僕らのバドライフ

ゆきたん

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県大会②

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12話 県大会②

僕のエキシビジョンの相手本郷君は地区大会で決勝で当たった相手

その時は勝ったけど、その後山中見学の時の試合で負けている。勝敗は1勝1敗
大会は気迫でなんとか勝ったけど、見学の時は正直全く勝てる気がしなかった。

こんな県全員が集まっているような会場でのエキシビジョン…

僕のことなんか知らない人だらけだし何だあいつって不思議がっている人も多いだろう…
興味本位なのかこの試合に関係ない学校もスタッフも帰宅せずそのままほぼ全員が会場に残った。

才悟と隣同士のコートで試合をすることになった。

「ラブオールプレイ」

僕らのシングルスと才悟のダブルス同時に試合が始まった。
才悟のダブルスが凄く気になるけど集中しよう。
これはきっと大会に出れなかった僕に対する青羽先生の優しさだ。嬉しい...。

……

【山中本郷 vs 僕】
まずは僕のサーブ 初戦で大きい球を打ちたいのでいつもと違いロングサーブを打ってみた
相手は様子見て真ん中にドロップ落としてきた。
高いとプッシュしようと思ったけど鋭いドロップなのでプッシュできず、バック方向へロブあげた。
相手は間に合わずバックハンドで中途半端なクリアを上げてきた…

あれ?このラリーどこかで…

僕はその甘いクリアを見逃さなかった!!
相手がセンターポジションに戻ろうとしてたその瞬間にさっきまでいた方向にスマッシュを叩き込んだ。もらった!と思ったらそのスマッシュは見事にネット前に返された。僕はその球をヘアピンで返す。
狙っていたスマッシュを返されてちょっとショックで遅れてヘアピンが甘くなってしまった。
相手はその球を今度は僕のバック方向へロブ上げた。僕は間に合わずバックハンドで中途半端なクリア上げてしまった。今度は逆パターン。

相手が真ん中へスマッシュ!!

早い。ネット前に軽く落とす余裕なんてない。そのまま同じ位置へレシーブ
相手は僕のそんな余裕のなさを見切ってか、また同じ位置へスマッシュ。
レシーブ スマッシュ レシーブ スマッシュ…

それが何回か繰り返された

「なんだこの試合。1球目から」

会場は静まり返っている。
結局スマッシュの猛攻に押された僕はスマッシュ返球の低い体勢取らされて、最後はスマッシュにみせかけたドロップ打たれて1点取られた。

静まり返った会場が一気に沸き立ち拍手が起こった。
ドロップ取ろうとしてダイブして失敗して転んでいて、そのままふと隣のコートを見るとガッツポーズをしている才悟と目が合った。

「相手は誰なんだ?山中相手の古川中ってこんな強い奴いたっけ?」
「あ…古川中ってタバコの学校…」

あああ
才悟のダブルスが気になる。青羽先生と才悟のコーチ。今回の優勝ペアどっちが強いんだろう。
才悟また作戦練ってるのかな…

全く集中できず、今まで大会で戦ってきて体力がほとんど残っていない相手に1セット簡単にとられてしまった。

〇(山中本郷)21-15(僕)●

ふと隣のコートのスコアボードを見る。
え????僕は目を疑った。

(青葉武村ペア)3-3(才悟中村ペア)

同じ時間に隣の始めた試合。僕らのシングルスも他の試合に比べて好ラリーが続き、決して早い決戦ではなかった。にも拘らずこのロースコア…
才悟達の顔を見ると汗だくでサウナの後みたいな感じ。これ…まさか遊ばれているのか。


才悟のダブルスが気になるけど、僕も折角試合させてもらってるし負けるわけにはいかない!
樋口さんたちや才悟、青羽先生のプレイを思い出すんだ。

2セット目頑張ろうとして相手のサーブに備えて構えた瞬間。
隣のコート試合終了のコールがかかった。
さすがに相手の本郷君もサーブの手を止めて隣のコートを見た。

〇(青葉武村ペア)5-5(才悟中村ペア)●棄権

才悟と中村君がコート外で倒れこんでいた。
二人とも足が動かなくなってもつれて転んでしまったらしい…
なんという戦い。才悟はその後少し休んで僕の応援に来てくれた。

〇(山中本郷)10-10(僕)●

今のところいい調子。ほぼ互角。
県大会の決勝終わった後で本郷君はどれだけ体力があるのか。
ふと脇に目をやると、青羽先生はじめほとんどのコーチや先生も試合を下に見に来ていた。
会場中の人が2階の観客席から下に降りてきて1コートを囲んで観戦しているという異様な光景。

〇(山中本郷)15-17(僕)●

ついに僕はリードすると2セット目の勝利を確信した。
相手は勝利への執着心がそれほどない。
特に目標のない僕だったが本郷君のその心を読み取った。

【シングルス2セット目】
〇(山中本郷)16-20(僕)●

そしてマッチポイントでサーブを打ってホームポジションに構えて足を広げた瞬間…
バランスがおかしくなって転んでしまった。
よくよく足を見ると学校のうち履き右足がぶっ壊れてしまった。
靴底が完全にはがれてしまったんだ。



この試合はダブルス同様中断されたが、
試合後誰からともなく起こった一つの拍手が会場全体に広がった。

そして僕と才悟達の周りの方に人だかりができた。
まるでヒーローインタビューみたい。
青羽先生が遠めに微笑んでこちらを見ている。
このシチュエーションは先生の陰謀なのか??

話しかけられすぎて内容は聞き取ることはできなかったけど、でもバドミントンがもっと好きになった瞬間だった。

才悟がいつも通り泣いていたけど、今度は僕も涙が止まらなかった。
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