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第43話 ネココの場合
しおりを挟む「じゃあ、次はネココ、お前も最近はちゃんと働いてるんだろ?」
「まぁ、ネココは別に働きたくニャいんだけど、頼まれて仕方なくニャ」
引き続き、知り合いを集めて、皆が今就いている仕事がどんなものなのかを紹介していく、静子ちゃんの進路相談的なイベント真っ最中。
俺の生前の職業と、錬の今の職業を紹介し終わり、次はネココの番だ。
もともと、こいつも俺や錬と同じく、特定の職業に就いておらず、人間に捨てられたゴミを漁っては、その中で使えそうなものや面白そうなものを幽霊に配って回るという、酔狂ながらに需要のある趣味を持っているニートだったんだが……。
錬が定職に就き、ネココを普通に宅配業者として雇ったのをきっかけに、その時に関わったお店から気に入られたようで、今ではお店側から配達の依頼が舞い込んでくるようになったらしい。
「もともと化猫配達って呼ばれてたんだろ? お前にぴったりの仕事じゃないか」
「お仕事の内容としては、確かに今までと変わらニャいけど……静子にゃんの膝の上でお昼寝をしている時にも呼び出されるのは、ものすごくイラっとするニャ……」
「それは羨ま……仕方ないことだろ、仕事なんだから」
「静子にゃんも、そう言ってネココを追い出すのニャ……だからお仕事ニャんか嫌なのニャ……」
「うふふ、確かにちょっと可哀想ですけど、誰かに必要とされるのは、素敵なことだと思いますから」
そんな感じで、その後もネココからは、長距離輸送がめちゃくちゃ疲れるだとか、労働基準法が軽んじられているとか、その職業の愚痴ばかり聞かされて、良いところが何一つ語られなかったが、そもそもネココの今やっている運送業は現実のそれとは異なるものだから、その時点であまり参考にはならないだろう。
荷物を霊体化させて運ぶので、重さなんて関係なく、いくつでも、何トンでも一度に運べて、移動手段は単体での空中飛行なので、ガソリン代もかからないし、直線距離でスピーディーに届けられる。
お店からしても、お客さんからしても嬉しい、そんな便利な宅配業者があったら、方々から引っ張りだこになるのは当然だ。
「荷物の霊体化はお店で働いている別のポルターガイスト持ちも担当してくれるし、別に車の免許とかも必要ニャいから、別にネココがやる必要はニャいのニャー!」
「だがしかしBut! オレは愛車で運んでいるぜベイベー!」
職業説明の途中から話に加わっていたのだが、どうやら今日も無駄にイケイケロックアピールをしている、便利屋キーヤンこと佐藤 吉一郎も数ある仕事の一つとしてネココと同じ仕事をしているらしく、そんなことを言ってきた。
彼は、今明らかになっている、タクシー業、運送業の他にも、まだまだ色々な職業を抱えているらしく、それらに関しては後で語ってくれるそうだ。
「うーん、まぁ、とりあえず、実際の運送業とは色々と違うから、全部が全部参考になるわけじゃないけど、重なる部分だけうまく汲み取って参考にしてみてくれ」
「はい、そうですね、とりあえず思ったよりも大変そうなので、ネココさんには全部の依頼には無理に応えさせないで、少しお休みを増やしてあげようと思います」
「静子にゃんはネココの女神ニャ……」
よほど辛かったのか、ネココは仕事を休ませてくれるらしい静子ちゃんにキラキラとした目を向けて拝んでいるが、依頼が来るたびにその辛い仕事に送り出していたのが彼女だったということを忘れてはいないだろうか……。
……まぁ、ネココが幸せならそれでいいか。
そんなわけで、現実の仕事内容とはちょっと違う、ネココの職業紹介が終わったところで、次は……。
「はいっ! 次、私に話させてくださいっ!」
そういって元気よく手を挙げた、グラビアアイドルの平井 るあちゃんが話してくれるらしい。
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