僕らのバドライフ

県大会①

11話 県大会①

県大会２日目。
僕はさいごの応援に行った。

１日目は本来僕の出る予定だったシングルスの試合だけで、２日目にダブルスと団体戦があるから。

県大会に出れるのは地方大会で個人戦シングルスダブルスともにベスト8、団体戦もベスト８まで

うちの学校は男子は僕のシングルスだけ、女子は何人かいたけどわからない。
僕は応援だけどさいごの学校の列にこっそり潜入することに成功した。


「さいご試合まだ？」
「まだ。２回戦からね」
「もしかしてシードなの？」
「そうだよ？こう見えても小学校の時ダブルスの強化選手にも選ばれてたんだぞ？」


さいごのダブルスは樋口さんのところのサークルにお邪魔してた時に何回も見ている。
そう言えばさいごって…ダブルス負けたのって僕と組んだ時だけな気がする。

……

やっぱりさいごは順調に勝ち進み
４強が才悟達と山中１・２ダブルス、他の地方の優勝ペア１組

そしてさいごは山中の２番手のダブルスにあたり勝ち、山中の１番手ダブルスは他の地区の優勝ペアに勝った。
つまり決勝戦はこの前の地区大会と同じカードになった。

「凄い！さいごって実は凄いんだね」
「今更わかった？ 応援しろよ。絶対リベンジしてやるから！！」

ダブルスを戦っているさいごはまるで別人。
ペアの人の動きが早くて凄い。才悟はほとんど動いていないように見える…
さいごはそのまま難なくストレートで優勝してしまった。

「作戦勝ち。結構研究したんだよね。このダブルス」

研究して勝てるものなのか？
練習して自分の力上げなくても？？

……

そして１日目のシングルス、２日目のダブルス・団体戦のすべてが終わり静まり返る会場
終わりかなって思って帰る準備をして席を立とうとした僕の行く手を完全に遮ったでかい人影

「佐藤君」
「あ！青羽先生！」
「今日はバドミントンの準備をしてきましたか？」
「はい！この後さいごと練習する予定でラケバ持ってきました」
「そうですか。ちょっとアップしててください。試合しましょう」
「え？」

そう言うと青羽先生は会場の運営陣に戻っていき、先生方と話をしている。
そしてマイクと手に取り放送をかけた。


「皆さん。本日は大会お疲れ様でした。全日程が無事早く終わったのでこれから優勝者によるエキシビジョンマッチを開催したいと思いますので少々お付き合いを。」

会場にどよめきが起こる。

「個人戦シングルスの優勝者、ダブルスの優勝者とその学校は少しの間お付き合いお願いします。」
「中央５コート シングルス優勝山岡中学校本郷君 vs 古川中学校佐藤君」
「中央６コート ダブルス優勝者南中学校久保君中村君ペア vs わたくし青葉と南中学校コーチ武村先生」
「おおおぉぉぉぉ！！」

どよめきが起こった会場全体が更に盛り上がった。

「え？え？」

混乱して緊張してきょろきょろするさいご。

「どうしてこうなった」