握っている者は、どうも清廉潔白ではないと見える。王都での魔力を確保するために、いろいろと悪事に手を染めているようなのだ。
そんなことでは、国としていけない。なんとかしたい。願う私は、しかし、何もできないでいた。魔法が使えれば、と強く願ったが、何も起こらなかった。一度死んでしまった体には、魔法は使えないのだ。
日に日に、衰弱していくのがわかった。魔封じの輪を、長時間つけているからだ。地下では、日の移り変わりも感じられない。ほんの暫くしか経っていないようにも思えれば、長い時間が経っているようにも思えた。
ニコは、来なかった。
仕方がない。彼は彼で、どうなっているのかわからない。たとえ探そうとしてくれても、手がかりはない。老人は、地下室の入り口は誰にもわからない、と自慢げに言っていた。
起きているときより、寝ているときの方が多くなった。老人には、「今度こそしっかり死んでから外へ出してやる」と言われている。やはりあのとき、壁を越えて外に出ていたのは、この老人らしい。魔力石に溜めた魔力を使って、死体を外に放り出しているそうだ。
せめて、息のあるうちに出してくれれば、助けてもらえるかもしれないのに。
夢と現実の境目が、どんどん曖昧になっていく。ぱら、と頬に硬い砂つぶが当たった気がした。何か、大きな音がした気がした。眩しい光が、目に刺さった気がした。青い空が、見えた気がした。
見えるはずのないものが見える。もう、終わりだ。
これが走馬灯ならば、最後にせめて、見たいものがある。他ならぬ、彼の顔だ。
「ニコ、ごめんね……」
はっきりと目の前に浮かんだニコの幻に、そう謝った。せっかく助けてもらった命を、こんな地下の狭い部屋で、失うことになるなんて。
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