37 / 52
騎士様は魔女を放さない
危険なあいつ
しおりを挟む
「失礼致します」
「やあ、カプンの魔女。元気そうで何よりだ」
団長の部屋に入ると、相変わらず、背筋がすっと伸びる。団長であるガムリの、深い藍色の瞳から放たれる鋭い視線。その前では、余計な思考は全て追いやられ、緊張感で頭が満たされる。彼の冷水に似た匂いは、私の背面にある扉の向こうへ流れている。
「ご心配をおかけしました」
「君に非はない。あるとすれば、君を守りきれなかった者達にある」
「力が及ばず、申し訳御座いません」
隣で、エルートが直角に頭を下げた。下げたまま、微動だにしない。
「頭を上げなさい。お前だけが責を負うべきことでもない」
ガムリが言うと、エルートはやっと顔を上げた。
申し訳なさに、胸が締め付けられる。彼が謝ることはないのに。自らの命を危険に晒してでも、魔獣の毒を吸い出して救ってくれた彼を、責めるのは筋違いだ。
ただ、そんな言葉をこの場で発するのははばかられる。ガムリと目が合うと、喉の奥が強張ったようになり、余計な声は出てこない。
「次の討伐は、君の身を守る支度をさせてから行う」
「……ありがとうございます」
それほどの価値が自分にあるとは、到底思えないけれど。有無を言わせぬガムリの雰囲気の前では、それを受け入れることしかできなかった。
「君が討伐に参加するようになるまで、少し時間が取れた。そこで提案なのだが」
「団長。それは、言わない約束では」
ガムリの言葉に、恐れ多くも、エルートが割り込む。ぎろり、と厳しい視線が私の隣に飛ぶ。そっと横目で確認すると、エルートはその焦げ茶の瞳を、怯まずにガムリへ向けていた。
火花が散るような、熱い視線の交錯。互いに目を逸らさぬまま、ガムリが「決めるのは君ではない」と言った。
「せっかくの機会だ。カルニックを厭う君の気持ちもわからないではないが、要望を握り潰すのは彼女に失礼だろう」
カルニック。その名前には、聞き覚えがある。
私が魔獣の毒に侵され、倒れた後で目覚めたのは、王宮薬師団の建物内だった。カルニックは、私の手当てをしてくれた薬師である。青みがかった黒髪で片目を隠した、珍しい容姿の青年。匂いのしない、無欲な人だ。
「カプンの魔女。君に、王宮薬師のカルニックから助力の依頼が来ている。何でも、魔女の薬学を知りたいらしい」
広いテーブルに両肘をつき、組んだ両手に顎を乗せ、上体を傾けて提案するガムリ。前のめりな姿勢に、私は、容易には断れないという圧を感じた。
「騎士団としては、討伐への参加が再開するまでの間なら、構わないと伝えてある。どうするかは、君の判断に委ねよう」
エルートが、わざとらしく咳払いをする。ガムリの視線が、エルートに戻った。深い皺の刻まれた眉間をぐりりと動かし、片眉をくいっと上げる。
「恋人のことだからな。君にも意見を許可する」
恋人ではないのだけれど、と私は思った。もしかしてガムリは、方便ではなく、本気で恋仲だと勘違いしているのだろうか。あまりにも自然な言い方に疑念を抱いたが、エルートは特に訂正せず、話し始める。
「反対です。カルニックは自分の好奇心を満たしたいだけではありませんか。ニーナの持つ知識を、国益のために求めているとは到底思えない。何よりあの人体実験野郎に、ニーナを預けるのは心配です」
「言葉が過ぎるぞ、エルート。カルニックが人体実験を行っているという証拠はない。噂に基づいて判断するなど、君らしくないな」
語気を強めたエルートを、ガムリがたしなめる。エルートがこれほど率直に他者を批判するのは、初めて聞いた。カルニックは、よほど危険な人物なのだろうか。少なくとも薬師団で会ったときには、物腰穏やかで無欲な青年、という印象を抱いただけだったのだけれど。
自分の印象を疑う程度には、エルートの口調は確信めいていた。
「とにかく……俺はニーナに、カルニックの元へ行って欲しくはないんです。奴が彼女に興味を示しているなら、尚更」
「なるほどな。……だそうだ。これを受けてどう判断する、カプンの魔女」
藍の瞳と焦げ茶の瞳が、一斉にこちらを向いた。
以前の私なら、エルートとカルニックの要求の間で悩み、揺れていただろう。エルートは、行かないで欲しいと望んでいる。カルニックは、私の知識を望んでいる。求められたら応えたい私は、どちらの求めに応じるか悩み、決めきれないでいたはずだ。
では、私はどうしたい?
自分自身に、問いを投げかける。エルートに私の言葉を信じてもらうためには、私がしたいことを、自分でした、という行動を積み重ねていく必要がある。カプンの町長夫人であるエマにアドバイスを受け、私はそう決めたのだ。
だから、決めるなら、自分の意思で。
「カルニックさんは、危険な方なのですね」
「ああ」
「奴は自分の好奇心を抑えきれないところはあるが、君に直接危害を加えることはない。こちらから、きつく言い含めておく」
頷くエルートに、ガムリが添えた。騎士団長が直々に言い添えてくれるのなら、おかしなことは起きないだろう。
「王宮薬師団は、何をするところなんですか?」
「多岐にわたる。魔獣を心臓を宝玉に変える作業。種々の病に効く薬の研究。私たち騎士団は、負傷者の治療という面で世話になることが多いな」
病や負傷者の治療は、魔獣の討伐とは別の側面で、人の助けになる役目である。私の持つ知識が役に立つとは到底思えないが、もし回り回って、何かの役に立つのなら嬉しい。
求められているか否かに関わらず、人助けをできることは私の喜びなのだ。
「薬師団に、行ってみたいと思います」
だから私は、そちらを選択した。
「そうか」
ガムリが、深々と頷いた。
「そう伝えておく。早速、明日の朝食後に出向くと良い」
隣からぴりりとした気配を感じたが、私は敢えてそちらを見なかった。エルートには不本意な結論のはずだ。彼の意見を、無視する形になったから。
求めに応じるのではなく、自分のしたいことを。エルートが止めるよう求めても、私は、自分の進みたい方向を選んだ。
こうした選択ほ積み重ねが、今の私に必要なことだ。
「君は行くと答える気がしていた。だから、言わないでくれと団長に頼んだんだ」
食堂。アテリアの料理を挟み、湯気の向こうで、エルートが険しい顔をする。
「君は、求めには応じてしまうから。カルニックのような危険人物に近寄らせたくはなかった」
「私は、もっとたくさんの人の役に立ちたいから、薬師団に行くことにしたんです」
「……本当に、献身的だな」
呆れた調子のエルートに、私の本心は伝わっていない。言葉では、やはり伝わらないのだ。彼に信じてもらうには、行動を積み重ねるしかない。
「カルニックさんは、そんなに危険な方なんですか?」
会いに行くとしても、エルートが言うことが本当なら、知っておきたかった。私の問いに、エルートは強張った表情で頷く。
「あいつは、自分の興味を追求することにしか関心がない。そのためなら何でもする男だ。俺達の間では、負傷しても、薬師団には決して長居するなと言われている。治療と銘打って、世に知られていない怪しげな薬を使われるという噂があってな」
だからエルートは前回、毒によって負傷した時も、すぐに薬師団を出たのだという。
エルートの語るカルニック像と、私の印象に残っている無欲な彼はなかなか結びつかない。もう一度会ってみないことには、その噂が本当かどうかも、判断できなさそうだ。
「さすがに意識のない君を連れて行くことはできなかったが、あの時は大丈夫だっただろう? 俺が厳しく制しておいたからな」
「そうだったんですね」
「君が決めたのなら止めないが、カルニックには重々注意することだ。向こうには俺が案内する。ひと言告げておかないと」
エルートがこれほどに警戒するのだから、私も無警戒でいてはいけない。胸元にかかった、青い石を握った。もしカルニックが悪意をもった危険な人物なら、この石が反応するはずだ。その時には、全てを投げ打ってでも逃げよう。
「大丈夫だ。君のことは、俺が必ず守る」
その仕草が、エルートには不安げに映ったらしい。心強い彼の言葉に、自然と頬が緩み、私は頷いた。
「やあ、カプンの魔女。元気そうで何よりだ」
団長の部屋に入ると、相変わらず、背筋がすっと伸びる。団長であるガムリの、深い藍色の瞳から放たれる鋭い視線。その前では、余計な思考は全て追いやられ、緊張感で頭が満たされる。彼の冷水に似た匂いは、私の背面にある扉の向こうへ流れている。
「ご心配をおかけしました」
「君に非はない。あるとすれば、君を守りきれなかった者達にある」
「力が及ばず、申し訳御座いません」
隣で、エルートが直角に頭を下げた。下げたまま、微動だにしない。
「頭を上げなさい。お前だけが責を負うべきことでもない」
ガムリが言うと、エルートはやっと顔を上げた。
申し訳なさに、胸が締め付けられる。彼が謝ることはないのに。自らの命を危険に晒してでも、魔獣の毒を吸い出して救ってくれた彼を、責めるのは筋違いだ。
ただ、そんな言葉をこの場で発するのははばかられる。ガムリと目が合うと、喉の奥が強張ったようになり、余計な声は出てこない。
「次の討伐は、君の身を守る支度をさせてから行う」
「……ありがとうございます」
それほどの価値が自分にあるとは、到底思えないけれど。有無を言わせぬガムリの雰囲気の前では、それを受け入れることしかできなかった。
「君が討伐に参加するようになるまで、少し時間が取れた。そこで提案なのだが」
「団長。それは、言わない約束では」
ガムリの言葉に、恐れ多くも、エルートが割り込む。ぎろり、と厳しい視線が私の隣に飛ぶ。そっと横目で確認すると、エルートはその焦げ茶の瞳を、怯まずにガムリへ向けていた。
火花が散るような、熱い視線の交錯。互いに目を逸らさぬまま、ガムリが「決めるのは君ではない」と言った。
「せっかくの機会だ。カルニックを厭う君の気持ちもわからないではないが、要望を握り潰すのは彼女に失礼だろう」
カルニック。その名前には、聞き覚えがある。
私が魔獣の毒に侵され、倒れた後で目覚めたのは、王宮薬師団の建物内だった。カルニックは、私の手当てをしてくれた薬師である。青みがかった黒髪で片目を隠した、珍しい容姿の青年。匂いのしない、無欲な人だ。
「カプンの魔女。君に、王宮薬師のカルニックから助力の依頼が来ている。何でも、魔女の薬学を知りたいらしい」
広いテーブルに両肘をつき、組んだ両手に顎を乗せ、上体を傾けて提案するガムリ。前のめりな姿勢に、私は、容易には断れないという圧を感じた。
「騎士団としては、討伐への参加が再開するまでの間なら、構わないと伝えてある。どうするかは、君の判断に委ねよう」
エルートが、わざとらしく咳払いをする。ガムリの視線が、エルートに戻った。深い皺の刻まれた眉間をぐりりと動かし、片眉をくいっと上げる。
「恋人のことだからな。君にも意見を許可する」
恋人ではないのだけれど、と私は思った。もしかしてガムリは、方便ではなく、本気で恋仲だと勘違いしているのだろうか。あまりにも自然な言い方に疑念を抱いたが、エルートは特に訂正せず、話し始める。
「反対です。カルニックは自分の好奇心を満たしたいだけではありませんか。ニーナの持つ知識を、国益のために求めているとは到底思えない。何よりあの人体実験野郎に、ニーナを預けるのは心配です」
「言葉が過ぎるぞ、エルート。カルニックが人体実験を行っているという証拠はない。噂に基づいて判断するなど、君らしくないな」
語気を強めたエルートを、ガムリがたしなめる。エルートがこれほど率直に他者を批判するのは、初めて聞いた。カルニックは、よほど危険な人物なのだろうか。少なくとも薬師団で会ったときには、物腰穏やかで無欲な青年、という印象を抱いただけだったのだけれど。
自分の印象を疑う程度には、エルートの口調は確信めいていた。
「とにかく……俺はニーナに、カルニックの元へ行って欲しくはないんです。奴が彼女に興味を示しているなら、尚更」
「なるほどな。……だそうだ。これを受けてどう判断する、カプンの魔女」
藍の瞳と焦げ茶の瞳が、一斉にこちらを向いた。
以前の私なら、エルートとカルニックの要求の間で悩み、揺れていただろう。エルートは、行かないで欲しいと望んでいる。カルニックは、私の知識を望んでいる。求められたら応えたい私は、どちらの求めに応じるか悩み、決めきれないでいたはずだ。
では、私はどうしたい?
自分自身に、問いを投げかける。エルートに私の言葉を信じてもらうためには、私がしたいことを、自分でした、という行動を積み重ねていく必要がある。カプンの町長夫人であるエマにアドバイスを受け、私はそう決めたのだ。
だから、決めるなら、自分の意思で。
「カルニックさんは、危険な方なのですね」
「ああ」
「奴は自分の好奇心を抑えきれないところはあるが、君に直接危害を加えることはない。こちらから、きつく言い含めておく」
頷くエルートに、ガムリが添えた。騎士団長が直々に言い添えてくれるのなら、おかしなことは起きないだろう。
「王宮薬師団は、何をするところなんですか?」
「多岐にわたる。魔獣を心臓を宝玉に変える作業。種々の病に効く薬の研究。私たち騎士団は、負傷者の治療という面で世話になることが多いな」
病や負傷者の治療は、魔獣の討伐とは別の側面で、人の助けになる役目である。私の持つ知識が役に立つとは到底思えないが、もし回り回って、何かの役に立つのなら嬉しい。
求められているか否かに関わらず、人助けをできることは私の喜びなのだ。
「薬師団に、行ってみたいと思います」
だから私は、そちらを選択した。
「そうか」
ガムリが、深々と頷いた。
「そう伝えておく。早速、明日の朝食後に出向くと良い」
隣からぴりりとした気配を感じたが、私は敢えてそちらを見なかった。エルートには不本意な結論のはずだ。彼の意見を、無視する形になったから。
求めに応じるのではなく、自分のしたいことを。エルートが止めるよう求めても、私は、自分の進みたい方向を選んだ。
こうした選択ほ積み重ねが、今の私に必要なことだ。
「君は行くと答える気がしていた。だから、言わないでくれと団長に頼んだんだ」
食堂。アテリアの料理を挟み、湯気の向こうで、エルートが険しい顔をする。
「君は、求めには応じてしまうから。カルニックのような危険人物に近寄らせたくはなかった」
「私は、もっとたくさんの人の役に立ちたいから、薬師団に行くことにしたんです」
「……本当に、献身的だな」
呆れた調子のエルートに、私の本心は伝わっていない。言葉では、やはり伝わらないのだ。彼に信じてもらうには、行動を積み重ねるしかない。
「カルニックさんは、そんなに危険な方なんですか?」
会いに行くとしても、エルートが言うことが本当なら、知っておきたかった。私の問いに、エルートは強張った表情で頷く。
「あいつは、自分の興味を追求することにしか関心がない。そのためなら何でもする男だ。俺達の間では、負傷しても、薬師団には決して長居するなと言われている。治療と銘打って、世に知られていない怪しげな薬を使われるという噂があってな」
だからエルートは前回、毒によって負傷した時も、すぐに薬師団を出たのだという。
エルートの語るカルニック像と、私の印象に残っている無欲な彼はなかなか結びつかない。もう一度会ってみないことには、その噂が本当かどうかも、判断できなさそうだ。
「さすがに意識のない君を連れて行くことはできなかったが、あの時は大丈夫だっただろう? 俺が厳しく制しておいたからな」
「そうだったんですね」
「君が決めたのなら止めないが、カルニックには重々注意することだ。向こうには俺が案内する。ひと言告げておかないと」
エルートがこれほどに警戒するのだから、私も無警戒でいてはいけない。胸元にかかった、青い石を握った。もしカルニックが悪意をもった危険な人物なら、この石が反応するはずだ。その時には、全てを投げ打ってでも逃げよう。
「大丈夫だ。君のことは、俺が必ず守る」
その仕草が、エルートには不安げに映ったらしい。心強い彼の言葉に、自然と頬が緩み、私は頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の妹君。〜冤罪で追放された落ちこぼれ令嬢はワケあり少年伯に溺愛される〜
見丘ユタ
恋愛
意地悪な双子の姉に聖女迫害の罪をなすりつけられた伯爵令嬢リーゼロッテは、罰として追放同然の扱いを受け、偏屈な辺境伯ユリウスの家事使用人として過ごすことになる。
ユリウスに仕えた使用人は、十日もたずに次々と辞めさせられるという噂に、家族や婚約者に捨てられ他に行き場のない彼女は戦々恐々とするが……彼女を出迎えたのは自称当主の少年だった。
想像とは全く違う毎日にリーゼロッテは戸惑う。「なんだか大切にされていませんか……?」と。
リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした〜
ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。
イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。
8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。
※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。
【完結】処刑後転生した悪女は、狼男と山奥でスローライフを満喫するようです。〜皇帝陛下、今更愛に気づいてももう遅い〜
二位関りをん
恋愛
ナターシャは皇太子の妃だったが、数々の悪逆な行為が皇帝と皇太子にバレて火あぶりの刑となった。
処刑後、農民の娘に転生した彼女は山の中をさまよっていると、狼男のリークと出会う。
口数は少ないが親切なリークとのほのぼのスローライフを満喫するナターシャだったが、ナターシャへかつての皇太子で今は皇帝に即位したキムの魔の手が迫り来る…
※表紙はaiartで生成したものを使用しています。
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
婚約破棄? 国外追放?…ええ、全部知ってました。地球の記憶で。でも、元婚約者(あなた)との恋の結末だけは、私の知らない物語でした。
aozora
恋愛
クライフォルト公爵家の令嬢エリアーナは、なぜか「地球」と呼ばれる星の記憶を持っていた。そこでは「婚約破棄モノ」の物語が流行しており、自らの婚約者である第一王子アリステアに大勢の前で婚約破棄を告げられた時も、エリアーナは「ああ、これか」と奇妙な冷静さで受け止めていた。しかし、彼女に下された罰は予想を遥かに超え、この世界での記憶、そして心の支えであった「地球」の恋人の思い出までも根こそぎ奪う「忘却の罰」だった……
大魔法使いは、人生をやり直す~婚約破棄されなかった未来は最悪だったので、今度は婚約破棄を受け入れて生きてみます~
キョウキョウ
恋愛
歴史に名を残す偉業を数多く成し遂げた、大魔法使いのナディーン王妃。
彼女の活躍のおかげで、アレクグル王国は他国より抜きん出て発展することが出来たと言っても過言ではない。
そんなナディーンは、結婚したリカード王に愛してもらうために魔法の新技術を研究して、アレクグル王国を発展させてきた。役に立って、彼に褒めてほしかった。けれど、リカード王がナディーンを愛することは無かった。
王子だったリカードに言い寄ってくる女達を退け、王になったリカードの愛人になろうと近寄ってくる女達を追い払って、彼に愛してもらおうと必死に頑張ってきた。しかし、ナディーンの努力が実ることはなかったのだ。
彼は、私を愛してくれない。ナディーンは、その事実に気づくまでに随分と時間を無駄にしてしまった。
年老いて死期を悟ったナディーンは、準備に取り掛かった。時間戻しの究極魔法で、一か八か人生をやり直すために。
今度はリカードという男に人生を無駄に捧げない、自由な生き方で生涯を楽しむために。
逆行して、彼と結婚する前の時代に戻ってきたナディーン。前と違ってリカードの恋路を何も邪魔しなかった彼女は、とあるパーティーで婚約破棄を告げられる。
それから紆余曲折あって、他国へ嫁ぐことになったナディーン。
自分が積極的に関わらなくなったことによって変わっていく彼と、アレクグル王国の変化を遠くで眺めて楽しみながら、魔法の研究に夢中になる。良い人と出会って、愛してもらいながら幸せな人生をやり直す。そんな物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
【完結】第一王子と侍従令嬢の将来の夢
かずえ
恋愛
第一王子は、常に毒を盛られ、すっかり生きることに疲れていた。子爵令嬢は目が悪く、日常生活にも支障が出るほどであったが、育児放棄され、とにかく日々を送ることに必死だった。
12歳で出会った二人は、大人になることを目標に、協力しあう契約を交わす。
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる