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オオカミとマシュマロ
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日曜日の安息を突如として破る、けたたましい電子音が耳の中で暴れ回った。
ったく。こんな朝っぱらからなんなんだよ。当然のことながら、今日は上司に誘われてゴルフにいく予定も、友人たちと磯釣りに出かける予定もない。
眉間に皺が寄っていく間にも、マイコン制御ほどの正確さは欠けるものの定期的なリズムで繰り返されるチャイムの音。そういえば警察の家宅捜査って早朝に行われることが多いんだってテレビでやってたな。どんなに狡猾な犯罪者であっても起き抜けには判断力が鈍っているだろうし、在宅している確率が高いだろうから至極まっとうな考えだ。
けれども僕にはガサ入れされるような覚えはない。幸いにも。となれば、こんな傍若無人をはたらくのは押し売りまがいのセールスか、怪しい勧誘ぐらいなものだろう。そんな時にはもうすっかり気配を消して居留守を使うに限る。本当は今すぐにでもドアを開けて怒鳴り散らしたい気持ちも多分にはあるのだが、こうして見知らぬ相手の家に手当たり次第に訪ねてくるような相手だ、口八丁手八丁で言いくるめられてしまう可能性もある。無視無視、しばらくすれば諦めてくれるだろう。
「あのお」
どこか間の抜けた野太い声。
テレビやスマートフォンはもちろんのこと、寝返りをうつ僅かな軋み音すらたてないように息を潜ませているのだ。それなのにドアの向こうの声――恐らくは新聞の勧誘だろう――は、居留守を使われた不満というよりは、何故そこに居るのに出てこないのかと不思議そうに思っている声色だった。
「あんれえ? 市ヶ谷さん?」
テレビアニメでしか聞いたことのないような訛った、なんていうか……鈍臭そうな声。頭の中でパンチパーマにグラサンのイカつい姿が、田舎から上京してきたお山の大将に書き換えられる。尋ねる相手の部屋を間違えただけかもしれないという幻想は、表札に掲げているその名前を呼ばれたことで打ち砕かれた。さてどうしたものか、このまま無視してしまおうか。けれども、その大将は諦めという言葉を知らないようで、根気よく粘り強くインターホンを鳴らしては僕の苗字を呼び続けている。このまま放置していては、借金取りに追われているなんていう変な噂でも立てられかねない。
「はいはい……」
急かされたことで、ドアスコープを覗くことを怠り、スマホもベッドに置いたままだったのが失敗だった。
「うわっ!?」
扉を開けた先に待ち構えていたのは。
「く、クマ!!」
「あ、あの、ちが」
「イヌ!?」
「そうじゃなくて……」
今となっては獣人も特別珍しい存在ではなくなったものの、こんなに間近で見るのははじめてだ。
「お、おお、オオカミ……」
へえ、そうなんだ。オオカミといったら、ハイイロオオカミなんて言葉もあるくらいだし灰色か、童話に出てくるような茶色い毛をしたものだとばかり思っていた。けれども目の前にいるのは、顔じゅう真っ黒な毛に、いや顔だけでなく首元や手だって墨で塗りつぶされたようだ。
「えっと、これえ」
オオカミに気圧されて、警戒心のスイッチをオンにしそびれたまま差し出されたのは。
御挨拶 新田原
「しんでん……しんたはら?」
のし紙に印字された三文字。変わった苗字だな。
「にゅうたばる。今日から隣に越してきた新田原です。どんぞよろしくお願いします」
もっと変な苗字だった。深々と頭を下げられて、それにつられて僕もお辞儀を返す。ともあれ、押し売りの類でなくてよかった。
「人間サンのいる街は初めてで……ご迷惑をおかけしんないように頑張りますので」
イヌの年齢を当ててみせろと言われても、せいぜい子犬と成犬を見分けられるぐらいが関の山だろう。おまけにカラスみたいに黒塗りなのだから年齢はおろか表情だって読み取り辛い。だがこの声色からして、上京してきた大学生って訳ではなさそうだし、四、五十くらいだろうか。人間と同じ法則が当てはまるのであれば、だけど。
「は、はあ。こちらこそ。困ったことがあれば何でもいってください」
ここは無難な社交辞令で済ませておこう。まあいくら隣人だからといって、せいぜいゴミ出しの時に顔を合わせるくらいだしな。都会の距離感ってそんなものだ。
「つーかーさーくん!」
なんだろうな、これ。大変ノスタルジーを感じる。小学生の頃にこうして友達の家に誘いにいったっけ。
「はいはい、なんすか新田原さん」
ドアを開けると満面の笑みのオオカミが立っていた。両手にタッパーを持って。
「ウチの田舎から馬鈴薯送られてきてね、煮物にしたからよかったらコレ」
初めの頃こそ、これゲームで見たシチュエーションじゃん! なんて衝撃を受けたものだったが。
「どうせ晩酌しに来たんでしょ? 冷やしときましたよ、ビール」
獣人だからなのか、田舎出身だからなのか、距離感がちょっとバグってるんだよなあ、このヒト。
「あ、バレた? じゃあお邪魔しますよーっと」
たいして悪びれる様子もなく、手慣れた様子で玄関にあがる。
それから勝手知ったる様子で台所から食器を引っ張り出して盛り付けを始めた。そんな姿を尻目に僕は冷蔵庫に用意しておいた缶ビールを取り出してテーブルの上へ。
「ほいグラス。ご飯はもう食べた? 他にも何か作ろうか?」
結婚したらこんな感じなのかなあ、なんてボヤッと考える。
「仕事帰りに食べてきたから、これで十分ですよ」
週末だからきっとお誘いがあると思って、腹七分目くらいにしておいたのは秘密だ。
「んじゃあ」
「「かんぱい」」
アルコールがキュッと胃にしみた刹那、身体中にアルコールが広がっていく。やっぱり仕事の後のビールは最高だな。新田原さんもグラスの中を一気にあおってから、目を瞑ってブハッと大きく息を吐いた。他人のことを言えるような年齢じゃないが、オヤジくさい。
ここで一人暮らしをはじめてもう十年はゆうに経っただろうか。
「ん、うまい!」
コンビニで酒を買って、数えきれないくらいひとりで晩酌した。
「でしょお? 一度食べてみてもらいたかったんだよね」
最近はめっきり無くなった飲み会でどんちゃん騒ぎするのも楽しかったけれど、こうして誰かと、二人っきりで飲むのも悪くない。
訛りもすっかり消えて、この街に上手く溶け込んで、きっと僕と同じように何かをすり減らしながらこのひとも踏ん張っているのだろう。だからこうしてどちらからともなく傷を舐め合って孤独を紛らわせるのだ。所詮はママゴト。それでもこの時間をどうしようもなく求めてしまう。
「新田原さんは、恋人とかいないんですか?」
どことなく陰鬱になりかけた気持ちを紛らわせようと、心にもない話題を振ってみせる。
「太助でいいってば。んー、恋人ねえ……」
「あ。いたらこんな所に居ないですよねえ?」
続きを聞くのが怖くなって茶化してしまう。
別に、別に彼に恋人がいたところでどうってことはないだろう。僕たちの関係はご近所さんで飲み友達というだけなのだから。今日だって「また来たよ」なんて言われてウンザリしてたんだ。そりゃまあ、友達だから、一応は目上だから断れなかったってだけであって。
「わっ!? ちょ、ちょっと!!」
くさくさと考え込んでいたところに不意の衝撃。危うくビールをこぼしかける。天井のまあるい蛍光灯が視界の中で歪んだ。
「ふっふっふ、オッチャンをからかったら怖いぞお?」
押し倒した僕に馬乗りになって、手術前の外科医とばかりに僕の目の前で指をわしわしと動かしてみせてから、爪の切り揃えられた指が脇腹に添えられる。
「ひゃっ! ま、まって! やめっ!!」
ぐふふ。そんな邪悪めいた笑い声をあげながら、ソロバンの名人ばりの動きで肋骨をなぞり動き回る触手。こんなことされたの子供の頃ぶりだ。くすぐったくて身体を捩っても拘束から逃れることは叶わず、ヒイヒイと悲鳴の中に混じって赦しを乞うてみてもそれは彼を楽しませるだけだった。
ついには過呼吸気味になってむせ返ってしまったところでようやく追撃の手が止まる。太ももに伝わるオオカミの熱。酒臭い息。ずっしりとした体重がとある箇所を圧迫する。マズい。ダメだ、意識するな。そう感情の蓋をしようとしても、主に重力からもたらされる単純な刺激を繊細になった神経がどんどんと増幅させていく。
「ご、ごめんごめん。そんなに睨まなくても」
心頭滅却すべく真剣な表情となっていた僕が怒っていると勘違いしたのだろう。けれども今はそれを弁解している余地はない。おさまれ! おさまれ……
なおのこと言葉を発さない僕に、申し訳なさげに耳をぺたんと伏せて僕から降りたそこにあったのは……磔にされた状況にあって唯一それに抗い小さく動くモノ。
「えっ、あの、な、なんか大きくなってるけど」
「い、痛くない? 大丈夫? ホントにごめんね」
垂直に立ったテントを前にオロオロと慌てるオオカミ。うん? なんだか違和感がある。こんなの男なら誰がどう見たって勃起していることは明らかだ。小学生だって知っていることだ。それなのに初めて見たような素振り。疑念の方が大きくて羞恥心が追いついてこない。
「どど、どうしよう……病院、救急」
毛皮の上からでもわかるくらいに血の気が引いている。とても冗談でやっている風には見えない。
「電話はしなくていいからっ!!」
スマホを手に取り戸惑う指でダイヤルを押しかけたところを慌てて制止する。こんなので救急車呼ばれたら生き恥晒しもいいところだ。
「でも……こんなに腫れてるし……」
いやマジかよ。ウソでしょ。いい歳こいた大人だぞ。
「あの、勃起って知らないですか?」
「ボッキ?」
首を傾げて片耳をピコンと立てる。
「いやその、朝とか、エッチな気分になった時とかに大きくなったりするでしょ」
なんでこんなこと言ってるんだろう。
「あー、ああ……発情期のときになるっていう」
どこか他人行儀な言い回し。自分は体験したことはないけれど、話には聞いたことがあるって素振り。
「い、いや、発情期って毎年あるんじゃないんですか?」
少なくとも動物では春は繁殖のシーズンだというのはよく聞くし、獣人がそれにまるっきり当てはまるかどうかはわからないが、生まれてこのかた一度も発情期になったことがないなんてことは流石にないよな。
「うーん。あれって雌がなるもので、そのフェロモンに誘引されるとだね……」
むむ、なんだか難しい話が始まったぞ。
「ウチの方は田舎でお年寄りしか居なかったし、それにオオカミ種は交尾できるのは群れのアルファの雄だけで……あと社会人になると一般的には薬剤で……」
へえ、そうなんだ。広義には同じヒトでも色々違うんだな。
つまり、つまりだ。要約すると新田原さんは童貞どころかオナニーも勃起もロクにしたことがないということだ。担いでないよな? とその目を見ると、闇夜に浮かぶ満月が罪悪感で潤んでいた。
じゃあ、じゃあこれって僕の好きなようにできるってことじゃないか。次々に邪な妄想が膨らんで、小さく残っていた理性をプチリと踏み潰す。この様子じゃきっと僕の言うことは何でも聞くだろうし、そういう知識が無いのならあんなことだってできるんじゃないか。
「いっ、イタタ!」
股間を抑えて顔をしかめてみせる。猿芝居もいいところだ。
「だだ、大丈夫!?」
こんなに純粋に、疑いもなしに心配してくれている。今日だって僕のために煮物を持ってきてくれたんだ。そんな彼の思いを踏み躙るようなことをしていいのだろうか。
いや、悪いのは僕じゃない。僕の心の隙間にずけずけと土足で上がり込んできたほうが悪い。とんだ逆ギレだけど、どうせ成就するはずもないんだ。最後くらい楽しんでも損はないだろう。
「このままじゃ一生使えなくなっちゃうかも」
悲痛に歪む顔に嗜虐心が刺激される。
「どうしたら……なおるの?」
僕は地獄に片足を突っ込んだ。ごめん、新田原さん。
ちっぽけな懺悔の後、力なくへたり込んでいるオオカミの前でズボンを一気におろして、欲望にまみれたそれを眼前に晒す。赤黒くパンパンに張り詰めた亀頭を見て、事の重大さを実感したのかゴクリと唾を飲む音が響いた。
「鬱血しちゃってるから、その、溜まってるのを出さないといけないんですけど」
真剣な目でうなずく。
「ただ、手で触ったりすると痛くて」
「じゃあどうすれば……」
背徳が背筋を遡る。疑念も嫌悪もこれっぽっちもみえない。
「く、口で、吸い出したりするんですけど……できます?」
ギョッとした顔。無理もない。性的な知識が無いならばなおさらのこと、排泄のための器官を口に含むのだから。猛り狂ったちんぽを目の前にして目を泳がせる姿にキンタマが疼いて、うっかりすれば射精してしまいそうなくらいだ。
「た、太助さん……」
無垢な相手に欲望の塊を見せつけていることに興奮を覚えて、息を荒くしながら気恥ずかしくて呼べなかったその名を呼んでみせる。
「ああっ……ちんちん苦しい……」
力を入れてちんぽをビクビクと動かすと、尿道口から先走りが溢れる。無意識的な行動なのだろうか、鼻を近づけて二、三度クンクンとちんぽの匂いを嗅いでみせる。
「ごご、ごめん、す、すぐにするからっ」
かぷっ
一刻の予断も許さない状況に追い込まれ、床に我慢汁が垂れてしまう前にオオカミは慌てて亀頭を咥え込んだ。
「ちんちんこんなに熱くなってる……」
突然もたらされた口内の熱で思わず喘ぎ声を上げてしまう。
ジンジンとした痺れが先端を包み込んでいるが、なにぶん初めてのちんぽの味と感触に戸惑うばかりでこれといった動きもなく、ゆるやかな刺激だけ。これでは到底いけそうにない。
ちゅこっ……ちゅぴ、ちゅ
催促するように腰を振ると、くちびるにカリ首が引っかかって水音が響く。このまま頭を掴んで滅茶苦茶に犯してしまいたい。でもこれはあくまで治療なのだ、そう、治療。
「もっと! ちんちんもっと吸って」
ちゅぶ……ちゅっ……ぐぷ
おっかなびっくりでぎこちないフェラチオ。口の中にギザギザと生えた牙が時折チクリと引っかかるし、舌だってこれっぽっちも動かない。
それでも懸命に、言われるがままにちんぽを咥えるオオカミの姿に興奮を隠せない。痛くないか、苦しくないか、上目遣いに視線を送る姿に愛おしさすら感じる。
「ああっ! いいですよ……口の中でちんちん楽になってきましたよ」
そんな言葉とは裏腹に、ちんぽはオオカミのマズルの中でますます体積と硬度を増していく。多量に吐き出された我慢汁が唾液と混じってグジュグジュと卑猥な音を立てる。
じゅぶ、ぐぶっ……ちゅぶぶ
「はあっ、あ、あっ……ちんちんの穴、舌でっ、ほじほじしてっ!!」
れるっ、れちゃ、じゅるっぴちゅっ
長い舌が唾液を亀頭に塗りつけるハケのように動き回り、尿道口の奥に溜まった毒素を掻き出そうとしている。くすぐったさを快楽にまぶして団子にしたような感覚がちんぽの先から全身に向かって投げつけられた。いきそう、もういっちゃう、射精するっ! トドメとばかり口輪をするようにオオカミのマズルを掴んで固定してオナホールのように激しく前後させる。
ぐぼっ、ごぼ、ぐっぽじゅぼっ!
「いく、いくいくっ! 太助さんっ……あっああ!!」
尿道から押し出された精液が凄まじい速度で駆け上り、頭が焼けつくような快楽に襲われる。
このまま口の中に……脳内では満場一致で口内射精が決議されかかったのだが、当初の名目を思い出し慌てて腰を引いた。ぬぼっと音がしてちんぽがマズルから引き抜かれ、再び太助さんの目の前に露わになる。
びゅっ! びゅーっ! パタタッ…… びゅるっ!
ちんぽから吹き出したそれは真っ黒な毛皮の上にいくつもの筋を作っていく。額に、頬に、マズルの上にホワイトチョコレートがコーティングされて、淫靡なトライバル柄を刻みつける。
「えっ!? あっ、わっ!!」
ザーメンのシャワーから逃れることもできず、素っ頓狂な声をあげて顔じゅうに精液を浴びせかけられる。やがて硬さを失ったちんぽが首を垂れると、ゴムのような鼻先にべチョリと亀頭がくっ付いた。
「すんっ……あ、あっ、すごっ、匂い……」
鼻腔に充満した雄の匂いに圧倒されて目を白黒させる。
そんな気の動転した中においても、多量の精液を吐き出して元の形に戻ったちんぽを見て安堵の表情を浮かべた彼の顔が、罪悪感に形を変えて胸に突き刺さった。
「あの……太助さん」
「あっ!? えっ!? ど、どど、どうしよう!」
余韻の引き波の中、謝罪を口にしかけた僕を遮って太助さんが慌てふためく。
「ぼっ、ぼぼ、僕のも、感染しちゃったみたい」
精液の匂いにあてられたのか、股間を押さえて泣きべそをかく子犬の顔。謝るのはもう少し先だな。
「今度は僕が、太助さんのちんちんなおしてあげますね?」
「それでですね、その」
散々っぱら引っ掛けられたあと、ドロドロになった身体をお互いシャワーで清めた。さて、これにて一件落着、チャンチャン。ってわけにはいかなかった。
「ごめんなさい! さっきのは嘘なんです」
土下座をしてフローリングに頭を擦り付けたまま、懺悔の時間が始まった。とても怖くて顔をあげられない。罵声が飛んでくるか、殴られるか、それとも冷たく見放されるか。
「つまり、ああいうコトは本当は……」
太助さんなら、うまく言いくるめて誤魔化せたかもしれない。勘違いだったとか、冗談だったとか、そういうことにして誠心誠意謝れば許してもらえるかもしれない。でも、それだときっと、もう前みたいに一緒に過ごすことは出来なくなるだろうから、僕自身が耐えられなくなってしまうから。
「司くん」
そう呼びかけられてもなお、床とキスをしているともう一度同じ言葉が放たれた。いやだ、怖い。でも自業自得なんだ。
恐る恐る顔をあげると、目の前にオオカミの顔。表情が読めないが、相当怒っているのか口元がもごもごと動き、その度に白い犬歯がちらりと見える。それから更に顔が近づいて。
べろり。口元を舐められたんだと気付いたときには、お互いの鼻先がくっ付いていた。湿ったそこに体温が移っていく。
「てげ愛しちょるかぃ、ずっと一緒にいようね」
口の中に甘いマシュマロの味が広がった。
ったく。こんな朝っぱらからなんなんだよ。当然のことながら、今日は上司に誘われてゴルフにいく予定も、友人たちと磯釣りに出かける予定もない。
眉間に皺が寄っていく間にも、マイコン制御ほどの正確さは欠けるものの定期的なリズムで繰り返されるチャイムの音。そういえば警察の家宅捜査って早朝に行われることが多いんだってテレビでやってたな。どんなに狡猾な犯罪者であっても起き抜けには判断力が鈍っているだろうし、在宅している確率が高いだろうから至極まっとうな考えだ。
けれども僕にはガサ入れされるような覚えはない。幸いにも。となれば、こんな傍若無人をはたらくのは押し売りまがいのセールスか、怪しい勧誘ぐらいなものだろう。そんな時にはもうすっかり気配を消して居留守を使うに限る。本当は今すぐにでもドアを開けて怒鳴り散らしたい気持ちも多分にはあるのだが、こうして見知らぬ相手の家に手当たり次第に訪ねてくるような相手だ、口八丁手八丁で言いくるめられてしまう可能性もある。無視無視、しばらくすれば諦めてくれるだろう。
「あのお」
どこか間の抜けた野太い声。
テレビやスマートフォンはもちろんのこと、寝返りをうつ僅かな軋み音すらたてないように息を潜ませているのだ。それなのにドアの向こうの声――恐らくは新聞の勧誘だろう――は、居留守を使われた不満というよりは、何故そこに居るのに出てこないのかと不思議そうに思っている声色だった。
「あんれえ? 市ヶ谷さん?」
テレビアニメでしか聞いたことのないような訛った、なんていうか……鈍臭そうな声。頭の中でパンチパーマにグラサンのイカつい姿が、田舎から上京してきたお山の大将に書き換えられる。尋ねる相手の部屋を間違えただけかもしれないという幻想は、表札に掲げているその名前を呼ばれたことで打ち砕かれた。さてどうしたものか、このまま無視してしまおうか。けれども、その大将は諦めという言葉を知らないようで、根気よく粘り強くインターホンを鳴らしては僕の苗字を呼び続けている。このまま放置していては、借金取りに追われているなんていう変な噂でも立てられかねない。
「はいはい……」
急かされたことで、ドアスコープを覗くことを怠り、スマホもベッドに置いたままだったのが失敗だった。
「うわっ!?」
扉を開けた先に待ち構えていたのは。
「く、クマ!!」
「あ、あの、ちが」
「イヌ!?」
「そうじゃなくて……」
今となっては獣人も特別珍しい存在ではなくなったものの、こんなに間近で見るのははじめてだ。
「お、おお、オオカミ……」
へえ、そうなんだ。オオカミといったら、ハイイロオオカミなんて言葉もあるくらいだし灰色か、童話に出てくるような茶色い毛をしたものだとばかり思っていた。けれども目の前にいるのは、顔じゅう真っ黒な毛に、いや顔だけでなく首元や手だって墨で塗りつぶされたようだ。
「えっと、これえ」
オオカミに気圧されて、警戒心のスイッチをオンにしそびれたまま差し出されたのは。
御挨拶 新田原
「しんでん……しんたはら?」
のし紙に印字された三文字。変わった苗字だな。
「にゅうたばる。今日から隣に越してきた新田原です。どんぞよろしくお願いします」
もっと変な苗字だった。深々と頭を下げられて、それにつられて僕もお辞儀を返す。ともあれ、押し売りの類でなくてよかった。
「人間サンのいる街は初めてで……ご迷惑をおかけしんないように頑張りますので」
イヌの年齢を当ててみせろと言われても、せいぜい子犬と成犬を見分けられるぐらいが関の山だろう。おまけにカラスみたいに黒塗りなのだから年齢はおろか表情だって読み取り辛い。だがこの声色からして、上京してきた大学生って訳ではなさそうだし、四、五十くらいだろうか。人間と同じ法則が当てはまるのであれば、だけど。
「は、はあ。こちらこそ。困ったことがあれば何でもいってください」
ここは無難な社交辞令で済ませておこう。まあいくら隣人だからといって、せいぜいゴミ出しの時に顔を合わせるくらいだしな。都会の距離感ってそんなものだ。
「つーかーさーくん!」
なんだろうな、これ。大変ノスタルジーを感じる。小学生の頃にこうして友達の家に誘いにいったっけ。
「はいはい、なんすか新田原さん」
ドアを開けると満面の笑みのオオカミが立っていた。両手にタッパーを持って。
「ウチの田舎から馬鈴薯送られてきてね、煮物にしたからよかったらコレ」
初めの頃こそ、これゲームで見たシチュエーションじゃん! なんて衝撃を受けたものだったが。
「どうせ晩酌しに来たんでしょ? 冷やしときましたよ、ビール」
獣人だからなのか、田舎出身だからなのか、距離感がちょっとバグってるんだよなあ、このヒト。
「あ、バレた? じゃあお邪魔しますよーっと」
たいして悪びれる様子もなく、手慣れた様子で玄関にあがる。
それから勝手知ったる様子で台所から食器を引っ張り出して盛り付けを始めた。そんな姿を尻目に僕は冷蔵庫に用意しておいた缶ビールを取り出してテーブルの上へ。
「ほいグラス。ご飯はもう食べた? 他にも何か作ろうか?」
結婚したらこんな感じなのかなあ、なんてボヤッと考える。
「仕事帰りに食べてきたから、これで十分ですよ」
週末だからきっとお誘いがあると思って、腹七分目くらいにしておいたのは秘密だ。
「んじゃあ」
「「かんぱい」」
アルコールがキュッと胃にしみた刹那、身体中にアルコールが広がっていく。やっぱり仕事の後のビールは最高だな。新田原さんもグラスの中を一気にあおってから、目を瞑ってブハッと大きく息を吐いた。他人のことを言えるような年齢じゃないが、オヤジくさい。
ここで一人暮らしをはじめてもう十年はゆうに経っただろうか。
「ん、うまい!」
コンビニで酒を買って、数えきれないくらいひとりで晩酌した。
「でしょお? 一度食べてみてもらいたかったんだよね」
最近はめっきり無くなった飲み会でどんちゃん騒ぎするのも楽しかったけれど、こうして誰かと、二人っきりで飲むのも悪くない。
訛りもすっかり消えて、この街に上手く溶け込んで、きっと僕と同じように何かをすり減らしながらこのひとも踏ん張っているのだろう。だからこうしてどちらからともなく傷を舐め合って孤独を紛らわせるのだ。所詮はママゴト。それでもこの時間をどうしようもなく求めてしまう。
「新田原さんは、恋人とかいないんですか?」
どことなく陰鬱になりかけた気持ちを紛らわせようと、心にもない話題を振ってみせる。
「太助でいいってば。んー、恋人ねえ……」
「あ。いたらこんな所に居ないですよねえ?」
続きを聞くのが怖くなって茶化してしまう。
別に、別に彼に恋人がいたところでどうってことはないだろう。僕たちの関係はご近所さんで飲み友達というだけなのだから。今日だって「また来たよ」なんて言われてウンザリしてたんだ。そりゃまあ、友達だから、一応は目上だから断れなかったってだけであって。
「わっ!? ちょ、ちょっと!!」
くさくさと考え込んでいたところに不意の衝撃。危うくビールをこぼしかける。天井のまあるい蛍光灯が視界の中で歪んだ。
「ふっふっふ、オッチャンをからかったら怖いぞお?」
押し倒した僕に馬乗りになって、手術前の外科医とばかりに僕の目の前で指をわしわしと動かしてみせてから、爪の切り揃えられた指が脇腹に添えられる。
「ひゃっ! ま、まって! やめっ!!」
ぐふふ。そんな邪悪めいた笑い声をあげながら、ソロバンの名人ばりの動きで肋骨をなぞり動き回る触手。こんなことされたの子供の頃ぶりだ。くすぐったくて身体を捩っても拘束から逃れることは叶わず、ヒイヒイと悲鳴の中に混じって赦しを乞うてみてもそれは彼を楽しませるだけだった。
ついには過呼吸気味になってむせ返ってしまったところでようやく追撃の手が止まる。太ももに伝わるオオカミの熱。酒臭い息。ずっしりとした体重がとある箇所を圧迫する。マズい。ダメだ、意識するな。そう感情の蓋をしようとしても、主に重力からもたらされる単純な刺激を繊細になった神経がどんどんと増幅させていく。
「ご、ごめんごめん。そんなに睨まなくても」
心頭滅却すべく真剣な表情となっていた僕が怒っていると勘違いしたのだろう。けれども今はそれを弁解している余地はない。おさまれ! おさまれ……
なおのこと言葉を発さない僕に、申し訳なさげに耳をぺたんと伏せて僕から降りたそこにあったのは……磔にされた状況にあって唯一それに抗い小さく動くモノ。
「えっ、あの、な、なんか大きくなってるけど」
「い、痛くない? 大丈夫? ホントにごめんね」
垂直に立ったテントを前にオロオロと慌てるオオカミ。うん? なんだか違和感がある。こんなの男なら誰がどう見たって勃起していることは明らかだ。小学生だって知っていることだ。それなのに初めて見たような素振り。疑念の方が大きくて羞恥心が追いついてこない。
「どど、どうしよう……病院、救急」
毛皮の上からでもわかるくらいに血の気が引いている。とても冗談でやっている風には見えない。
「電話はしなくていいからっ!!」
スマホを手に取り戸惑う指でダイヤルを押しかけたところを慌てて制止する。こんなので救急車呼ばれたら生き恥晒しもいいところだ。
「でも……こんなに腫れてるし……」
いやマジかよ。ウソでしょ。いい歳こいた大人だぞ。
「あの、勃起って知らないですか?」
「ボッキ?」
首を傾げて片耳をピコンと立てる。
「いやその、朝とか、エッチな気分になった時とかに大きくなったりするでしょ」
なんでこんなこと言ってるんだろう。
「あー、ああ……発情期のときになるっていう」
どこか他人行儀な言い回し。自分は体験したことはないけれど、話には聞いたことがあるって素振り。
「い、いや、発情期って毎年あるんじゃないんですか?」
少なくとも動物では春は繁殖のシーズンだというのはよく聞くし、獣人がそれにまるっきり当てはまるかどうかはわからないが、生まれてこのかた一度も発情期になったことがないなんてことは流石にないよな。
「うーん。あれって雌がなるもので、そのフェロモンに誘引されるとだね……」
むむ、なんだか難しい話が始まったぞ。
「ウチの方は田舎でお年寄りしか居なかったし、それにオオカミ種は交尾できるのは群れのアルファの雄だけで……あと社会人になると一般的には薬剤で……」
へえ、そうなんだ。広義には同じヒトでも色々違うんだな。
つまり、つまりだ。要約すると新田原さんは童貞どころかオナニーも勃起もロクにしたことがないということだ。担いでないよな? とその目を見ると、闇夜に浮かぶ満月が罪悪感で潤んでいた。
じゃあ、じゃあこれって僕の好きなようにできるってことじゃないか。次々に邪な妄想が膨らんで、小さく残っていた理性をプチリと踏み潰す。この様子じゃきっと僕の言うことは何でも聞くだろうし、そういう知識が無いのならあんなことだってできるんじゃないか。
「いっ、イタタ!」
股間を抑えて顔をしかめてみせる。猿芝居もいいところだ。
「だだ、大丈夫!?」
こんなに純粋に、疑いもなしに心配してくれている。今日だって僕のために煮物を持ってきてくれたんだ。そんな彼の思いを踏み躙るようなことをしていいのだろうか。
いや、悪いのは僕じゃない。僕の心の隙間にずけずけと土足で上がり込んできたほうが悪い。とんだ逆ギレだけど、どうせ成就するはずもないんだ。最後くらい楽しんでも損はないだろう。
「このままじゃ一生使えなくなっちゃうかも」
悲痛に歪む顔に嗜虐心が刺激される。
「どうしたら……なおるの?」
僕は地獄に片足を突っ込んだ。ごめん、新田原さん。
ちっぽけな懺悔の後、力なくへたり込んでいるオオカミの前でズボンを一気におろして、欲望にまみれたそれを眼前に晒す。赤黒くパンパンに張り詰めた亀頭を見て、事の重大さを実感したのかゴクリと唾を飲む音が響いた。
「鬱血しちゃってるから、その、溜まってるのを出さないといけないんですけど」
真剣な目でうなずく。
「ただ、手で触ったりすると痛くて」
「じゃあどうすれば……」
背徳が背筋を遡る。疑念も嫌悪もこれっぽっちもみえない。
「く、口で、吸い出したりするんですけど……できます?」
ギョッとした顔。無理もない。性的な知識が無いならばなおさらのこと、排泄のための器官を口に含むのだから。猛り狂ったちんぽを目の前にして目を泳がせる姿にキンタマが疼いて、うっかりすれば射精してしまいそうなくらいだ。
「た、太助さん……」
無垢な相手に欲望の塊を見せつけていることに興奮を覚えて、息を荒くしながら気恥ずかしくて呼べなかったその名を呼んでみせる。
「ああっ……ちんちん苦しい……」
力を入れてちんぽをビクビクと動かすと、尿道口から先走りが溢れる。無意識的な行動なのだろうか、鼻を近づけて二、三度クンクンとちんぽの匂いを嗅いでみせる。
「ごご、ごめん、す、すぐにするからっ」
かぷっ
一刻の予断も許さない状況に追い込まれ、床に我慢汁が垂れてしまう前にオオカミは慌てて亀頭を咥え込んだ。
「ちんちんこんなに熱くなってる……」
突然もたらされた口内の熱で思わず喘ぎ声を上げてしまう。
ジンジンとした痺れが先端を包み込んでいるが、なにぶん初めてのちんぽの味と感触に戸惑うばかりでこれといった動きもなく、ゆるやかな刺激だけ。これでは到底いけそうにない。
ちゅこっ……ちゅぴ、ちゅ
催促するように腰を振ると、くちびるにカリ首が引っかかって水音が響く。このまま頭を掴んで滅茶苦茶に犯してしまいたい。でもこれはあくまで治療なのだ、そう、治療。
「もっと! ちんちんもっと吸って」
ちゅぶ……ちゅっ……ぐぷ
おっかなびっくりでぎこちないフェラチオ。口の中にギザギザと生えた牙が時折チクリと引っかかるし、舌だってこれっぽっちも動かない。
それでも懸命に、言われるがままにちんぽを咥えるオオカミの姿に興奮を隠せない。痛くないか、苦しくないか、上目遣いに視線を送る姿に愛おしさすら感じる。
「ああっ! いいですよ……口の中でちんちん楽になってきましたよ」
そんな言葉とは裏腹に、ちんぽはオオカミのマズルの中でますます体積と硬度を増していく。多量に吐き出された我慢汁が唾液と混じってグジュグジュと卑猥な音を立てる。
じゅぶ、ぐぶっ……ちゅぶぶ
「はあっ、あ、あっ……ちんちんの穴、舌でっ、ほじほじしてっ!!」
れるっ、れちゃ、じゅるっぴちゅっ
長い舌が唾液を亀頭に塗りつけるハケのように動き回り、尿道口の奥に溜まった毒素を掻き出そうとしている。くすぐったさを快楽にまぶして団子にしたような感覚がちんぽの先から全身に向かって投げつけられた。いきそう、もういっちゃう、射精するっ! トドメとばかり口輪をするようにオオカミのマズルを掴んで固定してオナホールのように激しく前後させる。
ぐぼっ、ごぼ、ぐっぽじゅぼっ!
「いく、いくいくっ! 太助さんっ……あっああ!!」
尿道から押し出された精液が凄まじい速度で駆け上り、頭が焼けつくような快楽に襲われる。
このまま口の中に……脳内では満場一致で口内射精が決議されかかったのだが、当初の名目を思い出し慌てて腰を引いた。ぬぼっと音がしてちんぽがマズルから引き抜かれ、再び太助さんの目の前に露わになる。
びゅっ! びゅーっ! パタタッ…… びゅるっ!
ちんぽから吹き出したそれは真っ黒な毛皮の上にいくつもの筋を作っていく。額に、頬に、マズルの上にホワイトチョコレートがコーティングされて、淫靡なトライバル柄を刻みつける。
「えっ!? あっ、わっ!!」
ザーメンのシャワーから逃れることもできず、素っ頓狂な声をあげて顔じゅうに精液を浴びせかけられる。やがて硬さを失ったちんぽが首を垂れると、ゴムのような鼻先にべチョリと亀頭がくっ付いた。
「すんっ……あ、あっ、すごっ、匂い……」
鼻腔に充満した雄の匂いに圧倒されて目を白黒させる。
そんな気の動転した中においても、多量の精液を吐き出して元の形に戻ったちんぽを見て安堵の表情を浮かべた彼の顔が、罪悪感に形を変えて胸に突き刺さった。
「あの……太助さん」
「あっ!? えっ!? ど、どど、どうしよう!」
余韻の引き波の中、謝罪を口にしかけた僕を遮って太助さんが慌てふためく。
「ぼっ、ぼぼ、僕のも、感染しちゃったみたい」
精液の匂いにあてられたのか、股間を押さえて泣きべそをかく子犬の顔。謝るのはもう少し先だな。
「今度は僕が、太助さんのちんちんなおしてあげますね?」
「それでですね、その」
散々っぱら引っ掛けられたあと、ドロドロになった身体をお互いシャワーで清めた。さて、これにて一件落着、チャンチャン。ってわけにはいかなかった。
「ごめんなさい! さっきのは嘘なんです」
土下座をしてフローリングに頭を擦り付けたまま、懺悔の時間が始まった。とても怖くて顔をあげられない。罵声が飛んでくるか、殴られるか、それとも冷たく見放されるか。
「つまり、ああいうコトは本当は……」
太助さんなら、うまく言いくるめて誤魔化せたかもしれない。勘違いだったとか、冗談だったとか、そういうことにして誠心誠意謝れば許してもらえるかもしれない。でも、それだときっと、もう前みたいに一緒に過ごすことは出来なくなるだろうから、僕自身が耐えられなくなってしまうから。
「司くん」
そう呼びかけられてもなお、床とキスをしているともう一度同じ言葉が放たれた。いやだ、怖い。でも自業自得なんだ。
恐る恐る顔をあげると、目の前にオオカミの顔。表情が読めないが、相当怒っているのか口元がもごもごと動き、その度に白い犬歯がちらりと見える。それから更に顔が近づいて。
べろり。口元を舐められたんだと気付いたときには、お互いの鼻先がくっ付いていた。湿ったそこに体温が移っていく。
「てげ愛しちょるかぃ、ずっと一緒にいようね」
口の中に甘いマシュマロの味が広がった。
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