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岩石巨人と素巨人②
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『まじかよ』
『え、無傷?』
『普通にもう終わったかと思った』
『え、それな?』
『俺あの相手見たことあるけど、普通にこれくらいじゃ死なんと思う』
『この砂埃って、そもそもヴァリアンの武器が壊れたからできてるみたいだし、相当防御力高いね』
流石に動きはしたようだが、まるでダメージが見えない。それどころか、こちらの岩石のハンマーが傷ついて砂埃を立ててしまう始末。
驚いてコメントちらっと見てみると、この相手を知っていると言うコメントがいくつかあった。有名人なのかな。そりゃこれくらいじゃ死なんわ。
しかし、優れているのはどの点なんだろう。防具がそれほどに有能なのか、それとも耐性系や防御力を上げるスキルを持っているのか、単純に体重が重いのか。
まあ、流石にスキルの力だろうな。もし、これで防具や彼自身の力だったとしたら恐ろしいものである。
先程の疑問を確かめる意味も込めて、もう一度様子見程度の力でハンマーで攻撃するも、今度は弾かれてしまった。防御力だけでなく、パワーもかなりのものだった。
弾かれて体制が崩れてしまったところに、すかさず相手の大斧が襲いかかってくる。
くそっ、判断ミスだ。いくら動揺していたからといって、脳死で同じ攻撃を2回もするのは悪手だった。
しかし、ただでやられるわけにはいかない。20の岩石を消費し、体の前に岩石の壁を作り出す。
地面から生えた岩石が相手の攻撃を遮り、轟音が鳴り響いた。ものすごい音から攻撃力の高さが窺えるが、流石に岩石を破壊することはできなかったようで、相手の斧は岩石にヒビを入れて止まっていた。
一度岩石の壁を消すと、体に宿る岩石が96に減っていた。4つ分の岩石は今の攻撃で破壊されてしまったようだ。なんだか悔しい。
そして、攻撃した後は岩石の壁を遮蔽物にして隠れていた相手だが、突然壁が消えて驚いたようだ。先程の失態を挽回するためにも、このチャンスを逃すわけにはいかない。
10の岩石を消費し、相手の足元から上に向けて岩石を生やす。流石に真下からの攻撃は予想できなかったようで、相手は素直に宙へ打ち上げられた。
それをハンマーで打ちつけ、吹き飛んだ先の地面から再び岩石をはやして宙へ吹き飛ばす。
普通の人間なら既に死んでいると思うが、こいつらは魔族、そしてこの相手はその中でも特に丈夫なやつだ。もう一撃行くぞ。
地面から剣山のように尖った岩石を生やし、そこに向け、ハンマーで相手を打ちつける。
すると、岩石同士が勢いよくぶつかり、とてつもない音を生み出した。先ほどから思っていたが、この試合はちょっと爆音を鳴らしすぎだな。
さて、相手はどうだろうか。4回も攻撃を喰らった上、最後は剣山とハンマーに挟み撃ちにされたんだ。流石に倒れたんじゃないか?
『えぐ』
『えぐ』
『終わりだと思ったらまだやりやがったwwwwwwwwww』
『流石に鬼畜で草』
『でも、それくらいしないと死ななそうだよな』
しばらく動きが停止していた相手だが、ゆっくりとよろけながら立ち上がった。驚いたが、動きを見る限り致命的なダメージは与えられたようで、少し安心した。
しかし、Dランク帯なのに異常なほどに防御力が高いな。俺と同じように、ランクはDを超えているタイプなのかな。
それと、スキルは防御力を上昇させるもので間違いなさそうだ。
今にもフラフラしていて、もう抵抗することはできないだろう。どっちみち、こちらに傷をつけられる力はないはずだ。
トドメを刺そうとハンマーを振り下ろすも、タダではやられてくれないようだ。相手も力を振り絞り、ハンマーと打ち合うように斧を振り上げた。
「!?」
ハンマーとぶつかるタイミングで斧が巨大化し、こちらのハンマーが粉々に破壊されてしまった。
「デカ過ぎる……いや、それよりも、武器巨大化スキルだと?」
まさか、まだスキルを使っていなかったなんて思いもしなかった。それでは、先ほどまで見せていたあの防御力は素の能力だったのか。
流石にアイテムや防具での補助はあるだろうが、それでも補助は補助だ。流石にいかれてるだろ。
しかし、今の一撃で全力を使い果たしたようで、崩れ落ちるように地面に膝をついてしまった。
偉そうなことを言うと、どうせならもう少し楽しみたかった。そのスキルも含めて、最初から全力のこの人と戦ってみたいものだ。
相手に敬意を示す意味も込め、残った60の岩石全てを消費した弾丸を打ち出す。
半径10メートルを超える巨大な岩石が地面を抉り、会場を半壊させると共に試合が終了した。
『え、無傷?』
『普通にもう終わったかと思った』
『え、それな?』
『俺あの相手見たことあるけど、普通にこれくらいじゃ死なんと思う』
『この砂埃って、そもそもヴァリアンの武器が壊れたからできてるみたいだし、相当防御力高いね』
流石に動きはしたようだが、まるでダメージが見えない。それどころか、こちらの岩石のハンマーが傷ついて砂埃を立ててしまう始末。
驚いてコメントちらっと見てみると、この相手を知っていると言うコメントがいくつかあった。有名人なのかな。そりゃこれくらいじゃ死なんわ。
しかし、優れているのはどの点なんだろう。防具がそれほどに有能なのか、それとも耐性系や防御力を上げるスキルを持っているのか、単純に体重が重いのか。
まあ、流石にスキルの力だろうな。もし、これで防具や彼自身の力だったとしたら恐ろしいものである。
先程の疑問を確かめる意味も込めて、もう一度様子見程度の力でハンマーで攻撃するも、今度は弾かれてしまった。防御力だけでなく、パワーもかなりのものだった。
弾かれて体制が崩れてしまったところに、すかさず相手の大斧が襲いかかってくる。
くそっ、判断ミスだ。いくら動揺していたからといって、脳死で同じ攻撃を2回もするのは悪手だった。
しかし、ただでやられるわけにはいかない。20の岩石を消費し、体の前に岩石の壁を作り出す。
地面から生えた岩石が相手の攻撃を遮り、轟音が鳴り響いた。ものすごい音から攻撃力の高さが窺えるが、流石に岩石を破壊することはできなかったようで、相手の斧は岩石にヒビを入れて止まっていた。
一度岩石の壁を消すと、体に宿る岩石が96に減っていた。4つ分の岩石は今の攻撃で破壊されてしまったようだ。なんだか悔しい。
そして、攻撃した後は岩石の壁を遮蔽物にして隠れていた相手だが、突然壁が消えて驚いたようだ。先程の失態を挽回するためにも、このチャンスを逃すわけにはいかない。
10の岩石を消費し、相手の足元から上に向けて岩石を生やす。流石に真下からの攻撃は予想できなかったようで、相手は素直に宙へ打ち上げられた。
それをハンマーで打ちつけ、吹き飛んだ先の地面から再び岩石をはやして宙へ吹き飛ばす。
普通の人間なら既に死んでいると思うが、こいつらは魔族、そしてこの相手はその中でも特に丈夫なやつだ。もう一撃行くぞ。
地面から剣山のように尖った岩石を生やし、そこに向け、ハンマーで相手を打ちつける。
すると、岩石同士が勢いよくぶつかり、とてつもない音を生み出した。先ほどから思っていたが、この試合はちょっと爆音を鳴らしすぎだな。
さて、相手はどうだろうか。4回も攻撃を喰らった上、最後は剣山とハンマーに挟み撃ちにされたんだ。流石に倒れたんじゃないか?
『えぐ』
『えぐ』
『終わりだと思ったらまだやりやがったwwwwwwwwww』
『流石に鬼畜で草』
『でも、それくらいしないと死ななそうだよな』
しばらく動きが停止していた相手だが、ゆっくりとよろけながら立ち上がった。驚いたが、動きを見る限り致命的なダメージは与えられたようで、少し安心した。
しかし、Dランク帯なのに異常なほどに防御力が高いな。俺と同じように、ランクはDを超えているタイプなのかな。
それと、スキルは防御力を上昇させるもので間違いなさそうだ。
今にもフラフラしていて、もう抵抗することはできないだろう。どっちみち、こちらに傷をつけられる力はないはずだ。
トドメを刺そうとハンマーを振り下ろすも、タダではやられてくれないようだ。相手も力を振り絞り、ハンマーと打ち合うように斧を振り上げた。
「!?」
ハンマーとぶつかるタイミングで斧が巨大化し、こちらのハンマーが粉々に破壊されてしまった。
「デカ過ぎる……いや、それよりも、武器巨大化スキルだと?」
まさか、まだスキルを使っていなかったなんて思いもしなかった。それでは、先ほどまで見せていたあの防御力は素の能力だったのか。
流石にアイテムや防具での補助はあるだろうが、それでも補助は補助だ。流石にいかれてるだろ。
しかし、今の一撃で全力を使い果たしたようで、崩れ落ちるように地面に膝をついてしまった。
偉そうなことを言うと、どうせならもう少し楽しみたかった。そのスキルも含めて、最初から全力のこの人と戦ってみたいものだ。
相手に敬意を示す意味も込め、残った60の岩石全てを消費した弾丸を打ち出す。
半径10メートルを超える巨大な岩石が地面を抉り、会場を半壊させると共に試合が終了した。
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